やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの奉仕部の活動

テニス部の奮闘により、葉山グループを退けた八幡達。
そして三浦と海老名…二人との決戦が始まろうとしていた、
その時、八幡の隣に立つものがいた。
一色いろは。
八幡の婚約者であり、花京院と親戚関係にある少女が二人に挑む。
だが、二人は強かった。
ハイエメラルド・スプラッシュによりいろはがやられ、そして今、三浦と海老名の二人がかりで八万が敗れようとしていた!


世界の原石と癒しの緑石

side比企谷八幡

 

くそっ!ハイエロファントの結界に炎を纏われ、前世で花京院を倒した時のように結界を破壊しながら逃れる事が出来ない!

まずいぞ、これは…

 

三浦「命乞いとかは通用しないと思えし、ヒキオ」

 

海老名「あなたはここで終わらせる。絶対に」

 

八幡「ザ・ジェムストーン!」

 

時を止め、やけになって決壊を破壊するべくハイエロファントの結界を殴る。しかし、炎の熱にやられ、結界に拳を入れられない。

 

八幡「おのれ!この八幡が…この八幡がぁ!」

 

悔しくて俺は足元に拳を入れる。

くそっ!肺の痛みでろくにパワーが出ない!

あわよくば地面にトンネルを掘って脱出しようとしたのに!

そこで時が動き出す。

 

三浦「そう言えば、運命の車輪との戦いでは承太郎は地面をスター・プラチナで掘り進んでいたっけ。させねーし!クロスファイヤー!」

 

海老名「ハイエメラルド・スプラッシュ!」

 

隙がない!俺はジェムストーンでスプラッシュとクロスファイヤーを殴り、弾き飛ばすが思いの外にダメージが大きく、そして酸素不足で波紋の呼吸が練り辛くなっている!

二人の連携も完璧すぎる…脱出不可能か…?

 

八幡「ぐぅ…貴様らなんぞに…この俺が…」

 

俺はとうとう耐えられずにその場で膝を付く。

中途半端に開けた穴に片足を突っ込んでしまっており、逆に足を捉えられて身動きが出来なくなってしまった。

 

八幡「強いな…ここまで強かったとは…。これがDIOだったら結果はまた違ったんだろうが…な」

 

三浦「負けを認めるってこと?」

 

八幡「仮に負けを認めても、俺は殺されるんだろ?無駄な事じゃあないか」

 

海老名「そうだね。死んでもらうことは変わらないかな?」

 

そうか…残念だ。

殺意百%か…。

たまらず乱入してこようとするジョジョ。

涙を堪える外のジョジョにサインを送る。

 

八幡「C・B&B・Sだ…ジョジョ」

 

静「!?了解よ。ハッチ!」

 

そう言いながら、俺はとうとう片足を抜くことも出来ないまま、その場にうつ伏せで倒れた…

 

三浦「今の暗号はなんだし。今さらジョースターさんの娘を参加させるつもり?」

 

海老名「かまわないよ?今さらだけどね」

 

そうだな。もう今更だ…。

死ぬかも知れないな…。

 

八幡「そんなことはしねぇよ。ジョジョや徐倫が介入しようが、もう負けは確定してるんだよ」

 

三浦「諦めが良いじゃん?ヒキオ」

 

八幡「ああ………三浦、ジジイがいたらこう言うぜ?

 

 

 

 

 

 

 

…………相手が勝ち誇ったとき、既にそいつは敗北しているってな。負けは確定しているんだよ。既にお前らのな」

 

三浦「なっ!ハッタリを!」

 

八幡「そう思うならそう思え!くらえ!紫水晶の波紋疾走!(アメシストパープル・オーバードライブ)無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!

 

三浦「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!何で……だし……」

 

バタッ……

炎が消え、その場に倒れる三浦。

 

八幡「気絶した振りかも知れんな。確実に意識は刈り取らせてもらうぞ。追撃のアメジストパープル・オーバードライブ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!

 

三浦「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

コンガリ…キュゥ……ガクッ!

