やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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静対エドモンド本田

Sideなし

 

立ったまま気絶している八幡。エドモンド本田はそんな彼を倒れて頭を打たないようにゆっくりと傾け、抱き上げる。

いわゆるお姫様ダッコをしてバリアが解除されたリングサイドへと八幡を運ぶ。

もし意識があったのならばめちゃくちゃ恥ずかしがったであろうが、幸い本人の意識はなく、彼の身柄はアンディへと預けられる。

 

いろは「はちくん!」

 

そんな八幡の足元にいろはが駆け寄るが、彼女に出来ることはない。

静が波紋で回復を施そうとするも、彼女も次のラウンドで戦わなければならず、悠長に回復を施している余裕もない。

次のラウンドを捨ててアンディに譲る事も考えたが、相手は全くダメージを受けていないエドモンド本田と大門五郎の2人。

いくら歴戦の達人であるアンディといえども同じ達人級の2人を連戦で勝ち抜くのは難しい。

いくら勝ちに拘っていないとはいえ、そんな負け方ではここまで重傷を負ってまで奮闘した八幡に顔向け出来るものではない。

性格が悪い静でもそこまで性根は腐っていなかった。

 

エリナ「エメラルド………」

 

そんな八幡にストライカー台に座っているエリナのいろはがナイチンゲールのエメラルドヒーリングをしようとするが………

 

弥七「はいストップですよ?ボガード(・・・・)の一色いろはさん?あなたはエメラルド・ヒーリングなんて使えないんですからね?」

Nいろは「ここはわたし達にお任せです♪」

 

弥七とノスフェラトゥのいろは………二人の一色いろはがエリナのいろはを止める。

ここでエリナのいろはがエメラルド・ヒーリングをしてしまってはDIOの反則がバレてしまうからだ。

 

エリナ「………何をするつもりですか?お二人とも」

 

弥七とノスフェラトゥのいろはは同時にウインクをする。

 

弥七「サキュバスのいろはさん?もしかしてあなたもわたしと同じように?」

Nいろは「ええ♪同じですよ?DIO先輩の聖なる遺体が流れて来たとき、わたしにもあれが使えましたから♪」

弥七「ですです♪それに、ボガードのいろはさんが変なアイアンメイデンっぽい何かを出した時に思ったんですよー♪」

Nいろは「では、一緒に出しますか?弥七のいろはさん♪」

 

2人のいろはが目を閉じ………そして………

 

弥七「ナイチンゲール………」

Nいろは「エメラルド!」

 

どばぁぁぁん!

二人のいろはからナイチンゲール・エメラルドが出現する。

その形は微妙に違うものの、間違いなくそれはナイチンゲール・エメラルドだった。

 

弥七「エリナちゃんほどの回復力は無いですが………」

Nいろは「二人がかりなら………」

 

ダブルいろは「ツイン・エメラルド・ヒーリング!」

 

まるでエリナのエメラルド・ショットのように小粒の弾丸ではあるものの、回復の弾丸が八幡に注ぎ込まれる。

パァァァ………

スタンド力が今ひとつのこの世界で、二人がかりでもエリナほどの回復力がないエメラルド・ヒーリングでは一気に回復とまではいかなかったが、とりあえずの………特に肘の靭帯損傷に後遺症が残らない程度には回復する八幡。

 

弥七「あー………こんなものですかねぇ。自分の回復には波紋の方が回復力ありそうですよ」

Nいろは「わたしもせいぜい援護が限界みたいですね。ボガードのいろはさんにももしかしたらエメラルド・ヒーリングの効果がそのアイアン・メイデンにあるかもですけど」

エリナ「針ツボマッサージくらいのですか?うーん………エメラルド・メイデン?」

餓狼いろは「しまらないのでやめて下さい本当に。なんで同じ一色いろはにイジられないといけないんですか」

 

もしここに承太郎が会話に混じっていれば、間違いなく怒号が飛んでいる状況ではあるが、現在ここに承太郎はいない。

DIOの動向を見逃す彼では無いので間違いなく会場であるサウンドビーチにはいるのだろうが、進んでこの集団の和に入ってくるタイプではないだろう。

 

