うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる 作:madamu
卒業式も終わり、深夜まで家族と話をし眠ったのは遅かった。
森崎駿は医大に進み、四葉光夜は進学せず大企業の経営に携わり、司波雪光は工業系大学への進学。
他の面々もそれぞれの道を進んでいった。
相馬新は二年時の冬休みに事故に遭い故人となった。親友の一人として葬式に出て森崎と一緒に泣いた。
眠る前に各人の進路を思い出していた本人も、魔法と物理学について勉学をするため関西の大学へ進学が決まっていた。
再来週には大阪の寮に行くことになる。
高校三年間は中々波乱万丈だった。
一年生の時の九校戦、二年に上がる前には夜の学校での戦闘、二年時にはテロリストから人質を解放するためショッピングモールを走り回り、三年生に上がれば十師族の会議に有志警備として呼び出され、東京の街をバイクで爆走する羽目となった。謎の組織との戦闘に巻き込まれたのも生き残った今に思えば悪くない思い出だ。
なかなかエキサイティングで楽しい三年間でもあった。
二度三度寝がえりをすると間もなくベッドの中で眠りに落ちていった。
◆
転生者候補(以降、転)「いや~終わり方は中々味わいがあって満足」
神様(以降、神)「でしょ?結局関重蔵それ程派手に動いてないしね」
転「で、この話は終わりだけど俺はどこに転生するの?」
神「そりゃ魔法科高校の劣等生世界だよ」
転「チートは?」
神「そりゃね、アリですよ」
転「武神の加護を…」
神「ただね、今回試験的に【強力なチートに比例して人生ハードモード】が導入されているからよろしくね」
転「え~」
神「どうする?【竜章鳳姿】とかなら死ぬまで人生楽しくなること請け合いだよ」
転「もっと平穏にチートできる方法は」
神「ちょっと待ってね、今パンフレットとオプション表を持ってくるから」
転「そうか~、身体強化って6段階もあるのね」
神「関重蔵は途中のパワーアップで最上位になってるから、100mなら6秒フラットくらいで走れる」
転「え、フルマラソンだと?」
神「1時間30分は余裕で切るね」
転「そのチートだと?」
神「呂剛虎とのタイマンは不可避」
転「魔法の才能は結構細かい」
神「深雪基準で上なら超天才級、深雪と同等なら天才級、深雪より下だけど大半の魔法師よりかは上、それと条件付き・系統限定の天才とかいろいろ」
転「人生ハードモードだと…」
神「まあ、九校戦無双して九島と対立路線じゃない?」
転「四葉転生はな~」
神「転生時期によるので、そこは要相談」
転「深夜、真夜のダブルヒロインハーレムルートは?」
神「全盛期の七草弘一との恋愛バトルが展開されるけど大丈夫?」
転「一番もりもりのチートだと人生どうなるの?」
神「タッちゃんと光夜とお兄様を足して割らない人生」
転「え~」
神「ただし、その能力は天井知らず。呼吸をすれば光井ほのかは恋に落ち、視線を向ければ七草真由美は頬を赤らめ、名前を呼べば、司波深雪は想像妊娠」
転「おい、最後。おい」
転「やっぱり平穏&そこそこアクション人生で」
神「平穏が一番だけど、平均的男子より能力上だからお兄様との関わりは発生するからね」
転「そのくらいは覚悟ですよ」
神「で、【魔法の才能(中)】、【人当たり良好】、【健康優良】」
転「それでOK!」
神「いいね?」
転「頼みますから光井ほのかちゃんと結婚できますように!」
神「無理」
◆
夢なのか過去の事実なのか。
確かに神様と話をした。
自分の才能についてはある程度子供の頃に理解していた。
勿論努力は怠ったことはない。才能と努力の相乗効果があってこその現在だ。
だが、相馬新の正体も藤林奏が明日のお祝い会をすっぽかしどこに向かったのかも
同級生の夜のホテルでの破廉恥なシーンとか、四葉光夜の壮絶な人生の一幕とか、雪光のヴァンパイアハンターの渾名とかそのすべてを知ってしまった。
暗い部屋、ベッドから身を起こす。
この世界が俗になんと呼ばれており、そしてこれからの未来が誰も知らぬ白紙の未来であることを認識した。
「うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる……」
須田渉はこの世界の俗称を一言呟いた。
終わった!まず謝辞を。
ここまで読んでいる君、誤字報告をしてくれた皆さん、感想でいろいろ絡んでくれた諸君。
この作品が作者のモチベーションが落ちずに最後まで書けたのは読者、誤字報告してくれた人、感想をくれた人のおかげです。ありがとうございます。
そして何よりも俺自身。作者流石!
