やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前回までの奉仕部の活動?

職場見学の希望票の集計をしていた八幡と静。
そこに八幡達を捜しにきた由比ヶ浜と雪ノ下が現れ、こういう時の為に連絡先交換をした!


……
………
…………

あれ?6000文字使って内容はこれだけ?


チェーンメール

side比企谷八幡

 

特別棟の4階、東側。グランドを眼下に望む場所にその部室は出来た(・・・)

元々三部長室というだけでも手狭だった。

その上でイタリア支部長室、承太郎のオフィス、トリッシュさんの事務所までもが兼用となり、その上に由比ヶ浜、戸塚、材木座、三浦、海老名さんまで入部し、ジジイまでもが最近は入り浸るようになったため、教育委員会と裏取引をして特別棟を大改築しやがった。

権力使いまくりだろ!俺達が卒業したらどうするつもりなんだ!歴代ジョジョが総武高校に集結してどうするんだよ!

まぁ、いくら突っ込んでもそうなってしまったものは仕方がない。メチャクチャするのも、ジジイがやることの規格外さも今更だ。

その改装をたった数日で終わらせるあたり、ジョースター不動産の優秀さは計り知れない。陽乃さんの働きもあるが。

俺は腐った目を更に腐らせ、開け放たれた窓から入り込む青春の音楽を聞きたくないのに聞かされる。

部活動に励む少年少女達の声が木霊し、金属バットが鳴らす音や高らかなホイッスルと混じりあい、そこへ吹奏楽部のクラリネットやトランペットが華を添えた。

そんな素敵な(忌々しい)青春BGMを背負いながら、俺たち奉仕部が何をしているかといえば…

 

ジョルノ「Un nuovo gate per la drugdogation?

Collapse e distruggi i funzionari.

Trasforma la squadra di assassini. Il fallimento è maleducato, Fugo.」

 

イタリア語で落ち着いて電話をしているジョルノ。

仗助の机と同質の物の回転椅子を回し、窓に向け、足を組んで座って電話を片手にイタリア語を話すオシャレなスーツを着ている穏やかな表情の金髪外国人の会話風景は絵になる。

 

結衣「ほへぇ~…何かぐろーばる?っていうか、ラテン風って言うか……憧れちゃうなぁ……何を言っているのかなぁ?」

 

八幡「そうだね。すっごい絵になるね?何を言っているのかわからないなら幸せだと思うよ?」

 

たまにエスプレッソを飲んでリラックスしている姿なんて本当にそう思うよ?でもね?

 

雪乃「そうね。比企谷くんはわかるのかしら?」

 

八幡「雪ノ下。世の中、知らない方が幸せだと思うことって…あるよな?」

 

三浦「ヒキオ、訳せるの?」

 

八幡「訳せるよ?知りたい?後悔しない?」

 

海老名「意地悪しないで教えてよ。相変わらずDIOだよね?」

 

ほう…言ったな?では後悔してもらおう。

ちなみに、一切の装飾はない。直訳だ。

では和訳。

 

八幡「新しいシンジゲート?

潰して関係者は始末してください。

暗殺チームを回すように。失敗は許しませんよ、フーゴ」

 

…………………。

 

結衣「ラテンでモダンな空気が一気にゴッドファーザーのようになった!ポーズは変わっていないのに、別の意味で絵になってるから逆にすごい!」

 

八幡「言ったろ…SPW財団イタリア支部…実質はヨーロッパ支部だが、あそこは同じ財団でもギャング団、パッショーネが運営しているって…ちなみにジョルノの財団相続権は第三位で仗助、ジョジョの次だったりする」

 

戸塚「僕のスピードワゴン財団が…おかしな方向に…」

 

戸塚が頭を抱えているのを気にするでもなく、トリッシュさんがジョルノの秘書として動いている。

結婚したことで芸能活動は減り、現在では芸能活動をしていないときはジョルノ個人の秘書として働いているようだ。

SPWは芸能面での部門は広報部がCMをするとき以外は特にやっていないため、事務所は別にSPWとは別の事務所に所属しているが、ジョルノが圧力をかけたのか、ジョルノが日本に滞在中はSPWジャパンのCM活動と関連会社が主催するコンサートでの出演の専属契約のみしか活動していない。

 

一方承太郎の方は…

先日までのアフリカでのフィールドワークでの結果についての論文をまとめている。その承太郎の席の近くで三浦と海老名が勉強をしている。

その近くでジジイがパソコンとにらめっこ。

財団の関係者としては引退しているジジイだが、投資家としては現役で、元々潤沢だった資産をさらに増やしている。その活動のついでで二人の勉強を見ている。

数年前の厄介事は忘れてねぇぞ?ジジイ(第2章参照)。

よくみるとポルナレフさんも一緒だ。

相変わらずスタクル組は仲が良い。

 

