顔だしNGのアイドルA   作:jro

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麗さんが私に連絡をくれた。ナギサさんが来たと。

 

事務所にふらっと現れたナギサさんを麗さんがいち早く確保。そして彼女がトレーニングルームを使いたいというのでそのまま使用許可をだして放り込んだらしい。

 

麗さんもナギサさんとは面識があり事情も把握しているからこそ私に連絡を入れてくれたのだろう。プロデューサーさんに連絡を入れるかどうか迷ったがすぐに入れることはせず私は麗さんにお礼を言い直ぐに部屋を出た。

 

駆け足でトレーニングルームまで行き、その扉の前。開くだけなのになぜかその開けるだけができない。プロデューサーさんになにも言わずに来てしまったはいいもののなんて顔をして会えばいいのだろう。始めの言葉は?話題は?いろんな娘と関わってきたけれどここまで会うのが憂鬱になることは初めてだった。

 

勿論ナギサさんのことを嫌っているわけではない。一緒にライブに行った仲だしこれからアイドルとしてもっと活躍していくだろうし、私もそれを応援している。

 

只事情が事情だけに立ち止まってしまう。

トレーニングルームの前であーうーと右往左往しているとゆっくりとその扉が開いた。

 

 

「ちひろさん・・・扉の前で何してるんですか?」

 

 

おどおどしていた私をよそに眉を少し下げた困ったような表情でナギサさんは扉の開いた隙間から顔をのぞかせ私を見ていた。

 

 

「き、気づいていたんですか!」

 

「そりゃ見えなくてもあれだけうーうー唸ってれば分かりますよ。とりあえず中どうぞ」

 

「は、はいっ!」

 

 

ナギサさんに促されるようにして中に入る。

 

中はまだ何も触られていない状態で隅にナギサさんの荷物が置かれているだけ。そして私を招き入れた彼女の姿を視認したとき、私は思わず声を上げた。

 

 

「ナ、ナギサさんっ!その髪、それに服も!どうしたんですか!?」

 

 

私が見た彼女の姿は最後に会ったあの日よりも確かに変わっていた。

 

目元を隠すようにのばしていた前髪をパッツリと切り自分がコンプレックスだと言っていた目を惜しげもなく晒し、今までパッとしない地味なような服装であった彼女がお嬢様のような白いロングワンピースを身にまとっている。

 

今までの彼女はこんな格好などしなかっただろう。自分を見せるような、いや魅せるようなそんな恰好は好んではいなかった。今まで隠していた瞳もその鋭さの中に確かな温かさを映している。

 

驚いた顔をする私とは対象に彼女はまた少し頬を緩め、眉を下げながら指先でワンピースをつまんで持ち上げた。

 

 

「やっぱり・・・似合いませんか?」

 

「そんなことないです!むしろ似合いすぎてっ!あのっ、えっと、なんて言ったらいいのかわかんないんですけどとにかくすごいです!」

 

 

ふふ、昔気に入って買っちゃった服なんです。と少し頬を染め照れた様子で言うナギサさん。

 

外見はすごいクールなナギサさんのそんな様子に思わず内心で身もだえると、ある違和感が私を襲った。

 

 

(ナギサさんってこんな雰囲気でしたっけ!?)

 

 

今まで見てきた私のナギサさん像は一見クールでありながらその経験から自分をあまり見せたがらず、基本的に誰と話すときでもこんな風に頬を緩めたり気を緩めたりすることはしない人だった。

 

そういった仕草もそうだが隠さなくなった目元や衣服がなお彼女の印象を塗り替えていく。

 

 

「えっと、どうかされましたか?」

 

「い、いえ。だいじょうぶです。」

 

 

突然顔を近づけられたからだろう。思わず挙動不審になってしまった。そしてそんな私を見てナギサさんは何かを察したように顔を曇らせた。

 

そうだ、ナギサさんがいかに前とは違うとは言えまだ問題は何も解決してはいない。

彼女がアイドルとして居続けてくれるのか、歌手の道へと進むのか。彼女がここに来たということはその答えを見つけたのだろう。

 

