やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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とうとう奴の登場です。


腐り目と最凶の出会い

side東方仗助

 

ニセ者の俺だった奴は、最早人とは思えぬ動きで丈城達に遅いかかった。

 

偽仗助だった何か「コkココかギギgeえエッ」

 

一同「おっと!?」

 

すんでのところで回避した一同。攻撃目標を失った事で床に激突し、頭部があらぬ方向に捻じ曲がる。グレートにグロいぜ…。

しかしそれでもすぐに復帰。今度は紅髪に迫った。

 

ジョジョ「リア!」

 

リア(仮)『王』を舐めないで頂戴! 滅びの力を食らいなさい!」

 

シェイクスピアか?「ハムレット」とか加えるべき?

いずれにしてもシェイクスピア作の悲劇の代表作ではあるのだが……。

 

リアは左腕を突き出すと滅びの一撃を打ち出した。

攻撃は見事ヒット。だがそれはニセ仗助だったものを吹き飛ばしただけですぐに起き上がってしまう。ダメージは加算されているのか、先程よりも吹き出す黒い粒子の量が多くなっている。

 

金髪「部長、攻撃は通っているみたいです!」

 

青髪「滅びの一撃が通るのならコイツも通るな。デュランダルッ!」

 

デュランダル?確か8世紀のスペインのイベリア半島におけるローランの歌に出てきた剣の名前だよな?

ローランの歌や元となるロンスヴォーの戦いなんかは忘れられても剣の名前だけは有名になったって言う…。

 

イケメン「僕も行くよ!『双覇の聖魔剣』!」

 

 

今度はイケメンと青髪が特攻。自らの刃を携えて斬りかかる。

けどよぉ…やっぱりこいつらも…

 

仗助「やっぱあいつらもスタンド使いじゃねぇか!!」

ジョジョ「いーや、あれはスタンドじゃない。うちの仲間は全員何かしらの戦闘スタイルを有していてな、聖剣使いだったり超能力所持者だったり……まぁ、似て非なる能力者っつー解釈であってるかな」

 

仗助「せ…聖剣?」

 

おいおい。異世界といってもいきなり聖剣はないだろう?

あまりの突拍子のないことで目が点になる俺をおいていきぼりに、ワンパターンの攻撃を避けながら切りつけてゆくイケメンと青髪であったが、依然として偽物だったものはピンピンしている。

 

青髪「クソッ、こいつデュランダルの一撃を食らっても倒れないぞ!」

 

イケメン「攻撃は通っている筈だ。一撃がダメなら連撃で押して行こう!」

 

青髪「了解だ!」

 

 

息のあった連携を駆使しながら立ち回るイケメンと青髪。まるでアーシスのようにチームとして連携が取れている。

俺が仰天と初見のオンパレードに思わず固まっていると、意識を向けるためにジョジョとかいう野郎が小突いた。

 

ジョジョ「……んで、あんた。腹の具合はどうよ?」

 

仗助「えっ?」

 

そういえばマジでエメラルド・ヒーリングの治癒を受けたように傷も痛みも無くなってやがる。

そして何か『赤い籠手みたいなのを』を展開し、指をパキパキと鳴らして気合を入れなおし始める。

これもスタンドかぁ?

 

ジョジョ「アーシアに治療は施してもらったんだろ? まさかここでスゴスゴとバトンタッチしてもらおうなんて思ってねぇよな?」

 

あの金髪はアーシアっつうのか。城廻のような声をしていろはのような能力を持ってるんだな。

人間、混乱するとどうでも良いことばかり考えちまうんだよな。

 

仗助「……………………」

 

アーシア「じょ、ジョジョさん!? いくらなんでもそれは……!」

 

リア「……アーシア、多分止めても無駄みたい」

 

ジョジョとかいうガキが俺を挑発している事に気付いたアーシアが慌てて止めようとするも、別のことに気がついたリアが静止。ついでに俺の方に目を向けるよう促した。

 

アーシア「あ」

 

てんめぇ……このくそガキ。

この東方仗助様を挑発するなんざぁ10年早いんだよ。

いくら衰えたっつったってよぉ、テメェごときになめられるほどヤワな人生は送ってねぇんだよ!