戸塚は今日は小町が不在の為、千葉支部の仕事をしている。戸塚はその日に出勤をしているメンバーの仕事の雑用と、関東支部の医療部の仕事をするようになった。

元々財団は戸塚の前世が立ち上げた財団だ。

一度仕事を掌握してしまえば、昔とった杵柄で即戦力で働いてくれる。いずれはアメリカ本部の医療部門部長に就任できると先代会長のジョセフからお墨付きが出ている。

どうせなら次期日本支部長になってくれないかなぁ…。

と言ったら、戸塚に「君より上の立場になるつもりはないよ。そこだけは譲れない」と断られた。俺が良いと言っているのに…。

 

材木座は露伴先生に提出する小説を書いている。スタクル視点からのエジプトの旅を題材にした小説に挑戦しているらしい。

 

これが増員されたメンバーの基本的なスタイルだ。

ちなみに訓練は昼休みに集中して行われている。

 

仗助、ジョジョ、俺、いろははいつもと変わらない。 雪ノ下は読む本を文庫本から建築や政治、経営に関する専門書に変え、勉強を開始した。

将来は姉を越えるべく、ジョースター不動産関東支部への入社を希望している。小町もやる気次第なら採用を検討すると言っているが…。

 

由比ヶ浜は「あたしはユキノンの部下になる!」とか言っているが、具体的に何をすれば良いのかわからないので、コピーとか書類のファイリングとかの雑用をいいつけられている。

 

まぁ、前みたいにダラダラしているよりはよっぽど良いことだろう。バイト扱いにしているから給料も出しているし。

ダラダラといえば、どこの部活でもあるだろう。

うちのラグビー部の部室なんて雀荘と化しているらしく、練習前練習後には半チャンやるのが通例となっているそうだ。

俺からすると、ただの部室麻雀でしかないのだが、それは彼らにとってみれば立派なコミュニケーションであり輝かしい青春の1ページなのだろう。

彼らの中でどれだけの者が元々の麻雀のルールを知っているのだろう?俺のようにジジイに仕込まれ、ルールの熟知はおろか、いかさまのノウハウまで叩き込まれ、プロのギャンブラーであるダービーさんからのお墨付きまでもらっている者は多くないはずだ(第2章『JOJOザ・プレイヤー』参照)。というか絶対にいない!彼らは仲間に入れてもらうために勉強し、ルールを覚えたに違いない。

俺達が麻雀をやると、積み込みやイカサマダイスの使用は当たり前。しかも、必ずといって良いほどその後はリアル『ジョジョの奇妙な冒険ー千葉への遺産ー(タイマン)』『eyes of chiba(タッグバトル)』『大乱闘!スマッシュジョースターズ』『THE KING OF JORSTARS(3on3)』に発展する。町の雀荘でヤーサン相手にやれば、『ジョジョが如く』『ジョジョ無双』が開始される。

ステージも様々だ。日本とアメリカの空条邸、総武高校、比企谷家周辺、千葉駅、杜王駅周辺、ボヨヨン岬、

ネアポリス駅など、様々な地形が存在する。

 

そんな下らない事を考えていると、由比ヶ浜、三浦、海老名、戸塚の携帯にメールの着信があった。それぞれが携帯を出して確認すると、一様に嫌な顔になり、ため息や舌打ちが聞こえた。

 

雪乃「どうかしたの?」

 

結衣「あ、うん。変なメールが来たからうわっ!って思っただけ」

 

雪乃「比企谷くん、裁判沙汰になりたくなかったら今後そういう卑猥なメールを送るのはやめた方が良いわよ?関東支部の支部長が裁判沙汰になったら姉さんが路頭に迷って、扶養に入っている私にまで影響するから」

 

イタズラっ娘の顔で俺に仕掛けてくる雪ノ下。これが以前だったら本気で言ってきて部室の空気が悪くなっていただろうが、今は時々こういった冗談を仕掛けてくる程度だ。

 

八幡「ケンカ売ってる?まぁ、裁判なんて怖くない。権力使って揉み消すから。それよりも怖いのが、そんな事をしたらいろはに無理無理されて、小町にゴミゴミされて、空条親子からオラオラされて、東方兄妹にドララされて、ジジイにシーザーされて、陽乃さんからうりゃりゃされて、トリッシュさんからワァナビィされて、ジョルノに無駄無駄された挙げ句に手足を拘束されて瞼と口と鼻にワサビを塗られる事だ」

 

雪乃「ジョルノさんがそんな事をするはずがないじゃない」

 

ジョルノ「そうだよ八幡。君にそんな事をするはずがないじゃあないか」

 

ジョルノ…嘘つけ!