俺の好きな話を俺の好きな言葉づかいで、俺の脳内でアニメ化できるよう最高に調整された文章を書くなんて!最高天才!愛している!
で、なんでこの作品を書いたか、あと各キャラクターについてちょこっと書こう、そうしよう。
1、書き始めた理由
おっさんオタクが「魔法科高校の劣等生」のアニメを見ていて
「なんだ、大人だらしねぇな~。横浜騒乱編で会場警備しているスーツ姿の奴ら頑張れよ!一人くらい凄腕の兵隊はいないのか!」と思ったのが始まり。
あとは「俺だったらこんなキャラ出すね」と考え始めて、横浜騒乱編で魔法ではなく近代兵器で無双して司波達也にドヤ顔するキャラを何となく考えたわけですよ。二丁拳銃無双のシーンは結局しなかったな~。
でリアル人間関係でいろいろあって時間が出来たのでネットで魔法科高校の劣等生の二次作品を何となく探したら「黒羽転生」を見つけて読んだわけですよ。
そして興味が出ていくつかの作品読んで「これならオジサンでも書けるんじゃない?」と。
書き始めたら完結に一年かかるとは。
2、キャラクター
最初は単に関重蔵が童顔で潜入して司波達也にドヤ顔する話を思いついたけど
他の魔法科の二次小説を読んでいてある程度「オリ主」や「転生者」に方向性があるな~と思ったわけです。
※ただしおじさんの主観なので論としての証拠はない
つまり
・司波達也の身内
・四葉の血縁者
・実力者の家系
だいたいこんな感じ。
それぞれの立場でそれぞれ転生者が作中内にいたら笑えるだろうと考えて物語に登場。
で、上記の3パターンに適合する転生者を作品内に配置したわけです。
身内→雪光
四葉→光夜
家系→奏
性格も二次創作にみかける「やんちゃ愛され系」「落ち着いたクール実力者」「明るいけどドライ」の三パターンのキャラクター像を当てはめたの。
そういう意味では、上記の三人はおじさんの考える「魔法科高校の劣等生二次創作の主人公像のパロディ」と言える存在なわけです。
黒城兵介やカチューシャなんかも「お兄様とは絡まない他の高校のオリ主」としては有り得る立ち位置なわけで(三高主体の魔法科高校の劣等生二次創作もいくつかあるしね)
USNAに渡ったお兄様という「原作改変」系の作品における「達也」のパロディは「タっちゃん」で。
一年生の転生者なんかは、書いてた当時に「武蔵ちゃん」人気があったのでfateっぽい感じ+日本刀キャラ(剣術があるので剣術キャラのオリ主って見かけるよね)+天真爛漫系女の子+少年漫画の能力持ち転生者、というラインナップにしたんです。他の作品にいそうでしょ?
