ベル・クラネルが復讐者なのは間違っているだろうか 作:日本人
そして気付く⋯⋯⋯クソ童貞が恋愛描写なんて無理ゲーだろ!
ホントクソみたいなもんですがどうか見捨てないで⋯⋯(泣)
ちなみに言っておきますとベルくんのスキルや魔法は基本アヴェンジャー縛りの予定。
と言っても自分的に「こいつアヴェンジャー適正あるんじゃね?」ってサーヴァント達の能力は追加予定(追加するとは言っていない)
※ベルくんキャラ崩壊の巻・カオス注意。
────
その日、オラリオの賑わいは最高潮に達していた。街には人が溢れ、街路には出店が幾つも出店している。この日を利用して逢引を行う者達も少なくない。この日ばかりは多くの人々が仕事を忘れ、それぞれ思い思いに過ごしていた。そしてそれは冒険者達も例外ではない。
「おーいヴェル吉ーー!!たまには工房に篭ってないで外に出んかい!!」
「てめぇ何しに来やがった!?俺はベルから請け負った仕事が────」
「今日くらいは休めこの阿呆。べるとやらも今日くらいは許してくれるであろう」
「いや、しかしだな⋯」
「ええい、面倒な。ほれ!行くぞ!」
「おい!?ちょ、ま、引っ張るなこのバカ!?」
「そら行くぞヴェル吉!!ハハハハハハハッ!!」
「すまんベルーーーー!!!」
⋯⋯まぁとにかく多くの冒険者達も祭りを謳歌していた。そしてそれは僕にも当てはまる。
「シルさーん!居ますかー?」
朝、豊穣の女主人亭を訪れた僕の姿はかなりの軽装で、普通のインナーの上に茶色のコート、シンプルな黒のズボンといった服装である。武装も精々
「すいませんベルさん!待たせちゃいましたか?」
足音を立てて現れたのはシルさんだった。その格好を見て一瞬呼吸が止まる。彼女はいつものウェイトレス姿では無く、可愛らしい白のワンピースを着ていた。僕は不覚にもその姿に目を奪われてしまっていた。
「⋯⋯ベルさん?」
何も言わない僕を不安に思ったのかシルさんがおずおずと声をかけてくる。その声にハッとなり、少し慌てて声を返す。
「お、おはようございますシルさん」
「おはようございますベルさん。その⋯⋯私の格好、変じゃ⋯ないですか?」
シルさんは少し顔を赤らめながら自身の服装の感想を聞いてきた。⋯⋯正直僕も気恥ずかしいんだけどなぁ⋯。
「あー⋯⋯その、とても綺麗ですよ。変なんかじゃないです⋯正直、見惚れてました」
「ッ!?そ、そうですか⋯⋯」
何となく目をそらす僕達。暫くそのままでいると、不意に気配を感じ、其方をチラリと見る。
⋯⋯リューさんと他のウェイトレスの人達が思いっきりこちらを見ていた。リューさんは無言のサムズアップ。ウェイトレスの人達はその顔にニヤニヤと笑いを貼り付けている。
「み、皆!?な、何して⋯⋯!!」
シルさんも気付いたのか顔を真っ赤にしてリューさん達を睨みつけている。
「良かったですねシル。式には呼んでくださいね」
「ちょっとリュー!?何言ってるの!?」
⋯⋯何も聞かなかったことにしよう。
「ニャハハ♪︎いや〜とうとうシルにも春が来たニャ」
「そうね〜♪︎」
「そうニャ〜♪︎」
「クロアにルノエ!アーニャまで⋯⋯何のつもりよ!?」
「何日も前から出かける用の服を選びまくってたらそりゃ気にもなるニャ」
「それにあの時のシルは完全に雌の顔をしてたニャ」
「雌っ⋯⋯!?」
「紹介します。こちらの
シルさんに構わずこちらにウェイトレスの人達を紹介してくるリューさん。
────一瞬、ほんの一瞬だけ、僕は顔を顰める。
(
────
(いや⋯⋯考え過ぎか)
考えを頭から払う。流石に勘ぐり過ぎだろう。
「はぁー⋯⋯!はぁー⋯⋯!ベルさん!ベルさんからも何か言って────!」
「────シルさん」
「へ?は、はい⋯何ですか?」
「ここでお話するのも言いですけど⋯⋯ね」
「あ⋯⋯」
漸く本来の目的を思い出したのか呆けた様な声を上げるシルさん。チラチラとリューさん達を警戒した様な目で見ている。⋯⋯仕方ない。多少強引に────!