本田「面白い力じゃのう。して、心配事はなくなったかな?お嬢ちゃん」

 

一連の流れを見ていたエドモンド本田が静に語りかける。

 

静「おかげさまで。角界の風雲児と名高いあなたが紳士的で好印象ですわ?エドモンド本田関」

本田「ワッハッハ!猫を被らんでもええぞ?あんさんの性格がひん曲がっておることなど、大門さんから聞いておるからのう!安心せい!ワシは戦う者には老若男女、等しく平等じゃ!あんさんのような別嬪さんが相手でも、手を抜くことはない!」

 

腕を組んで豪快に笑うエドモンド。

背後で待機している大門もウンウンと頷いている。

彼らマスタークラスの者達は相手が誰であろうとも、試合の場に立てば良くも悪くも平等だ。

不知火舞や春麗のように女性でありながら格闘の世界でチャンピオンクラス相手に渡り合っている者がごまんといる。

例え女好きで有名な二階堂紅丸や山田十平衛であっても、美少女だろうが誰だろうが手加減は一切しない。

それがマスタークラスの格闘家だ。

 

静「どこをとっても安心できる要素はないっつーの!」

本田「はははは!やっぱりあんさんは素のほうがええのぅ!下手に取り繕った姿よりも断然魅力的じゃわい!存分に楽しませてもらおうか!」

静「いやぁぁ!変態よぉ!上半身裸の変態力士がイタイケな少女に迫ってくるぅぅぅ!」

本田「無駄じゃい無駄無駄!もはや言葉で揺さぶられるワシじゃないわ!」

静「あ………ダメだこの人。精神的に揺さぶれるタイプじゃないわ」

 

得意の人の神経を逆撫でして隙を誘うやり方が通用しないと悟った静は頭をポリポリと掻いた後にスイッチを切り替え、そして眼を完全に座らせ、だらんとした格好になる。

ドンパチモードに頭を切り替えたのだ。それだけで構えは必要がない。

必要なのは相手を威圧する殺気。静の殺気が辺りを支配する。

格闘家のはちまんと違うのは、何気ない日常が突然戦場に変わる戦いに常に身を置いている静。

両者の戦いの違いが如実に現れている場だった。

 

本田「おっそろしいのぅ?先ほどまでの熱が一気に冷めおったわい!それこそがあんさんの戦いの姿勢っちゅうわけでごわすか。やはり世界は広い!こんなおなごがゴロゴロおるのでごわすからなぁ!なぁ?ほくと?」

 

本田はストライカー台の上にいる水神ほくとに目を向ける。

その額には菱形に近い不可解な紋が浮き出ており、目からは感情が失われている。まるで豪鬼と相対した時に感じた殺意の波動に近いものをビリビリと感じていた。

 

本田(静の嬢ちゃんの殺気に反応しているでごわすか………これが暗殺者の雰囲気っちゅうもんかのぅ………見ればDIOっちゅう比企谷八幡坊主も似たような殺気を出しちょるわ。まっことに恐ろしいのぅ)

 

「静 バーサス エドモンド本田!ラウンド3!レディー………ゴー!」

BGM…エドモンド本田のテーマ(ストリートファイター4)

 

どっこしょぉ!どっこしょぉ!と聞こえてくるBGMに普段なら「こんなアメリカンな試合場でソーラン節のような和風BGMが合うかっつーの!」とツッコミを入れてきそうな静かだが、スイッチが入っている今の静は反応しない。

静々と無がまえのすり足でエドモンドとの間合いを詰める。

一方のエドモンドも普段なら相撲の取り組みの延長線でぶつかりに行くのだが、今は尋常ではない静の雰囲気から踏み止まる。

 

本田(こちらの動きに合わせてカウンターを狙っちょるな………相撲の特性をよく理解しているようじゃ………)

 

