うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる 作:madamu
入学まであと1か月ほどの昼下がり、支援課のオフィスに客が来た。
諜報機関のオフィスというと薄暗く、PCのモニターの光とデスクライトと、怪しい計器、そして皆無口で、怪しむような視線が飛び交う。
だが実際はそんなことはない。普通の企業のオフィスのようなものである。
PCはあるし、ウォーターサーバーもあるし、職員が持ち込んだ小さな観葉植物もある。
「魔装大隊の藤林少尉です。関少佐はいらっしゃいますでしょうか」
鈴が鳴るようなきれいな声がオフィスに響く。
藤林少尉は妖艶と言うより健康的な色気に満ちた女性だった。
職務中なので化粧はほとんどしていないが、それでも男性の視線を集めるだろう。
「自分が関だが」と彼女の前に立つ。
問題なのは俺は覆面をしている。諜報機関の人間なので、目出し帽をしている。決して変態趣味があるわけではない。念を押して言うが変態ではない。
面割れは生死にかかわる。藤林少尉は驚くこともなく敬礼してくる。
こちらも返礼する。身長は俺と同じくらいかな~。
「風間少佐より、関少佐宛てに届け物がございます。今お渡ししてよろしいでしょうか」
彼女は紙袋を差し出してきた。
「ああ、大丈夫だ。これからお茶飲むがいっしょにどうだ?」
風間のおっさんの入学祝いはこれだ。
件の九島の分家筋である藤林少尉との接触である。なかなか気の利いた祝いだ。
「はい、構いませんが施設内の喫茶室でしょうか」
国防本部にも一応喫茶コーナー的なものがあるが、目出し帽の男とお茶するのはいやだろう。
「いや、ここに貰い物だけどいいお茶がある。米田さん~、お湯ある?」
藤林少尉を部屋の隅にある応接兼打合せスペースである茶飲み机に案内する。
パーテーションで区切られておらず、本当に部屋の隅に机と椅子がある。
うちの課のベテラン事務お姉さん(俺より年上)である米田さんがお茶を持ってきてくれた。
課員が貰ってきたインド産の茶葉である。
藤林少尉と二言三言世間話をするが、彼女は余裕の表情だ。
こちらの質問を想定しているようだ。アニメでもこんな余裕顔してたな~。
「そういえば一校に君のご家族も入学するようで。おめでとう」
「ありがとうございます。妹の奏と言うんですがこの度入学することになりました」
ここで「なぜご存じなんですか」と聞き返さないあたり、諜報の仕事向きである。
含みのある会話ができる。なぜ101旅団に所属したんだ!
「少尉と同じ優秀なお嬢さんなんだろうね。
それにしても一校には他にも十師族がいて、四葉まで入って諜報屋としては仕事が増えて助かるよ」
あ、藤林少尉の鼻先が少し動いて「そら来た!」といった感じの目をしている。
「そうですね。妹と同学年に四葉がいると思うと、どんなことが起きるか心配ですわ」
こんな感じで、世間話で話を聞いていく。
15分ほど話してわかったことは
・藤林少尉の妹は、少尉同様に優秀で電子・ネットワーク回りだと少尉に匹敵するらしい
・件の四葉は後継者候補と思われる。少尉は面識はない
・魔装大隊の噂の特尉殿はイケメンらしい
・九島の御大は四葉の入学には笑っていたらしい
・柳大尉が合コンしたらしい
こんなもんである。彼女はお茶のお礼を言って帰って行った。
風間少佐からの入学祝はブレスレット型のCAD。
「甥っ子へ 勉学に励め 叔父より」のメッセージカード付だった。
もうすぐ入学式である。早めに行くと兄妹のイチャコラが見れるんだろうか。