やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの八幡の冒険

ラバーズとの戦いの後、一行はワシントンDCに到着。そこで一泊することになった。
そこで仗助は康一からの増援がやってくると言う。
杜王町からの露伴、間田、未起隆の3人とひびきの市からスタンド使いではないが、謎の力を持つ藤崎忍。
他にもフロリダへ直行している別動隊もいるという。
藤崎忍達増援は明日にワシントンDCに到着する手筈になっており、ジョースターチームはその迎えに行くことが決定し、ミーティングが終わった。
だが、そこで気付く。
午後九時になっても沈まない晴天。
太陽の暗示を持つスタンドの仕業に気付いたジョースターチームは太陽を探すべく、ホテルを飛び出す。
一時間後、ジョースターチームが何もしていないのにワシントンに夜が戻る。
何が起きたかわからないが、とりあえず集合場所であるロッククリークパークに到着すると、そこには気絶した太陽のスタンド使いと、デラウェアでロードローラーを落としてきた少年がそこにいた。

これまで邪魔をしてきた少年の名は一条承一郎!

とうとう対峙する二人の主人公!軍配はどちらに上がるのか!



原石&隠者の紫水晶 対 水晶の骨&血の影

side比企谷八幡

 

8人まとめて相手にしてやる。

その挑発に真っ先に乗ったのは案の定、億泰さんだった。

 

億泰「生意気言ってんじゃあねぇぞこのダボがッ!テメェは、この虹村億泰が倒してやるぜ!」

 

そう言って億泰さんはスタンド『ザ・ハンド』の右手を大きく振りかぶる。

 

億泰「こっちに…来いッ‼︎」ガオォン!

 

億泰さんのスタンド、ザ・ハンドの右手が弧を描くようにひっかいたのを見た瞬間、一条は何処からか取り出したナイフを3本投げる。

上手いな。投げナイフは映画だと簡単に投げているように見えるが、刃が相手に向かって刺さるように投げるには技術が要る。

ナイフを投げたことが無くても、ダーツを狙ったところに投げるのが意外に難しいのを知っている人は多いと思う。

投げナイフはそれがより高等技術が必要なのは想像に難くないだろう。

それを1度に三本も、正確に投げるとは。

 

更に上手いのは、ただでさえスピードが出ているナイフを空間が閉じてより加速するようなタイミングを計って投げたことだ。

この男、億泰さんの強みを逆に利用しやがった。

投げナイフの技術といい、戦いなれている!

 

億泰「うおおッ‼︎」

 

バシバシッ!

 

間一髪、ナイフを億泰さんは弾き返す。

だが戦い慣れているのは億泰さんも同じ。

とっさに反応したのはさすがだ。

 

承一郎「ふむ…やはり近距離パワー型はナイフを悠々弾き返せるか…」

 

仗助「大丈夫か、億泰!」

 

角度によっては刺さって見えた為、親友の仗助が焦る。

 

億泰「ああ、大丈夫だぜ。だがコイツ、俺のスタンドの特性を理解しているぜ。じゃなかったら、ナイフを加速させるなんて考え思いつかないぜ!」

 

やはり覗き見していた時に思い付いた作戦か?

いや、その割には対応が正確すぎる!

 

承一郎?「ならば…この数はどうかな?」

 

ビシュッ‼︎

 

今度の本数は8本。

数は多くなったが、それなら億泰さんも対応できる。

そんな単純な相手か?

さっきの巧妙なやり方から一転した単純な相手か?

 

 

億泰「ザ・ハンド」

 

ガオォン‼︎ガオォン‼︎

予想通り、ザ・ハンドは全てのナイフを削り取る。

 

億泰「ケッ、そんなナイフ何本投げても無駄だ…ガハッ‼︎」

 

ドズッドスッ!

 

仗助「お、億泰ッ!」

 

4本が突然億泰さんの背後に現れ、四肢に深々と突き刺さる。

やられた!屍生人が突然現れたように、ナイフを瞬間移動で軌道を変えやがったのか!

最初の三本のザ・ハンドを利用した投擲はこのためのブラフ!

億泰さんの意識を瞬間移動から逸らす為の!

 

承一郎「ハッ!」

 

ドズッ!

