Fate/Cross Orient × 東方幻聖杯   作:馬の羽根

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第11話 1日目 昼 『本当の強さ』

『――どうか助けていただきませぬか』

 

 声が聞こえる。

 

『あぁ、任せておけ。龍神に仇なす大化生、この俵藤太が見事退治してしんぜよう』

 

 彼の声が聴こえる。

 

 これは誰の記憶なのだろうか、少なくとも自分のでは無い。

 

 ――知らない景色、知らない空気、知らない人々、知らない馬の蹄を鳴らす音。

 

 唯一知っているのはたった一人の声だけだ。

 

『近江国、三上山に()()()()大化生よ。俵藤太(貴様を殺す者)がここにいるぞ!』

 

 山に巻き付く龍の如き大百足。龍の一族を喰らう、その恐怖が此方を睨む、その目は悠然と語っていた。

 

 ―――たかが人間取るに足らず―――

 

 今にも丸呑みにされる、さすれば何1つこの世に残さずに消え去ると確信した。

 

 ――勝てるわけがない。記憶の来訪者(夢の中のチルノ)はそう思った。いや思うしかなかった。現に彼の弓に矢を番えて引くその双腕は麻痺したかのように震えていたのだから。

 

 矢は恐怖に乗ってあの化生の体に当たる。しかし当たっただけだ、すぐに弾かれ無となる。

 

 彼の化生は山を七巻き半する強大な存在、存在の大きさは恐怖と比例する。

 

 矢を番える、的は動かず(やじり)は突き刺さることなく音を弾く。

 あれが睨みを利かす、それだけで体を(おそれ)が駆け巡る。

 

 弓を引く、的は羽虫を叩くかのように鏃を払い。生暖かい風が頬を伝う。

 あれが体を揺する、それだけで地が(おそれ)を知る。

 

 薮蚊が飛ぶなら潰すように、大百足は体を持ち上げ藤太に迫る。蟻から見た人間はこのような光景なのだろう……。

 

 藤太の流星のような矢は弾かれるのみ、終ぞは残り1つとなった。

 

 あれが暴れ出すなら龍神だけでなく人民、果てはこの大地までが滅ぶだろう。

 

『――否!それはならぬ、あってはならぬのだ!皆が笑って飯を食らう日の本の国、良き営みを邪魔するのは絶対にならぬ!

 貴様が七巻き半ならば(オレ)鉢巻(八巻)だ!』

 

 恐怖で狭まっていた視界が明けた気がした。鉢巻を締め直し気合を入れ直す、そうして口に溜まっていた唾を鏃につけ矢を番え、五人張りの強弓を力いっぱい引き絞る。

 

『――南無八幡大菩薩、別して吾が国の神明、日光権現宇都宮、那須温泉大明神……願わくば、この矢を届け給へ!』

 

 それは願い、弓矢八幡に祈願し一矢に全てを捧げる。

 

『さぁ!()()()()()化生よ!さしずめ年貢の納め時というものだ』

 

 放たれた星のような一条は吸い込まれるように大百足のその脳天を貫いた。

 

 その矢は大地を割ることはない、だが化生の業を割くことにおいて他の追随を許さぬほどの一矢だった。

 

『一矢、報いることが出来たか』

 

 地に轟く大化生の断末魔、それは藤太の勝鬨のようにも聞こえた。

 

 この者は――強い。

 

 何においてもその精神が―――――

 

  ――――――

 

 ―――

 

「ふふふ、変わった夢を拝見させてもらいましたよ」

 

――

 

 

 意識が覚醒するか否かと言うところで何者かの声が聞こえた気がした。

 

 しかし、浮上する意識に逆らうことは出来ずに目を覚ますことになった。

 

 

 

「……今の……夢?」

 蝉が鳴き叫ぶ午後3時、チルノは目を覚ました。この時期のこの時間、炎天というのが相応しい熱気が家の外で漂っている。しかしチルノの特製であるこの家は冷蔵庫のように一定の温度で保たれており、チルノにとっては快適な我が家だ。