歴戦の力士、エドモンド本田も伊達ではない。

隙のない静の構えを見て、その実力を感じていた。

この世界での波紋の戦士の力量は、気の恩恵がない分に弱いものの、静も柱の一族やブラッディスタンド、ウルフスと渡り合ってきた歴戦の戦士。

日常の何気ない生活が即座に戦場となる戦いが多かった事もあり、そのほとんどが徒手空拳と徒手空拳型のスタンドが多かった為にその実力はかなり高い。

 

本田(1回戦の動きからなめておったら、足元を掬われるのう)

 

そう判断した本田はすり足でジリジリと接近する。

そして、互いの間合いに入ると………

 

本田「せいっ!」

 

エドモンド本田は力士に似合わない攻撃である上段回し蹴りを静の頭部目掛けて放つ。

一方で静はそのハイキックをアクトンの腕で受け止めると、静本体は身を低くして本田の懐に潜り込み、左掌を本田の顎に置く。

 

本田(首を支点にして投げる気か!?しかし、力士相手に首投げは………)

 

しかし、静は顎に置いた掌の肘の下に反対側の手を据え、それを支点に更に踏み込み、右手で左肘を叩くことで上へと突き上げた。

 

本田(掌打じゃと!?しかも反対側の手で肘を叩くことで更に上へと突き上げおった!これは中国拳法の技!)

 

元の世界で静が相手にしているクラスの相手ならば一撃で意識がもぎ取られるレベルの技を波紋を込めて放たれる。

受けたのがこの世界の人間………それも首の筋肉も発達している実質横綱級のエドモンド本田だからこそ多少、脳が揺さぶられた程度で頸椎にダメージを負うことは無かったが………

本来ならば浮き上がる威力を顎に受けた本田だが、その体重故に軽く仰け反る程度でふらつく。

しかし、ここで終わるほど静は甘くない。

 

A・C「ドラァ!」

本田「!」

 

静が前に踏み出した事で強制的に一歩前に進んだアクトンACT2が、その勢いのままに前進し、鳩尾に肘を打ち込む。

 

Gいろは「あれは………斬影拳?」

アンディ「肘打ちの型だけは………だけどあれは………」

アヌビス陽乃「名付けるなら劣化残影頂心肘ってとこかな?」

アンディ「頂心肘………八極拳の頂心肘か………」

 

変形の八極拳・頂心肘。

変形と名付けるのはこの世界にきてから四六時中アンディをイジってはツッコミとして食らってきた骨法の必殺技、斬影拳の動きを真似ているからだ。

アンディのように遠い間合いから一気に滑って肘打ちを打ち込むとんでも技こそ不可能なものの、必殺の踏み込み肘打ち動作だけはキッチリと自身で食らいながら研究し、既に修得している八極拳の動きと併せて複合したのだ。

 

アンディ「まったく………とんでもないな………どこで技を盗まれるかわかったものじゃない………」

 

その間にも静の猛攻が続く。

 

静「波紋疾走(オーバードライブ)!ズームパンチ!」

 

スタンドの残影頂心肘により更に本田をくの字に曲げている間に、掌打を放ったモーションからニュートラルに戻っていた静は次のモーションに入る。

腕を突き出し、その関節を外し、波紋によって痛みを中和しつつ腕の間合いを伸ばす波紋法の必殺技、ズームパンチ。

その伸びた拳が本田の眉間に伸びる。

 

本田「むん!」

 

しかし、本田はその伸びて来た拳を眉間から少しずらして額で受け止める。

 

本田「見事な連続技じゃい!どれも鋭く、急所ばかり狙ってきちょる!じゃが、力士相手には無力!特に最後の眉間打ちは力士に対して悪手じゃい!」

 

力士は立ち合いの際、最初のぶつかりで額に1tの衝撃を受ける。それ故に額の耐久力は高く、それを支える首も必然的に丈夫になる。八幡の爆裂拳フィニッシュも額で受けたのはそのためだった。

そして筋肉の鎧によって鳩尾のダメージもさほど効いていなかった。

 

本田「ぶつかりで鍛えたワシの額を………とくと受けんしゃい!スーパー頭突きじゃい!」

静「!」

 