見せてやるってもんよ!戦いの年季ってのはよぉ、ジジイや承太郎さんだけじゃあねぇってことをよぉ!

テメェが何代目のジョジョかはわからねぇけどよ!ジョジョの名を持つものの名前を見せてやっからよぉ!

たまげるんじゃあねぇぞコラァ!

 

ジョジョ「原型が無くなったから、さっきより殴りやすくなったぜ。対策も立て終わったし、そろそろ締めるとすっか……」

 

仗助「おう、そうだな……。あれだけ面が潰れてンなら簡単だ。既視感バリバリのメッキが剥がしてくれて感謝するぜ……」

 

ゴゴゴ…と迫力を醸し出すスタンド使い二人。完全に殺る気スイッチが入った。

 

ジョジョ「……やるか?」

 

仗助「……やろうか?」

 

俺とジョジョは一気に間合いを詰める。

へっ!やるじゃあねえか。俺のスピードに張り合うなんてよぉ!

 

その他一同「「「「!?」」」」

 

 

イケメンと青髪が相手していた筈の仗助だったものも忽然と消え失せて……

 

ジョジョ「ゥオラアアァァァ───ッ!!」

 

仗助「ドラララアアァァ───ッ!!」

 

(ドグシャアッ!!)

 

次の瞬間、それをWアッパーカットで殴り飛ばし、天井と屋根を突き破って夜空に向かい天◯突破するジョジョと俺の姿があった。

ジジイの技、アッパー、『師の教え』(実際は落ちてきたその後にストレートパンチと波紋を流すのだが)だ。

へ、間抜けだぜ!

 

 

side広瀬康一

 

道案内の女性二人に連れられてから3分が経過。ようやく目的地が近くなってきた。その周囲は勝負の余波のためか、待ち合わせ場所程ではないがそれなりに荒れていた。

 

子猫「……多分、この近くの家の中」

 

めぐり「家の中に勝手に入っちゃダメだと思うなぁ。東方社長」

 

めぐりのツッコミは最もであるが、それ以上の被害が出ている時点で殆ど崩壊している。

 

康一「逆を言っちゃうと仗助君らしいよね。戦う場を考えないんだもん」

 

露伴「はた迷惑な話ではあるがね」

 

ああ、仗助ならやりそうだと妙に納得してしまう一同。この近くの民家の中にいるという仗助と合流すべく、気を取り直して捜索に集中する。

 

そうして僕がふと、ある民家に目を向けた時だった。

 

 

??「ゥオラアアァァァ───ッ!!」

 

仗助「ドラララアアァァ───ッ!!」

 

一同「!?」

 

聞き覚えのある掛け声と共に、その民家の屋根を突き破って何かが飛び出してきた。

 

康一「うわぁっ!! な、何!?」

 

その光景に足を止める一同。すると女性の方が飛び出した何かを見てこう口にした。

 

朱乃「あらあら。彼ったら、もう始めてしまったみたいですわね」

 

露伴「あれが彼……? いや、あれは彼というより彼らと言うべきじゃないのか?」

 

飛び出した影は三つだ。

一つは何やらよくわからないモヤモヤに包まれた何か。そしてそれを某銀色の宇宙人よろしく殴り飛ばす二人分の人影。

おそらく女性の言う彼というのは後者の方であろう。露伴先生の言う通り、複数形で表すのが適切だと思うのだが。

 

子猫「……一人違います、あのシルエットは」

 

露伴「え?」

 

すると人影を詳しく特定した小猫が露伴の言葉に待ったをかけた。それに反応し、一同が再び二人分の人影に目を凝らす。

 

手前の人影はボリュームのある茶髪で、女性や少女と似た制服を着用している。彼と言うのはこの男の事らしい。

そして奥の人影はなんと……

 

億泰「おおっ、仗助だ! あれ仗助じゃねぇか!?」

 

音石「あっホントだ! しかもアイツめっちゃピンピンしてるし!」

 

探していた仲間の仗助だった。

介抱されて調子を取り戻したのか、とりあえずあの様子ならばもう心配はいらないだろう。

 

