武偵高に転校してきた、謎の少年、オーレリスト。
次々と解明されていく謎だが、気になるのは、能力。
その能力について、暴いていく___

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刹那の支配者~クロノス~

…何話目だ?これ。本来の主人公登場まで何話かかってるんだ…まぁ、気にしてないけど。

あぁ、紹介が遅れたな。俺はキンジだ。ただの高校生だが、少々荒っぽいところのな。

これから語っていくのは、俺と謎の少年、神崎・H・オーレリストとの日常だ。

まぁ、アリアよりはまし…だと願いたいが。

 

 

 

 

 

「…今日は、何事もない日だな」

「…確かに、暇だな」

「ここまで暇だと何か起こらないか、って気持ちにもなりそうで怖いな」

「…あぁ」

…まったく続かない…

なんだろう?こいつには何かあったのか…っと、思った矢先

 

「おーーーーーーい!オーレリストーーー!」

 

あ、ナポレオンさんだ。オーレリストのことがだいすk

「だ、誰が好きじゃ!ま、前までの、ななななじみだ!」

…こいつには心の内を読める能力なんてあったっけ?ないはずだよな?あったら武偵最強だぞ?

「…なんだ?騒がしいな、今は静かに過ごしたいというのに」

「そ・ん・な・こ・と・よ・り!昼ご飯でも食べようぞ!な?」

「断る」

ずごーん

…そんな音が聞こえそうなくらいにショック受けている。なんだか、見ていてかわいそうな気がするが。

「この後の授業を考えて、俺は食わないでいるつもりだ。」

「え、じゃあ…見ているというのは…?」

いや、粘るのかよ。

「断る」

どんがらがっしゃーん

いや、それ何の音だよもう。

何かを破壊したような音だぞそれ。

「腹が減るではないか。とりあえず、今日は他の友達とでも食うがいいと思うのだが」

「…(涙目)」

…ものの見事に打ち砕かれた、ナポレオンさん。

もっと頑張りましょう。と思っていると今度は

 

「キンジ!」

げっ、アリアだ。さすが、運のなさには定評のある俺。変なこと言うとしばかれてしまう。

「こっちに来なさい?強制よ!」

「…アリア~、もう少し頼み方っていうのがあるだろう?」

「ない!特にキンジには!」

ベスト・オブ・ザ・理不尽賞にノミネートされるぞお前。

もう少し考えていってくださいよ、お嬢様。

「…あ、オーちゃんは?一緒に来る?」

この娘、自らの親戚には聞くのかよ…

あ、ちなみにこのダブル神崎は親戚。

「…いや、俺はいい。」

「…あぁ、そういうこと。わかったわ。」

…さすが親戚。通じ合っているようだ。

「…でも、少しぐらいは食っといたほうがよくないか?レキも、カロリーメイトぐらい食べてるっていうし…って」

いねぇ!話しているうちにどこ行った野郎!

…まぁいいけど、一人でいたほうが気が楽だ。

と思ったら

___神崎・H・オーレリスト、すぐに教務部(マスターズ)に来い_____

と、やつ曰く女豹に呼ばれたので探しに行くことにした。

やつが行くところは見当がついている。

 

 

 

 

 

 

「…やっぱいた。」

屋上である。あいつはなぜかわからんが、よくここに来るらしい。

「…なんだ?」

「放送で呼ばれたぞ、女豹からだぞ。」

「ん…そうか。」

「ちなみに、もろ本名で呼ばれてたぞ。」

「…そうか。」

…すごい反応薄いなぁ、何があったのかな?

まぁ、突っ込みすぎるのもあれだからスルーしよう。

っと、思ったら、アイツまたすぐにいないし。移動早すぎないか?

「…キンジ」

っと、あのアニメ声で呼ばれたのでその方向に行くと。

そこには、隠れるようにしてアリアがいた。

 

「ん?なんだ、アリア」

「…あんた、さっきからオーちゃんの領域に踏み込みすぎよ。」

「…領域?」

「うん、領域」

「あいつの周りに何かあるのか?」

「うん、昔からそう。仲よく遊んでた頃にはそんなのなかったんだけど…」

「…で、領域ってどのくらいだ?」

「身近な話とか。」

「…なぜ?」

「あまり、身辺について話すのは好まない性格なのよ。あいつ。されると、にらみつけてくるし…」

性格悪いなぁ、オーレリスト。

でも、何かあるのかもしれないな…

「…まさか、洗いざらい調べつくしたのがばれたとか?」

「おそらくね、仮にも『十字軍』のリーダー。身元はばれないようにしておかないといけないじゃない?」

そうだった、不覚にも忘れていた。この間にも、オーレリストは調査を進めているかもしれないからだ。

「そうだな、今後は気を付けて調べないとな…」

「いや、もう調査は無理よ。」

「え?」

「あんた、アイツの能力知ってる?」

「…わからないな」

「さっきからアイツ、急に消えたりしてるじゃない?目の前から。」

「あぁ、そうだな。」

「それが能力よ。時を止めて自分のみ行動する能力。」

…チートじゃないか?それ。しかし、アリアの言葉には続きがあった。

「そして、それがゆえにアイツの通り名はね」

「…」

 

 

______刹那の支配者(クロノス)よ______

 

 

 

クロノス…それは、シュロスのペレキューデースによって創作された神。一説には、カオスから生まれた原初神であるという情報があるらしい。(wiki先生ありがとう)

ということは、オーレリストにはさらに能力があることになる…

・HSS持ち

・時を操る

…やっぱチートだろそれ。

 

