うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu
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「師匠の仇!」「死んでいないだろ」

黒羽貢氏の訪問した24日から、この1月30日まで意外と大変だった。

結局のところ、ゆっくり休めたのは、あの黒羽訪問の晩で翌日からは学校だ。

周公瑾尋問一週間コースのせいで、単位がね・・・。

留年すると恥ずかしいし。

 

結局、整備基地事件は各所に情報を流すことになった。

十文字家が首都防衛の名のもとに介入してきた。

そして九島か四葉のどっちかが妙な動きをしたのか、七草家が十文字家の補佐として入ることで牽制。

こんなんだから十師族の暗闘って面倒なんだよな。

で、今日までのことをまとめると

 

・千葉エリカが「師匠の仇!」で「死んでいないだろ」と西城レオンハルト。二科生一番の常識人はレオの可能性があるな。エリカは結局大人しくしているらしい。

 

・公安が整備基地事件を調査する中で【パラサイト】という単語にたどり着く。それと同時にパラサイトの密入国時に殺されていた【血のない死体】が発見される。公安が【パラサイト対策】を検討する。あの動画からちゃんと正解を探り当てるのはさすが公安。

 

・警察省から千葉警部が省内の政治取引で監察補佐付き(監察官の補佐官の付き人)という即席の役職で公安本部にやってきた。どうやら民間の吉田家をパラサイト対策で招聘する際の窓口担当らしい。公安としては101旅団の伝手で古式魔法師を呼ばれるより、同じ警察の身内の伝手の方が100倍マシなのだろう。

 

・病院の見舞い時に吉田幹比古に俺の霊子の量を見てもらった。「少し減っている」程度だった。そこから事件の相手を推察して幹比古君は緊張した面持ち。俺は司波達也に「よろしく」と言っておいたので対応策を練っているはずだ。九重さんとこには行ったらしい。

 

・俺の入院話は学校でも噂話レベルだが流れていた。タッちゃんが「何か襲われたらしいね。大変だったね。アラタ戦ったんでしょ?」とジャブを打ってきた。「変な仮面付けた奴がいたので、新手の変態かと思ったよ」と返しておいた。ほら、ミスターブシドーみたいじゃん。俺は好きだけどね。

 

・公安と防諜二課が共同作戦を取ることになった。USNAエージェントの「脱走兵処分による入国」の可能性が捜査本部に示唆された。公安の主任は「子供の入学準備が…」と喫煙室で愚痴っていた。主任の泊まり込み決定です。

 

・魔法犯罪対策課の特殊部隊が渋谷の二か所で常時待機となった。魔装大隊ではないが101旅団の2小隊が原宿の国防軍リクルートセンター(軍服姿の美人な少尉殿が受付らしい)の会議室で待機することに。両部隊とも腕っこきなので、パラサイトの暴走もある程度抑えられると信じたい。

 

・パラサイトはあれから静かだ。というか、街中には大量の警官や十師族の魔法師がウロチョロしており中々派手に動けないようだ。一度シェアハウスからの移動について業者と話し合われたが、物件探しに手間取っている様だ。というか手間取るように公安が色んなところに圧力をかけている。

 

・雪光が「出番がない~」と言っていたが、本番はきっともっと後なのでその時に頑張ってもらおう

 

・黒羽貢のその後を光夜から聞いたが「あれ程不機嫌な黒羽を見たのは初めてだ」と言った。「お前と黒羽は仲悪いの?」と聞くと「良くはない」と返された。

 

・須田ちゃんが「恋愛相談師」として一年生の間で評判になっていた。なんでも九校戦後に2つのカップル誕生に尽力したらしい。スゲーな。

 

 

「!?」

1月30日。本郷未亜の参加する企業が一校に訪れる。

いきなり走り出した俺を追いかけてモーリーがついてくる。

「どうしたんだ、いきなり!」

俺の速度にぎりぎり追いつけるモーリー。九校戦後からのリハビリ&トレーニングの成果が出てるな。

だがこれから連れて行く場所でモーリーの安全は確保できない。

手元の情報端末を見せると「異常事態」の一文が表示されている。司波深雪からだ。

「副会長からだ。モーリー、風紀委員室で待機してくれ」

「馬鹿言うな!」

モーリーは必死に俺の走りについてくる。俺の心配をして一緒に現場に行こうというのだ。

良い奴だな~、モーリー。

「こっちか!?」

「右に曲がれ!」

モーリーを誘導しながら、戦闘音がする方向へと走り進む。

 

既知未来に詳しい雪光曰く「パラサイト本体が宿主を捨てると柴田さんか達也兄さんくらいしか認識できないからね」と言われた。

これが一番の問題だ。

相手の存在がわからないと取り逃がす。事件の収束がいつまでも出来ない。

 

この日、このタイミングから先は賭けだ。

 

