俺は今、ブラオメーア?の前に対をなすように座っている、互いの戦力や出来ることを話して確認するのも必要な事だ、という建前で本当に彼女がブラオメーアなのかがまだ疑わしかったのだ
忠敬「………くどいようで悪いが、本当にブラオメーアなのか?俺には普通の乙女にしか見えんのだ」
そう聞くと目の前の少女はリボンの切れ端を自分に見せた
不思議とそのリボンには見覚えがあり、はて、どこで見たかと思考を働かせると、ブラオメーアが建造された記念にテープカットを行い、風に飛ばされたテープカットのリボンを思い出した
忠敬「あぁ!あの時のリボンか!お前が持っていてくれたのか」
思い出して、言うと少女は一生懸命にコクッコクッと頷いた
そしてまた少女は今度は装飾の付いた銀の匙を見せてくれた
これも思い出がある、同期だった斎藤 忠という男が出兵の際に嫁からお守りとしてもらった匙だ
ブラオメーアで航海し、昼食のカレーライスを食べるときに幸せ者の匙として周りのやつらから、からかわれ、斎藤自身も嬉しそうに笑っていたのを思い出す
斎藤がブラオメーアから降りて別の船での作戦に加わる事になった時に、同期で友人である俺に、何か渡せるものがないかというので俺に渡してくれた匙だった
その時に、斎藤の妻は空襲で死んでいたという事実を聞かされた時になんとも言えない気分になった事を覚えている
その後、ブラオメーアと心中するまで、自分の部屋に飾っていたがこの子が持っていたなんて
忠敬「………持ってきてくれたんだな、ありがとう」
そう言って少女の頭を一撫でした、疑っていたが彼女はやはりブラオメーアなのだ
そして最後に少女は一本の刀を見せた、片手でも力が入りやすいように作られた特注だった
訓練生だった時からの親友であり、ライバルだった男、足立 信哉のものだった、足立は豪傑でいつも目がギラギラと光る男だった
様々な胡散臭い武勇伝を持つ男だが、その武勇伝が嘘とは断言できない程の判断力、身体能力に長けていた
訓練生だった時には訓練成績が同じくらいだった事もあり何度も勝負を挑まれたが、一度も決着が付いた事はない
そしてブラオメーア建造計画の際には一番、力を貸してくれた人物のも足立だった
この刀は足立が何を感じたのか愛用していた一本を自分にくれた
足立は「長い付き合いじゃが、お前は軍神、わしは軍王になった、勝負も全部引き分けじゃ、こいつを一本やる、わしとの勝負に勝ったらもう一本くれちゃる、勝負じゃ!軍神!」
そしてその晩、また勝負をしたが引き分けで終わった
次の日、海軍王、足立 信哉は別の作戦で沖田戦法を使い、敵大型空母艦を沈め、軍王として死んだ
そんな男の刀だった
忠敬「………これも持っていてくれたんだな、ありがとう」
忠敬「あんたはやっぱり、ブラオメーアみたいだな、疑って悪かった………あと…俺の勝手に巻き込んじまって本当に悪かった…」
そう言って頭を下げると少女は首を横に振る
少女「ヲ、ブラオ……メーア………違ウ…ブラオ……メーア……沈ンダ……ダカラ……違ウ」
少女はそう言って忠敬の頬を触って見つめながら
少女「……貴方ニ……新シイ…名前…着ケテ……欲シイ……」
少女は不器用に、無邪気に微笑みながら俺を見つめていた
忠敬「………第一印象というか、こんな決め方、猫とか犬みたいで嫌かもしれねぇが……ヲ級ってどうだ?」
正直な所、名付けには自信がなかったが少女は嬉しそうに頷いて無邪気に微笑んでいた
ヲ級「有難ウ!テートク!嬉シイ!」
はしゃぎながら微笑んでいた彼女を見て、俺はこの少女と共に戦うのだという事を少し忘れてしまっていた
そして、俺はこの戦いが終わるまで彼女の笑みを守りたいと、思い出すと同時に誓った