「なぁ、アリア…それ、チートじみてないか?」

「武偵において、確かに強すぎる能力ね。この能力のおかげか、伯父様…シャーロックホームズとの勝負は5分よ。」

「ま、マジかよ…」

「マジよ。でも、伯父様のほうが少しだけ上回ってるわね、勝率は。でも、実力差はほぼないわね。」

「なぁ、その能力は昔からあったのか?」

「なきゃ、私の家のセキュリティから逃れられないでしょ」

「まぁ、確かにな…」

「だからあいつ、シャーロックホームズ以外で本気を出したことはいまだかつてないわ。勝負は楽しむものだからって、出さないの。」

…余裕ぶっこいてますなぁ、と思わなかった。

なぜなら、さっきのあの表情。あの表情を見ているとその能力で何かあったのだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は飛んで、任務の時間。ランク的には、すぐに終わるものだと考えられていた。

メンバーは、俺キンジと、アリア、そして、オーレリスト。

 

「さぁて、やるか…って、あれ?オーレリストは?」

「少し遅れてくるわ。けど、もう来ると思う。」

「あぁ、そうか…って、いる!?」

「…申し訳ない、荷物の整理に手間取ってしまった。」

「よくここまで一瞬で来たな…」

「時を止めれば可能だな。だが、今回は時間かかってしまった。」

さすがクロノス。時を止めればって、ワードはお前にしか使えないよ。

そして、さっさと終わらせようと現場に入った途端…

 

「…待っていたぞ!クロノス!」

 

…聞いたことのある、声…なんとそこには、カツェとセーラが立っていた。

 

「え!?なんであんたたちがいるのよ!」

「はっはっは!今回の依頼物は私たちにも用のあるものでね!いただいていくよ!」

「ま、待ちなさい!」

「まぁでも待て。双剣双銃(カドラ)のアリアよ。私はそいつと一回戦ってみたいんだ!」

カツェが指をさした先には…オーレリスト。

「お、オーちゃんと…!?」

「うむ!最近頭角を現してきた、新参だからな!」

「…カツェ・グラッセ、か…」

「…カツェ。やつには気を付けたほうがいいよ。気を付けるどころか、警戒しなきゃ」

「わかってるわ!宝の前に、その実力を拝みたいものよ!!」

「…それ、わかってる?わかってないよね?」

 

セーラの忠告もスルーしたカツェは、オーレリストに向かって走ってきた。

そして、銃を構え横っ飛びに撃つ。しかし…

「!?」

カツェは着地すると同時に驚いた顔をした。それは、周りの俺らも同じ。

…あれだけ動いていたカツェの後ろに、オーレリストがいつの間にかいたのだった。

それも、カツェの首に腕を回し銃口をカツェの頭に向けるようにして。

 

「…武偵憲法第9条にのっとり、殺しはしないが…「本来」ならば、もう君は死んでいる。」

本来…十字軍にいることを指すのか。

と思っていたら、カツェが一気に腕をほどき離れて

「ふ、ふん!今のでやられると思うなよ!セーラ!」

セーラに呼びかけたと同時に、ヘルウルウインドを放ったセーラ。

そして、さらにそこに銃弾を挟み込むように撃ちこむカツェ。しかし、次の光景に俺らは脱帽する。

…矢と銃弾が、超スローで動いてるのが見えるのだ。そして、俺らの動きも超スローである。

その光景に、目を疑った。しかし、カラクリはすぐに分かった。

そう、このスローの原因は…クロノスだった。

オーレリストが能力を使った瞬間だった。と、思っているうちにオーレリストは銃弾と矢に向かってビリヤードをするように撃ちこんだ。

影響があるのは、使用者以外の人や物すべて。使用者は、いつもと変わらぬ速さで動く。

タイミングを合わせるために、使ったのだ。ビリヤードするために。

そして…

 

ぱぁぁぁん…

 

見事、両方ビリヤード成功。と同時に、クロノスの能力は解除された。

「…チェックメイト。これが、神の思し召しよ。」

と、クロノスを使った後の決まり文句らしいことを言ったとたん…

「…ふっ、ふふふ…これが、これこそが…クロノス、か…」

カツェが、引き気味に言う。

「時を司るとは…異常なまでに強いものなんだな…」

「いや、この能力は強くはない。能力に合わせて、君たちが動くのが俺にとってうまくいっただけだ。」

「…どういう、ことだ…?」

「結果はここ、頭使わないと。不発になればこの能力は厳しいからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談、というのかな?いや、帰り道談にしておこう。

見事、依頼物を手に入れた俺たちはその帰り道…こんなことを話していた。

 

「なぁ、オーレリスト。その能力って、どんな風に使えるんだ?」

「どんなふうと言われてもな…相手の動きを時を止めることで封じたり、世界全体の時を止めて目的の場所に音もなく移動することができたり…かな?」

「…よくわからん。」

「例えば…こういうこと。」

…こいつ、親戚をいともたやすく止めたぞ。慈悲というものはないのか。

「で、後者はあれだよ。気づいたらその場にいないとかいるとか。」

「あぁ、そういうことか。よし、もうアリアを開放してやれ。」

「ん。」

「…はっ!ちょ、ちょっと!なんで私で試すのよ!」

「いやぁ、その場にいたから…」

「それならキンジにしなさいよ!」

「いや、そうしたら説明ができないだろうが…」

オーレリストのおかげで、俺とアリアの二人は不完全燃焼で終えたもんな…。

アリアさんが当たりたくなるのも、無理はないか。



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