 

雪乃「そうよね…そんな事はさすがに…」

 

ジョルノ「ハバネロの方が効果的だとわかっているから、そっちにするに決まっているじゃあないか」

 

もっと酷かった!ジョルノの事を知らない面々はドン引きしている!

 

ジョルノ「デスソースじゃあないだけ優しいと思うよ?なんなら今からやるかい?」

 

何でチューブを持ってるんだよ!常に持ち歩いているのかよ!辛党なのかよ!

雪ノ下は親戚の非道さを知ってダラダラ汗を流している。

 

八幡「良かったな?改心していて。先月までのお前だったら間違いなくハバネロだったからな?」

 

雪乃「本当ね…素直にそう思うわ。冗談はそこまでにしておいて、由比ヶ浜さん。どう言った内容だったのかしら?」

 

結衣「え?あ、うん。なんちゅうかさ、内容がうちのクラスの事だったんだよね。だから比企谷君は無関係っていうか…」

 

材木座「うむ、八幡は間違いなく無関係だ」

 

戸塚「八幡が犯人だったら、戸塚彩加はクールに君の元を去るよ」

 

三浦「あーしだったらレッドバインドをやってやるし」

 

海老名「ハイエメラルド・スプラッシュもつけるよ?」

 

仗助「二度とジョースターの敷居をまたがせねぇところだったぜ」

 

八幡「俺も一応、同じクラスなんですけど?っていうか、君達酷くね?特にスタクル2名は酷くね?和解したはずだよね?殺意感じるんですけど?」

 

静「私も同じクラスだけどきてないよ?」

 

今日もメーラー大門五郎さんは天地返しで大活躍だ。今度キング オブ ジョースターズの招待状を送らねば。

たまにはメーラー草薙京とメーラー二階堂紅丸さんにも招待状を用意するから。

 

結衣「まぁ、こんなことも時々あるしさ。あんまり気にしないことにするよ」

 

そう言って由比ヶ浜は携帯をばたんと閉じた。まるで自分の心に蓋をするかのような、そんな重々しさがあった。ちなみに俺とジョジョ、いろはにその手のメールが来たことはない。大門さん、仕事しすぎです。京と紅丸は働け!

いや、しかし真面目な話、有名人とか企業の上役とかもそうだが、友達が多い人間というのは、いつもこのてのどこかドロドロしたものと向き合わなければならない。

承太郎の言う、スタンド使いの戦いとは別の、分かりにくい戦いという奴だ。本当に大変だ。

こればかりは国単位の支部長クラスや大統領クラスまで上り詰めた人生経験を積んだ者でしか上手いやり過ごし方の心得を得ることが出来ない。

由比ヶ浜達はそれきり携帯に触ろうとはしなかった。

そのメールがどんな内容であったかは推測するしかないが、まぁ愉快な内容ではないだろう。

クラスの人間関係ではその手のメールはないが、会社や政治的関連で部内部外からのそれは俺達にもしょっちゅうある。しかも、死活問題に関わることも少なくない。

ましてや、ここ最近は成長してきたとはいえ、由比ヶ浜はアホの子であり、直情径行型のお馬鹿さんであり、俺達にも気をかけてしまうようなお人好しなので変に気を病む部分もあるだろう。

それを無理矢理振り払うように由比ヶ浜は椅子を仰け反らせながら大きく伸びをした。あの、部室の改装に伴ってパイプ椅子は撤収され、今の椅子は職員室にあるのよりも高いオフィス用の椅子なんだから、可動域以上に後ろに倒さないで欲しいんだが。

空気が白けたし、丁度いい時間だったので、俺達は休憩に突入する。

 

結衣「暇」

 

こういう時に重要なリラックスアイテムである携帯を封じられた事により、由比ヶ浜はだらーっとだらしなく椅子の背もたれに寄りかかる。そうしているとやたらに胸が強調されて目のやり場に困る。戸塚や材木座もだ。

仗助達のように落ち着いた年齢ならともかく、俺らは健康的で健全な十代だ。

いくら前世が相当な年齢に達していたとしても、今の肉体はまだ若すぎる。

そんな俺達の反応を見ていた承太郎は帽子を目深にかぶり直してため息を吐く。

 

承太郎「ヤレヤレだ」

 

ジョセフ「若いのう…」

 

やかましいわ!もうじき100歳にもなるのに未だに現役(朋子さん談)のジジイに言われたくないわ!