 

一条はダメージを負い、動きを止めた億泰さんの鳩尾に正拳突きを叩き込んだ。

 

億泰「カハッ…!」

 

ドサッ

 

億泰さんが崩れ落ちる。

マジか…確かに鳩尾は人体の急所の一つだが、あのタフな億泰さんを一撃で沈めるとは、なんて力だ!

 

ミスタ「野郎ッ!行け、ピストルズ!」

 

次に仕掛けたのはミスタさんだ。

ウマが合うのか、アメリカに着いてからコンビを組むことが多かった億泰さんがやられ、反応し、発砲した。

 

承一郎?「無駄だぞ無駄ァッ!」

 

一条は弾丸を叩き落とそうとするが、

 

No.1〜3「「イイイーーーーーッ!ハァアアアーーーーーッ‼︎」」

 

No.1〜3が弾丸を加速させる。

 

承一郎?「ぐっ‼︎」バス!バス!

 

ミスタ「ベネ良し!着弾したぜ!」

 

ピストルズが弾を加速させ、奴に命中させる。

億泰さんへの投げナイフの逆のやり方だ。

決まったか?

しまった。これはフラグだ。

 

承一郎?「少しミスったな…。ピストルズは非力だが精密性がすごいからな…」

 

ピキピキ…

 

直撃したと思っていたミスタさんの弾丸。

しかし、直撃を受けた奴の体は、精巧に作られた奴の体に偽装された骨の鎧にヒビが入る程度だった。

あの骨は屍生人が纏っていた骨!しかも屍生人達のそれとは違い、修復される。

 

ミスタ「やっぱり、アイツあの骨屍生人達の親玉だぜ!自分自身に骨のプロテクターをつけてやがるッ!」

 

それは俺にもわかる。

だが、わからない。

何故奴は屍生人を生み出せる?奴は吸血鬼?

なら何で太陽にさらされて生きている?

まさか…

いや、それ以上にわからん!奴の能力は影じゃないのか?

もしかしたら…

 

八幡「俺と同じような奴か。スタンドを二つ持っているのか?」

 

そう考えれば辻褄があうな…

ならば能力はなんだ?骨と屍生人を作り出す能力?

 

ジョルノ「しかもプロテクターをつけていたのか分からないほど精密に作られていますね…」

 

承一郎?「さて、じゃあ俺も銃を使うか…」

 

今度は奴も銃を構えた。

 

ミスタ「ヘッ!拳銃使いのオレ様に銃で戦うなんて良い度胸じゃあねぇか!」

 

ヤバい!ホルホースとは違う!

奴の狙いは!

 

承一郎?「戦かう?違うな、これは…」

 

奴の銃の前に影が現れた。

 

承一郎?「一方的な暴力だ」

 

ダンダンダァン‼︎

奴は例の能力でミスタさんの両手、両足を撃ち込んだ。

 

ミスタ「ぐああっ‼︎」

 

チートだろ…零距離で銃を撃たれたような物だ。

あれでは集中力とか弾道予測とかは意味がない!

 

承一郎?「セイッ!」ビスッ!

 

奴はミスタさんの背後から手刀を叩き込んだ。

いつ現れた?

ザ・ワールドのように時を止めた?

いや、また例の影だ。

 

ミスタ「ぐっ…」ドサッ

 

ミスタさんも崩れ落ちた。

いわゆる、首トンだ。

もちろん、「トン♪」なんて可愛らしい威力じゃぁない!

アニメやドラマでは軽いチョップで人を落としているが、あんなんでは人は落ちない。

しかし、むち打ち症をやった事のある人間なら知っている。首のダメージが及ぼす影響を。

頭痛、吐き気、手足への痺れなど、首とは関係のない場所に影響が出る。脳への信号を送る全ての神経が通う所へのダメージを舐めんな。

億泰さんを一撃で沈める力での首トン。

昨日から戦いっぱなしで長時間運転も交代なしの疲れが溜まっていたミスタさんへの本当の首トン。

脳が一撃でやられてもおかしくはない。

 

承一郎?「…さて、次はあなただ。ジョルノ」

 

ジョルノ「君は、弟なのか?そんな気は薄々感じていたけど」

 

JOJO「まぁ、兄弟の中で一番歳が下だからな」

 

マジかよ…ってことは前世の息子?

