うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu

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がむしゃらに走った

 

「フィールドに行きます!」

やばい、やばい、やばい。

椅子が倒れるのを後ろにし、俺は急いでモノリスコードのフィールドに向かう。

手に持つのは連絡用の無線機のみ。

 

がむしゃらに走った。怪しまれてもこの際構わん。全速力で走った。

途中、スタッフを乗せたトラックを見つけたので一校生であることを説明して飛び乗る。

各校に割り当てられた待機テントから競技フィールドまでは距離がある。

トラックの方が走っていくより幾分か早く着くだろう。

 

現場に着くと既に画面で見たような土煙は収まっていた。

「状況は?!」

先に到着していた運営スタッフに声をかけるがは回答は芳しくない。

「この先200mの廃墟ブロックだが、一校の選手が救出に向かって二次被害にあったらしいんだ」

聞き終わる直前には走り出した。

無線に「すぐ運営本部に救急室の確保と、現場への救急車の派遣状況を確認して!やってないなら要請を!」

七草会長の声が戻ってくる。

「わかったわ。あなたはどこにいるの?」

「倒壊した建造物へ移動中!人手がないなら救助に参加します!」

「あなたは専門家じゃないのよ。現場の判断は運営の人たちに任せて!」

「仲間が心配です!確認したら報告します!」

 

そう言って切った。この日の無線交信はこれが最後だった。

 

一校のモノリスコード新人戦チームの戦術は「1・2」フォーメーションだ。

光夜がハイレベルすぎて単独行動が最善手となる。だから「光夜単騎&モーリー・須田組」で運用する。

フィールドの特性に合わせて、モーリーと須田ちゃんをオフェンス・光夜はディフェンス。

時には逆に、といった具合だ。

オフェンス・ディフェンスの配置分けは事前に決めるが、試合中はモーリーの判断でフレキシブルに入れ替える。

戦術眼ではなくコミュニケーションの問題でそうなった。

 

モーリーは試合中、光夜に常に状況報告をさせる。

暇なら陽動をさせるし、敵が来ているならその場に釘付けにするよう伝える。

「お前!暇なら爆発でも起こして陽動しろ!」「そのまま守り切れよ!いいな!守れよ!」といった具合に。

天下の四葉に命令すると思うと背筋も冷えるが、チームメイトで部活のバディだ。

憶することなどないのだろう。モーリーにとって光夜は友達ということだ。

 

須田ちゃんもそんなモーリーを信用している。

光夜の取っつきにくさの緩衝材にしているのもあるし

「取っつきにくい四葉君」として茶化しているようにも見える。

やっぱり図太いぜ、須田ちゃん。

それでもチーム結成の時より、はるかに須田ちゃんと光夜のコミュニケーションは増えた。

「カレー好き?」「チキンカレー派だ」の会話が自然発生で起きたときは赤飯を炊きたくなった。

 

俺の知っていた未来では、相手校による屋内への破城槌使用による建築物倒壊。

それでモーリーたちは負傷した。

 

二次創作オリ主だと事態が原作から乖離すると「運命の修正力」で既定路線に収まることがある。

あんなのは嘘だ。俺が嘘の証明だ。今回は偶然の重なりだ。修正力なんてない。

 

オフェンスであるモーリー・須田組が廃墟エリアで相手校と交戦になった。

廃墟ゾーンの戦闘は遮蔽確保、移動、索敵、攻撃のじゃんけんだ。

 

相手校は廃墟エリアで索敵困難になるのを嫌がったのか

破城槌で周辺の廃墟ビルの壁を抜き視界を確保した。

少なくと破城槌のこの使用についてはレギュレーションでは問題ない。

が、使用回数がまずかった。

 

一つの廃ビルに対して破城槌で壊す壁の枚数が多く、破城槌は柱までダメージを与えていた。

ビルは耐久力が落ち下階が上階を支えきれなかった。

最初は一棟、それがドミノ的に隣りの一棟に倒れ込んだ。

二人が巻き込まれたのはドミノの三つ目。三棟目の倒壊。

 

ビルの倒壊は三つ目で終わった。

廃墟エリアでの交戦で、破城槌が使われ、倒壊に二人が巻き込まれた。

偶然なのだ。

 

偶然は重なる。俺が死んだ後、生まれる前に知った最初の教訓だ。

 

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