GUNSLINGER STRATOS 極歌~Requiem~   作:ユニ@カスリンガー

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002「僕の友達・・・」

恵梨「このハンドガンって、風澄君が持ってるのと色違いみたいな、」

 

大和「いやいやいやいや、これすごいね、良く出来てる。精密に作られてるなぁ~」

 

恵梨「しかも、2つも入ってる、ガンケース付きでね。」

 

 バックの中には厳重に保管されたハンドガンとケースが入っていた

 

凛「よし、ちょっと大和これ付けてみてよ!」

 

恵梨「えっ!ダメでしょ?」

 

凛「まぁ~まぁ~付けるだけだし」

 

恵梨「でもぉぉ・・・」

 

大和「付けるだけ良いんじゃないかな?、それに、どうせ作り物だろうし」

 

 そう言って大和はハンドガンを手に取ると風澄のようなポーズを取った。

 

大和「どうかな?」

 

凛「おぉ!なんか様になってるね」

 

 あまりにリアルでカッコ良かったので少しテンションが上がってしまった。

 

大和「よし、じゃぁ、試しに引き金を壁に向かって引いてみたら・・・」

 

 パーンッ!

 

大和・恵梨・凛「!!!」

 

 反動が少なく造られてるのか、大和の腕はあまり動かず、だが、打ち込んだ壁がへこんだ。

 

大和「えっ!今、弾・・・出た?」

 

恵梨「それ、もしかして、まずいんじゃ?」

 

凛「無い無い!、そんなもの置いてないって」

 

 プープープープー!

 

大和「なんだ!!?」

 

凛「グラウンドの方から聞こえたよ?」

 

恵梨「今のって王族の放送音だよね?」

 

大和「なんなんだよ!」

 

 タッタッタッタッ

 

 しばらく走ると学校の上空に巨大モニター付きの飛行艇が飛んでいた。

 

大和「いったい何が・・・・!?」

 

 ピー ガガガッ

 

 相変わらずの電波の悪さだ。王族は普段は厳重な城の中にいるので飛んでいる電波もさほど良くは無い。

 

王様『いやぁ~ おはよう諸君!、本日も良い天気だねぇ』

 

凛「あいかわらず、いけ好かないしゃべり方ね」

 

王様『今日は諸君らに楽しいゲームを用意した。』

 

大和「ゲーム?」

 

王様『ふっふっふ、先日、我が国の技術部が開発した、生物兵器と軍事兵器これを使う』

 

大和「生物兵器だと?」

 

王様『これをご覧あれ』

 

学生1「うわぁぁ何だよあれ!?」

 

学生2「気持ち悪い・・・・」

 

王様『今にも飛び掛り噛殺そうとする眼、鋭い牙と爪を持ち、車をも持ち上げる。さらに・・・』

 

 ドカンッ!

 

王様『大砲をもろともしない! 諸君らにはこいつ達と戦ってもらう』

 

 目の前に映し出される光景に学生のほとんどが驚愕としていた。この王は狂っている。全国放送で公開処刑をしたり等もあった。だから大砲が本物であることも、その威力も知っていた。だが、そこの生物は煙を上げるだけで無傷なのだ。

 

王様『ふっふっふ、しかーし、諸君 これを見たまえ! これは「空間分子結合」と言う特殊な方式を使い、自動で弾を無限に供給し続ける銃だ。』

 

 時間で自動でリロードされる銃、確かにすごいが、似た様な物が他にもあった。それほどの驚きは無かった。が、しかし

 

王様『更に、この方法で作られた武装のみ、』

 

 バーンッ

 

化け物「ギュォォォォ・・・・   」

 

王様『この生物兵器を倒せるのだ。』

 

大和「・・・・・・」

 

王様『さぁ、ゲームを始める。武装はいたる所に黒いボックスの中に入っている。見つけて自由に使いたまえ。』

 

凛「これもそうだったのかも」

 

恵梨「そうだね・・・・」

 

王様『生物兵器は3時間毎に送る。それでは、』

 

 モニターが数字の画面へと切り替わり、各地で轟音が上がる。

 

『3』

 

『2』

 

『1』

 

王様『作戦開始!!!』

 