「シルさん」
「!?べ、ベルさん!?」
僕は唐突に彼女の手を握る。そのまま軽く引っ張りながら店の外に誘導する。
「それでは、また」
僕は呆けた表情をしているリューさん達に別れを告げ、シルさんと共に街へと向かうのだった────。
────
摩天楼の一室。祭りの喧騒を他所にロキ・ファミリア主神・ロキ。フレイヤ・ファミリア主神・フレイヤ。それぞれ
「────単刀直入に聞くでフレイヤ。一体なんのつもりや?」
鋭い目付きでフレイヤを睨みつけるロキ。対してフレイヤは何処吹く風、涼し気な顔をしている。
「あら、何の事かしら?」
「惚けるんやないで。ネタは挙がっとるんや」
フレイヤは惚けるがロキはバッサリと切り捨てる。尚も惚けようとするフレイヤにロキは核心を突く。
「最近、やけにオッタルがダンジョンに行く姿が〝多い〟。お前の事や、何かしら企んどると思うのは当然やろうが」
────オッタルは基本主神の側から離れようとしない。フレイヤはオラリオ最強ファミリアの主神という事で恐れられてはいるが、それと同じくらいに恨みも買っている。彼女を始末しようとする輩も少なくはない。オッタルがそんな主神を守る為に殆どダンジョンには潜らない事は既に都市全体の周知の事実だった。そんな男がダンジョンに入り浸るなど最早異常事態である。都市最強の一角であるロキはそれを不審に思い、こうして問い詰めに来たのだ。
フレイヤは何も言わない。ただ余裕の笑みを浮かべるばかりである。
「⋯⋯⋯⋯男か?」
ロキがポツリと口に出すとフレイヤの肩がピクリと揺れる。
「図星かいな⋯⋯⋯今度は一体何処の子や?」
多情でも有名なフレイヤが時たま地上の子供たちを気に入り、他ファミリアから自身のファミリアへ勧誘(という名の強奪)を行うことは珍しく無い。フレイヤが何かしら行動を起こすのは男と相場が決まっているのだ。ロキ自身、彼女とは長い付き合いなので重々承知しているのだが、そこに呆れの感情が無いかと言われれば別である。最早病気と言っても良いフレイヤの男漁りは留まるところを知らないのだ。それを見て呆れるなと言うのが無理な話であろう。
フレイヤはゆっくりと顔を横に向け、窓の外、祭りに沸く街の人々を物憂げな表情で眺める。やがてゆっくりと口を開く。
「────光を、見つけたの」
「⋯⋯⋯何?」
唐突に突拍子も無い事を口走るフレイヤ。ロキが疑問の声を上げるがフレイヤは気にせず続ける。
「その魂は、黒に覆われているの。漆黒なんて言葉じゃ言い表せないくらいの。深淵⋯⋯いえ、それすら生ぬるい、黒」
「⋯⋯⋯それがどうして光なんて「でも」⋯⋯なんや?」
「その根底は真っ白なの。言ったでしょう?
「お前がそれ程言う奴か⋯⋯で?それとオッタルの動きになんの関係があるんや?」
「それは────」
────一瞬、フレイヤの視界の端に見覚えのある〝白〟、そして長い神生の中で見つけた自身の〝写し身〟たる少女が映り込む。
間髪入れずにフレイヤは立ち上がり、身支度を始める。
「ごめんなさい、急用が出来たわ」
「は?ちょ、」
ロキが文句を言うまもなくフレイヤは出ていってしまった。オッタルもロキに軽く会釈をして出ていってしまう。後に残されたのはポカンとしているロキと何故か窓の外に目を向けているアイズだけであった。
「⋯⋯⋯全く、何なんやアイツは⋯ん?どしたアイズたん?」
アイズの様子を不審に思ったのかロキが声をかける。それにアイズは何でもないと首を振り、視線を外した。
(⋯⋯⋯一瞬、あの子が見えた様な⋯⋯)
彼女が見ていたそれは、奇しくもフレイヤが見ていた者と同じであった事を、彼女は未だ知らない。
「────さて、何処から回りましょうか?」
店を後にした僕とシルさんは大通りに来ていた。道には出店が幾つも出ており、老若男女様々な種族の人々で賑わっていた。シルさんは数瞬思考して、ふと、思い至ったように賑わいの一角を指さす。
「そうですね⋯⋯アレなんかどうですか?」
指さす方向を見ると、やけに賑わってる店があった。周りの店とは一線を画した賑わいを見せている。
「じゃあ、行ってみましょうか」
僕も気になったのでシルさんに従う事にした。ちなみに手は繋いだままである。僕も最初は失礼かと思って手を離そうとしたのだが、
『ダメ⋯⋯ですか?』
と、上目遣いで言われてしまっては断れず、手を繋いだままになっている。⋯⋯まぁ、シルさんみたいな可愛らしい人と手を繋ぐというのは悪い気はしないが。やがて、近付くにつれその店の全容が見えてきた。
────《カップルで挑戦!恋人達への試練!!》
⋯⋯⋯これはどういう事だろうか。シルさんに顔を向けて見るが、どうやら彼女にも予想外の事だったらしく、顔を真っ赤にして固まっていた。というかよく見れば周囲はほぼ全て男女の二人組で占められていた。(よく見ると男同士、女同士の組み合わせも居た。オマケに何故か男同士の二人組の視線が僕の尻に固定されている。こわい)
「⋯⋯どうします?」
僕としては身の危険を感じるので一刻も早くここを去りたいのだが。
「⋯⋯や、やってみましょう!」
シルさん?顔真っ赤ですよ?無理しなくてもいいんじゃない?
