うちの魔法科高校の劣等生にはオリ主転生が多すぎる   作:madamu

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司波達也×ピクシー(原作:光井ほのか)

なんと、光井さんの恋心が白日の下になったのである。

バレンタインまで1週間あるがピクシーが起動したらしい。

ミカエラ・ホンゴウ自爆から数日。

少年少女の恋愛話が事件進展のカギになるとか、わかってたけどスゲーな日本。

 

朝からロボ研で試験運用テストをしているヘルパーロボット「3H」が笑っただの、微笑んだだの、メイド服以外も着せようなど喧々諤々の話題となっていた。その異常な状態を調べるため、CADの専門家として司波達也とカナデがピクシー尋問現場にいった。そして面白半分でついていく二科生一行と、立ち合いとして生徒会の面々も同席した。

 

今回、俺と光夜は生徒会室で留守番だったので現場を見ていない。

風紀委員の雪光は、関われないので暇だったらしい。

 

ピクシーは司波達也に「今度の薄い本は【司波達也×ピクシー(原作:光井ほのか)】でおなしゃっす!」(意訳)という意思を示し、自分がパラサイトの変異であることも告げた。

概ね、既知未来通りに事が進んだ。

 

その後、光井ほのかに女性陣が話を聞いたところ「シールズ君を相手にバレンタインの練習をした」ことが判明し、その時の影響で1週間早いピクシー覚醒となったと思われる。

 

光井さんは柴田さんに肩を抱かれてカウンセリングルームに行った。

まあ衆人監視の中で「光井ほのかは司波達也に従属願望がある」とバラされたらカウンセリングルームに逃げ込みたくもなるだろう。

司波達也は責任を持って一夫多妻制を復活させるべきだな。

光井さんや北山さん、一科生の九校戦女子チームにも隠れファンがいるし、これからも雪崩的にお兄様女子が出てくる可能性があるから、一夫多妻制は必須だな。光夜はだめだ~。モテるけど近くにいると窒息する系男子だし。

 

 

「状況が想定以上に早く進んだわ」

カナデとの帰路。少し遠出して横浜の中華街に来ている。

彼女連れの横浜デートである。もう一度言おう、横浜デートである。

 

昨日のピクシー覚醒からすでに司波達也は動き、ピクシーの所有権を買った。

そして明日にはパラサイトと交渉を持つことを検討している。

カナデ曰く「夜の青山霊園でひと暴れ」をするらしい。

 

「でも防諜三課は動くのかしら」

蒸籠から海老小籠包を小皿に移す。それを俺はカナデに渡す。

「どうだろうな?すでに公安と二課がデカく動いているから、三課が動くとなると相当面倒なことになるな」

自分用の小籠包を取り、箸で表面を少し割り、ちょっとだけお酢と醤油をかける。

箸で表面を割って水分を少し逃がさないと、小籠包を口に入れたときに水分がマグマのように襲い掛かるので注意が必要だ。そこさえ、気をつければ美味しいのだ。

 

「光井さんも一週間早く恋心がバレて・・・」

俺はちょっと涙ぐんだふりをする。

「まあ、本人がしゃべらなくても、いつもの態度見てればみんなわかってたけどね」

カナデはあっさりと何も気にすることがないといった態度だ。「カラスは黒いね」と同じレベルの言い方だ。

「達也も知ってたんだよな」

「ええ、夏休みで告白したみたいだし」

 

今日は嬉しい日だ。カナデと久々にデートしたからではない。

顧傑が「国際指名手配」として日本との同盟国に通達されたからだ。

意外と積極的だったのは両EUとUSNAだった。

奴が総帥を務めるブランシェの「反魔法師主義」や「人間主義扇動」以上に、周公瑾から提出された「殺人教唆」「脅迫」「密入国」の証拠がシャレになってない。少なくともUSNA政府の役人が2人死んでいる。

 

これであの大漢ジジイの行動は国際的な監視・調査対象になった。そう簡単に日本へは入国できないだろう。というか国家間の移動は不可能に近くなった。

パラサイト事件を足掛かりに日本への橋頭保づくりも難しくなったはずだ。

周公瑾氏の動向がどれだけ未来へ影響していたかよくわかる。

 

千葉警部の生命については楽観視できないが、少なくとも「道士」や「大漢」などの絡んだ事件は俺にも情報が流れて来るよう手配した。「千葉警部生存&藤林婿入り作戦」をいつでも発動できる。

事件が始まったら、千葉警部を闇討ちして骨の5,6本折れば現場から外れられる。作戦はばっちりだ。将来の義兄のため、いっちょ骨折りまっせ(比喩無し)。そして藤林響子にお見舞いをさせて、お付き合い→結納→結婚の流れを完成させるのだ。姉の方が結婚すれば、カナデが18歳で結婚して20歳で出産しても、九島の爺様にブツブツ言われないはずだ。俺の結婚生活のためにも千葉長男の骨を折らねば!