仗助「こンのスッタコがぁぁぁ─────ッッ!!」

 

茶髪「パチモンを相手のゴールにシュゥゥゥ─────ッッ!!」

 

 

滑空中の仗助ともう一人は落下して来たモヤモヤに追い打ちとばかりにパンチと蹴りをお見舞い。図らずも康一達の前の路上に叩きつけた。

 

仗助「ぶっ飛ばすほどグレェェ────ット!!」

 

茶髪「超ッ! エキサイティィ────ングッ!!」

 

息のあった連携プレーに喜びの雄叫びを上げる二人。仲が良くなったのはいいが、訳がわからないものを味方の近くに送らないで頂きたい。

 

康一「わぁっ!? なんか飛んで来た!」

 

子猫「……! 物凄く邪悪な気配を感じます」

 

朱乃「皆さんは下がっていて下さい。ここは私達が対処します」

 

近くにいた僕と露伴先生を庇うように、女性と少女は路上に転がるモヤモヤの前に立ち塞がる。

僕達は即座に、このモヤモヤから言い知れぬ悪意を感じた。

立場が逆じゃあないか。僕たちが二人を守る立場じゃあないのか!

だから僕と露伴先生は逆に二人を守ろうと、自分達も加勢しようとする。

 

露伴「待ちたまえ。いくらなんでも君達二人だけで戦うのは危険すぎるんじゃないのか?」

 

康一「そうですよ! ここは僕たちに任せて……!」

 

 

僕が自身のスタンド『エコーズ』を、露伴先生が『ヘブンズ・ドアー』を出そうとしたその時、突如モヤモヤが祟◯神の如く一同に向かって突進。一番近くにいた女性と少女に遅いかかった。

 

めぐり「危ない!」

 

城廻さんが叫んだ次の瞬間。

 

朱乃「あらあら。私に迫っていいのは彼だけですわ! ハァッ!!」

(カッ、ドォォォォォオオオオオオオオオンッッ!)

 

杜王組「「「「「ッ!?」」」」」

 

朱乃さんが手を上にかざすと、モヤモヤの頭上に魔法陣が浮かび上がる。

さらに彼女がかざした手を前に突き出したと同時に魔法陣から落雷が発生し、モヤモヤに直撃した。

 

朱乃「小猫ちゃん!」

 

子猫「……はい!」

 

続けて飛び出した少女が目にも留まらぬ俊足でモヤモヤに接近。勢いに任せたサッカーキックで空中に蹴り上げると、自身も塀を踏み台に跳躍する。

 

子猫「フカ━━━━━ッニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャァッ!!」

(ドゴォォッ!!)

 

子猫ちゃんはその体格からは想像もつかない程のラッシュを放ち、最後の一発を放ってモヤモヤをぶっ飛ばした。

 

杜王組「「……………………!!」」

 

億泰「す……スゲェ…あのちっちゃい子が仗助みてぇなパンチを繰り出せるなんて……!!」

 

康一「それもそうだけどあの女の人も凄いよ! 音石さんみたいな技を使ってた!」

 

音石「あの威力……相当の電力を使ったみてぇだ。この辺り一帯から獲ったのか?」

 

 

僕たちは唖然となった。そりゃそうだ。

確かに只ならぬ二人組みであることは薄々察していた。しかしこれほど桁違いなパワーを持っているとは思ってもみなかったのだ。

僕と露伴先生はスタンドを出すのを忘れ、ただただ目の前の二人を凝視する他なかった。

 

一方迎撃が成功した二人は、各々手を払ったり掌にプラズマを迸らせたり等して、一仕事やり遂げたようなスッキリした表情を見せる。まるでいろはちゃんや小町ちゃんみたいだなぁ…。そして、

 

朱乃「それじゃあ、あとは彼らに任せましょうか」

 

子猫「……了解です」

 

 

と口にして二、三歩後ずさる。その言葉が言い終わるや否や……

 

仗助「ぬぉ─────────!!」

 

茶髪「じゃお────────!!」

 

 

猛々と土煙を上げながら、二人分のシルエットが曲がり角より向かってきた。その人物は無事に着地して、モヤモヤをぶっ飛ばそうと闘志をたぎらせるこの二人。

 