でもせっかくの兄弟の邂逅なのに、すごいメンチの切り合いだ。

まず最初に動いたのはジョルノだ。

 

ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」ドババババッ‼︎

 

ジョルノのラッシュが炸裂する。

 

承一郎?「フン、無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」ドババババッ‼︎

 

奴もラッシュを炸裂させ、お互いの拳がぶつかり合う。

ラッシュの掛け声が二人とも同じ。

いや、奴の方が俺に…ディオに似ている。

 

承一郎「ハッ!」ガシッ!

 

ジョルノ「なっ⁉︎」

 

奴はラッシュしている間にジョルノに突っ込み、懐に入り、胸倉を掴む。

まぁ、スタンド攻撃中に本体が攻撃してはいけないというルールはないな。

いきなりの事に驚いたジョルノは対処が遅れる。

 

承一郎?「セイヤッ‼︎」ブゥン!

 

承一郎はジョルノをCQC式の要領で背負い投げをして、ジョルノを地面に叩きつける。

CQCとはイギリスで開発され、今では世界の軍隊・警察で採用されている近接総合戦闘格闘術だ。

主に中国拳法や柔術が取り入れられている。

 

ジョルノ「ぐはっ!」ドスゥッ!

 

一条は飛び退き、ナイフを飛ばす。

 

ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ‼︎」バシバシッ!

 

ジョルノはそれを弾き返して、逆にナイフに生命を与え、大型のスズメバチに変えた。

 

さらにジョルノは地面からつるを伸ばして、拘束させようとする。

 

一条は跳びながら長刀を出し、地面に刺して足場にして、それを踏み台にしてジョルノへ飛ぶ。

何処から取り出した?あの長刀。

もしかしたら、それが二つ目のスタンド能力かもしれない。

そこへスズメバチの大群が襲いかかる。

だが一条はお得意の瞬間移動でジョルノの背後に移動するが、そう何度も同じ手が俺達に通用するはずがない。

ジョルノは一条が背後に移動するのを読んでいた。

背後につるが伸びて襲いかかる。

 

承一郎?「リスキニハーデン・セイバー‼︎」スパパパァーン!

 

一条は腕に刃を生成してつるを切り裂く。

 

八幡(武器を造る能力?いや、それは正解のようでなにか違和感がある)

 

承一郎?「セイバーオフ!」ビシュッ!

 

ジョルノ「ぐはっ…」ブシュッ!

 

刃が一閃して、ジョルノの腕を切断し、頚動脈を切り裂いた。

億泰さんやミスタさんは致命傷避けていたのに、ジョルノに対してはやけに殺意が高い。

何かジョルノに恨みでもあるの?

下手したら頸動脈切断なんて致命傷でしかねぇ!

 

承一郎「ハァッ!」バキィ!

 

ジョルノ「グフッ…」

 

ジョルノは倒れた。

一条はかなりの疲労を残している…。

まあ、わかる気がする。

俺も八年前、ジョルノとの戦いには手を焼いた。

それでも一条は無傷でジョルノを倒している。

俺なんて康一さんと二人がかりだったとはいえ、ほとんど相討ちだったのに…。

 

仗助「ジョルノ!」

 

仗助が怒り、一条に向かっていく。

……っておいっ!

お前がジョルノを治さねぇで誰がジョルノを助けるんだ!

あ、ジョルノは気絶する直前に腕と喉を治してから意識を失った。

危ねぇな!報復の前にジョルノを助けてからにしてから行けよ!

下手しなくても致命傷だったんだからな!

 

仗助「や、野郎ッ!そのキレーな顔ギャグ漫画みたいに変えてやるぜ!」

 

ホントにやりそうだ。

おじいさんをアンジェロとかいう快楽殺人鬼に殺された時、家中の家具に八つ当たりして家具をピカソの絵のような形に直したらしいからな。

 

承一郎?「やってみろッ!この俺に対してッ!」

 

お前はディオか!

あ、息子だったっけ?

仗助と一条は、同時に動く。

 

仗助「ドララララララッ!」ドババババッ!

 

JOJO「オラオラオラッ!」ドババババッ!