 

「あの、ナギサさん今日は・・・」

 

「はい。今日プロデューサーに話すつもりです。」

 

 

そう言ったナギサさんは私の目をしっかりと見据えていた。もう覚悟も何もかも終わってあとは前に進むだけ。その目を見て不意にスランプに陥ったアイドルたちが立ち直ったときも同じような目をしていたのを思い出した。

 

 

あぁ、いいなぁ

 

 

私は職業柄そういう場面に出くわすことがそれなりにある。もちろんそのまま折れてしまう娘も多い中、立ち上がった娘のなんと眩いことか。そしてその決定的な場面にいつも立ち会うことができない自分を恨めしく思う。そしてその娘を変えたであろう出来事に感謝する。

 

 

「それならどうしてここに?プロデューサーのところにはまだですよね?」

 

 

だからこそわざわざトレーニングルームに来た理由が分からなかった。

荷物も小さなカバンを一つだけ。今からレッスンするようには見えない。大きなミラーがあるだけで運び込まない限り特に目立ったものはない。

 

ナギサさんは私に背を向け、何かを確かめるようにゆっくりと歩き出した。

 

 

「色々考えたんです。それで色々伝えたいことができたんです。」

 

「私のこと。今までのこと。これからのこと。」

 

「でも私は話すことが得意ではないですし、武内プロデューサーもコミュニケーションが苦手でしょう?」

 

 

クスクスと笑いながら話し続ける。

 

 

「だから私は私の一番自信のあるやり方で伝えようと思うんです。今の私を。そしてこれからの私を。」

 

 

そう言い私の方へと振り返ったナギサさんは『いい笑顔』をしていた。

 

 

その話を聞いたとき私は不思議と納得していた。彼女はそれだけ本気でプロデューサーさんに何かを伝えようとしている。

 

 

「それでは今からプロデューサーさんに?」

 

「はい。一応電話しようと思っていたんです。けれど」

 

 

そう区切ると今度は扉の方へと向かって歩を進め、そしてドアノブに触れたところで彼女は少しはにかんで告げた。

 

 

「ケータイを忘れてしまって、だから今からプロデューサーの部屋まで行こうかと」

 

「ちょぉーっとまってくださいっ!私が内線で掛けますからナギサさんは部屋から出ないでください!」

 

「でも、そうしないと伝えられませんし。」

 

「私が内線で掛けますから!今のナギサさんを自由に歩き回らせるわけにはいかないんですっ!」

 

 

えぇっ!と驚いた様子の彼女の腕を引っ張ってドアから離す。そしてすぐに部屋の内線の受話器を取りプロデューサーさんの部屋番をコールする。

 

未だに納得できていない様子のナギサさんだが、彼女が今の自分がどんな格好をしているのか正確に把握できていないのは間違いない。

これまでは地味目な服装を心掛け、彼女自身も目立つようなことをしなかったからあまり他の娘たちにも認識されずに済んでいるが、もし今のバージョンアップしたナギサさんが見つかるようなことがあればきっと騒ぎになる。タダでさえややこしい立場なのにそんなことをさせるわけにはいかない。

 

電話を掛け、数コールもしないうちにつながった。

 

 

『はい、武内ですが』

 

「プロデューサーさん!詳しいことは後でお話ししますので今はあのトレーニングルームに、今すぐに来れませんか?」

 

『と、突然どうなさったんですか!?』

 

「・・・ナギサさんが来てるんです」

 

『っっ!』

 

 

電話に出たプロデューサーさんに捲し立てるように言うと、思わずプロデューサーさんが息を呑んだのがわかった。私が続けようとした時、いつの間にか私の真後ろまで近づいてきていたナギサさんがそっと受話器を抑えていた私の手に手を重ねると自然な動作で私から受話器を取り、自分の耳に当てた。そして小さく深呼吸をすると「もしもし」と話し出した。

 

 

「武内プロデューサーですか?私ですナギサです」

 

 

そう話し出した彼女はわずかに頬が上がっていた。

 

 

そこから紡がれたのは彼女の苦悩の結晶。

 

