うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu

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駄話オブ駄話。


駄話:ぐぬぬぬ

「関課長」

FLT本社、品川にある本社ビルの22階本社警備部のネットワークセキュリティ課、通称「電子課」のフロアでは

仕事をする課長の関奏が会長秘書の志々島(ししじま)に声をかけられた。昨年末に会長秘書に抜擢された社員でまだ30歳に届いていない。

 

「その様子だとまたなにか?」

名前を呼ばれた人物は笑顔。FLT屈指の美女。

いやFLTどころではなく、映画やメディアに出て来る美女以上と言っても過言ではない。

5歳児の母親には見えない。

 

旧姓藤林。日本魔法師界におけるVIPの一つが藤林家であり、関奏はその現当主の妹にあたる。

FLTのオーナーであり、四葉HDの会長でもある四葉光夜とは10代からの知人で、社外の公式な場以外では呼び捨てが通常の関係にある。

つまりは、本社ビル内における社員で唯一「光夜」と呼び捨てに出来る人物だ。

 

 

四葉光夜。

アジアの覇者とも言われる大富豪であり、世界No.1と呼び声の高い魔法師でもある。

その男は今非常に不安になっていた。

 

日頃であれば分刻みのスケジュールを楽々とこなし、定時退社を実行し四葉グループの社員たちにも無用の心配や緊張を与えず、世界の数十万人の社員を束ねるグループ総帥としては満点の男だ。

 

だがその男が唐突に「明後日より休暇に入る」と断言したのだ。

断言と言うのは、四葉光夜は必ず「しようと思う」と自分の意見を決定ではなく提案として話すことを心掛けていたからだ。

その提案に異議があれば可能な限り、事情を組む度量もあった。

「休暇に入る」などと断定的な物言いをすることはそれこそ年に一回あるかどうかだ。

 

だが、この1か月に3回目。

異常事態だが、皆この異常事態の理由を理解している

 

「光夜。出産予定日の2か月前から旦那が周辺うろちょろしていたら逆に気疲れするって言ったでしょ」

午後の本社会議、今回は製造関係部門のグループ重役たちとの週一回の会議だ。

その直前に「休みを取る」と言ったことに対して四葉HDは上へ下への大騒ぎだ。

 

そこで、助けを求められるのは学生時代からの旧知であり、家族ぐるみの付き合いも深い関奏だ。

「だがな」

「あずさ先輩のご実家からも親御さんが来てくれて、家政婦さんもいて、初産のころからお世話になっている産婦人科も万全なの。そこに日がな一日旦那がそばに居たら疲れる」

「あずささんが俺と一緒にいて疲れはしな」

「疲れる」

断言。

カナデは「たまに見つめられると学生時代を思い出して少し緊張します」とはにかんだ笑顔の四葉あずさから聞いており、子供を2人産んだ今でもであった当初の初々しい惚気と思いつつも、時折の緊張が四六時中になった際にはさすがの四葉あずさも疲れるであろうと想像に難くなかった。

 

光夜はその端正な顔立ちを崩さず、自分がそばに居ないといけない理由を上げる。

 

「前回の出産時は体調が芳しくなかった」

「ちゃんと計画立てたんでしょ。あずさ先輩も妊娠前に筋トレとか、しっかりしていたじゃない」

「出産に立ち会いたい」

「義親御さんから連絡貰って15分で行けるよう段取りしている」

「心配」

「予定日の2か月前に心配されてもしかたないでしょ」

「あずささんが動けないから他の子供たちの面倒を」

「義親御さんか深雪辺りにやらせればいい」

「深雪も仕事がある」

「深雪、今は自宅勤務シフトだから平気。こっちで都合つくようする」

「心配」

「まだ当分先!」

 

USNA大統領とも面会当日に連絡すればアポイントが取れる四葉HDのオーナーが、部下の部下である関奏に圧倒されている。

 

光夜は嘆息一つ。

「わかった。心配をかけた」

視線を関奏から外す。

「雪光と達也につないでくれ。株式を全額無償譲渡してグループ引退して俺はこれから帰る」

志々島にグループ会社の重役2名の名前を告げ、絶対に即座に出来ないことを命令する。

 

「森崎医院の森崎先生に連絡して。馬鹿が仕事をボイコットするから叱ってもらうよう言って」

即座に関奏が自分と同様に学生時代から付き合いのある人物の名前を出す。

「ぐぬぬぬ」

流石の光夜もモーリーの名前を出されると対抗出来ない。

過去にも何度か怒られており、四葉光夜が頭の上がらない一人でもある。

「ぐぬぬぬじゃない」

カナデはそう言って会長室を出た。

勝ったのはカナデだ。

 

 

この日の重役会議には四葉光夜は不承不承出席し、1時間予定の会議を即断即決で25分で終わらせ、定時より幾分早く退社したのだった。

 




「タツヤ・クドウ・シールズ」と違って天然要素のある光夜はギャグにしやすい。
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