 

一条はさっきとは別のスタンドで仗助のラッシュを迎撃する。

やっぱり二つスタンドを持ってやがった。

考えられるのは先代パッショーネのボスのように二重人格か、チープトリップとかいう自律型のスタンドのように取り付かれているか、それか相当レアパターンだが、俺のようなパターンか…。

 

仗助と一条は互角のラッシュの後に、一瞬お互いに距離を置くと…

 

仗助「クレイジー・ダイヤモンド!ドラァッ」

 

仗助は近くの石などを、投げる。

 

JOJO「クリスタル・ボーン!オラァッ!」

 

一条はまたナイフを投げた。

石とナイフ、両方お互いに少しずつ傷を負うが、気にしてないようだ。

 

仗助「ドラァッ!」

 

仗助は自分に刺さったナイフを抜いて、傷口から流れた血を水圧カッターのように飛ばす。

それをやるために敢えてナイフを食らったのか!

やるなぁ。

 

承一郎?「オラァッ!」パァン!

 

一条はは水圧カッターを弾く。少し肩が裂けたが、こいつは気にしていない。いや、最初から仗助のこの攻撃を知っていた?

初見ならあのカッターを警戒して食らおうと思わないはずだ!

 

仗助「くらいやがれ、ドラァッ!」

 

仗助はまた近くの石を投げる。

一条は避けながらナイフで迎撃する。

石はナイフを弾いたが、アイツに向かっていた軌道を逸らされてしまった。

 

仗助「ドララララララッ!」ドババババッ!

 

承一郎?「オラオラオラッ!」ドババババッ!

 

またもラッシュを炸裂させる。

お?さっきの石が戻ってきた。

そうか!さっきの石は寧ろ逸らされた方が都合が良かったのか!

戻ってきた石は一条の肩に突き刺さる。

不意のダメージに一条に隙が出来る。

 

承一郎?「ぐっ…⁉︎」

 

仗助「ドラァッ!」バキィッ!

 

出来た隙を突いて仗助は一条を殴りば飛ばす。

 

承一郎?「くっ…治す能力で、俺に付着した血へ自動追尾しやがったのか」

 

仗助「気付くのが遅いぜ!ドララララララッ!」ドババババッ!

 

バカ野郎仗助!

今、こいつは重要な事を言ったぞ!

何でコイツは仗助の治す能力を知っている?

アメリカに着いてからこっち、仗助は治す能力を使っていない!

やはりこいつはアメリカでの覗き見の他にも仗助の力を知る機会があったな!?

億泰さん、ミスタさん、ジョルノ…そして仗助。

まるで一度直接戦ったことのあるような的確な対応。

だが、そんな話は一度も聞いていない。

仗助と俺は既に兄弟のような仲だ。

一条みたいな奴と戦ったことがあるのなら、絶対に俺に話して来るはずだ!

今、仗助は再びラッシュを仕掛ける。しかし、どういう経緯かはわからないが、一条は仗助の手の内を知っている!

正面から仗助はラッシュを仕掛け、背後には自動追尾弾を次々襲いかからせる。

バカ!戦い慣れていて手の内が読まれている攻撃を何度も通用するなんて事は…

 

承一郎?「このまま、走り抜けるッ!」ダッ

 

一条は仗助のラッシュへ自ら突っ込んで行った。

 

仗助「なっ⁉︎」

 

ラッシュは一条に当たろうとするが、

 

承一郎「ブラッディ・シャドウ!」

 

一条は瞬間移動で仗助の背後にまわり、立ち捕縛術の羽交い締めで身動きを取れなくする。

 

仗助「ぐっ…離せ!」

 

承一郎?「アンタがくらうんだ、仗助さん。アンタ自身が自動追尾弾を!」

 

くそっ!やはり何らかの形で仗助の能力の詳細をしってやがった!

一度発動した能力は治しきるまで止まらない。どこまで離れていても、治すなんて出来るのはそのおかげだ。

それを逆手に取られるのは初めてだったが。

 

仗助「ぐあっ!」ドスゥッ!

 

仗助の体に何発か自動追尾弾が体に命中した。さらに一条は、ダメージから上がった仗助の首を締め落とした。

 

そこで、一条の体に見えない何かが命中した。これは…

 

承一郎?「静・ジョースター!」

 

ジョジョの透明攻撃だ!

 

承一郎?「何ィッ⁉︎」ガクンッ

 

一条は足を何か─多分透明にしたワイヤーだろう─に引っかかってしまい、バランスを崩してしまった。

ナイスプレイだが、そこでジョジョは判断を誤った。

そのままワイヤーに波紋を流し続けていたら、そこで詰んでいたというのに…

 

静「ドラァッ!」バシィ!