康一「あっ、仗助君!!」

 

露伴「……と、もう一人はさっきくそったれ仗助と一緒にいた茶髪の男か」

 

露伴先生はまたそういうことを言う…。

闘志…というか殺気は四代目ジョジョこと東方仗助と、女性と少女の仲間の男だった。

 

仗助「野郎! ぶちのめしてやらァッ!」

 

茶髪「ベネ (よし)! なら美味しいトコはお前にくれてやる。存分にやっちまいな!」

 

仗助「グレート! 有り難く乗らせてもらうぜ!」

 

 

一際速度を上げた仗助は立ち上がったモヤモヤの手前でジャンプ。と同時に『クレイジーダイヤモンド』を側に出現させ、渾身の十八番を叩き込んだ。

 

C・D『どらあああああああああーッ』

 

かつては髪型を、今では静ちゃんの事に関して見せる怒っているときの仗助君だ。何があったんだろ。その威力は路面にクレーターが出来る程みなぎっていた。

死ぬよりも酷い結末になるときのパターンだ。

具体的にはアンジェロやアレッシーの刑。

 

億泰「うおおっ、あのラッシュのパワー! いつもよりキレがある!」

 

あらかた殴りつけた仗助は一旦着地し、トドメとばかりに強烈な右ストレートを繰り出す。その方向には茶髪の男が左腕に赤色の籠手のようなものを装備してスタンバイ。

 

仗助「お前もキメてやれ、ビシッとよォ〜!」

 

茶髪「All right! ドライグ、行くぞッ! フルパワーだァッ!!」

 

籠手『Transfer!!』

 

 

電子音声のシャウトと共に籠手の宝玉が発光し、男は両腕を胸の前で交差。変身ヒーロー?それともコレがこの人のスタンド能力?

そのまま跳躍すると、籠手を纏った腕を大きく振りかぶって飛んできたモヤモヤに叩きつけた。

 

茶髪「いかりの、◯っついッ!!」

 

某イナズマなGKを彷彿とさせる技はモヤモヤのど真ん中を確実に捉え、そこからまるでトマトを潰したようにドス黒い粒子が勢いよく噴出。モヤモヤはそのまま塵一つ残さず消え失せた。

 

仗助&茶髪「「勝ったァァ──────ッ!」」

 

仗助と男の子は両拳を天高く突き上げて、今度は勝利の雄叫びを上げる。そして互いに歩み寄ると、掌と拳を突き合わせて喜びを分かち合う。

 

仗助&茶髪「「YEAAAH!!」」

 

(ピシ、ガシ、グッ、グッ)

 

紅髪「二人共。勝って嬉しいのはわかるけど、まだ問題は残っているのよ?」

 

というかさ。仗助君はともかく、何で彼はポルナレフさん式ハンドシグナルを知ってるの?

 

そこへ二人が来た方向から複数の人間がやって来た。いずれも案内してくれた二人と彼が来ている服装と同じ事から、彼らの仲間と見受けられる。女性と少女はリーダー格と思しき赤髪の女性に近付き、親しげに話し始めた。

 

朱乃「遅くなりましたわ、部長」

 

赤髪「あら、朱乃に小猫。別に構わないわ。ジョジョが対処にあたった時点で何とかなるのは目に見えてたから」

 

子猫「……目には目を、歯には歯を。スタンド使いにはゲス成分強めのスタンド使い、ですね」

 

ジョジョ「オイ小猫、ゲス成分強めは余計じゃ」

(((((ジョジョ!?)))))

