八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない 作:sinobun
八幡、達也、深雪の三人が生徒会室の前に着くと、達也がノックをし中に声をかける。
「失礼します。司波です。」
中から真由美が返事をする。
「どうぞー!入って下さい!」
三人が中に入ると昼には居なかった男子生徒が居る事に直ぐに気が付いた。
(あれは確か入学式の日に会長の後ろに居た会長大好き星人!嫌な予感しかしないんですけど・・・)
実際服部(その男子生徒)は八幡に気が付くと直ぐに睨んできた。
(おいおい、そんな露骨に俺に敵意をむけちゃ会長の事が大好きなのがバレバレですよ?)
八幡が自分の事を棚に上げてそんな事を考えていると摩利が
「さて達也君!風紀委員の件考えてくれたか?」
「はい!どこまでできるかはわかりませんが謹んでお受けします。」
「そうか!それはよかった!では達也君は風紀委員本部へ案内するから付いて来てくれ。」
そこで服部が会話に割り込む
「待ってください、渡辺委員長」
「何だ? 服部刑部少丞範蔵副会長」
「ブーーーッ!!!」
八幡が服部のフルネームを聞いて吹いた
「八幡っ!」
深雪がその行為にさすがに八幡を咎めると八幡が
「あっすいません、続けて下さい服部刑部少丞範蔵副会長殿」
「ブーーーッ!!!」
今度は真由美が吹いたので摩利が呆れて
「真由美・・・お前まで何をやっているんだ・・。」
真由美はツボに入ったようで必死に笑いを堪えながら
「ごっ、ごめんなさい・・はち君のバカ・・。」
そして服部は八幡をさっきよりも睨んでいたのだが、気を取り直して摩利に言う
「フルネームは止めてください!それと自分はそこの
それを聞いた瞬間八幡の雰囲気が変わった事に達也と深雪だけが気付いた。
「禁止用語を私の前で使うとは良い度胸だ」
服部と摩利が言い争う中、深雪は八幡がまた暴走してはまずいと思い自分が服部を説得しようとする。
深雪が達也は風紀委員としてふさわしいと説明するが服部は
「司波さん、身内贔屓に目を曇らせてはいけません。魔法師は常に冷静を心掛けるものです」
深雪にまでそんな事を言う服部に八幡はついに切れた
「おい真由美!生徒会は差別を助長するような奴でも入れるのか?」
「えっ?はち君・・?」
実は八幡は真由美にお願いされ、普段周囲に人が居ない時は真由美の事を呼び捨てで呼んでいる。
しかし今それが出たと言う事は、八幡がそんな事は気にしていられないほど頭にきていると言う事だった。
真由美も八幡の状態に気が付き
「はち君落ち着いて!はんぞー君も差別を助長しているわけではないの・・・だから・・」
真由美がなんとか八幡を落ち着かせ様とする中、顔を真っ赤にして服部が割り込んでくる
「おい貴様!会長に対して何て無礼な口の利き方だ!四葉だからっていい気になるなよ!」
「会長会長うるさいんだよ!それに四葉なんて今は関係ない!ただ俺が言いたい事はそんなに一科生は偉いのかって事だ!」
そんなやり取りを見ていた達也はこれ以上はまずいと思い
「服部先輩、俺と模擬戦をしませんか?」
「何だと……思い上がるなよ、補欠の分際で!」
それを八幡が聞いた瞬間生徒会室に嵐が吹き荒れた。
服部、真由美、摩利、そして後ろで仕事をしていた鈴音とあずさもこの事態に狼狽える。
「こっこれはっ!?」
「はち君の魔法っ!?」
「落ち着け!八幡っ!」
「こっこの力は一体!」
「きゃーーー!」
達也が八幡を止める前に深雪が先に動いた。
そして今回も抱きしめるように後ろから八幡の腰に手を回すと
「八幡。ダメよ。さすがにこれはやり過ぎだわ。」
「やり過ぎなのはこの男だろ。深雪も聞いていただろ?」
「ええ、確かに聞いていたわ。でもこれ以上は八幡が退学になってしまうわ!私もお兄様もそんな事望んでないわ!だからお願い八幡。落ち着いて。」
そう深雪が言ったのを聞いたと同時に、八幡は深雪が泣いている事に気が付き急速に頭が冷えて行った。
「深雪・・・。」
(またやっちまったな。もう二度と深雪や小町を泣かせる様な事はしないってあの時誓ったのにな。)
「もう大丈夫だ深雪。達也もすまなかったな。」
「ああ。後は俺に任せておけ。」
「会長と摩利さんもすいませんでした。俺はいない方がいいと思うのでこれで失礼しますね。」
そう言って生徒会室を後にしようとする八幡は自身の左胸のエンブレムを掴みながら最後に服部に言う。
「服部副会長。」
「なっなんだ。」
「このエンブレムが一科と二科を差別するものでしかないんなら俺はこんな物要りません。」
そう言ってエンブレムを無理矢理剥がすと床に叩きつけた。
「こんな物に大した意味はない事を達也に教えて貰うといい。」
そして八幡は今度は本当に生徒会室を後にした。
その後場所を移動して行われた模擬戦で達也が服部を瞬殺、服部は達也の力を認め深雪に謝罪し和解した。