 

そこでジョジョ本人が攻撃をしてしまった。

頭に血が昇って判断力を失ってたな?

 

承一郎「うぐっ!」

 

体が少しだけ溶けている。波紋が込められているようだが…

 

静「兄さんを傷付けるなんて許しません!」

 

見えなくてもわかる!目が血走ってやがる!

何て時に末期のブラコンの発作を起こすんだよ!

一条は空間から水が一杯入ったグラスを取り出した。

まさか…こいつは波紋まで!?

冷静になれジョジョ!8年前の失敗を繰り返す気か!

それは初対面の時に俺にやられただろ!

古い手に引っ掛かんな!そんな手ならもう対策出来るどころか逆手にだって取れるだろ!

え?俺はわかるのかって?

波紋のレーダーを液体でやるなんて初歩の技術なんだよ。

極めれば風や空気でやることが出来る。

それどころか、無効化や誤認化など、波紋のレーダーの応用はいくらでもある。当然、ジョジョも。

ジョジョも出来る。だから最近はジョジョとの訓練は勝った負けたが競っているのだが…

これはわかる!頭に血が昇りすぎていて確実にレーダーをステルスしてねぇ!

 

承一郎?「コォォォォォォ…」バシィ!

 

一条が波紋の呼吸をすると、グラスに地面から、アイツから生命の振動が伝わり、グラスに波が生じる。その方向は…、

 

承一郎?「7時の方向だなッ!」

 

静「あっ!こんな古い手に…」

 

気付くのが遅すぎだ!グラスを出した段階で気付け!

 

承一郎?「WRYYYYYY!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」ドババババッ!

 

静「キャアアアアア!」

 

ジョジョは一条のラッシュで吹き飛ばされた。

後で小町からの説教は確実だな。

見ると小町は精神と○の部屋でゴテ○クスに呆れているピッ○ロさんばりに目を手で覆って空を仰ぎ見ている。

 

陽乃「ハァッ!」

 

間髪入れず裂帛の気合いで斬りかかる茅ヶ崎さん。

一条は紙一重に躱し、ラッシュを炸裂させる。

 

承一郎?「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」ドババババッ!

 

陽乃「ぐっ…!」

 

一条は吹っ飛ばされるが、起き上がる。

 

陽乃「あなたの力、覚えたわ!」

 

JOJO「ほう…なら、俺も得物を使うか」

 

そう言って一条は首を捻る。すると、

ズリュ、と肩から脊髄がせり出してきた。

一条はその脊髄を掴み、一気に取り出す。せり出してきた跡は何もなかったように元通りになっていた。

そして、何らかの力で再生していた。

資料で見た太陽を克服した柱の一族みたいな奴だな。

脊髄がパキパキと音を立てながら2本の刀のような形状に変化した。

なるほど、ああやって武器を造っていたのか。

 

陽乃「へぇ、面白いじゃない?比企谷君と似てるのは見た目だけじゃないんだ」

 

さすがは東の奴等の眷族の末裔。その力には慣れっこでけろっとしている。魔王だな。

 

承一郎?「面白いだろう?俺は二重人格でね、スタンドが二つあるんだ。空間を繋ぐスタンド『ブラッディ・シャドウ』と、骨を自由に生成して操るスタンド『クリスタル・ボーン』。兄さんが生命を操るのなら、俺は死を操る。対極の存在なんだ。さて、行くぞッ!」バッ!

 

いくつかの疑問に答えてくれてありがとうございます。

ディアボロタイプだったわけね?

一条は思い切り踏み込んで、右水平斬りを放つ。魔王はそれを前屈みになり躱し、左から斬り上げる。一条はそれをもう一つの刀で弾く。

 

更に刀と刀の斬り合いが続く。お互い相手の攻撃を捌きながら、隙を突こうとするがそれを互いが捌く。

 

実践派近接格闘術に剣術。アイツはどこまで多芸なんだ。

しかも楽しそうに。戦闘狂か!