アイドルになって彼女がずっと背負い続けてきた、いや私たちが背負わせてしまったもの。そして彼女が思い描いてきたアイドルとしての形。

 

プロデューサーさんに向けて話しているはずなのにそれは一人の独白のようで、一つ一つ彼女が抱えていたものを氷解させるように話していく。

 

アイドルという存在と自分の認識の差。意識の乖離。それを身をもって知ってしまったのだと彼女は語った。

 

そしてその話を聞いているうちに私はハッと思い至ってしまった。

 

 

もしかして、あの時私が安易にライブに連れて行ったのが原因なのかと

 

 

思い出せばあのライブからだった。

でもライブでのナギサさんは私が出会って初めて見た彼女が歌っている以外でのはしゃいでいる瞬間だった。間違いなくあの場は楽しんでくれていたと思う。だけれどあのライブがナギサさんに重荷を背負わせる要因になってしまったのかもしれない。

 

顔が青ざめていくのがわかる。私は気分転換と彼女にアイドルの魅力を知ってもらおうと誘ったライブが結果として彼女を苦しめてしまったのかと

 

今更自分がしてしまったことに頭が真っ白になる。思わず電話している彼女の方へと目を向けると、もう受話器を置くところだった。

 

 

「あ、あの・・・」

 

「ふぅ、ありがとうございますちひろさん。無事に伝えることができました・・・」

 

「い、いえ」

 

 

少し満足げな様子のナギサさんを直視できず、視線をそらしてしまう。本当にライブが原因かは分からない。だけれどもしかしたらという不安が私の心を重くする。

 

サポートしなくてはいけないはずなのにサポートするはずの人間が苦しめていたなんて考えたくもなかった。

 

それでも聞かなくちゃならない。もしそうなら私は今すぐに彼女に謝らないといけない。

私は声を震わせながら口をおずおずと開いた。

 

 

「ナギサさん・・・もしかして、もしかしてですけど・・・私がライブに誘っちゃった事が、ナギサさんを・・・苦しめてしまったんでしょうか?」

 

視線が下がっていく。

目頭が熱くなって、視界がゆがんでくる。恐怖と情けなさが同時に押し寄せてきて胸が苦しくて仕方なかった。

 

 

「気分転換できればと・・・アイドルの魅力を知ってくれればと・・・でも、もし苦しめていたのなら私はっ!「ありがとうございます」・・・え?」

 

 

ナギサさんのそんな言葉に思わず顔を上げた。

視線の先のナギサさんは先ほどの僅かに微笑んだのまま、私をまっすぐに見つめていた。

 

 

「えっ、あ、ありが、とうって・・・?」

 

「私、あのライブに連れて行ってくれたちひろさんには本当に感謝しているんです。確かにあのライブで自分がどれだけダメなのかっていう事は嫌でも理解させられました。でも、あの一瞬は。あのライブの一時は本当に楽しかったんです。自分でも驚くぐらい盛り上がっちゃって、こんなに心が熱くなれるモノがあるって知れて。本当に、本当に楽しかったんです。私もあの場所に立ちたいと思うくらいに。」

 

 

だから

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

そう言ってナギサさんは私の目から零れ落ちそうになっていた涙をポケットから取り出したハンカチでそっと拭ってくれた。

 

もう何を言っていいのかわからないくらいに感極まってしまった私にナギサさんは、それにと続けた。

 

 

「もうそろそろ武内プロデューサーも来ちゃいますから。」

 

 

そう言うのとほぼ同じタイミングでコンコンと控えめな音が扉から鳴った。私は慌てて涙をぬぐい精いっぱいナギサさんにもう大丈夫という意味を込めて笑いかけた。

 

そしてノックから逡巡、ゆっくりと開かれた扉の先から顔を青ざめさせたプロデューサーさんがはいってきた。

 

 

「な、ナギサさん」

 

「はい。武内プロデューサー。」

 

 

二人は見つめあった状態で静止する。

ナギサさんは柔らかい雰囲気のままに、プロデューサーさんは今から断罪される罪人のように、まるで対照的な二人。そんな二人の久し振りの会話はごく穏やかに始まった。

 

