うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる 作:madamu
転生者候補(以下、転)「で、今日はブラウン管テレビで、115話を観ようと」
転生担当神(以下、神)「趣あるでしょ」
転「まあ、観ますか」
神「観ますか」
転「え、OP完備なの?」
神「ちょっと予算奮発しました。OP・ED完備です」
転「うわ~、最初のOPっぽい」
神「ほら観てよ、十文字先輩のファランクス車クラッシュ」
転「はっ!?関重蔵が写ってない!」
神「じゃ、本編開始だね」
◆
「魔法科高校の劣等生」として切り取られる世界において「転生者」の見せ場は大体はブランシュ、九校戦のモノリスコード、呂剛虎の三つだ。
いくつかみた二次創作の小説では書き手にはアニメ視聴組が多いので、そのあたりでだいたい止まる。
まあ、俺もその口だったのでアニメ視聴以降の話とか全く持って興味もなく、二次創作の転生小説も呂剛虎倒してだいたい満足していた。一応その先の展開も「リーナ」が出てくるくらいまでは知っていたが、パラサイトとかまでは知らなかった。
光夜と雪光は南海編まででカナデは四葉継承編まで知識があった。
三人曰く、リーナとパラサイトをどう処理するか?それが見せ場になっていくらしい。
さて、魔法師として能力の高い転生者には活躍の場はいろいろあるが、俺のような地味系チートは意外と活躍の場は少ない。
特に軍属であり、魔法師としては並(いや、謙遜ではなくホントにね。B級ライセンスの試験2回落ちてるし)だし、秘密の立場となると横浜騒乱で無双するわけにもいかない。
今回は俺の読みが当たったので一校で呂剛虎と楽しくダンスだったが。
ではどんな場面で無双ができるのか?
答えはこれからわかる。
◆
HALOで小淵沢の山中に降りた俺はこれからの行動指針を再度確認する。
「好き勝手に悪さをしてください」と小隊の奴らから好き勝手言われた。
俺の小隊、正しくは国防軍情報部諜報国外事対即応班の面々のうち数人は支援課第二班の部下でもあった。
簡単に言うと俺の実力と性格をよ~く理解している。
古沼さんんも「まあ好き放題してください。タイミング見て魔装大隊と一緒に現地に行きますから」だってさ。
ということなので、すでに悪さの下ごしらえはばっちりだ。
四葉の村の中にある浄水施設の屋上で俺は大の字に寝そべりながら、右手でスイッチをもてあそんでいた。
行動しやすいスニーキングスーツはすでに脱ぎ、服装は第一高校の制服姿だ。
ここで一校の制服を着るのは光夜への揺さぶりの為である。
よくアニメとかで敵陣に突入した主人公が普段着と変わらない格好で
防弾効果とか耐衝撃素材とかで作られた装備を着ていないことに憤慨することも大昔にはあった。
最終回用に主人公の服装を変えて新装備のデザイン案とかデザインラフとか
最終回前の過密スケジュールで忙しい制作現場を圧迫することが無いようにする配慮な気がする。
と思ったのは俺の姉がアニメーター生活6年で腰を痛めて転職したことがあるからだ。
さて四葉の村はもともと第四研究所として作られた村落だったらしい。
敷地内には浄水場、ごみの廃棄物の再生工場、簡易な病院…学校らしきものもあり
村民の居住地域以外にもそう言った公共区域も存在している。
俺は腕時計で時間を確認する。(意外と腕時計のデザインは2097年でも変わっていない。3D立体ビジョンでも着くかと思ったが、数少ない3Dヴィジョン式はなんか実用性が低い)
HALOで潜入して4時間。
すでに東の夜空は薄っすらと明るくなっている。午前も6時を数分過ぎた。
事前に決めた行動計画ではすでに小淵沢近くに本隊が侵入しているはずだ。
本隊の存在を察知した四葉の警戒も外に向っており、内部でトラブルを起こせば一部の警備は村内に戻り
村周辺の警備は手薄にならざる得ない。
陽動を行うために本隊の存在を知らせつつ、陽動を起すことで本隊を陽動と誤認させ警備の目を村内に向けて本隊の侵入を容易にしようという作戦だ。
本隊と陽動をタイミングよく切り替えることで、相乗効果的に作戦が上手くいく・・・はずだ。
大事なのは俺の陽動が派手であること、そして四葉に明確に打撃を与えること。
この二点が成功すれば村内に敵の目が向く。
意外とこんな程度の作戦でも上手くいくもんである。
中東で女装して敵の地下酒場に潜入して暗殺に成功したことを思い出すと、アホな作戦ほど有効な場合もある。
童顔日本人も地域が違えば女顔に見えるのはやっぱり世界の地域差だと思うんだよね。
それではレッツ、ダンス!
右手のスイッチを押す。
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ED視聴中。
転「支配者のポーズ!」