 

三浦優美子(マジシャンズ・レッド)…波紋による念入りな感電により再起不能(リタイア)

 

八幡「やっぱり死んだ振りだったか。お前らと違って、こっちは暫定気絶で済ますほど甘くねぇんだよ」

 

海老名「く………どうやって優美子に波紋を流したの!」

 

八幡「良いぜ、教えても。三浦の足元を見てみろよ」

 

海老名が三浦の足元に目を向けると…そこには小さな穴が開いており、そこからハーミット・アメジストが伸びていた。

そのハーミット・アメジストは三浦の足に絡み付いており、そのわずかな蔦を全身に絡ませていた。

 

海老名「ハーミット・パープル!何故それが穴から!まさか!」

 

八幡「誰がハーミット・アメジストを手からしか出せないと言った?ジジイがそうだからって、俺も手からしか出せないと勝手に思い込んだのはお前らだろ?」

 

そう。ハーミット・アメジストを出している場所。それは中途半端に開けた穴に突っ込んだ右足。

俺は穴から足を上げて、足から伸ばしているハーミット・アメジストを見せる。

え?そんな事ができたのかって?

何言ってんの?それこそ、サバンナ川で運命の車輪と戦った時に、既に俺は足からハーミット・アメジストを出してロープ代わりに使っていたじゃあないか。

そこからミニチュアのザ・ジェムストーンを出現させて三浦の足元までラッシュで掘っていたんだよ。

会話はそれまでの時間稼ぎ。

 

海老名「く……よくも優美子を…」

 

八幡「ところでさ、何でお前、なに悠長に俺と会話なんかしてんの?」

 

姫菜「え?どういうことかな?」

 

八幡「お前、いついろはが気絶したり負けを認めたりした?」

 

いろは「そうですよ?勝手に勝ち誇らないで下さい。私から目を離した段階で、そして私の接近を許した段階で、あなたの勝ちは無くなったんです」

 

海老名「え?だけどあなたは既に…」

 

いろは「調査不足ですね。私はですね、完全に気絶させられるか、殺されるかでもしない限り、再起不能はないんですよ。だって……自分自身を治す能力があるんですから。あと、遠隔回復能力も。むやみにハチ君にエメラルド・スプラッシュを射っていたのが仇でしたね。こっそり、エメラルド・ヒーリングをスプラッシュに紛れ込ませていたんですよ。それを察してハチ君はスプラッシュだけを弾いて、ヒーリングだけを受けてましたが」

 

海老名「気絶した…ふりだなんてね…」

 

八幡「C・B&B・S。ワシントンでのある戦いにおいて、死んだ振り作戦を敢行しなければならなかった相手のスタンド名をとった作戦名だ」

 

本当に、最近はアイツをよく思い出す。

あの時はいろはをジョジョのアクトンで見えなくし、俺のステルス波紋で完全に気配を消した上で、アイツの意識からいろはを消したんだっけ。

そして気絶さえしていなければ、あとは隙を突けるタイミングまで寝た振りして待つ。

今回はいろは自身が気絶した振りをしたわけだが。

また、相変わらず性格が悪いって言われるかな?

また自分の平行世界でアイツがくしゃみをしているのが目に浮かぶ。

一方、いろははコツンと海老名の後頭部に拳を当てる。

 

いろは「確かに、私のナイチンゲールは遠距離戦ではハイエロファントに遠く及びませんし、その結界やストーン・フリーみたいに糸状に変えたりすることはできませんが、それでもハイエロファントより優れているところは2つあるんですよ?一つは今見てもらった通りの治療能力ですけど、もう一点ですね。それは、近距離パワー型と同様の戦いが可能なんですよ。どうですか?降参し、スタンドを納めるなら、再起不能にはなってもらいますが、何もしないと約束しますよ?」

 

海老名はしばらく俺達を交互に睨んだ後、大人しくスタンドを引っ込めた。

 

海老名「ひっこめたよ」

 

いろは「そうですね。では…」

 

八幡「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!

覚えているか?ハーミットアメジストは二本あるということを。

会話中にもう一本のほうを海老名に伸ばしていたに決まってるじゃあないですかぁ♪

もちろん、三浦への一本はそのまま巻き付けてあるよ?

 

海老名「キャアアアアアア!何もしないと…言ったよね?約束が…」

 

いろは「約束通りですよ?先に再起不能にはなってもらいますが…と言いましたよね?」

 

八幡「それに、いろはは約束したが、俺は約束していない。それに…これはなんだ?」

 

俺は小さくなって俺の耳に入ろうとしているハイプリエステス・グリーンを指で摘まんで海老名の前に見せてみた。

 

いろは「約束を破ったのはあなたの方ですよ?海老名先輩?ペナルティは受けてもらいます♪」

 

海老名「そんな…ほぼ一方的な約束…」

 

いろは「自分を知ってください。あなたは前世で承太郎に言ったんですよね?敗者が悪だと。その言葉の意味をもう一度味わうんですよ。あなた自身で」

 