 

 

パラサイト集団との司波達也の接触は円満?に終わった。

俺は公安&二課の合同チームと行動を共にし状況を確認していた。

 

ピクシーの夜間の行動チェックに司波達也が妹と光井ほのか、四葉光夜を連れて夜の青山霊園を散歩中に偶然パラサイトと出会った、というのが端から見た場合の状況だ。

 

パラサイトの動向を監視していた公安&二課は霊園でパラサイトが「何か」をすると考え、追跡班を編成し状況を注視していた。

 

その時点で俺は情報部装備保管課の知り合いに「夜間用飛行船は借りれる?」と打診した。

別に借りたかったわけではない。使われているかどうかの確認だ。支援課時代の倉庫の整理業務のヘルプ等々で保管課の連中とは話が通りやすい。

「今は全部出てるよ」と返事が来たので三課が裏で動いていることがわかった。ホント、ビックリドッキリメカの稼働状況で動向探れるのって楽。

二課の課長、課長とは呼んでいるが軍内部的には中佐にあたる。

三課の動きを伝えると、どこかと連絡を取り始めた。というか情報部の上役だよな~。少将か、監察官か、まあそのあたりだ。

 

結局、三課の介入は起こらなかった。司波達也とパラサイトが接触し、戦闘が行われた時に三課課員が扮する偽警官とエリカ・レオ・幹比古・雪光の四名が接触し小競り合いとなっていたからだ。

その小競り合いの結果、三課は現場を離れたのだ。

まあ二課からの抗議や、なぜか現場にいた武闘派高校生、そしてパラサイトと司波達也一行の偶発戦闘。

不測の事態が複数起きれば作戦は中止せざる得ないだろう。三課からしたら急な依頼に準備不足の現場だ。

 

パラサイトと司波達也の即席の会談はわからない。ピクシーの能力なのか、電波的な通信阻害が数分間起きたせいで公安も二課も盗聴に失敗している。

会話内容については光夜から少し聞いたが、司波達也の眼や能力について言及する部分もあったので盗聴しなくて正解だったようだ。

 

所轄の警察では千葉エリカの弁舌がさえわたりつつも、彼らの行動については俺が監視として着くことになった。

二課の課長には「一校周りでの任務もある」と伝えていたので、余計な人員を割かずに済むので、捜査本部も渡りに船だ。

口頭で厳重注意され一校生たちは帰らされた。

 

三課はこれ以上介入してこないはずだ。

もし七草弘一の指示を聞くようなら情報部内での立ち位置を無くすことになる。

情報部内でも他の課が相手なら妨害もするが、同じ防諜課同士で任務の潰し合いなど不毛だ、不毛。経費の無駄だ。

 

七草弘一のことを雪光に聞くと「う~ん、真夜おばさんが好きなんだと思う」と言っていた。

あれか。子供のころ好きだったが色々あって疎遠になったけど、どこかまだ意識してる間柄か。

十師族会議で二人の結婚を後押しすれば日本は平和になるんじゃない?

 

 

青山霊園の事件から2日。どうやら自称七賢人のレイモンド・S・クラークから一方的な協力で明日にはパラサイトが一校野外訓練場に集合するらしい。

 

それを受け、司波達也は明日の作戦を仲間に伝えるべく、ロボ研近くの喫茶室を貸切った。

 

「作戦は以上だ」

司波達也の明快な作戦を聞き、頷く一同。

司波三兄妹弟、光夜、カナデ、西城レオンハルト、千葉エリカ、吉田幹比古&美月夫人(予定)、光井ほのか。

なぜかいるのがモーリーと須田ちゃん、そして俺。

実のところ今回の作戦にはモリスダコンビが重要になる。

 

光夜が「戦力の増加」を提案し、声を掛けたのがこの二人だ。

「お前ら、そんなこと!警察なり軍なりに任すべきだろう!・・・・いいか!興味本位じゃないぞ!アラタの敵討ちだからな!」

正論を言いつつも、作戦に参加するモーリーはツンデレと言うかなんというか。あと、俺は死んでいない。

 

エリカがモーリーと須田ちゃんの実力を訝しんだ。

須田ちゃんのような400mの距離を狙撃できる高校生なんてそうはいない。

モーリーだって、民間警護の経験はあるし、拳銃型CADによる抜き打ちに関しては十分に実戦で使える。何よりこの二人は「連携」というものがわかっている。

 

どっかの剣術娘のごとく、戦場で「うおおおおお!」と言いながら直立戦車にでっかい剣持って突撃はしない。

相棒との距離や敵の位置を把握し、安全に対処するだけの冷静さと判断力を有しているのがモーリー&須田コンビである。

モノリス・コードの経験は伊達ではないし、実際に横浜騒乱時の一校襲撃でこの二人は一校の警備隊と共に数名の敵を捕縛している。

 

このコンビに託される任務は吉田夫妻(予定)の警護だ。

野外訓練場を上から見れる校舎の屋上でパラサイト封印儀式魔法を行う吉田幹比古と、その特殊な眼によってパラサイトとを把握し、仲間に伝える柴田美月を守る役目だ。このカップルが仕事をしないと、作戦の大前提である「パラサイト封印」が出来ない。

そのためには、遠距離からの牽制が出来る須田ちゃんと、周辺警戒のコツを知っているモーリーは重要なのだ。

カナデは通信管制だ。公安への情報リークと到着時間の管理。そして魔法による通信確保。

 

当日の配置は

・前衛でパラサイトと交戦

みなさんご存じ職業:お兄様、司波達也。

一校の裏番で一番やべー奴、司波深雪。

喋っても黙っても怖い、四葉光夜。

美少女だけど脳筋、千葉エリカ。

脳筋だけど社会常識はある、西城レオンハルト。

恋心をばらしたパラサイトは絶許…、光井ほのか。

司波達也の薄い本欲しい、ピクシー。

 

・後衛で戦場を俯瞰で観察&パラサイト封印組

泣きぼくろの優男、吉田幹比古。

でか~い、説明不要!柴田美月。

努力、友情、勝利、森崎駿。

君のハートも誤射、須田渉。

今、私幸せです、藤林奏。

 

・状況に応じて動く遊撃組

真由美さん好きです!司波雪光。

新車が欲しい、相馬新(関重蔵)

 

以上の配置で動くことになるが俺は作戦以上に忙しい。

第一師団の遊撃歩兵小隊を抑える役目がある。


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