ナギサさんは今にも自殺しそうなほど思いつめた様子のプロデューサーさんの姿に困ったような嬉しそうなそんな複雑な表情を浮かべていた。

 

そしてそんな不思議な空気の中。先に口を開いたのはプロデューサーさんだった。

 

 

「色々・・・聞きたいことはあります。話したいこともあります・・・。ですが、まずはこれだけは言わせてください。」

 

 

そう重々しく切り出したプロデューサーさんは泣きそうなほど歪んだ顔をしながらゆっくりと後頭部をナギサさんに向けた。

 

 

「私はナギサさんの担当プロデューサーでありながら、プロデューサーとして何一つ支えてあげることができませんでした。」

 

「シンデレラプロジェクトの忙しさを言い訳に、ナギサさんとかかわる時間が減り、そしてこうなってしまうまで貴女の悩みに、苦しみに気づくことができず。」

 

「私を信じてアイドルになっていただいたのにも関わらず、ただ私がナギサさんに思い描いた理想を押し付けるだけでずっと苦しませてしまいました。」

 

 

本当にすみませんでした。と、ただただプロデューサーさんは頭を上げることなく、罪を懺悔するかのように紡いでいく。

 

 

「謝らないでください。もともと私自身の問題です。こうなってしまったのも私がうじうじしていたから・・・」

 

「ナギサさんは悪くありません!私がプロデューサとしてもっと!」

 

「いえ、結局私はアイドルとして活躍するのは難しかったのでしょう」

 

 

その言葉を聞いてプロデューサーさんは唇をくやしそうに噛みしめた。それは後悔からか無力感からか。

ナギサさんは本当にアイドルをやめてしまうかもしれない。そんな思いが胸中を締める。

 

でも、だからと続けたナギサさんの表情は今までよりもずっと晴れやかだった。

 

 

 

 

「私は武内プロデューサーが思うようなアイドルにはなれません」

 

 

 

 

ナギサさんがはっきりと告げた。アイドルにはなれない、と。

息を呑んだプロデューサーさんと視線を交差させながらナギサさんは続けて口を開いた。

 

 

「ずっとわかっていたことです。私はアイドルとして活躍する娘たちのように応援してくれる人全員の為に歌うことはできません。今までだってずっと自分の為に歌ってきたんです。歌いたいから、聞いてほしいから。私は結局自分自身の為にしか歌えない。」

 

「見てくれる人応援してくれている人全員を思い、全員に笑顔を与え、一緒にライブを作り上げていく。私がステージに立っても同じことは思えない。応援してくれていても、ファンだといっても顔も知らない、名前も知らない人の為にすぐに恐怖を覚えてしまう私が、私の歌を聞いてもらう事なんてできないでしょう。」

 

 

それはナギサさんの心からの想いなんだろう。真剣にアイドルについて考え、真剣にファンについて考えているからこそ出てくる言葉だ。

 

ただ自分がステージに立ちたいや有名になりたいとかそんな俗的な願いではなく。ただ純粋にアイドルとしてライブに来てくれたファンと楽しむことができるのかというファンのことを一番に考えているからこそ出てくる言葉だ。

 

ここまで考えていたからこそナギサさんは『私はアイドルにはなれない』と言ったのだろう。本物を見てしまったからこそその想いは加速した。

 

ファン全員のためにパフォーマンスをする。それは簡単そうに見えて限りなく難しいことだ。誰でも自分と直接関係のない人間に何かをするってことは難しい。それこそアイドルならできて当たり前のことかもしれないがそれがナギサさんにとっては致命的に難しかった。

 

表情を曇らせながら聞いていたプロデューサーにナギサさんは不意に歩み寄った。

そして、その胸にそっと手を置き体を寄せた。

 

突然のその行動に固まるプロデューサーさんをよそにナギサさんは目を閉じ、体をゆだねるようにして続けた。

 

 

「だから・・・だから私は武内さんだけでいいです。貴方の為に・・・歌います。」

 

