『先生』を愛した赤龍帝   作:女騎士

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二週間も空いてすみません


五話

堕天使に傷つけられた兵藤君を癒し終えた私は現在、中学校へと戻り、出来るだけ早く仕事を終わらせていた。

 

急がないと、急がないと

 

普段の倍のスピードで仕事を終わらせていく私を怪訝に思ったのか、隣の席で同じく仕事をこなしていた一色先生に話しかけられた。

 

「あの、グレイフィア先生。何か急を要する事があるなら代わりに仕事やっておきましょうか?」

 

え、ホントに⁉︎...ってダメよ。後輩に仕事押し付けるなんて出来るわけないでしょ。

一瞬、甘い誘惑になってしまいそうになってしまった私は頭を振って、自分に「ダメだ」と言い聞かせ、首を振った。

 

「・・いえ、大丈夫よ。ありがとう、一色先生」

「・・そうですか?それなら良いんですけど...」

 

心配そうにこちらを見つめる一色先生に笑みを見せた私は再度、仕事に取り掛かり、仕事を終わらせた私は一色先生に「今日は送ってあげられない」と断りを入れ、赤髪の女子高生が待つ先程、兵藤君が襲われた公園へとバイクを飛ばして向かったのだった。

 

ー○●○ー

 

公園内へと入ると、先程とは別の人払いの魔法が公園全体に展開してある事が認知できた。

流石、元・72柱の家の出ね。あの歳でこれだけの魔法を張れるなんて。

自分が彼女と同じ歳の頃よりも数段、彼女の方が優秀である事に感嘆した私が彼女達の待つ場所へ駆けると、兵藤君はベンチに横になっており、彼の頭の部分を寝やすい様に自分の太ももの上に乗せた彼女がいた。

世間一般的に『膝枕』と呼ばれる状態で兵藤君は眠っていた。

 

「あ、あの」

「・・可愛いわね。彼」

「へ?」

「何時もは性欲が強くて学校の問題児の一人にあげられてるけど、こうしている時は年相応のあどけなさがあるわ」

 

髪を撫でて微笑む彼女の言葉を聞き、内心で彼が通う駒王学園の先生方に謝辞を述べていると、「ん...」と声を上げた兵藤君が瞼を薄っすらと開けた。

 

「⁉︎ リ、リアス先輩...?」

「あら、私のこと知ってくれてるの?」

 

彼女が兵藤君の問いに問いで返すと、後頭部に違和感を覚えたのか、頭を回転させて、現在の状況を確認する。

 

「へ...⁉︎あ、あの、リアス先輩。一つ宜しいですか?」

「ええ。良いわよ」

「俺は、何故に先輩に膝枕されてるのでしょうか?」

「あら、嫌だったかしら?」

 

兵藤君の質問に揶揄い混じりで返答するリアスさん。

リアスさんの返答に兵藤君は慌てて、彼女の言葉を否定し言葉を選ぶ。

 

「え⁉︎あ、いや、全然嫌じゃないです...むしろ、有り難いというかなんというか...」

 

顔を赤くして段々と言葉のボリュームが小さくなっていく兵藤君。

・・むぅ...何でだろう?兵藤君が起きたのは喜ばしい事なのに何かモヤモヤする...。

リアスさんに揶揄われ、照れる兵藤君の姿を見て、モヤモヤした私は、その感情を片隅に置き、兵藤君に話しかけた。

 

「そろそろ気づいて欲しいな、兵藤君?」

「え...グ、グレイフィア先生⁉︎ど、どうしたんですか?こんな所で」

 

慌ててリアスさんの太ももから頭を上げる兵藤君。

あれ?何か怯えてない?

私、そんなに怖い表情してない筈なんだけど...。

私が両頬を手で擦っていると、兵藤君を膝枕していたリアスさんの表情が変わっていく。

 

「グレイフィア⁉︎ひょ、兵藤君、彼女はグレイフィアって言うの?」

「え?ええ。あの人は、俺の中学時代の先生ですけどそれがどうかしたんですか?」

 

リアスさんの驚きぶりに困惑しながら兵藤君は私との関係を簡潔に答える。

兵藤君の言葉を聞いたリアスさんは再度驚き、数秒の間、顎に手を当てブツブツと呟いた後、私の方へ鋭い視線を送った。

 

「・・どうして貴女がここにいるか事細かく説明をお願いできますか?グレイフィアさん」

「・・良いわよ。そう来る事はさっき、貴女に見つかった時から分かっていたから...」

 

彼女は自分の過去の事を訊いているのだろう。

彼女から送られる視線に「継戦派に属していた貴女がどうしてこんな人間界にいてひっそりと暮らしているの?」という意味が含まれている事を悟った私は、私達が現在醸し出しているただならぬ雰囲気に先程よりも更に困惑した表情をしている兵藤君に私は問いかけた。

 

「ねぇ、兵藤君」

「は、はい!」

「君は『悪魔』っていう存在をどう考えてる?」

「あ、悪魔ですか?テレビとか見ている限りでは、人間の要望に応え、対価を支払わせ、それを糧に生きる存在でしょうか?後は、そうですね...実際にいるとは思えません」

 

突然、私に問われ、困った顔を見せた兵藤君だったがそこは高校生。自分が見た過去の経験を元に、自分の考えを言葉を選んで答えてくれる兵藤君に「そう」と相槌を打った私は「ありがとう」と謝辞を述べ、次の話に移る。

 

「じゃあ、兵藤君。もう一個質問させてもらうわね。君は何故、どういう過程で先程までリアスさんの太ももの上に寝かされていたか覚えている?」

「え、それは勿論... ッ⁉︎」

 

私が続いてもう一つ質問を投げかけると、再度、自分の過去を振り返った兵藤君は先程、自分の身に起こった事を思い出したのか表情を豹変させ、素早く自分の腹部に手を当てる。

 

「穴が空いて、あんだけ血が出てたのに塞がって...⁉︎」

 

私の質問を聞き、素早く自分の腹部へ手をやった兵藤君は自分に何があったのか全て思い出したのか私の質問に答えてくれた。

 

「・・・というわけなんです」

「・・」

 

兵藤君に私が駆けつけるまでの話を聞いた私は憤慨と共に驚愕した。

何故なら、彼の話の中に『神器』という言葉があったからだ。

私が彼の教師をしてた頃にそんなオーラは感じられなかった。

高校に入って宿ったのだろうか?

私が考えに耽っていると、ふと私に視線が送られている事に気がついた。

 

「あ、ごめんなさい。ありがとう、兵藤君。・・あと、最後にもう一つこれは質問じゃなく、兵藤君にね伝えておかないといけない事があるの」

 

兵藤君に謝辞を述べた私は、リアスさんに目配せし、とうとう自分が悪魔である事を明かすのだった。




ちょっとずつですみません。
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