スーパー頭突き。

重量級の本田の見た目からは想像もつかない水平飛びをしながら弾丸のような速度で相手に頭突きで突き刺す突進技だ。

頭突きなどという本来の相撲では使えない技だが、こと異種格闘技では有効な手段だ。それも先程の力士ならではの額の耐久力、首の強さ、135kgの体重が真っ直ぐに飛んで来る恐怖。

さしもの静もこれには少しばかり驚いたが………

 

静「アクトン!」

 

スーパー頭突きを咄嗟にアクトンクリスタルの腕を十字にして受ける事で直撃を回避する。

 

本田「そのまま鬼無双じゃい!そりゃあ!ハァ!ハァ!ハァ!」

 

スーパー頭突きがガードされたと悟った本田は、普段ならばそのまま反動で後ろに跳ね返るのだが、そのまま水平宙返りをして着地し、すかさず普段よりも速度が速い百裂張り手を繰り出す。

 

A・C「ドララララララ!」

 

それに対して静は完全にアクトンを上半身だけ出現させ、スタンドラッシュで応戦。

端から見ていると張り手とスタンドラッシュの応酬に見えるが、互いに相手の突きを正確な突きで叩き落としながら、自身の突きを繰り出し合うという実に正確で高度なやり取りをしていた。

特にヒヤリとしていたのは本田の方だ。

何故ならアクトンも静本体も本田に向けて放っている拳の対象は目突きや喉、人中、顎の先等と命中すれば大ダメージ必至な位置へと攻撃を繰り出してくる。

これを正確に打ち込もうとするのだからたまらない。

互いがラッシュを出し切り、そのまま接近して小技の応酬をしばらく行った後に間合いを離す。

ダメージを受けているのは本田の方だ。

静は時おり引っ掻き攻撃を交えたり、ビーチの砂を掴んで投げたり、波紋法の電撃のような攻撃を交えながら小技を放っていた。

しかも投げようとすれば、自ら飛んで投げを封じて着地した上に、回転する際に勢いを利用して置き土産と言わんばかりに蹴ってくる。

 

本田「まっことにカワイイ顔して始末に負えん小娘じゃわい。繰り出してくる攻撃が全て必殺級とはのう………それも、格闘の基本をよう知っておる………真に恐ろしいのは小技の正確さじゃ。あんさん、1回戦では実力を隠しておったんじゃな?」

静「大技じゃあ気が使えない私がいくらやったところで、どうしてもこの世界の人間には足元にも及ばない。小技でチクチク攻撃するのが利口っつってね」

 

格ゲーとかでもよく見られる光景であるが、判定の強い弱パンチや弱キックで必殺技を潰したり、コンボの出鼻をくじいたりなど、強いプレイヤーほどそういうチクチクした攻撃でダメージを蓄積しつつ、相手のフラストレーションをためたり焦りを誘発させたりする。

静がやっていたことも正にそれで、大ダメージを与えるソースがない代わりにチクチクと細かく、ネチっこく、時おりスタンドを交えてトリッキーにと、性格の悪さが滲み出た、それはそれはもう本当にイヤらしい攻撃の応酬を続けていた。

これが角界の達人、エドモンド本田でなければすぐさま頭に血がのぼり、決定的な隙を生み出していたであろう。

 

本田(これは攻めにくいのぉ………それに背筋に走るその冷たい殺気………本当に世界は広い………こんな小娘が存在するなんて思わなかった………)

 

攻めあぐねる本田。そこに影を落とす者が………

 

ほくと「どきなさい。エドモンド本田。暗殺格闘術には暗殺格闘術よ………」

 

呼んでもいないのにストライカーのほくとが後方から乱入。

 

本田「ほくとの嬢ちゃん!」

 

本田の静止も意に介さず、ほくとは気の弓矢を発生させ………

 

本田「待ちんしゃい!ストライカー攻撃はあくまでも援護攻撃!相手に大ダメージを与える事は反則じゃ!」

ほくと「知ったことではないわ。気錬射………」

 

静に向けて特大の気の矢を放つほくと。

ほくとの水神流古武術は暗殺術。

先程から静が発している冷たい殺気に対し、密かに反応し、機会を伺っていたのだ。

 