 

 

僕達は聞き逃さなかった。確かに会話の中で、彼女らは茶髪の男を"ジョジョ"と呼んでいた。

彼らにとってジョジョとは今探している、聖なる遺体となった戦友の事だ。まさかこの世界にもその名を受け継ぐ戦士がいるとでもいうのだろうか。

真意を聞き出したいところだが、先に康一達は探していた仗助に駆け寄った。

 

康一「仗助君!」

 

仗助「ん? おお、康一!? それに皆!! どうしてここに!?」

 

康一「どうしてじゃないよ! 仗助君こそなんで待ち合わせ場所からこんなに離れてるんだよ!」

 

仗助「い、いや、これはちょっとした散歩をしてたら結構離れちまってだなぁ〜……」

 

露伴「嘘つけ。君の顔に嘘だとはっきり書いてある」

 

ジト目で呆れる露伴先生にトドメをさされて仗助君はぐうの音が出なくなる。往生際が悪くなったので、仕方なく非を認めた。

 

仗助「……心配かけて、すんませんでした」

 

康一「本当にもう……心配かけさせないでよね」

 

仗助「はい……」

 

まったく、偉くなってもこういうところは変わらないんだから。

 

めぐり「待ち合わせ場所で私達、偶然あの二人に出会って案内してもらったの。社長もあの人達の仲間に出会ってて良かったね」

 

仗助「ああ、間一髪だったぜ。危うく死ぬ所だった」

 

露伴「まぁ助けてもらったり案内してもらったのは感謝しているが、問題は彼らの素性だ。特にあの男。左腕の変化といい、仲間内から"ジョジョ"と呼ばれている。一体何者なんだ?」

 

仗助「さぁ……? 聞こうと思ったけど、結局聞けずじまいだったからな……」

 

仗助君…八幡くんや静ちゃんならもっと

とりあえず事は済んだので、仗助君は改めて茶髪の男達に話しかけた。

 

 

side東方仗助

 

仗助「さっきは仲間達を含め、助けてくれてありがとう。結構強いんだな。あんた達」

 

リア「どういたしまして、スタンド使いさんとその仲間の方々。早速で悪いのだけれど、聞きたい事が山ほどあるの。話してくれるかしら?」

 

仗助「ああ。なら俺たちもあんた達のことについて色々聞かせてもらうぜ。等価交換だし、良いよな?」

 

リア「ええ、構わないわ」

 

互いに情報交換の許諾を得て、漸く話し合いに漕ぎ着ける事が出来た俺達。謎に満ちた相手側に康一達や相手の方も息を飲む。

 

……が、しかし

 

空間が割れる。

そこから……八幡のお袋さんが出てきた…が、この人は俺の世界の八幡のお袋さんじゃあない!

何だかんだで家族大好きなあの人がこんな力を持っていたら八幡があんなことになるのを許すはずがねぇ!

 

白良「初めまして。私は更に別の時空から来た八幡の母親、比企谷白良よ。こっちは別の世界のオーフィスちゃんね?この世界のオーフィスちゃんとは違うから兵藤くんは驚かないように」

 

オーフィス「よろしく、別の世界のドライグ。我、別の平行世界?から来た」

 

仗助「白良?確か閣下が言っていた…」

 

白良「ファニーちゃんから聞いているのね?私はいろはちゃんがいった世界に一番近い平行世界の八幡の母よ。全ての八幡は私の守る対象。だから今回の事は凄く怒ってるの。やってくれたわね、幻想郷の八雲紫ちゃん。後で『えいっ!』ってしてやらないと。仗助ちゃん達アーシスのみんなが頑張っているから直接は手を出してないけど」

 

仗助「は、はぁ…」

 

白良「仗助ちゃん、いつもありがとね?八幡を気にかけてくれて」

 

ジョジョ「仗助って……この人も東方仗助!?四代目ジョジョの?!言われて見れば髪型以外は面影が…」

 

ジョジョが俺を見て

 

仗助「何でおめぇが俺を知っているんだ?確かに平行世界から来た東方仗助だけどよぉ、この世界には俺もいるのか?あの俺は偽物だったみてぇだしよぉ」

 

白良「いないわよ?このジョジョ君は兵藤丈城君。オーフィスちゃんの世界の兵藤一誠君の異世界同位体で、別の平行世界からの転生者。仗助君の世界の八幡と同じようなものね。八幡はDIOとジョナサンの転生だけど」

 

丈城「何で俺の事情まで知ってるんだ?」

 

白良「ちなみにこんな感じかな?5つの世界を比較すると…」

 

仗助の世界=白良の世界=基本世界=駒王の基本世界=この世界

 

