うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
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三人称視点です


カナデは「魔法科高校の劣等生」という作品を知っている転生者である

 

宿舎として供されるホテルにつくと

カナデはスタッフとして持ち込み機材のチェックをしていた。

「どう?機材には問題ない?」

話しかけてきたのは雪光だった。

雪光は選手としての参加ではなくスタッフ側としての参加だ。

 

他のスタッフ、特に女子から「大丈夫です」「問題ないよ」と声が返るが

カナデは雪光が話をしたいのは自分だとわかっていた。

雪光の依頼によってアラタのCADにハッキングを仕掛けたのだ。

 

カナデの能力「精神波動による電子機器操作」を使用すれば

何気なく弄っているだけでCADのハッキングが可能だ。

 

複雑なことはできないが密かにGPS機能を使い

別に用意したCADへ位置を知らせるよう仕込んだ。

 

カナデは雪光が苦手だ。というか距離や関係性が難しい相手だと思っている。

 

達也、深雪、光夜、雪光。

 

この中で唯一仕掛けをすることを楽しんでいる。

特技・特性という面で言えば他の3人に匹敵するが

どうも転生者であることを楽しんでいる部分が強い。

前世は「俺TUEEEE!」系のアニメとかラノベが好きだったに違いない。

半面、アラタが苦手のようだ。

というか相手を測りかねていて、勝手に自分で「難敵」扱いにしている。

 

そうカナデは雪光を見ている。

 

逆に今を現実と捉えて、生き延びようとしているのは光夜だ。

容貌、能力に合わせて口数が少ないことがカリスマ性を醸し出している。

将来的に四葉真夜との決着に大きな影響を持つだろう。

根が真面目なのが普段を見ていてもわかる。

 

他の二人の転生者を批評できるのは自分が「藤林」のポジションだからだと

カナデは認識している。これはコンプレックスでもある。

 

藤林響子の妹。実力も互角か異能の分、一面では上。

(でも物語には巻き込まれない)

 

光夜も雪光も「出自から巻き込まれたチート転生者」であった。

自分は巻き込まれない。依頼があって動く。四葉のアレコレも関係ない。

深雪とも仲は良いが、命を賭けられるかはその瞬間にならないと確信できない。

 

カナデは自分を「最前席で見ている観客。たまに舞台上の役者からいじられる」

そんな立ち位置だと思っている。

 

この世界が「魔法科高校の劣等生」なら、全て達也と深雪を中心になっている。

 

達也と深雪に絡めないものはこの世界では単なる脇役。

「人達」と描写されなければ存在しないも同然。

アニメになれば名前も声優もつかない。

自分はちゃんと声優がついて、誰かに認識されているキャラクターなのだろうか。

 

そして、ちゃんとこの物語が進むのについていけるのだろうか。

誰かのように協力者として登場して、いつの間にか登場しなくなる。

世界から消えてしまわないだろうか。

 

「雪光く~ん、CADの調整は終わったよ~」

カナデは体をくねらせて、ふざけた態度でGPS受信用のCADを渡した。

周りの女子もカナデのふざけた姿で笑っている。

前世とは違う別人「藤林奏」を演じているようだ。

自分は転生者であることを受け入れきれてない脇役なのか。

 

カナデは「魔法科高校の劣等生」という作品を知っている転生者である。

 








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