DIO「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン♪ってねぇ!」

 

そこにさらなる乱入者がカットインする。

ほくとが飛び込んだ瞬間には既に反応し、膝立ちから「ピョッ!」と静の後方からストライカー乱入したのである。

暗殺格闘術を使うのはDIO八幡も同じ。

ほくとの我慢が限界に達していたのを察知していたDIOは、エリナいろはの膝枕から飛び起き、いつでも乱入できるようにスタンバイしていたのだ。

ほくとと静の間に割り込んだDIOはハーミット・アメジストを両腕に展開してクロスガードを固め、気の矢に備える。

 

DIO「ぐぅぅぅぅ!」

 

ヒビが入っているハーミット・アメジストでは特大サイズの気の矢を防ぎきれる訳がなく、あっという間にスタンドブレイク。

 

DIO「間抜けがァァァァ!」

 

そのまま気の矢の直撃をもらい、キリモミ状に吹き飛んで断末魔の悲鳴を上げ、そのまま動かなくなった。

 

「KO!WINNER IS ほくと………?」

 

DIO(ハーミット・アメジスト)………再起不能

 

あまりの出来事に静まり返るリング。

しかし、審判はすぐにハッとなって告げ直す。

 

「試合中断!ほくと選手!援護以上の過剰攻撃力の行使による反則行為により審議!」

大門「ほくと嬢ちゃん!」

 

動かなくなったDIOに対し、更にトドメを加えようとするほくとを大門が羽交い締めにして止める。

静はそこでエリナいろはに大声で叫ぶ。

 

静「イーハ!ほくとにエメラルド・ヒーリングを!」

エリナ「ほくとさんに?ハチ君じゃあなくてですか?」

静「今、確信に至った!こいつは洗脳状態!イーハのエメラルド・ヒーリングなら………」

エリナ「知りませんからね!エメラルド………ヒーリング!」

 

エメラルドの回復の弾丸はほくとに直撃。

ほくとの体がエメラルドに輝くと、ほくとの額に浮かび上がった赤色の模様が消えていく。

 

ほくと「こ、これは………」

 

エメラルド・ヒーリングによって暴れていたほくとが大人しくなる。

 

静「………それがあんたにされていたモノだよ。兄を殺すために施された家からの洗脳………私達家族愛を重視するジョースター家からしてみたら気狂いとしか言いようがないけどね。そうは思わない?水神………(しらせ)

ほくと「訃………それは私の幼名………」

 

水神ほくと………その幼名は水神訃。

何故それを静が知っているかと言えば、格ゲーを深く嗜む材木座からの情報である。

 

静「その復讐心が本物の兄への復讐心っていうなら、理解は出来ないけど私は止めない。復讐心なんて、本人にしかわからないことだからね。けど、不貞をした実父が本家筋の異父兄を殺す為に洗脳をけしかけるなんてのを黙っているなんてのは、見逃せないっつーの。まぁ、実兄を殺すのがあんたの本心ならば、超巨大なお世話なんだろうけどね」

 

元々、家庭愛が強すぎるジョースター家。

その中でも祖母のような姉ホリィは本妻の子、親子ほど歳の離れている兄仗助は愛人の子、そして自身は養子という実に複雑な家庭の中で育っていながらも、多少のイザコザ(特に浮気騒動やジョースターコンプレックス)はあったものの円満な家庭環境に育った静にとって、ほくとの環境はどうしても口出しせずにはいられない環境だった。

 

ほくと「本当に余計なお世話よ………他人の家庭事情に口出しをしてくるなんて………」

静「あら。それは失礼。洗脳が解けたというならば、後はお好きにどうぞ♪」

ほくと「そうさせてもらおう。私は私の意思で、兄に会いに行く。その結果がどうなるかはわからないけれど」

 

引っ掻き回して後は知らんぷり………とは本当に無責任な話である。とはいえ、この試合において水神ほくとの問題に引っかかりを覚えていたのは確かであり、異様な殺気を試合前から醸し出していたのもほくとを釣るための手段だったことは確かだ。