 

承一郎?「まだまだ踊ってくれるよな、アヌビス神!」

 

アヌビス神を知っているだと?…とは驚かない。

だって今回邪魔してきている奴等って、全部ジジイ達先代ジョースターチーム、別名スターダスト・クルセイダーズにやられて生き残った連中だもの。

魔王の能力を知っていてもおかしくはない。

一条がイレギュラーなんだ。

 

だが、一条も徐々に速く、鋭くなっていく。

アヌビス神が二つに見えるのは気のせいか?

魔王の成長に比例して成長してるぞ?

だが、それは突然終わりを告げる。

一条の両刀を使った右斜めの斬り上げを魔王は躱す。

 

陽乃「もらった!」

 

背後に魔王の垂直斬りが当たりそうになるが、

 

ズリュ!と一条の体から肋骨が刃になって魔王の刀を掴むような飛び出す。

Zガ○ダムに登場したジ・○の隠し腕かよ!

どんだけ隠し玉があるんだよ!

ターミネーターだってもっちょっと大人しいぞ!

 

陽乃「なっ…⁉︎」

 

よほどの事では驚かない魔王も、さすがにこれには驚いたようだ。

というか、端から見ている俺たちだって驚いたわ!

やりあってる本人なら余計に驚いて混乱するわ!

さらに一条の全身から骨が飛び出し、回転するの事によって、魔王の体が斬られながら吹き飛んだ。

 

陽乃「キャアアアアア!」

 

あー…あれは仕方がない。

むしろ凄い頑張ってくれたよ茅ヶ崎さん。

 

小町「お兄ちゃん!」バッ

 

小町は腕を上に上げ、人差し指を上に掲げる。

ルビーレーザーか!

やるかもとは言っていたが、今かよ!

 

八幡「突然すぎるだろ!ハーミットアメジスト!」

 

俺はハーミットアメジストで倒れている全員を必死に俺と小町から引き離す。

何人か引きずったから、後で確実に文句言われるな。

文句なら小町に言えよ?

アレに溶かされるよりはましでしょ?

次の瞬間、サンシャインルビーの攻撃によって周囲が穴だらけになったが、奴は無傷だった。

 

小町「そ、そんな⁉︎」

 

JOJO「無駄だ比企谷小町、いやエリザベス・ジョースター!お前の技、多分レーザーなんだろうな。ダンとの戦い、見せてもらったぞ」

 

やっぱり見てやがったか。

そして対策を立ててやがった。

そうでなければノコノコと俺達の前に来ねーよな?

 

承一郎?「お前のスタンドが一秒間に地球を7周半周る光なら、俺はその光をも引きずり込むブラックホールだ。方向さえ分かれば、レーザーを空間で吸収するのは訳ない」バリバリ!

 

一条の片目が裂ける。

まさか、アレまで出来るのかよ!

 

承一郎?「くらえ、貴様の師ストレイツォが貴様の息子、ジョセフ・ジョースターに使った技を!『空裂眼刺驚スペースリパー・スティンガーアイズ』‼︎」ドッゴォ!

 

圧縮された体液は一条の眼から飛び出し、空間を繋いで、小町の脇腹を貫通した。

……あのさ、小町が大変で絶叫したいのは山々なんだけどさ、さっきから俺の中身がうるさいんだけど。

 

ディオ『あれは俺の技だ!勝手に人の真似をした波紋の戦士め!何を盗品に自分の名前を書く真似をしている!』

ジョナサン『落ち着けディオ!今はそれどころじゃないから!』

 

うっせえわ!今は小町が大変なんだから黙ってろ!

お前らの妹でもあるだろ!

 

小町「お、お兄ちゃん…」

 

小町は膝をついた後、ゆっくりと力尽きた。

やばい!あれも致命傷だ!

っざっけんなあの野郎!

 

…ふっ、あぶねぇ。小町をやられて冷静さを失うところだった。

俺はゆっくりと、確実に一条との間合いを詰めていった。

 

承一郎?「さて、最後は八幡、お前だ」

 

八幡「…小町がやられるのは意外だったが、許さねぇぞ、テメェ!」

 

冷静さは取り戻している。だが…

 

八幡(最愛の妹や家族をやられて腸が煮えくりかえって仕方がねぇのは変わらねぇんだよ!)