 

「あ、いい匂いする」

 

 開けられている窓からは米の炊けた良い香りと誰かが談笑する声が聴こえた。チルノは起き上がりドアを開けた。

 

「おぉ、目が覚めたかマスター!飯は出来ているぞ。ささ、たぁんと食え!」

 

 笑顔で迎える藤太に促され茶碗と箸を渡された。とりあえず白米を掻き込みながら誰と談笑していたのだろうかとあたりを見渡す。その場にいたのは大ちゃんと――上半身を水面から出す女?

 

「まさか、かの高名な藤原秀郷その人に会えるだなんて……長生きしてみるものですね」

「……そこの半魚人誰?」

 チルノは咀嚼しながら藤太に聞くが、彼は何かツボに入ったのか笑っているのみだ。

「わかさぎ姫さんだよチルノちゃん!」

「ふーん」

 自分で聞いておいてなんだが別に興味があった訳では無いのだ。生返事で返す、大体の妖精はこんなもんだ。

「いやー、まさか開口一番でこの者を半魚人呼ばわりするとはな。思わず笑ってしもうたわ」

「全くですよーぅ、でも確かにあまり姿を見せたことがないからね。知られてないのもしょうがないんだけど」

「ははは、しかしよく(オレ)を知っていたな。吾が死んでから随分と時が経っているはずだが?」

 笑うのをやめて新しく米をよそって大妖精やわかさぎ姫にも配膳している。どうやらチルノが起きるのを待っていたようだ。

「私が幻想入りする前までいた場所ではずっと言い伝えられてましたもの。

 近江の地に巣食う大百足を退治した傑物、俵藤太!とっても面白い英雄譚の数々。私も近江の出身、仲間とともに当時を想像しては思いを馳せていました……。

 そして、まさか幻想郷にきてその本人であると名乗る者に会えるだなんて。その体から溢れんばかりの豪気に五人張りの強弓、そしてその腰に差す蜈蚣切(むかできり)に無尽の米俵。外にいた日本の妖怪なら名を知らぬ者はいませんよ。

 それにしてもこのお米美味しいわね、さすが龍神の賜り物」

 初恋の相手にあったかのように語るわかさぎ姫、実際に昔は憧れたのだ。妖怪の身でも人に憧れるということはありえない事ではないのだ。だが実るとも限らないのだが――

「ははっ、後世まで人妖関係なく名を馳せるというのは武人として最大の誉れというものだな!しかし、こうやって面と向かって言われると些か照れがあるな」

 ………()()()。チルノは夢のことを思い出していた。あの夢にいた藤太はこの者で間違いないんだろうが、それでもあの夢はやけに現実めいていた。

 

「ねえトータ」

 

「どうしたマスター!先程からなにか元気が無いぞ」

 昨晩通りの彼女であったならばもっとガツガツと飯を食らうだろうが、起きてからのチルノは何やら思案している。

 あの問答が未だに効いているのだろうか。だとしたら彼女は普通の妖精より幾分か頭が良いのかもしれない。

「変な夢を見たの、大百足がいて、あなたの声と腕が見えて。それから、それから……」

 

 どうやら彼女はアーチャーと魔力のパスが繋がったことにより英霊の記憶を夢で見てしまったようだ。「そうか通りで」とアーチャーは顎をさすりながら呟き、またチルノに問いかけた。

 

「うむ、ではどうだったその大百足とやらは」

 

「デカくて、強くて――怖かった。

 幻想郷にいる誰よりも怖かった」

 空になっている茶碗に正直な気持ちをこぼした。いつもの彼女の自信はどこに消えたのだろうかと大妖精は心配している。それを横目にアーチャーはその感想を笑い飛ばした。

 

「あっはははは!!!そうだろうよ、(オレ)も怖かった!その吾よりも遥かに小さいマスターが奴の前にしたらそう思うのも道理だろう!」

 