海老名ハーミット・アメジストによって身動きがとれず、逃げることすらも叶わない。

もっとも、ミクロサイズのハイプリエステス・グリーンもいつでも潰せる態勢である以上、妙な動きを見せたら容赦なくスティーリー・ダンのようにプチっとなってもらうかも知れないが。

相棒の三浦は気絶中。狸寝入りだとしてもこっちもハーミットアメジストで身動き出来ない。

完全に詰みだ。

 

いろは「さて、やっちゃうよ?ナイチンゲール」

 

海老名「はぁ、参ったわ…好きにしてちょうだい」

 

N・E「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!無理ぃ!」

 

海老名「キャアアアアアア!よ、容赦……ないわ……」

 

ガクッ!

 

海老名姫菜…(ハイプリエステス・グリーン)…無理無理ラッシュにより全身打撲により再起不能(リタイア)

なお、後にミドラーのハイプリエステスと被るという理由の元に、前世のスタンド名、ハイエロファント・グリーンに改名させられる。

 

承太郎「こ、これは…一足遅かったか…」

 

ポルナレフ「これがアヴドゥルと花京院の…ねぇ。あの二人相手によく勝てた。承太郎ですら苦戦した連中だったんだからな」

 

ジョルノ「まぁ、どうせ八幡の悪知恵が働いたんでしょうけれど」

 

ジョセフ「ヤレヤレじゃ。シュトロハイムに続いてアヴドゥルと花京院とはのぅ」

 

ホントは戦いが終わるのを待ってから来たんじゃあないだろうな、と疑いたくなるくらいの良いタイミングで、仗助、ジジイ、承太郎、ジョルノ(亀付き)、トリッシュさんがやって来た。

 

八幡「戸塚、こっちに来い」

 

戸塚「う、うん」

 

戸塚が何で呼ばれたのかわからないようで、言われるがままにこっちに来た。

 

八幡「ジジイ。こいつは戸塚彩加。スピードワゴンの生まれ変わりだ。こう見えても男だ。下手なことを言うなよ?多分、髪を貶された仗助ばりにキレる。戸塚、このジジイがジョセフ・ジョースターだ」

 

二人を引き合わせると、戸塚は「ジョジョ…」と言いながらジジイに抱き付いた。

 

ジョセフ「Oh NO!何なんじゃ!この転生の再会ラッシュは!スピードワゴンのじいさんまで転生しておったのか!」

 

ジジイはもはや大混乱している。

まぁ、俺達は順番に再会していたり、前世の面識がなかったりとかだから、驚きはそれほどでもなかったが、転生者の大半が知り合いのジジイはそうなるだろう。

 

仗助「しかし、こうならないように承太郎さんやジョルノに来てもらったっていうのによ、間に合わなかったんだな」

 

八幡「まぁ、辛うじて殺さなかったから、目を覚ました後は頼む。特に承太郎は本気で頼む」

 

承太郎「ヤレヤレだ。それと、久し振りだな徐倫と静。元気でやっているか?」

 

徐倫「この間のショートバケーションで会ったばかりでしょ?」

 

静「元気でやってるも何も、二人のせいでまだ味覚が元に戻らないんだけど。逆さ釣りわさびの刑のおかげで」

 

俺達が顔をひきつらせて言う。

 

雪乃「比企谷くん。ジョセフ・ジョースターさんは先日お会いしたから知っているけれど、後の方々は知らないから、紹介して欲しいのだけれど」

 

結衣「う、うん。でも、格好は比企谷くんがよくする格好だよね?」

 

ああ、承太郎とジョルノ、ポルナレフさんについてはみんなに紹介しないとな。

ついでだ。仗助に三浦と海老名を治療してもらい、俺がハーミット・アメジストで厳重に縛り上げる。

妙な動きをすれば即、アメジストパープル・オーバードライブが流せるようにだ。

そして、小町が気付けを行う。

波紋については小町が一番の専門家だ。

 

三浦「ううん………はっ!あーし達は!」

 

海老名「く……既に尋問体勢なのね…いっそのこと一思いに殺しなさいよ!」

 

ジョセフ「華の女子高生が物騒じゃのう?アヴドゥルに花京院」

 

承太郎「ヤレヤレだ。もう一時間早ければ、こんなことにはなっていなかったのにな。だが、会えて良かったと言うところか?会いたかった。花京院、アヴドゥル」

 

ポルナレフ「まぁ、せっかちなのは生まれ変わっても変わらなかったみたいだな。アヴドゥル、花京院」

 