歴代ジョジョ及びSPW財団

いる=いる=いる=創作のみ=なし

 

八幡

いる=いる=いる=いない=いない

 

三大陣営

創作のみ=創作のみ=創作のみ=ある=ある

 

総武高校

ある=ある=ある=稲毛高校=稲毛高校

 

駒王学園

ない=ある=ない=ある=ある

 

白良「こんなところかな?」

 

仗助「基本世界からして既に完全な異世界なのかよ…互いが互いに創作の存在って…」

 

丈城「ややこしいな……けど、憧れの存在が目の前にいるってのは嬉しいぜ。よろしくな東方仗助、虹村億泰、広瀬康一、岸部露伴、音石明、杉本鈴美の城廻めぐり、猫草のカマクラ」

 

仗助「こっちこそな。兵藤丈城、リアス・グレモリー、姫島朱乃、木場裕斗、東城子猫、アーシア・アルジェント、ゼノヴィア・クァルタ」

 

白良「あ、そろそろこっちのあの子が帰ってくるから帰るわね?八幡の事、よろしくね?異変の解決、頑張ってねぇ~♪」

 

丈城「は?異変の解決?どういう事だ?」

 

完全においていきぼりになっている俺達を無視して比企谷白良という人とオーフィスは次元の裂け目に消えていった。っておい!次元の裂け目を戻せよ!

 

白良「はいはい。じゃあねー♪」

 

嵐のような人だった。

そしてまた次の瞬間…。

 

ゴスロリ「わあ」

 

猫草『ニャッ!』

 

(グシャア!)

ジョジョ「背中痛ぁ!?」

 

またしてもオーフィスが現れた。今度は猫草を連れて。

 

仗助「なんだ!? 忘れ物か!?」

猫草「ニャ!?」

 

俺達は来襲とみて再び臨戦態勢に入るが、相手がオーフィスとわかって解かれることになる。

 

ジョジョ「いっつつ……って、あ! オーフィスてめぇ! なんでいきなり背中に落下してくんだよ! 」

 

オーフィス「アパートに、ジョジョも皆もいない。色々探してたら、ここにいた」

 

ジョジョ「理由になってるのかなってねぇんだか……まぁいいや、ひとまず降りろ」

 

どうやらこの世界のオーフィスみたいだ。その口調は不自然に単語毎に区切っていた。そしてその胸に抱えられていたのは、鉢植えに入れられた猫とも植物とも言えない物体。それを見て仗助達は驚愕した。

その容姿は紛れもなくカマクラの転生前である『猫草』だったのだから。

 

カマクラ「ニャ……ッ?」

 

康一「あれは……『猫草』だよね? なんで…?」

 

露伴「さぁね。平行世界の一つに来ているわけだし、どんなものが来ても僕はもう驚かないぞ」

 

各々のリアクションを取る俺達。露伴の野郎だけは慣れたようだが、その心中はわからない。

しかしその余裕は直後、音を立てて崩れることになる。

 

ジョジョ「ん? ねぇ、オーフィスちゃん。その手に持っているのは何かな?」

 

オーフィス「次元の狭間に、落ちてた。不味いお菓子」

 

ジョジョ「不味いってことはお前食ったな!? ダメだっつったろ〜、落ちてるもん食べたらバッチいって」

 

オーフィス「ジョジョがくれたお菓子に、似てる。だから食べてみた」

 

ジョジョ「……これ麩菓子じゃありません。人の…足?」

 

リア「なにこれ? ミイラみたいね……」

 

少女が乱雑に持っていた、異様に干からびた人間の右足と思われる物体。

茶髪の男と仲間達はただのバッチいものだと判断しているようだが、俺達はさらに驚いていた。

八幡だ……八幡の魂の欠片だ!

 

杜王組(((((あ、あったァァ──────!!)))))

 

 

少女が手にしていた、次元の狭間という場所で見つけたというミイラ。それは彼らが探し求めていた八幡の部位。紛れもない聖なる遺体の右足だった。

 

 

side比企谷八幡

 

どこ?ここ?