 

俺は波紋の力を使って一気に間合いを詰めた。

 

八幡「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」

 

一条「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」

 

お互いのラッシュが炸裂する。拳と拳がぶつかり合う。

 

八幡「くっ、パワーもスピードも俺のザ・ジェムストーンと同レベルとは…!」

 

仗助と競り合っていたから、もしかしてとは思っていたが、ザ・ジェムストーンとも競り合うのかよ!

あの時の承太郎と殴りあってるみてぇだ!

 

承一郎?「フン、このまま殴り抜けてくれるッ!」

 

八幡「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」

 

JOJO「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」

 

お前の能力は見極めさせてもらった!

だからこれはお前の能力には無いよなぁ!

 

八幡「ザ・ジェムストーン!時よ止まれ!」

 

ドォォォーーーーz________ン‼︎

 

世界から色が失われ、モノクロになって俺以外のあらゆるものの動きが停止した。

 

八幡「くっ、時が止まる前に空間の中に逃げたのか!」

 

俺の呼吸か何かで見切ったのか、ザ・ワールドのタイミングで逃げられた!

逆にこの位置にいる方がまずい!

普通にバックステップをしたのではジョルノ達のように背後を取られる可能性が高い!

ならば反対にアイツがいた方に回避だ!

 

八幡「そして時は動き出す…」

 

世界に色が戻り、時が動き出した。

空間から一瞬だけ一条は姿を現したが、再び消えた!

 

八幡「っ!」

 

背後に気配!

波紋のレーダーの空気版でアイツが現れる位置がわかった!

この段階まで波紋を修行していて助かった!

 

承一郎「無駄ァッ!」

 

一条は空間から飛び出して俺へ踵落としを繰り出す。

あぶねっ!修行をサボっていたら、下手をしたら脳天に食らって終わってた!

俺は両腕をクロスさせてガードする。

さすがは波紋の戦士と吸血鬼の両方を力を扱える男。

波紋の戦士としては俺が勝っているが、その有利を吸血鬼の力で互角にまで上げられているのか、両腕にかかる衝撃がキツイ!

だが、軽くヒビは入ったみたいだが、折れてなければ十分だ!

 

八幡「ハーミットアメジスト!」

 

俺はガードした手からハーミットアメジストを足に絡めようとする。

が、一条は空間を跳んで俺の懐にボディブローを入れてきた!

マジか!零距離でも捉えられないのかよ!

タイミングを上手く合わされたおかげでガードが間に合わない!

痛てぇが、何とか耐えた!

今度はこっちだ!

 

八幡「ぐっ!ザ・ジェムストーン!時よ止まれ!」

 

今ので仕留められなかったのが仇だな!

ピンチの後にはチャンスがやってくる!

それが今だ!

 

ドォォォーーーーz________ン‼︎

 

再び世界が色を失い、俺以外のあらゆるものが動きを停止する。

 

八幡「ハァッ!WRYYYYYY!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」

 

やっと出来た千載一遇のチャンスだ!

この貴重な8秒で、波紋も交えてありったけの力をぶちこんでやる!

 

八幡「そして時は動き出す」

 

時が動き出し、一条の体が吹っ飛ぶ。かなりのダメージを入れたハズだ!

今出来る渾身のラッシュをかましたからな!

 

だが、吹き飛びながらもアイツはこちらに顔を向ける!

チッ!あの骨の鎧か!あれの防御力の分だけダメージが軽減されたのか!

顔をこちらに向けたって事は…アレがくるか!

 

承一郎?「フン!くらうがいい!『空裂眼刺驚スペースリパー・スティンギーアイズ』!」ドッゴォ!

 

危なかったが、目線で狙いを見切れるのはこっちだって同じなんだよ!

 

八幡「バカめ!自分の技にはまる間抜けがどこにいる!」バッ

 

俺は横に跳んで回避し、

 

八幡「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」ドババババッ!

 

一足跳びでラッシュを撃つ!

 

一条は魔王との戦いで使った刀で迎撃しようとしてくるが、間一髪で刀が見えたおかげで咄嗟に反応出来た!

茅ヶ崎さんとの戦いではこいつの視線は感じていなかった。

つまりお前はこれを知らないハズだよな?

俺はザ・ジェムストーンをハーミットアメジストに分解して俺の体を雁字搦めにした!

切り札は最後まで取っておくもんなんだよ!

 

承一郎?「何ッ⁉︎」

 

切り札その1!ジジイ直伝、超必殺!

