うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
<< 前の話 次の話 >>

48 / 96
2095年10月30日までは長いです。


すまん!俺は悪魔に魂を売った!

モーリーが「すまん!俺は悪魔に魂を売った!」といきなり謝ったかと思ったら走って逃げていった。

その理由は生徒会執行部役員の人事発表で納得した。

あいつ、俺を売った!

 

ただあいつも部活連執行部入りだ。それも須田ちゃんと一緒に。絶対、光夜対応窓口だな。

半面、この人事が発表されてから光夜の機嫌がいい。

「身動きが取れなくなる」と言ったが、いざ生徒会室に行くと

困った表情の中条会長を見て何秒か思案し「お受けいたします」と言いやがった。

何かあるのか?光夜よ。

 

正直、超優秀な深雪副会長がいるおかげで仕事は少ない。

トラブルや打合せもあるが、週に一件、二件程度でそれほど激務と言うわけではない。

生徒会への悪感情を持つ相手への交渉には中条パイセンと光夜のコンビを行かせると一発で解決する。

光夜が無言で睨む、相手怯む、中条パイセンがフォローする、相手は中条パイセンにすがる、解決。

完全なる優しい警官と怖い警官だ。

 

問題の横浜騒乱については状況が進んでいた。

まずジロー・マーシャルが入国した。不審船事件から二日後だ。

関本さんは学校、研究棟と予備校あたりを動くだけで、横浜方面にはいかない。

平河姉妹については平和だった。ただ平河姉が風邪で二日休み、当面の実験準備の手伝いで司波達也が市原先輩に指名された。

ちなみに平河姉とは雪光は仲良くなり、その関係で平河妹とも話す機会があったらしい。

雪光の考えているCADの調整を話題に近づいたらしい。いいぞ!ジゴロの才能がある

 

村井大佐は「もう少し仕事に役立つ位置になってくれ」と言ってた。

あと「少し部内の動きが慌ただしいから、当面は上層部つつくような行動はとれんぞ」

と念押しされた。

 

で、会合だ。

 

前回と同じレストラン。光夜、雪光、カナデとの情報共有をし作戦の立案だ。

 

「ジロー・マーシャルの潜伏先は?」

「内情働かせて洗っている。この後のことを考えると東京都内。八王子あたりじゃないか?横浜へのアクセスも楽だし」

光夜の質問に、想定されるジロー・マーシャルの宿泊先をあげる。

「内情を動かして大丈夫なの?」

「ああ、個人的に貸があるから回収できるうちに使わないとな」

瀬川に言って、2班ほどジロー・マーシャルの監視に使っている。

向こうもフリーのエージェントを徘徊させるより監視した方が安心なので渡りに船だ。

このあたりは心配している雪光のおかげでもある。

 

懸念の平河姉妹も問題なさそうなので、監視対象から外すことを提案。

怖かったのは「九校戦以前からの接触」だった。

 

今現在、平河妹には九校戦の逆恨みが無いので、平河姉妹が事件にかかわる可能性は低いがそれでも疑念はあった。

 

奴らが利用目的を持たずに接触しやすい生徒を、はるか以前から抽出していたら。

この奴らとは周公瑾だ。あの一派が、以前から接触していたのが平河姉妹で大亜連の作戦に有効と考え、今回利用された。

その可能性を懸念していた。

既知未来知識では九校戦から約2か月未満で洗脳し、行動方針を与え、装備を渡し、という工程を一気に行えたことになる。だが短期間での洗脳が難しいことを前提に考えれば「事前接触」の可能性は怖かった。

 

雪光が「平河妹」を気にしていたので、雪光に任せたが状況を見るに既知未来では周一派は相当な力技で洗脳なり誘導したのだろう。

 

そう思った瞬間、一つ思い当たった。既知未来知識に過信していたのは俺だ。

 

「なあ、なんで司波小百合襲撃には呂剛虎がいなかったんだ?」

一番詳しそうな雪光に聞いてみたが、思い当たらないのか首をかしげるだけだった。

「なんでだろう?単に作戦に対して能力が合ってないとか?」

「そうね、あたしも覚えていない」

「俺もだ」

全員の返答は、疑問を氷解させることはなかった。

いつか「あいつらの意思決定には介入できない」と光夜が言ったが、そうだ。

俺たちは陳祥山の思考は知らない。

 

「最初から聖遺物奪回はおまけで、メインが一校への揺さぶり及び論文コンペでの日本魔法協会関東支部襲撃だった場合は?」

「え、そうなの?」

「聖遺物奪還失敗して、一校と関東支部襲撃に切り替えたんじゃなかったっけ?」

カナデが驚く。雪光の記憶だと優先度が高いのが聖遺物奪還だ。

「どうもそこが引っかかる。横浜騒乱に大亜軍の投入決定とか一日、二日で決定できないだろう。少なくとも大佐とかの佐官レベルで意思を持っての国外侵攻なんて決めきれない」

「一理ある」

俺の考えに同意した光夜も考えを巡らすのか少し顎を引いて黙る。

「平河妹も、関本さんも『一校へのちょっかい』の後始末として呂剛虎が動いてる。聖遺物奪還が主目的なら司波家周辺やFLTへ、二の矢三の矢を出すだろ。というかこの作戦は呂剛虎みたいな人間戦車じゃなくて送り込むのは工作員だ。だろ」

「それも、そうね」

「でも、それが現在の状況になにか関係するの?」

カナデの納得に対して、雪光君!鋭い!

 

「関本路線や平河妹路線での一校攻略が難しく、かつ聖遺物は副目標で最優先ではない。ならどうする?」

「魔法師支部襲撃に全戦力突入?」

俺の問いに雪光の言うことも可能性としては高い。だが俺が思いついたのは

「魔法科高校襲撃だ」

光夜が代弁してくれた。

「へ、なんで?原作だと呂剛虎は普通に横浜にいたよ?」

「決して軽傷とは呼べない状態で、一校襲撃を断念し、戦力を分散せずに一箇所に投入したと見れば話は通じる、んだがな~」

腕を組んで考えてしまう。既知未来知識ではあの横浜騒乱にいた呂剛虎は、鑑別所における戦闘で重傷に近い攻撃を受けている。

そんな任務遂行に不確定要素のある人物に、重要な一校襲撃を任せられない。というのは俺の想像だ。陳の思考かどうかわからない。

「二か所襲撃作戦?」

カナデの表情には驚きと疑惑がある。

俺もこの発想には自分でも確証がもてない。

「正面から防衛して呂剛虎を一校警備が抑えられる?」

雪光の疑問にすぐカナデが返す。

「でも仮定の話でしょ?」

その通り、カナデ君。これは想像で仮定だ。

「仮定だ。仮定。だが、知っている通りに進まないこの状況だとそこまで有り得る」

「じゃあどうするの?やっぱり中華街に襲撃して先手をうつ?」

前回も話に出た中華街の周公瑾への先制を口にする雪光。

光夜は冷静に一言。

「一度各自の手札の確認だ」

 

改めて、話し合いの夜となった。

そして驚くべきことが翌日起きた。








※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。