だけど、

 

仗助「おいっ! そのミイラ、よく見せてくれないか!?」

 

露伴「あ、あぁ! 僕からも頼む!」

 

康一「じょ、仗助君!? 露伴先生まで!」

 

日頃からいがみ合っている仗助と露伴先生が珍しく意見が一致するとか奇跡だな。やっぱり二人は深いところでは仲が良いのか?とりあえず大好きな兄貴分とそのケンカ友達に会えたのが嬉しい。

リーゼントじゃあない仗助なんてうちの仗助以外ありえない。

しかもカマクラや城廻先輩まで来てくれるなんて…そんな嬉しいことはない!

で、この和洋折衷のこの集団は誰なのん?イヤに混乱してるように見えるけど?

目の前にミイラがあったらそんなものかな?

 

赤髪「えっ、このミイラを……?」

 

茶髪「お前ら、これがなんなのか知っているのか?」

 

仗助達が俺の事を知っていると踏んで茶髪の奴が問いただそうとしたその時。

 

オーフィス「…? わぁ」

 

えらく感情に乏しい悲鳴だな…っておい!

 

茶髪「へ? おわわっ!? なんだなんだ!?」

 

これは…魂の共鳴!?

 

一同「「「「「!!」」」」」

 

俺と茶髪の男の右足が、まるで磁石のように引っ張られ合う!やめてぇ!仗助と共鳴して!

 

金髪「ジョジョさん!? どうされたんですか!?」

 

ジョジョ?「わかんねぇ! なんかこのミイラがっ…! うおおおおおおっ!?」

 

イヤだー!同じジョジョなら兄貴分の方がいい!

 

仗助「一体何かが起こってるんだ!?」

 

ミイラは角度を変えてくっつき、次第にその長さが短くなってゆく。否、茶髪の男の中に俺が自分の意思で入り込もうとしているように見える!何で!?俺の意思でもないぞ!

そっちのジョジョじゃあねぇよぉぉぉぉぉ!

 

八幡&ジョジョ?「ぐっ…! お、わ、グアアアアアァァァ───ッッ!!」

 

そしてとうとう俺はジョジョという奴と同化してしまった。

こうなったら仕方がない。

 

八幡『よう、ジョジョとやら。お前はこの世界のジョジョか?何代目だ?』

 

ジョジョ『誰だおめえは!?随分と腐った目じゃあないか!』

 

八幡『俺は比企谷八幡。ジョナサンとDIOの転生だ。とりあえず……ボディジャック!』

 

ジョジョ『俺は兵藤丈城…ってお前が比企谷八幡?!仗助の捜し物の!っておい、体を乗っ取るんじゃあない!』

 

聞こえまてーん♪

俺は兵藤の体を確かめる。首筋にはジョースターの血縁を示す星形の痣。頭には比企谷家の特徴を示すアホ毛。耳には三連ほくろも出来てるかもな。

 

八幡「………………………」

 

青髪「おい、ジョジョ………? 大丈夫、か?」

 

こいつはゼノヴィアってやつか。

奇妙な静寂が漂う中、仲間の女性が恐る恐る話しかけてくる。

 

すると

 

八幡「……クッ、フフフ…………! フハハハハッ………!」

 

突如肩を揺らして無意識に笑いが込み上げる。。

そして塀の上にひらりと飛び乗ると、先程とは思えぬ口調とテンションで高らかに叫びだした。

最高にハイって奴だ!

 

八幡「ヒャッハ───ッッ!! ようやくッ! ようやく動けるようになったぜェ! 現実世界よ、俺は再びこの地に足をつけることが出来たぞォォ───ッ!!」

 

sideリアス・グレモリー

 

このジョジョはジョジョじゃないわ!

別段何も変わっていないように見えるけど…。頭にはアホ毛が出来ているし、何よりも……。

目が腐ってる!

1つだけわかっているのは…悪魔らしい悪魔がまた1つ増えたという事だけだった…。

これが比企谷八幡?創作の比企谷八幡とは随分違うわね。

 

(←To Be continued…)




とうとう八幡が登場です。

似た者同士がくっついてしまった丈城と八幡!
果たしてどうなるのか!?
周りの胃は無事で済むのか!?

次回もよろしくお願いいたします!

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