「な、なにぉう!バカにするなぁ!」

 

 自分の中のもやもやを何故か笑われてしまったのと、小さいと言われたことに思わずムッとしたチルノは少しだけ荒れた声を上げた。

「むむ、何か気に触ったか?ならば謝罪しよう。しかし、マスターよ。怖いと思うのは良いことだ、強い者でもそれに気付ける者はなかなかいないのだからな」

 ヒョイっとチルノの茶碗を取り白米をよそう。強い者でも気付きにくいというアーチャーの弁に疑問を持った。

「なんで?"強い"って怖いものなんていないんじゃないのか」

 怖いもの知らずという言葉がある。チルノはその言葉を強者のことを指していると思っているのだ。だからこそチルノは自分の中に怖いという感情があることを誤魔化していた節がある、そんな感情は彼女の言う『最強』には程遠いものだ――

 そう信じていたのだから。

 

「それは違うぞマスター、強い者だって恐怖は感じる。常に死と隣り合わせであるならば、より強く感じるだろう。

 ――怖いものなどない、そんな者は無鉄砲な者か真に恐怖を感じたことがない者だけだ。

 (オレ)も例外じゃない、あの大百足に限らず百々目鬼。……()()を討った時は特にそうだった。恐怖で身が震え上がり目の前が見えなくなった」

 意外だった、アーチャーの言うことは自分の思うものと違っていたのだ。あの夢の中で見せた強大な力、なぜだか疑うことの出来ないあの逸話。確かに震えていた、恐怖で震えていたが最後には勝利を果たしていた。

 それでも彼は(おご)るようなことは無かった。

 

「昨晩は言い忘れたが――マスターの願い、吾は全力で応援しよう。

 だからこそ強さというものを学ぶべきだと思うのだ。『最強』大いに結構!しかし自ら勝ち取る強さと何者かから賜った力では意味合いが違う。

 吾はマスターに力の使い方を知って欲しいのだ。願いに至った理由が崇高でも、力を得ると言うだけでその理由を忘却し気付かずのうちに踏み(にじ)っていたなどとならぬようにな……」

 

 チルノの願いは『最強』になること。妖精が軽んじられている現状を変えるべく、抑止力のようなものになるということだ。

 しかし、その為にどうするべきかまでは分かっていなかった。今までだって分からずに最強を自称して、周りに迷惑をかけて――はっきりいって友人は少ないのだから。

「ねぇトータ、あたいはどうするべきなのかな……。

 ―――『最強』ってなんなのかな……」

 ついに口にしてしまった今までチルノの中にいた(よど)み。誰に言っても否定されてきたその思いの答えをアーチャーが教えてくれると思ったのだ。

 

「うむ!まずは美味い飯を食うことだ!」

 

 陽気な笑い声を上げ山盛りに盛ったご飯を差し出すアーチャー。

 

「トータ、あたいは!」

「妖精であろうとお主は生きておる。よく咀嚼(そしゃく)して、飲み込み消化すれば()()する。そうやって生き続けていれば、いつしか知るだろうよ。

 ――気高き強さ(最強)とはなんぞやと言う、その答えに」

 

 

 

 

 

 血のような霧が舞う、今宵の決戦場となる紅魔館の門の前では二人の男女が互いに向き合い槍を構えていた。

「へぇ珍しいねぇ。アンタ槍も使えたのか」

「中国武術は拳だけが武器という訳ではありませんからね。

 恐らく聖杯戦争の前の最後となる模擬戦、この館が決戦場になるならば、門番である私の槍術がどこまでのものか試してみたく思ったのですよ。失礼でしたら今すぐにでも捨てますが」

「いいや、アンタの拳には何度かヒヤッとさせられたからな……ちょっとだけ残念に思っただけだ。

 だがアンタが槍を持ったって事は俺も全力で応じなくちゃならねぇよな」

 