 

side??

 

帰り道の住宅街。日はすっかり沈み、辺りは暗い。

節電の為にとかいって街灯は点いていないからなのだろうが、市も俺達が払っている税金で成り立っているんだから、街灯くらいは点けろよ。

痴漢の被害がおきたらどうするんだ?

俺はそこまでやれる勇気はないが。

それよりも、今は携帯だ。

 

??「へへ…これでアイツらの評判が落ちれば俺が職場見学で班からあぶれる事はなくなる。ヒキタニ君の班とかになったら最悪っしょ」

 

チェーンメールを送った携帯が二件の通知を報せる。

チッ!またヒキタニとジョースターに送ったメールがアドレス違いだったっていうサーバーからの報告かよ。

ヒキタニの方はどうでも良いが、ジョースターの奴はマジでふざけるな。

カワイイし、バランスの取れた身体をしているからもろ好みだし、色々誘ってやってるというのに、いつも塩対応だ。

ちょっといい女だからっていい気になってやがんな!

あの一色という女もだ!1年の中では断トツの女だから声をかけたのに、冷ややかな目で一瞥くれただけで話すら聞きやがらない!

ヒキタニの周りにいる女どもはみんなそうだ!

腹立つ、腹立つ!

 

???「お前が、総武高校 部の だな?」

 

あ?女の声?

美人そうな声に惹かれて振り向くと、美人ではあるが、近寄り難い雰囲気を醸し出す二十代後半のような雰囲気を持った女が立っていた。

いや、近寄り難いとかじゃない。本能が逃げろと伝えてくる。あの睨むヒキタニと同質の雰囲気がこの女から出ている!

それに、何だあの弓矢は!何で閑静な住宅街で矢があるんだ!

 

???「私が怖いか?男子高校生に見あった性欲しか頭にないヘリウムのような軽い脳ミソの割には、勘だけは鋭いじゃあないか」

 

言われたい放題だが、ムカつくとかそんな感情は湧いてこなかった。こいつはヤバい!何としてでも逃げなきゃ殺される!

俺は恐怖でもつれる足を必死に動かして逃げようとする。

 

???「ふ、そんなヨタヨタ足で逃げられるとでも思っているのか?間抜けめ。まぁ、良い。総武高校には良い素質をもった者がたくさんいるからな。こいつ程度の小悪党くらいが丁度いい駒になるだろう。さぁ、行け…聖なる矢よ」

 

射ってきやがった!え?映画やアニメとかのスピードとはまるで違う!

 

ドズッ!

 

??「がふ……」

 

背中から心臓にかけて矢が突き刺さった。

死んだ……。まだ彼女も出来てなかったのに…。

あれ?痛くない…それに、まだ生きている…。

 

???「生きていたね?おめでとう。君はこれで特別な聖なる力を授けられた。君にはこれから一仕事をしてもらうことになる。邪魔な奴らをどうにかしたいとは思わないかね?」

 

邪魔な奴をどうにか出来る?

俺にはそれがとても甘美に聞こえた。

そんな力があれば…ふふふ、はははははは!

笑いが止まらない。気が付いたときにはいつの間にか女と矢はどこにも姿がなく、代わりに手のような変な物がフワフワと浮いていた。

 

←To be continued




はい、俺ガイル有名なエピソード、チェーンメール編の触りですね。俺ガイル本編ではこれとサキサキのエピソードが同時進行で起きるわけですが…
徐徐におかしな方向へと向かっていっています。

??は誰で、どんな能力を得たのでしょうか?


それでは恒例の原作との相違点を。

奉仕部の部室がカオスに…

雪ノ下は推理小説の読書、由比ヶ浜は携帯で遊んで暇潰し、八幡は読書と勉強➡八幡はいつも通りの社畜、雪ノ下は将来を見据えた勉強、由比ヶ浜はみんなの手伝い

八幡はゲーセンの脱衣麻雀で麻雀を覚えた➡第2章で語られた通り、接待に繋がる娯楽は一通りジョセフに仕込まれており、麻雀もその一つ。既に一流のプロ(ダービー)からお墨付きをもらっている。

由比ヶ浜の変なメールは八幡のセクハラメールだと本気で疑い、プチ尋問会に➡冗談でからかった。そこからジョルノの容赦のなさが浮き彫りに。

八幡はボッチだからアドレス交換をしていない➡恒例の嘘アドレスを教えた。大門先生大活躍。


それでは次回もお読みいただけると幸いです♪

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