うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる 作:madamu
オラオラ!走れ!この四葉の後継者候補!
貴様など後継者指名の時に、深雪に後継者とられて「ぐぬぬぬ」とか言っていればいいのだ!
そんな目でこっちを見ても走る距離は短くしないぞ!
到着して早速体を動かすこととなった。
昼にはホテルにしたが、光夜の「固まった身体をほぐしたい」と言ったので
希望者でランニング。
俺はサポートスタッフとして、自転車で並走。
2095年でもあるんですよ、自転車。
今夜は楽しみの九校戦の懇親会。
あのじいさんが出てきて「主人公と十師族以外の奴もちゃんとせぇや」(意訳)と
ぶちかます、あの楽しい楽しいイベントです。
原作だと5人だっけか?九島烈の手品見破ったの?
それプラス、光夜、雪光、カナデも見破ると思うけど
原作知識で知っている俺は「見破る」に含まれるか楽しみだ。
「知っている」のと「見破れる」の違いが今夜、白日の下に!
・・・・・・・・・・・・・・知っているのと見破るのは全然違いました。
壇上に女性がいるな~、後ろにじいさんいるんだろうな~。
え?ほんとにいるの~。原作ブレイクで実は後ろにいないんじゃないの~
「お前らの目は節穴か」(意訳)
はい。すいません。
壇上のライティングで出来る影、光で照らされる埃の流れ、絹ずれの音、注意深く観察したけど
全くわからんかった。
ただね、壇上にスポットライトが出る前に
緞帳脇のスタッフで、慌てている奴と慌ててない奴がいたから
そこまで見ると「何かがあった」は判断できる。
ダメですかね?見破ったに入らない?入らない?そう、入らないですか。
十文字会頭に涙ぐみながら「選手じゃないですけど九校戦に来れたの嬉しいです!来年こそは選手枠狙います!」
と言ったら「泣くのは優勝してからにしろ、相馬。サポート頼むぞ。何かあれば相談してくれ」と言われた。
諜報員としては、また一つ十文字会頭に近づいた気がする。
1年限定の任務で4か月弱でここまで距離詰められるなんて、学校の先輩後輩関係楽でいいわ~。
体育会系なんて「先輩!」言って筋トレしてれば何とかなるんじゃない?え、暴論?
で、この懇親会で大問題が。
達也がエリカと「レオも来ているよ。美月はコスプレみたいだって~」をやっている裏で挑戦者がいたわけですよ。
四葉光夜に懇親会で挑戦状を叩きつける気概のある新入生がいた。
「初対面だな。一条将輝だ」まっすぐと光夜の目を見て。
「吉祥寺真紅郎」手を後ろに組み、相手を測るように。
「黒城兵介(こくじょうへいすけ)。俺たちが三校のモノリスコード新人戦の選手だ」
ひときわ体格の良い奴が自分たちの校名を明かす。
「あれが三校のクリムゾン・プリンスか」「カーディナル・ジョージだ」
周りにいる他校の生徒も注視する四葉と一条の邂逅。
そして現在最も賢いとされる魔法科高校生の異名をささやき合ってる。
その中で服装からすると四校男子が
「あいつが三校のブラック・キャリバー(黒騎兵)か」
「だれだ?それ」横の二校生が聞く。
ちょっとおじさんも気になるよ。少し近づいて聞き耳を立てよう。
「六校とのクロス・フィールドのエキジビションで無双した奴だよ」
「無双?」
「高速移動しながらフィールド上の8人をなぎ倒したらしい」
「クロス・フィールドで?」
「名前と突撃する姿から黒騎兵」
「納得」と声を出したのは俺。
でもモノリスコード新人戦決勝で、そんな奴いたかな?
顎に手をあて気持ちを静めようとしたとき
「モノリスコードの決勝で四葉と当たれれば嬉しい限りだ。途中アクシデントで選手交代とかは止めてくれよ」
黒城兵介がそう言った。口角を上げて、光夜にウィンクまでしやがった。
あー、はいはい、そうですよね、運命ですよね。
甘かった、本当に甘かった。
なんで俺はオリ主転生者が一校にしかいないと思ったんだ。
今この瞬間、光夜や雪光、カナデの気持ちがわかった気がする。
想定外の異分子は排除したい。