ていうか先程から尻に悪寒が走りまくってるんですよ!僕無事に生きて帰れるんですかねぇ!?
「ウホッ!いいケツしてんなぁあの少年。なぁサジ?」
「あぁそうだなぁアベェ⋯⋯。ちょっとつまんでいかねぇか?」
「女が居るみたいだが⋯⋯まぁ構わねぇ。俺達はノンケだって構わないで喰っちまう様な人間だからなァ」
(僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない!!!)
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!あの人達明らかにヤバイ人達だ!?
「ね、ねぇ、シルさん?本当に⋯やるんですか?」
「だ、だいじょうぶですよ?べるさん?」
あ、ダメだコレ。緊張のし過ぎでまともに会話出来てないな。
⋯⋯⋯仕方ない、腹を括るしかない、か。
この妙ちくりんな催し物自体はスムーズに進んで行った。
内容は、参加料を払って参加するシステムで、店側が出すお題を二人でクリアするという単純なもの。が、内容が問題だった。
────手を繋ぐ、腕を組む、抱き締める、お姫様抱っこetcetcetcetc⋯ 。この通り小っ恥ずかしいお題のオンパレード。しかも衆人環視の中。その度にシルさんが真っ赤になり、僕はそんな彼女を助けながら四苦八苦してお題をクリアしていった。その際、恥ずかしさに耐え切れなくなったカップル達が次々と脱落していく中、シルさんの「だいじょうぶです!」により僕は逃げる事も出来ずに大衆に小っ恥ずかしい姿を晒し続けていた。というかこの催し物自体、店側がカップルの初々しい反応をたのしむ為に開催された節がある。何でわかるかって?催し物の会場の端で店主らしい人がニヤニヤしながらこっちを眺めてるからだよチクショウ。
そして現在、僕らは残った数組のカップル達と共に最後のお題に挑戦する事になった(奇跡的に例の男達は居なくなっていた。やったぜ)。そして告げられたお題は────。
「────き、ききききききキス!?」
「⋯⋯⋯oh⋯⋯⋯」
いやね?予想はしてたよ?でもね?
(流石にこれはないでしょう⋯⋯⋯)
隣を見れば今にも火を噴きそうなほど真っ赤に染まったシルさん。⋯⋯⋯この状態の彼女にキス?いや無理でしょ。
(そもそも僕達恋人同士ですらないんだけどなぁ⋯⋯⋯)
「シルさん。流石にこれは⋯⋯」
「だ、だいじょうぶです!」
シルさん気付いてる?さっきから貴女それしか言ってませんよ?僕達がまごまごしている間にどんどん脱落していくカップル達。気付けば残っているのは僕達だけになっていた。
「おや残っているのは一組か?⋯⋯⋯ニヤリ」
黒い笑みを浮かべる店主(らしき人)。おい⋯⋯まて、やめて!?
「皆さんご唱和ください!あそーれ、キース!キース!キース!」
「「「「「キース!キース!キース!」」」」」
「何やっちゃってくれてんですか!?」
周りの人達も悪ノリしてくれやがる!?
「べ、べるさん⋯⋯⋯」
「し、シルさん⋯⋯⋯」
潤んだ目でこちらを見つめてくるシルさん。そしてゆっくりと唇を突き出し⋯⋯⋯。
「⋯⋯⋯はぅ⋯⋯」
「あ」
ポンッと間抜けな音が響きシルさんが倒れる。⋯⋯完全に気絶してる⋯⋯。会場にはなんとも言えない空気が漂っていた⋯⋯⋯。どうしよ、コレ⋯⋯⋯。
────闘技場地下 モンスター保管庫
その場には、普通の人間が見たら自分の目を疑うような光景が広がっていた。まず目に入るのは呆けた表情を浮かべて倒れている複数人の男女。見る者が見ればそれがガネーシャ・ファミリアの団員だと判断がついただろう。その次に開け放たれた檻。本来モンスター達を閉じ込めておく筈のソレはただの鉄の塊と化していた。
────最後に、女神にまるで従者の様に付き従う
「────さあ、
『グォォォォォオオオオオ!!!!!!』
────空間に、魔獣達の咆哮が響き渡った。
サジ、及びアベェやその後の下りは本筋と何も関係無いです。ただネタをぶっ込んで見たかっただけ。
そしてベルくんが真っ黒に染まる前にシリアス以外をぶっ込んだ。反省はしている。が、後悔はしていない。
次回か次次回辺に黒ベルくん登場予定。