一方その頃八幡は帰宅する為一人校門を出た所で雪乃と結衣に会った。
二人は八幡の様子がおかしい事に直ぐに気が付いた。
「八幡君なにかあったの?」
「ヒッキー大丈夫?」
「あん?なんでもねーよ。俺はいつも通りだぞ。」
「それは嘘ね。貴方酷い顔してるわよ。」
「・・・・・」
「ヒッキー私達には言えない事?」
「無理に聞こうとは思わないのだけれど・・・。」
結衣と雪乃が悲しそうにそう言う。結衣は以前八幡が急に居なくなった事もあり、また何かあれば八幡は居なくなるんじゃないかと思っていた。
それを見た八幡は
(深雪と小町だけじゃなかったな。こいつらにももうこんな顔させたらダメだよな。)
「まー、あれだ。その・・ちょっと話聞いてくれるか?」
そう言われた二人は満面の笑みで
「「うん(ええ)もちろん!」」
そう言った。
三人は今朝エリカが言っていた昨日皆でケーキを食べたと言う店「アイネブリーゼ」に移動した。
そこで八幡は雪乃と結衣の二人にさっき生徒会室であった出来事と、詳しくは話せないが以前にも深雪と小町を泣かせてしまった事を話した。
「なるほどね。それは深雪さんが正しいわね。」
「うん。みゆきんを泣かせる様な事しちゃダメだよヒッキー。」
「え?みゆきん?」
「うん!ゆきのんみたいで可愛いでしょ?」
「・・・・・」
「ヒッキーなんでそこで黙るし!」
雪乃も「みゆきん」については微妙なようでそれを無視して続ける。
「八幡君、貴方は中学の頃から自分の事は二の次で周りの事ばかりだったわよね?それで私達奉仕部も一度おかしくなったわ。あの時は私達も貴方の考えを理解してあげられなかった。でも今は違う。もちろん四葉家の事とか話せない事があるのは理解しているわ。でも力になれる事があるならどんな事でも協力する。私達はまた貴方と一緒に居る為にこの学校に入学したのだから。そうよね結衣さん?」
「うんもちろんだよ。ヒッキー、だからまた無茶して私達の前から居なくなったりしないでね?」
八幡は二人の素直な気持ちを聞き少し照れた様にソッポを向きながら
「ああ。その、俺もお前らと居るのは悪くないからな。だからこれからは暴走しない様にもっと気をつけるよ。」
「ヒッキーがデレた!」
「デレたわね。」
「デレてねーよ!」
「「捻デレだ(ね)」」
「とっ、とにかく明日深雪に謝らねーとな。また怒られるな~。」
「大丈夫よ。深雪さんは貴方が達也君と深雪さんの為に怒ったって分かってるのだから。」
「そうだよ!みゆきんは分かってくれてるって!」
「だといーがな。でも二人ともありがとな。」
深雪の事は不安に思いつつも八幡は二人に感謝するのだった。
八幡が二人と別れ自宅に帰り玄関に入ると、見慣れない二組の靴が有り来客がある事に直ぐ気が付いた。
(達也と深雪だな。まさか家まで来るとはな。心配かけちまったな。)
八幡の帰宅に気が付いた水波が出迎えにやって来る。
「お帰りなさいませ八幡様。」
達也と深雪に事情を聞いたのか八幡を心配そうに見つめていた。
「水波にも心配かけたみたいだな。俺は大丈夫だ。」
リビングに行くと小町、深雪も心配そうに八幡を見る。
「お兄ちゃん大丈夫?」
「八幡・・・」
「大丈夫だ。そもそも俺が暴走しちまっただけだしな。達也と深雪にはまた迷惑かけちまったな。」
そして八幡は生徒会室を出て行った後の出来事を聞いた。
「そうか。副会長を模擬戦で瞬殺か。さすがは達也だな。深雪にも謝罪があったみたいだしもう大丈夫そうだな。」
「ああ。これで俺が負けたらお前が副会長に何をするのか分からなかったしな。」
「何にもしねーよ。」
「お兄ちゃん?どの口が言っているのかな?」
「そうよ八幡!もう信用できないわ。」
小町と深雪にそう言われ八幡はバツが悪そうに
「うっ、すいませんでした。今後は本当に気を付けます。」
「そう言えば会長はお前も生徒会に入って貰いたかったみたいだぞ。」
「そーなのか?でもな・・」
「大丈夫よ八幡。会長も八幡と服部副会長を一緒に居させる勇気はないみたいだから諦めていたわ。」
「まっ、それもそーだよな。」
ここで四人の会話を一歩下がって聞いていた水波が爆弾を落とす。
「八幡お兄ちゃん、あんまり心配かけないで下さいね?」
上目使いでそんな事を言う水波を初めて見た深雪が
「八幡?これは一体どういう事なの?言わせているの?八幡にはそんな趣味があったの?」
「ちっ、違うぞ!これは敬語は必要ないからって言ったら水波が自分から言い出したんだ。」
「じゃあなんでそんなに顔がニヤケているのよ。」
「うっ、まぁお兄ちゃんとしては嬉しくないって言ったら嘘になるかな・・?」
それを聞いた深雪はブツブツ呟きだした。
「そう・・じゃあ私も呼んでみようかしら・・いや・・でも私にはお兄様が居るし・・」
そして達也は溜息を、小町はニヤニヤし、水波は八幡の言葉に嬉しそうにしていた。
服部君がちょっとアンチ気味ですがここまで酷いのは今回だけです。
みゆきんはないですよね。知ってます。