 ランサーは一週間前に幻想郷に召喚され、今まで毎日こうして紅魔館の門番である紅美鈴と模擬戦を行っていた。互いに素手の勝負で技術を競う。結果は5勝1敗でランサーの圧勝だが、それでも1度は負かされているのだ。

 そして今回は槍での戦い……正直言って美鈴の腕はランサーの腕より劣っている。それでも槍を手に取ったのは彼の本来の強さを肌に感じたかったためだ。

「ではいつも通り、投げた石が地面についたら始めましょう」

 紅美鈴が空高く放り投げた石は10秒と経たずに地に落ちるだろう。そのテンカウント未満が戦いの合図だ。

 戦いの高揚感、それは命をかけた戦いではなくても感じるものだ。

 開始のゴングが重力で加速していくように熱気も徐々に上がっていく。

 

 ついに視界に入った開始の合図が地についた時。――二人は同時に動き出す。

 

 

 

    キィィィィィイイン―――!!

 

 

 

 互いの腕に槍が交わる衝撃が伝わる。

 

 最初の一撃でこの場の空気が一瞬にして変わる。この場は既に戦場と相違ないのだ。

 

 美鈴の槍がランサーの死の棘を絡め取ろうと小さく弧を描くが、ランサーも同じく槍を捻り更にはそのまま美鈴の胸を的に滑り出す。

 

「―――ッ!」

 

 だがその一閃は決まることはない、美鈴の武器は槍だけではない。

 細くしなやかな脚が朱槍を蹴り上げ美鈴は攻撃を躱す。そのまま()()()()()足裏で地面を踏みしめる。その瞬間、ランサーの体が硬直し大きな隙を見せてしまった。

 

 その隙を拳法家が見逃すわけはない、槍を横薙ぎにし空いた横っ腹を叩かれたランサーは軽く吹き飛ぶ。が、しかしそれは衝撃を逃がすために横に飛んだだけだ。

 

「ハ、ハハッ!前言撤回だ!アンタなかなかやるじゃねえか。残念なんてもんじゃねぇ前試合として最高だぜ」

 

 本気でやると言ったランサーだが、ほんの少しだけ美鈴を侮っていた。拳ではなく槍を使うこと、その捉え方が少しだけ違っていた。

 槍"だけ"を使うのではなく、槍"も"使う。中国武術を使いこなす彼女の体は全身武器と言っても過言ではないのだから。

 

「中国武術・八極拳の真髄、まだ極めるに能わぬ我が身。あなたにどこまで通用するか試させていただきます!

さぁ――――いざ!尋常に!!!」

 

 掛け声と同時にランサーを目掛け放たれる一撃、一薙ぎ、一閃。それら全て気迫のこもったもの、ランサーも今度は一切の余計な思考を捨てそれに応える。

 

 紅の一刺しを朱の一薙ぎにて払う。

 

 朱の一閃を紅は一振りし受け流す。

 

 紅は舞い、朱は刺す。赤き舞台で巻き起こる演舞。それは見るものを魅了するだろう。現にこの場に忍び観察するものを魅了していたのだから。

 

 刺す、舞う、薙ぐ、躱す、殴る。

 

 返す、突く、(はた)く、振る、流す。

 

 目まぐるしく変わる攻防。攻守交代の合図もなく交互に突き刺し避け躱す。

 今までの二人の戦いのなかで最も充実した闘いと言えるだろう。

 

「美鈴!テメェ今までなんで隠してた!こんなに楽しいとは思わなかったぜ!」

 

「今まで隠してたから出来たんですよ!あなたの一挙手一投足、癖に至るまで全て観察し続けてきたからこその攻防です!」

 

「ハハハッ!ならばこの戦いのために今まで挑んでたってことかァ!」

 

 武術は相手の動きに合わせて攻防をする、これを合気と呼ぶ。合気道という武術がこれを突き詰めたものである。

 ――だがこれはすべての武術に共通した技術であり、卓越した者であるならば意識外で用いるものでもある。

 

