うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu

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第一高校を受験せよ

第一高校は緩い坂の上に立っている。

白い校舎はすでに改装から数年経過しているが、風雨で汚れた様子はない。

そりゃそうだ、2095年の建築技術は2000年代初頭に比較すると月とスッポン。

 

入試試験に向かう俺の脚は重い。すごく重い。

煩雑な事務仕事をこなしつつ、2週間ちょっとの試験勉強でぶっつけ本番だ。不安である。

受付で手続きを済ますと「親御さんは?」と聞かれて「今日は一人です」と答え試験会場へ。

 

試験スケジュールは先に筆記を行い、昼食を済ませての実技。

 

まずは筆記。問題はこっちだ。これが出来ないことには一科生どころか二科生にもなれん。

 

試験会場に生徒の同伴としてやってきた親御さんは別室で待機。

受験生だけが試験会場に残る。

試験会場としてセッティングされた教室には多数の机。指定の席に着くと机上のコンソールを使い、試験準備をする。

周りでは多くの少年少女たちが、目をつぶり瞑想したり、友人とお喋りをして緊張をほぐしたりしている。

 

あ、巨乳女子中学生の柴田美月を発見。

掛けている細いフレームの眼鏡が霊子過敏性対応の眼鏡か。

 

スピーカーから試験開始五分前のアナウンスがあると受験生は真剣な顔つきになり

コンソールから【試験問題】のアプリを起動させ、カウントダウンを待つ。

 

あ~いやだ。頭使いたくない~。ホント、頭脳労働いやだ~!

 

再度アナウンスが流れ試験開始である。

 

 

========試験中=========

 

 

今の学生はこんな難しい試験をやるんだから、ひどいもんだよな!

ホント酷い。なんで数学がこんなに多用されるんだ!

 

それ程悪くない手ごたえで筆記試験は終わった。

この後は実技だ。その前に昼飯食わねば。それにしても潜入作戦が高校受験とは。

 

 

「はぁ、潜入ですか」と答えて顎を触る。

「お前は面倒な任務を言い渡されると顎を触る癖がある」と指摘されたことがあったが

これはわざとである。内心を整理するためのルーチンなのだ。

 

国防陸軍の本部にある情報部支援課第二班のオフィス。

国内外問わず、各事案に対応するために設立された「諜報の遊撃組織」が支援課である。

 

執務机を挟み俺の前に座っているのが直接の上司、村井大佐。

大佐から口頭で命令されたのは「第一高校への潜入計画」だった。

問題なのは「生徒として潜入」のくだりだ。

 

「これ、自分が潜入でいいんですよね?」

多少不機嫌な色が声に乗ったが、かまいやしない。作戦の大前提が気に食わん。

「そりゃ、お前以外にだれがやるんだ」

 

身長は18歳の平均より数センチ低く、今も若めの服装で盛り場を歩けば警官に一声かけられる。

声も若く、「おうちにお父さんかお母さんはいませんか?」とセールス電話に言われる始末。

同期からは「お前、ほんとに年取らないよな」「いや~うちの息子と同い年に見えるよ」と言ってくる。その息子に無料エロサイトを教えたろか。

そう、童顔なのだ。

 

関 重蔵(せき じゅうぞう) 36歳 国防陸軍少佐 情報部支援課第二班所属

そして「魔法科高校の劣等生」世界に転生した転生者でもある。

 

どうしてこうなった・・・


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