主人公は性別問わず
ほとんど会話文注意
とある日のカルデア、食堂のテーブルで、
珍しく
「おやマスター、一体何をしているのかな?」
「ああ、これね、折り紙。気分転換に折ってるけど、折角だしマシュと、ドクターと、ダ・ヴィンチちゃんと……普段お世話になってる人たちに渡すつもり」
「……見事なもんだな」
「なんか言った?」
「いや。マスター、一枚貰ってもいいか? あと、そこのハサミを使いたい」
「はいどうぞ。一枚と言わずに何枚でも好きなだけ。いっぱい持ってきたから。……母が、世界中の人が集まるなら、きっと皆さん喜ぶから持っていきなさい、って」
「和紙か。柄物と無地と、厚手に光を透かす薄手……随分いいものだな」
「へえ、そっちは切り紙かぁ。大丈夫? 和紙切りにくくない?」
「確かに随分丈夫な紙だが、問題ない。いくらでもやりようはある」
「すごい、白鳥?」
「まだまだあるぞ」
「今度はピエロ……ってかメフィスト?」
「ふっ」
「よく特徴出てるー、それにすごい早い!」
「お前も工程が多い割に早いじゃないか、意外な特技ってやつだな」
「あ、あ、アンデルセンがデレた!? うん、これ、一番よく作ったやつだから……」
「俺が皮肉以外口にしないとでも思ったか」
「すみません、ちょっとだけ……」
「まあいいだろう。折角お前のために切ってやったんだ、今手の中にあるものを乗せるがいい」
「わあ、波の切り紙? 本当の海みたい!」
「お、剪紙か」
「へえ、折据の竜が真ん中に。まるで竜宮城ですね!」
「李老師に沖田さん!」
「たまたまレイシフト先で一緒になって、折角なんで鍛錬してたんですよー」
「しかし見事なものだな、子供達が喜びそうだ」
「アンデルセン、実は切り紙の名手だったんだ」
「童話作家の意外な特技とやらか」
「まあ、これをすれば子供が喜ぶからな」
「……ひょっとして子供扱いされてます?」
「そこに気づくとは、マスターも少しは賢くなったな」
「ムキー! ……でもまあ、忘れそうになるけどアンデルセン達から見ればそりゃそうだよね……」
「そう気落ちするな、子供扱いというのはなんというか……お前に希望を見ているということでもあるのだ」
「そっか、ありがとう」
「もちろんまだまだ未熟ってこともあるんだがな!」
「折角いい話で終わりそうだったのに! あ、沖田さんも李老師も折り紙やる?」
そのあと、カルデアで折り紙や切り紙が流行ったかどうかは……ご想像にお任せします。
ぐだが作ってたのは前川淳氏の龍です
アンデルセンが切り紙名人というのは、田中芳樹氏の月蝕島の魔物で初めて知りました。良かったらこのシリーズと、デュマが登場するラインの虜囚もどうぞ