大阪のあいつも「悪意ある転生者」として主人公に置けばピカレスク浪漫(魔法科世界の裏社会を描く系)として成り立ったはず(希望的観測)
基本的には転生者は他の転生者がいなければ「魔法科高校の劣等生二次創作」の主人公になれる存在として意識して書いた。
雪光なんか劇中では愛されキャラだけど一番「原作知識」を盾に好き放題できる要素が高かったので序盤は少し「原作原作うるさそうな奴」と意識してた。
ほら、原作知識無双で好き放題仕様とする転生者って反感買いやすいじゃない、読者に(倒置法)
他の転生者がいなければ雪光は森崎を見捨て、自分が活躍して七草真由美にモテて、他のフリーの先輩方からもモテモテキャラになっていたはず。
光夜も奏でもそうだけど他の転生者がいなければ横浜騒乱で達也の向こうを張って活躍するはずなんですよ。
ただ今回は関重蔵という変なのがいたのでこうなっただけで。
最後に判明した転生者は劇中二回、関重蔵とタッちゃんがその可能性を言及したのでオチとして使いました。オリジナル一校生はこうなるのだ!
3、原作キャラ、特にモーリー
森崎くんアニメ見てたら不憫でね。ついつい可愛がったらいい奴になった。
出来得る限り、原作キャラを「馬鹿扱い」にはしたくなかった。
でも彼らの視野や知っている情報が何なのか、関重蔵を活躍させるためにちょっとだけ馬鹿っぽいところが出た気もする。
オリ主上げ、原作下げは気持ちがいいもんじゃないし。
吉祥寺真紅郎はアニメのお兄様に下に見られているけど、こっちだと「さすがの神童も四葉の秘蔵っ子にはかなわないか。吉祥寺君には研究分野で頑張ってもらおう」とか研究者としての正統評価があることにしたい。でもローアンドガンナーのソロの初代優勝者なので運動は出来るんだよね。
四葉真夜は本来はヤバいメンヘラだと思う。四葉継承への小説読んで感じたので最後はヤバい人に。というか無気力な人間となってしまった。タッちゃんと会えただろうか?
4、関重蔵
変な奴だった。最後はカナデと幸せに。
フランスのダンススタジオを買い取って二階に小さな探偵事務所を開きのんきに生きてます。
カナデには3回ビンタされ、キスされます。幸せ者め。
ちなみに1年ほど幸せ生活ですが、MIAのお膳立てしてくれた村井さんから「いい加減復帰しろ」と言われて復帰です。
風間さんはため息。そのままEUでの現地エージェントとしてカナデと楽しくやってます。
約束通り、九島烈は存命中に曾孫の顔を見ることとなります。やったね!
ちなみのちなみ。【ヘイミッシュ】はホームズのワトソンのセカンドネームの「H」はヘイミッシュではないか?という説から来ている符丁です。
ヘイミッシュ→ワトソン→ホームズ→ライヘンバッハの滝→死の偽装、という村井さんとの取り決めです。あ、ホームズのネタバレしちゃった。
5、最後に
後半、特に原作ネタから離れるほど、ギャグや突っ込みが弱くなっていったのは仕方がない。
「原作を弄る」ことを関重蔵が意識的にしなくなったからだ。
彼は「自分の生きている世界」と認識した時から、魔法科高校という言葉にちょっと距離感があった(つもりで書いていた)
その点では後半は魔法科高校の世界を使ったオリジナル展開が長かったかなと。
それとマーベルネタはヤバかった。
あそこからの巻き返しは魔法科高校の劣等生二次創作史上最高の巻き返しだ(作者主観)
謝辞にも書いたが、みんなに感謝。読んでくれた人、誤字報告くれた人、感想書いた人。
お気に入り数とか評価とか結構気にしてた。ぶっちゃけ。
誤字報告は直してくれて助かったです。夜中の執筆は集中力が落ちるね(ちなみにこれは午前3時半に書いてる)
感想はオモシロかった。たまに頭にくることもあったけどそれも含めて面白かった。
匿名だからこそ好き勝手にやった。心底ムカついたらエタる気満々だったし。
俺は好きに書いた。君らも好きに読め。
さて、別の話の続きを書きますか。