 『気を使う程度の能力』を持つ美鈴はそれに長けていた。さらに今までの6戦、ランサーの動きを観察し覚えていたからこそ人理に名を刻む英霊、ケルトの戦闘民族の最上位とも呼べるクーフーリンに肉薄することが出来た。

 

 そして今、互いに思うことはただ1つ。

 

『敵であって欲しかった』

 

 同じ陣営で同じ守るべき主がいる現状、命をかけた本気の戦いができないと言うのは生殺しと言っても差し支えない。

 ――それほど、彼らはこの戦いに酔いしれていた。

 

 

 

    キィィィィィイイン――――!

 

 

 

 最初に交わした時のように全力の槍同士が甲高い衝撃音を響かせた。

 しかし違うのは美鈴の手から槍が弾かれてしまったという結果だろう。

 

 始まりの一撃と同じ音響は奇しくも終わりの一撃となった。

 

「ハァ――ッ!ハァ――ッ!……くっ……参りました……」

 美鈴の投了、2時間に及ぶ攻防はランサーに軍配が上がった。

 炎天下、鳴き叫ぶ蝉の鳴き声は二人を讃える歓声のようにも聞こえた。

 

 勝負が終わり戦いの緊張から解かれたのか膝をついてしまった美鈴に近づくランサー

 

「いい勝負だったぜ、アンタが門番してるならこの館も安泰だな!俺もまさかここまでやるとは思ってなかったぜ」

 

 心地よい疲労感に身を浸す美鈴に肩を貸し、木陰へと運びながらランサーは彼女に賛辞の言葉を贈った。

「あ、ありがとうございます……!」

 英雄からの賛辞――美鈴は感無量と言った様相だ。

 この紅魔館で門番という役職が与えられてからは侵入者と言ったものもなく他人に軽く護身術を教える程度だった。

 歩くのがままならなくなるほどの本気の戦いというのはしばらく無かった。その戦いの満足感の中でそういう言葉を投げかけられると感情が零れてしまいそうになる。

 

「どうやら終わったようですね。お昼ご飯出来ていますが持ってきましょうか?」

 急に目の前に現れたメイド、勝負を決してからすぐに現れたところを見ると観戦していたのだろうか。

「昼ぐらい休んでも構わねぇだろうよ、そのあいだ門番の仕事はオレが引き受けるからよ」

 美鈴に耳打ちするランサー、このまま門で業務を続けるよりは中で休んでいる方がいいだろうと休むように促した。

「あぁそうですね。咲夜さん今日は中で食べさせてもらいます……ちょっと疲れました」

「ふふふ、いいわよ。じゃあ今日は特別にね。そうだ、疲労回復に良いものも追加しとく」

 何故か機嫌のいい咲夜をちょっとだけ不思議に思ったが疲れてその考えもしてられない。ランサーは肩の荷物(美鈴)を咲夜に渡し二人を見送った。

 

「いい汗かいたぜ、おっと英霊だから汗はそんなにかかねぇか」

 

 上機嫌に門の前で仁王立ちするランサー。

 

 ――この紅魔館では退屈しない。良い飯に、良い主、良い対戦相手に良い住人、さらにその住人はみんな美人でシャンとしてやがる。

 

「幻想郷ねぇ、良いところじゃねえか」

 

 妖怪の理想郷。その地を踏むランサーは紅霧で覆われた空を見上げた、この霧で更なる対戦者たちがこの場に集う。ランサーの士気は今も広がり続ける霧と共に満たされていく。

 

 良き戦い、それだけを求め召喚に応じた。その判断は正しかった。ほかの英霊だけでなくサーヴァント相手にタメを張れる妖怪という存在がいるこの戦地は間違いなくランサーの求めた理想郷とも呼べるかもしれない。

 

 今夜の戦いに思いを馳せ、ランサーは紅魔の門を暫し守るのであった。

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