三浦&海老名「ジョースターさん!承太郎!ポルナレフ!来ていたのか!?」

 

承太郎「ああ、とりあえず、先に俺達を知らないメンバーへの自己紹介らしい」

 

俺は徐倫にアイコンタクトする。

徐倫はこっちに投げるなと目で抗議してくるが、一番近しい間柄はお前だろうが。

 

徐倫「帽子を被っている方は空条承太郎。名前で分かると思うけど、あたしの父さんよ。海洋学者として理科の教科書に載っているから、知っている人は知っているわね」

 

承太郎「徐倫の父親、空条承太郎だ」

 

次に承太郎が仗助を見て、ジョルノを顎で指す。

ジョルノに一番近しいのはお前だろ?と。

 

仗助「こっちの金髪はジョルノ・ジョバァーナ。SPW財団のイタリア支部…というよりはヨーロッパ支部の支部長だ。一見穏やかだが、気を付けた方が良い。ヨーロッパ支部というのは基本的に表向きで、本質は…」

 

ジョルノ「ヨーロッパギャング、パッショーネの代表をしています。ジョルノ・ジョバァーナです。僕はDIOという男と…そして汐華冬乃の間に産まれました。一応、ジョースターの末席に名を入れさせてもらっています。どうぞよろしくお願いします。初めて顔を合わせる親戚もいるようですが。すぐにわかりましたよ、雪ノ下雪乃さん。姉の陽乃に面影がある」

 

雪乃「私の親戚!?しかも姉さんを知っている!?でも、もう姉さんは…」

 

トリッシュ「生きているわよ。彼女を匿っていたのはスピードワゴン財団だから。今は財団の千葉支部で小町の部下をやっているわ。私はトリッシュ・ジョバァーナ。イタリアを拠点にモデル兼歌手として活動しているわ。芸名はトリッシュ・ウナ。そっちの方が有名かもね」

 

結衣「うそ…似ているとは思ってたけど、本当にファッションモデル界のカリスマのトリッシュ・ウナさん…比企谷くんの身内なんだ…」

 

雪乃「それよりも姉さんよ!本当に姉さんは…」

 

ポルナレフ「生きている。マドモアゼル雪ノ下。あなたは一度、自分の身辺を洗い直して見た方が良い。辛い現実が君に襲いかかるかも知れないが」

 

雪乃「ゆ、幽霊……」ガクブル…

 

三浦「ポルナレフ…アンタは既に…」

 

海老名「死んでいたんだね…」

 

ポルナレフ「ウィ、マドモアゼルアヴドゥル、花京院。だが、あの時のエジプトじゃあない。2002年のイタリアで、前パッショーネのボスにやられたのさ。たまたま、この亀のスタンドのおかげで成仏はしていないが。申し遅れた。私はジャン・ピエール・ポルナレフ。パッショーネのナンバー2を任されている。ご覧の通り幽霊だ。この亀のココ・ジャンボももう老齢なので、私が現世に留まれるのは後わずかではあるが」

 

三浦「ポルナレフ…アンタは…」

 

三浦はポルナレフさんの姿を見て、ポロポロと涙を流した。やっと再会できた、かつての仲間がいなくなるのは寂しいのだろう。

前世の頃から情に厚い男だったしな。今は女だけど。

 

ポルナレフ「ノンノンノン。約15年前に無くしていた命だ。それをここまで承太郎や仗助、ジョルノ、八幡達と共にいることが出来たのだ。これまでが幸運だったのさ。悲しんでくれるのは嬉しいが、それならば私達の話を聞いて貰えないだろうか?アヴドゥル、花京院」

 

海老名「それはヒキタニ君にも関係ある話?」

 

承太郎「ああ、そうだ、花京院。むしろ、今となっては八幡は協力者であり、家族だ。そうなった経緯もこれから説明する…」

 

涙の再会の後に、新たにアーシスと奉仕部に新たな頼もしき戦士が加入したのだった。

 

←To be continued




はい、あーしさんと海老名さん戦終了です。

ワシントンでの縮小版のような戦いになりました。
実際にシミュレーションしてみたら、この二人は強いのなんの…
いつもの本城八幡クオリティの騙しの手品と、お馴染み死んだ振りだよヴヮーカ作戦で何とか倒せました。
第1章のようなキレイな戦いが最近は出来なくなりましたね(-_-;)
でも、久々にいろはを活躍させる事ができて大満足です!

それでは次回は第1巻のエピローグに入りたいと思います。
よろしくお願いします!

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