うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
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三人称視点です


ダメ!ダメったら!ダメ!


「なんで五十里がいるんだ」
服部刑部はそう言って、五十里啓に視線を向ける。
生徒会室では以下のメンバーがテーブルを囲んでいた。

生徒会長 中条あずさ
部活連会頭 服部刑部少丞範蔵
風紀委員長 千代田花音
生徒会会計 五十里啓

「啓には私がお願いしたの。この手の話には立ち合いが必要でしょ」
(立ち合いって、試合じゃないんだから)
自信満々に答える千代田花音に頭を抱える服部だった。
(風紀委員長をなぜ千代田にしたんですか渡辺さん。沢木を指名してくださいよ)
「えー、では生徒会役員、部活連執行部、風紀委員会の人事相談会を行いたいと思います」
頭を抱える服部を無視して中条あずさが会議開始を宣言する。
学生自治を司る主要組織での人事で問題が起きていた。

元絶対支配者、元魔王、「女王陛下の『完璧』」こと四葉光夜だ。

あの選挙戦の日、壇上での「構わんのか」発言以降、四葉の「部活連執行部退任」を求める話が数件出ている。
本人は素知らぬ顔、というか服部が本人に「お前はどう思う」と直球をぶつけるも「ご随意に」と返ってきた。
強者としての恐ろしさを披露したためか、光夜に対して腰の引ける者が続出中だ。

光夜の学内での孤立を防ぐため、服部は風紀委員会と生徒会に「身柄引き受け」を打診した。
そこでこの相談会である。小さい問題もまとめて解決するためである。
「まず、大物から行きたいと思う。中条、四葉を引き受けてくれ」
「さんせー」
「ちょっと二人、ストレートすぎるよ」
この二日間の苦労で目の下の隈が深くなった服部刑部と、ノー天気に賛成する千代田花音。
その二人の発言を大慌てで止める五十里啓。
「でも、生徒会としては人事はある程度固まっていて」
「司波雪光のように、補佐役として迎えればいいじゃないか」
半分懇願のように発言する服部。流石に部活連の今後の士気を考えれば、新会頭としては早めにどうにかしたい。
「あれは女生徒からの執拗な追跡から逃げる意味があったので、特例というか、避難というか」
「わかる!わかるが中条、これは部活連執行部の危機なんだ」
桐原から「あれが会頭になったら九校戦で全勝すると思うが、狂信者の集団になるだろうな」と言われて服部は慄然とした。
服部の脳内には光夜が「進め」と言うと進み、「勝て」と言うと勝ち、「使い物にならんな」と言われて右往左往する部活連の将来がイメージされた。
(だめだ!部活連は学生自治の要、九校戦での優勝を個人のカリスマによって統率されるなんて!それは自治ではない!支配だ!)
そんなことをこの二日、悩みに悩んだ。

「それなら風紀委員でも、四葉の名前は強いですから~」
中条あずさは水を千代田花音に向ける。
「うちはパス。恐れられる以上に、委員会内でも他のメンバーが怖がって仕事になんない。やっぱり中条さんが身柄取った方がいいわよ。女王陛下なんだから」
「そんな、あわわ」
あの日の壇上での光夜の微笑みを思い出し、慌てる中条あずさをよそに千代田花音は話を進める。
「それよりも、司波達也欲しいってあげられないわよ。風紀の主力なんだから」
「えっと、生徒会としては一科生、二科生の融和の象徴と言いますか、事務処理や九校戦のスタッフとしての動きと言いますか」
「あれでしょ、優秀だからくれ!って言うことでしょ」
「ちょっと花音、そんな直接的に言っちゃだめだよ」
中条あずさのオブラートに包んだ言い方を一刀両断する千代田花音。五十里啓の困りものである。
「いっそ、司波達也を生徒会で、空いたところに四葉を!」
「だから!いらない!」
まるで、一大発見のように声をあげる服部を、バッサリと切る千代田。
「いや、生徒会としてはの布陣は一科、二科のうち実力主義でいこうと思っているんだよ。特に副会長には一科からは司波深雪さん、二科からは司波達也さんを検討している」
「司波深雪の副会長就任は理解するが、優秀さで言ったら四葉を入れるべきだろう!」
服部の強い願望は次の一言で切られる。
「コミニュケーション面で」
中条あずさの申し訳ない顔が全てを物語っている。

ノックの音がする。
「どうぞ」
中条あずさが入室を認めると、森崎駿がいた。
「服部会頭こちらに・・・」
「ああ、ここにいるがどうした?」
「すいません!会議中でしたか?!」
服部に用があった森崎駿だ。
服部は手で「少し待ってくれ」とジェスチャーし、森崎に近づく。
要件は新年度に向けての予算申請についての手続きの質問だった。
2,3分ほど服部がレクチャーすると解決したのか退出しようとする。
「森崎、四葉を生徒会への移籍話が出ているがどう思う?」
(すまん!中条!俺の胃がダメになると部活連が空中分解してしまう!四葉と添い遂げてくれ!)
服部は心の中で中条あずさに土下座しつつ、森崎の口から既成事実を引き出そうと考えた。
「はあ、いいんじゃないでしょうか。あれ以来、部活でも俺以外と話している姿見かけませんから」
森崎の何気ない発言に即座に生徒会長と風紀委員長が反応する。
「でも、それだと生徒会内でのコミニュケーションが取れなくなって困るんです!」
「うちもダメよ!ダメ!ダメったら!ダメ!」
その二人のリアクションで森崎は気付いてしまった。
(これ、俺の発言で決まるのか?!)
「え、え、あれですよ、光夜とコミニュケーション取れる奴を一緒にすればいいんですよ!俺、部活で一緒なので他の奴がいいですよ!」
それだけ言うと森崎は脱兎のごとく生徒会室から逃げ去った。

その後も喧々囂々だった。結局守衛が来るまで話した結果、生徒会、風紀委員、部活連では新人事の中に下記の役職と名前が増えた。


副会長       司波達也(風紀委員を兼任。生徒会執行部入りは年度を改めてから)
書記(副会長待遇) 四葉光夜
書記補佐      相馬新

風紀委員(増員)  司波雪光

部活連執行部新役員 森崎駿
同上        須田渉


「これだ!これが四葉シフト!」
服部は自分の悪魔的人事差配に酔った。







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