「えぇ!?」

 

 

ナギサさんがくっついていたのはほんの数秒の事。そっと体を離し、満足げな表情で一歩二歩後ろへ跳ねるようにして距離をとった。

 

 

「こう言うと怒られてしまうかもしれませんが、私はまだ全員の為になんてことはできません。だから今はプロデューサーの為だけに貴方だけのアイドルとして歌っていこうと思います。」

 

「そ、それでは」

 

「はい。それで、いつか私をあのステージの上に立たせてください武内プロデューサー」

 

 

そう言った彼女は今日一番の笑顔で。出会う前の歌を聞いてプロデューサーさんが望んだ彼女の笑顔だった。

 

 

数秒間呆けた後、再起動を果たしたプロデューサーさんが聞いたことは活動を続けていくということでいいのかという事だった。プロデューサーさんは真面目だから今回のことについて重く受け止め、二度と同じ間違いはしないようにするだろうがそれでも犯したことは無くならない。続けることが彼女の本心であるか、それが一番重要だった。

 

そう聞いた彼女は一瞬の迷いもなく「貴方が、いえ貴方しか考えられません。」と返した。それに対して「今度は決して間違えません。貴方はトップアイドルにして見せます」と漢らしく告げるプロデューサーさん。

 

 

って今まで黙ってましたけどナギサさんなんだかプロデューサーさんに近くありません!?

いえ、まぁこの空気に水を差すようなことはしませんけれど・・・結果としてすごくいい結果にまとまったんですけれど釈然としないような・・・。

 

私が一人で悶々としている間にナギサさんはまたプロデューサーさんに近寄っていた。

 

 

「それで、武内プロデューサー、歌を・・・聞いてもらいたいんです」

 

「歌・・・ですか?」

 

「はい。『私の歌』・・・私が初めて誰かのためを思って歌う『これからの歌』を聞いてほしいんです。」

 

 

CDとか持ってきてないのでアカペラになるんですけれど精一杯歌います。と気合を入れるナギサさん。

 

この格好もアイドルっぽいかなって思ってしたんですよ?と言うナギサさんにそう言われてようやく普段と全く違うナギサさんの恰好を視認して固まるプロデューサーさん。

 

そして、『それでは聞いてください』というナギサさんの声と共に奏でられる透き通るようなナギサさんの歌声を背に私はトレーニングルームの外に出た。この歌は私がまだ聞いちゃいけないものだと思ったから。聞きたいという気持ちはあるがそれは後々に取っておこう。そう思った。

 

そしてなぜかわずかに開いた扉を開け外へ出た瞬間、傍に膝を抱えて座る私の良く知る少女がそこにはいた。

 

 

「凛ちゃん!?」

 

「ちひろさんは知ってたんだね」

 

 

何が、とは言わなかった。もう気づいてるんだろう。

凛ちゃんがナギサさん・・・いや凪さんについて並々ならぬ感情を抱いていることはプロデューサーさんから聞いていた。

話したいことや聞きたいことがあるだろうに、その気持ちを押し殺して今の話を聞き続けていたのだろう。

 

 

「ごめんなさい・・・ナギサさんについて話せなくて。」

 

「ううん、私も勝手についてきちゃったし。盗み聞きしたことについてはこんど凪と一緒にステージに立った時に謝るよ。」

 

「それって・・・」

 

 

膝に顔をうずめていた凛ちゃんは、それに、とすくっと立ち上がりまっすぐに今まさにナギサさんが歌っているだろうトレーニングルームを見つめた。そして

 

 

「ファン一号はプロデューサーに譲るけど。ファン二号は私だから」

 

 

といい笑顔でつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやく一区切りといった感じで書き上げることができました。

ここまで相変わらずの誤字、ブレブレな設定、へたくそな文章、長い期間が開いたこともあったりながらもお付き合いしてくださった皆様には本当に感謝しかありません。

一区切りということではありますが、ここからの主人公の活躍も書いていきますのでお付き合いいただける方はぜひ暇つぶしにでもなれば幸いです!
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