ほくとは無表情のまま、ストライカー待機台へと上がり、審議を待つ。その感情は………読み取れない。

 

本田「その為のダシに使われるとは気に入らんのぅ?」

静「まぁ?審議の結果次第だけど、ここからは私も小細工無しで試合するよ?まぁ、必殺の攻撃がない私からだから、やることは変わらないしそっちにとっては小細工かも知れないけどね?」

 

静は腕を組んで本田にウインクする。

 

本田「魅力的なオナゴのウインクとて、あんさんのような凶悪なオナゴからじゃと震えしか起こらんわい」

 

審議は難航しているようで、しばらく時間がかかり………そしてその結果は………

 

「両チームの反則行為が認められ!両チーム、本試合におけるストライカー援護行為は禁止!中堅戦は続行とする!」

 

と告げられる。

 

静「両チーム反則行為!?何で!?」

 

DIO八幡は静の盾となって勝手に乱入し、勝手に再起不能になっただけだ。特に反則行為は………

 

エリナ「わたしが水神ほくとをエメラルド・ヒーリングをしたからじゃあないですか?敵の洗脳を解いたわけですし………本来は関わらないという約束だったんですから………」

静「あ………」

 

そもそも、エリナいろはは餓狼世界のいろはのふりをして関係者席に座っていたのだから、それ自体が既に反則だ。

むしろ部外者乱入による反則行為でチーム丸ごと反則負けになっていたとしてもおかしくない。

エリナ乱入で反則負けにならなかったのは弥七とサトリのいろはがエメラルド・ヒーリングを使えた事で入れ代わりがバレて無かったのが幸いしたのだろう。

 

静「あっちゃぁぁ………」

 

しまったといった感じで右手で目を覆い、天を仰ぐ静。

 

本田「ストライカーを失ったのはこっちも痛手じゃ。さて、仕切りなおしといこうかのう?静嬢ちゃん。今度はどんなチクチク戦法で来るのか楽しみじゃわい」

 

DIO八幡&エリナ・ジョースター…反則によりストライカー援護禁止

水神ほくと…反則によりストライカー援護禁止

静・ジョースター&エドモンド本田…中堅戦続行

 

←To Be Continued




水神ほくと(訃)
ストリートファイターEXで初登場。
古武術を伝承する水神家の娘。水神家分家当主の娘で、幼少期の名は訃(しらせ)。カイリの妹であり、七瀬の姉。兄と妹の父親は本家党首だが、母親は3人とも同じ(ほくとのみ異父兄妹)。
武神流本家の血筋に生まれながら古流柔術家に育てられ 、幼少からありとあらゆる技を仕込まれるが、古流柔術でも武神流でもない新たな技として自分のものへと変化させていく。
修行に訪れたリュウを兄のように慕っている。
当初は常に落ち着きを見せていて感情を表に出すことはなかったが、徐々に変化が生じている。
修羅の道に生きる兄であるカイリの存在を告げられ、彼女は兄の行方を求めて旅に出る。
家庭環境はジョースター家ほどではないが複雑で、本家の母が分家の父との間に産まれた不義理の子であり、その事実を隠すために本家の子として育てられる。
今どき珍しい幼名は訃。後の時系列を描いている「ファイティングレイヤーEX」では幼名に戻したのか、それとも別にほくとを名乗るキャラクターがいるので「ほくと」の名を剥奪されたのかは不明。
別のほくとが誰なのかも不明。
実の父親からカイリ抹殺の為の血の洗脳を受けており、その封印を本家に施されていたが、現在は不安定になっている模様。

サトリいろはのナイチンゲール・エメラルド
弥七いろはのナイチンゲールとほぼ同性能。
回復能力は本家よりも弱いが、破壊の弾丸であるエメラルド・ストライクはエメラルド・スプラッシュと同程度の性能を持つ。
また、散弾形式で発射するストライクとは別に、一発の弾丸を命中精度・射程・貫通力を格段に上げた「エメラルド・スナイプ」を発射することができる。
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