 

八幡「食らえ!紫水晶の波紋疾走(アメジストパープル・オーバードライブ)!」バチバチィ!

 

俺の手から弾ける波紋が流れた。

だが…

 

承一郎?「食らえ、山吹色の波紋疾走サンライトイエロー・オーバードライブ!」

 

一条は俺のプラスの波紋の対であるマイナスの波紋疾走で反撃してきた!

花京院の墓場で(暴走していて俺の意志でやったことではなかったが)俺がジジイにやった事の反対の事をやってきた!

俺達は互いに弾かれる!

だが、波紋の戦士として小町に鍛えられていた分、純粋な波紋勝負では俺に分があった!

少しだけ俺の波紋が勝っていた分、一条はふらついていた!

だが、接近してラッシュを打ち込むだけの余裕はない!

ならば!俺はハーミットアメジストを一条に伸ばす!

そして…

 

八幡「食らえ、ザ・ジェムストーン!」

 

近接戦闘型スタンドの常識を覆す俺の奥の手!

 

 

 

 

伸びたハーミットアメジストの先端からザ・ジェムストーンを出現させる!

 

承一郎?「なっ⁉︎」

 

八幡「WRYYYYYY!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」ドババババッ!

 

2本分のハーミットアメジストを片腕に集中させ、一本分の射程距離限定で出来る奥の手だ!

8年前にジョルノに指摘された二つのスタンドを同時に操るという不慣れ。

その弱点を解消する為に訓練した結果、俺はパワーを分散させる事なく二つのスタンドの同時使用を可能にさせ、ザ・ワールドを進化させた。

そして、その結果に果たしたハーミットパープルとザ・ワールドの融合が、この奥の手を可能とさせた!

この常識破りの奥の手は、一条の意表を突くには十分だったようだ。

 

承一郎「ぐああっ!」

 

一条は吹っ飛ばされる。

例の骨の鎧を身に纏っていたが、八秒間の圧倒的なラッシュによってもはや剥がれきっている。

 

一条はもう1つのスタンドですぐさま折れた骨を治す。

再生能力か!本当にチートな奴だ!

 

八幡「クソッ、もう一度だ!」

 

もう一発食らわそうとハーミットアメジストを一条に放つが、それが俺の最後のミスだった…

一条はブラッディ・シャドウという方のスタンドでハーミットアメジストを掴む。

しまった!

 

承一郎?「俺もジョースターだ。ジョースターの家訓になかったか?ジョースターに同じ手を仕掛けることは既にそれは凡策だと。その手は既に俺にとっては凡策なんだよ」

 

一条はブラッディ・シャドウの空間を展開し、俺はその中へ引きずり込まれ、次の瞬間には奴の前へ移動させられ、掴まれた!

 

ディオ『間抜けが!掴まれるな!』

 

ジョナサン『八幡!アレを忘れたのか!』

 

前世達に言われ、今の今まで忘れていたあの技を思い出した!

やられた!こいつは吸血鬼の技を使えたんだった!

そう思った時には全てが手遅れだった!

 

八幡「なっ⁉︎」

 

承一郎「WRYYYYYY!食らえ、『気化冷凍法』!」

 

ピッキィィィーーーーz________ン!

 

俺は気化冷凍法で頭から下を凍らせて、氷像へと変えられてしまった!

古い技だと侮っていた報いだ…もう、身動きは出来ない。

スタンドも…使えない。

 

承一郎?「どうする?このままダイアーさんみたいに、全身粉々に砕かれたいか?」

 

俺は周りを見渡す。

小町、仗助、ジョルノ、ジョジョ、億泰さん、ミスタさん、茅ヶ崎さん…

みんな完璧に気絶している…

大した奴だ…このメンツに完勝してしまうとは…

俺にはもう、打つ手がない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、これは完璧に…

 

八幡「俺の…負けだ」

 

俺は敗北を宣言した。

 

←To be continued




はい、八幡敗北!

つうか、承一郎強すぎです。

って言うか魔王と小町は無事なのか!?
明らかに致命傷を負っちゃってますし、仗助、ジョルノは気絶中!

ここでついに犠牲者を出してしまうのか!
どうなる!第2世代スターダスト・クルセイダーズ!

次回「初代ジョジョの転生ともう一人の7代目のジョジョ!」
またよろしくお願いいたします!

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