 

 ~~~~~~~~~~~

 

 

恵梨「うそ! こんなの嘘!」

 

凛「こんな事ってありえるの・・・」

 

大和「本当にこんな事が・・・・」

 

 学校の前には大量の化け物が居た。グラウンドにも結構な数がいる。人間のように二足歩行をしているが両手は刃物のようなデカイ爪、肥大化したようなデカイ顔、まさしく化け物だ。

 

 ドカァァーン

 

凛・恵梨・大和「!」

 

恵梨「グランドの方から聞こえたよね?」

 

大和「行ってみよう!」

 

 思わず走り出してしまった。混乱してるせいでもあるが、何か体が軽い、何故だろう・・・

 

女子A「きゃぁぁ!!」

 

 悲鳴が聞こえて我に戻る。よく見ると1人の女子がヤクシャ達に囲まれている。同じクラスで髪が長く眼鏡が特徴的な女の子だ。その他にも、あちこちで色んな人達がヤクシャ達に包囲されていた。

 そして次の瞬間、

 

化け物「ウォォォォォ!」

 

 化け物の両手が光り始めた。そしてバチバチと音をたて始める。

 

 ヒュゥゥゥゥゥン・・・・・・

 

女子A「やめて・・・、助けて・・・・・」

 

化け物「ウォオ」

 

 しかし、救いの声は誰にも届かなかった。

 

 ドガーン ドガーン

 

 強烈な爆発音が鳴り響いた。ヤクシャの手から放たれた弾が躊躇無くそこの女子を次々と当てていく。

 

ヤクシャ「ウォォォォォォ!」

 

 そして先ほどと同じように唸り声を上げるヤクシャ、その中心には巻き上がった砂埃が舞っている。

 

恵梨「・・・・・・・・」

 

 恵梨は言葉にならない声で鳴いていた。そういえば良く喋っていた。

 

大和「ん?、なんだこれ?」

 

 急に顔に付いた物を手にとってみると、そこには焦げた髪の毛だ、それは長く、その髪の毛は・・・

 

大和「これは、あの子の・・・」

 

 そして砂埃が次第に薄くなり、中の様子が伺える様になってきた。そして、そこにあったのは想像絶する者、否、物だった。

 

大和「2人とも、見るな!」

 

凛「・・・・!!」

 

恵梨「どうしたの?」

 

 2人の体を引っ張り、砂埃の中の様子を見れないようにする。

 

大和「・・・・」

 

大和(死んでる。しかも、普通じゃない、体が木っ端微塵だった。体の中身が・・・・)

 

 考えただけで吐き気が湧き出るほどの物だった。皮膚は焼ききれそのまま中身へ貫通、その後爆発。それが多方向から同時に行なわれたのだ。

 

大和「・・・・・・・・ 2人は隠れてて、」

 

凛「え・・・・ うん・・・」

 

大和「ありがとう、」

 

恵梨「・・・・・ヤー君は?」

 

大和「行ってくるよ」

 

恵梨「行っちゃダメ!!」

 

 そう言って、恵梨が大和の腕を掴む。初めて聞くほどの恵梨の声量に思わず振り返る。

 

恵梨「やだぁ、ヤー君と離れたくないよぉ」

 

大和「・・・大丈夫だから」

 

 そう言いつつも恵梨の眼から尋常じゃないほどの何かを感じて大和は言えなかった。

 

大和「ごめん・・・でも、行かなきゃ」

 

 そう言って、腕を振りほどいた。

 

恵梨「あっ・・・・」

 

 大和はグラウンドの方に走っていった。

 

 

 ~~~~~~~~~~

 

 

 クチャ クチャ ゴリゴリ! グチャ!

 

 おぞましい音と不快な動きをしながら死体の周りで何かをしている。否、何をしているかはすぐに分かった。

 

大和「どけぇぇぇ!」

 

 バンッ

 

ヤクシャ「ウォウゥ!」

 

 急に後ろから撃たれて声を上げる。そして、死体を囲んでいたヤクシャ全てがこちらを見た。

 

大和「1発じゃダメなのか、それなら、」

 

 ヤクシャ達が大和に近づき始める。

 

大和「全部喰らえぇ!!!」

 

 ダダダダダダダダダダダンッ!

 

 右・左・右・左と交互に引き金を引く、弾はヤクシャ達の体や頭を貫く、

 

 カチッ!

 

大和「弾が出ない!、」

 

ヤクシャ「ゥゥゥゥ」

 

 だが、まだ1匹残っている。そして大和に向かって両手を構えた。

 

大和「死にたくない、まだ死ねない!!、待ってる人がいるんだから!!」

 

 とっさに体を動かす、相手の懐に潜り込んだかと思えば、持っていたハンドガンで思い切り殴りつけた。

 

 ボフゥッ

 

ヤクシャ「ヲォォォォォ・・・・   」

 

 そのままヤクシャは地面に倒れ声を発さなくなり、震えも止まった。その時、

 

放送『ここら辺一帯の殲滅を確認しました。』

 

 ヤクシャ達の死体、人間の死体、それらがまるで風に乗ったかのように消えた。

 

 だが、まだ始まったばかりだ。


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