本郷未亜のパラサイトを瀕死?にさせる

 ↓

ピクシーにパラサイトが憑依

 ↓

光井ほのかが司波達也にバレンタインデーにチョコを渡す

 ↓

ピクシーが「光井ほのか」モードで起動

 ↓

ピクシーによるパラサイト探知が可能になる

 ↓

ピクシーを餌にし、レイモンド・S・クラークによる誘導で全パラサイトを集める

 ↓

吉田一門の協力を得て、パラサイトを封印し処理する。

 ↓

封印が無理なら、司波達也&深雪による情報体次元での攻撃で消滅させる。

 

封印後の処理に諜報組織を絡ませると十師族へのパラサイト配布となりかねない。

そこからは諜報組織を抑えつつ、公安による「証拠物件」として厳重に保管し、民間組織が手を出せぬよう雁字搦めにするしかない。出来れば「公安と情報部と101旅団の三角関係」で牽制し合えると理想的だ。

 

問題はこの本郷未亜の事件にタッちゃんは絡んでくるのか?タッちゃんの行動によっては修正が必要になってくる。

USNAの「グレートボム」の魔法師探しがどの程度パラサイト事件へ影響するかは不明だ。

 

即興ダンスは得意だが、オカルトが混じるとどうなるやら。

 

「おい!司波兄、どうしたんだ!」

モーリーが校舎を出ると既に司波達也や司波深雪、四葉光夜、十文字先輩、千葉エリカが円陣を組み周囲にいるであろう敵を睨んでいた。

 

 

「その、もう一人誰かいたんです」

え?

俺以外のその場に集まった転生者は嫌な予感を同時に感じたはずだ。

すでにパラサイトは去り、俺と司波兄妹、光夜、吉田幹比古は疲れ切った柴田美月を囲むように生徒会室にいる。

モーリーは顛末を服部会頭に報告。学内の治安維持の一翼を担う部活連執行部へ情報を流さないとね。

十文字と千葉エリカは、各種組織への対応をしている。

千葉警部が一校に急行したことで警察対応は自然と千葉エリカが同席することになった。

意外と自分の兄に自分の活躍を説明したいのかもしれんな。ブラコン。

 

柴田美月の眼でパラサイトは確認し、吉田幹比古の愛の攻撃で撃退した。

司波達也もその発言を補足する。愛の攻撃についてではない。もう一人誰かいた発言にである。

「確かに誰かの存在は確認できた。だが痕跡から追うことができない」

「つまり情報体次元内の想子の痕跡を消せるということか」

「そのようだ」

光夜の説明に頷く達也。

雪光と目を合わせ俺は頷く。

(タッちゃんだ)と雪光の眼は言っている。

その時俺の情報端末にカナデからメールだ。

【タッちゃん、喫茶室で居眠り】の文字とキャプチャーされた画像だ。

学校内の監視ネットワークから画像を拝借したようだ。

 

状況判断ではタッちゃんが何かしたのだ。

「なんというか、あの光の塊から伸びてきた手を振り払ったんだと思います」

柴田美月は目をつぶりながらそう言った。やはりパラサイトの存在は目に悪いのだろう。

 

「幹比古、今日はお前が美月を送っていけ」

「え!?」

俺のそばで赤面する吉田幹比古が童貞ムーブ(「ぼ、ぼくが!」とか「そ、そんな」とか一人で慌てている)をするが、俺の意識はタッちゃんの能力について支配されていた。

もし謎の存在がタッちゃんとするなら、奴は情報体次元へのアクセスの仕方が普通と違うのだろう。

下手をすると「見る」司波達也より厄介な能力なのかもしれない。

「分解」と「再成」の副産物としての「精霊の眼」らしいが

タッちゃんの「謎の能力X」にもなにかしらの能力の副産物なのだろうか。

可能性を考えれば「分解」だ。先日の整備基地でも「分解」と思われる現象が行われた。

下手すると「再成」も持っているのかも。だが、タッちゃんの魔法師としての能力は高い。

司波達也が劣等生なのは魔法演算領域を「分解」「再成」に占有されているからだ。

 

タツヤ・クドウ・シールズは実技実習でも司波深雪に劣らぬ実力を示した。

そりゃ留学生として送られてきているんだ。実力の劣る者を魔法科高校に入れるわけにもいくまい。

可能性としてはタッちゃんの魔法演算領域は馬鹿みたいにデカくて「分解」「再成」も使用できて、司波深雪に匹敵する魔法師である。

 

または「謎の能力X」や「分解?」は何かしらの別能力を使用した「側面」の可能性だ。

行われた結果が「分解」と同じなだけで原理と過程は違うのかも。

そうなるとタッちゃんの能力は非常に融通の利く能力な気がしないでもない。

 

そんなことを考えていると光夜は席を立つ。

「シールズの様子を見てくる。事件には巻き込まれていないだろうか、所在を確認してくる」

そう言って生徒会室を出ていく。タッちゃんのことは光夜に任せよう。

俺はそれ以上に七草弘一が仕掛ける防諜三課の横やりを防がねばならない。

 








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