八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない 作:sinobun
八幡が達也にブランシュの事を伝えてから数日、ついに事態が動いた。
八幡が次の授業が始まるのを自分の席に座り待っていると
『皆さんっ!!!』
突如構内放送がなった。
周りのクラスメイトもこれに反応する。
「なんだようるせーな」
「なんなの一体」
「音量の調節をミスったんだろ」
放送では有志同盟と名乗り一科と二科の差別撤廃について語っているが、ブランシュの下部組織エガリテの仕業なのだと八幡は確信していた。
生徒会に所属する深雪が現場に行こうとしているのに気付いた八幡が自分も同行すると深雪に言う。
「深雪!俺も付いて行くぞ。達也も来るだろうしな。」
「八幡、ええ分かったわ。一緒に行きましょう」
するとこの騒ぎに不安そうにしていた雫、ほのか、雪乃が心配そうに言う
「八幡、深雪、気を付けてね」
「二人とも無理しないでね」
「八幡君、深雪さん」
「大丈夫だ。会長達もいるだろうしな」
すると雪乃が
「私が心配してるのは八幡君が暴走しないかなのだけれど」
「大丈夫よ雪乃。その時は私が止めるから」
「おまえらな・・・」
「ふふ、冗談よ。二人とも気を付けて」
「おう(ええ)」
そして二人は現場に向かった
二人が放送室前に着くと生徒会、風紀委員、部活連のメンバーが勢揃いしていた。しかしなぜか真由美だけがいなかった。
そしてもちろん達也の姿はあった。
「おう達也」
「お兄様」
「深雪、八幡も来たんだな」
「ああ。お前も呼び出しがかかったみたいだな」
状況を聞くとどうやら中の連中は放送室のマスターキーを奪って放送室に立て籠もっているらしい。放送室の電源はカットしたのでこれ以上の放送はできないが、鍵がないためこちらからは扉を開けられない様だ。
そしてこの事態を収拾する為どうするか話し合っていたのだが、どうやら意見が割れているらしい。
摩利は無理矢理にでも突入して中の者を取り押さえたい強硬派、鈴音は下手に刺激して暴走されてはまずいと慎重になっているようだ。そして克人は不法行為を放置しておくべきではないが、扉を破るなど学校の施設を壊してまで突入するほどの犯罪性はないと考えている様だ。
現状を理解した達也が急に電話を掛けだす。
「もしもし壬生先輩ですか?今どちらに?ああ、それはお気の毒に。いえ、馬鹿にしているつもりはありませんよ」
相手が紗耶香だと分かると周りが騒ぎ出す。放送室に紗耶香が居る事は既に分かっていたが、中の者と直接連絡を取れる者はいなかったのだ。
達也は部活連と生徒会が交渉に応じる事を伝え電話を終わらした。しかしすぐに中の者が出て来たら取り押さえる準備をする様に周りに言う。達也は先ほど出てきても自由は保障すると紗耶香に言ったのだが、「それは壬生先輩だけに言った事、そもそも自分は生徒会や部活連の代表として話してはいない。」そう言うと周りの者は呆れていた。
深雪にとってはもっと重要な事があった。
「お兄様?なぜ壬生先輩のプライベートナンバーを?やはりカフェで壬生先輩を言葉攻めにしていたと言うのは本当だったのですか?」
「言葉攻め?達也、お前マジかよ」
「そんな事してないからな?八幡、お前は見てただろ?」
「やっぱり気づいてたのか」
「見てた?八幡もその場に居たの?」
「ああ。八幡は雪乃と結衣と一緒に来ていたぞ。二人とも幸せそうにしていたな(ケーキがよほど美味しかったんだろうな)」
「へ~、そうですか・・幸せそうに・・」
雲行きが怪しくなって来た。
「おい達也!変な言い方してるんじゃねー。」
「八幡!!!」
「ひゃいっ」
「私とも今度一緒にカフェに行きなさい」
「へ?」
「だから雪乃と結衣だけなんてずるいわ」
「あの二人はこの間奢ってやれなかったから代わりに連れて行っただけだぞ?」
深雪は上目遣いで
「私とは行けないの?」
「分かったよ。今度な」
(何という破壊力だ)
このやり取りを見ていた周りの者はさっきの達也に対して以上に呆れていた。
その後放送室から出てきた生徒を一度は取り押さえたのだが、いつの間にか現われた真由美により解放された。そしてそのまま今後の事を話す為どこかに連れて行った。
翌日の朝、達也と深雪と駅で待ち合わせた八幡はある人物を待っていた。
そしてその人物が来たので声をかける。
「会長!」
「・・・・・」
「会長?」
「・・・・・」
「はぁ~、真由美さん!」
「なぁに~?はち君~」
「最初から聞こえてたよな?」
このやり取りを見ていた深雪が若干不機嫌になる。
それに気づいた達也が話を進める。
「会長。昨日の有志同盟との話はどうなりました?」
「達也君も真由美さんでいいのよ?っと、冗談はこのくらいにして」
深雪の機嫌に真由美も気が付き真面目に話し出す。
「彼等の目的は一科生と二科生の差別の撤廃だそうよ。でも昨日は具体的な意見は何一つ出てこなかったのよね・・それで、明日講堂で改めて討論会を開く事にしたの」
「なるほど。それが一番手っ取り早いですね」
もし自分を言い負かすだけのしっかりとした根拠を持ってるのなら、これからの学校運営に役立てるだけ。真由美がそう言ったのを聞いて八幡は少しだけ真由美を見直した。
討論会が開かれる事はあっという間に全校生徒に知れ渡っていた。
八幡のクラスでもそれは話題になっており
「八幡は今回の事についてどう思うの?」
深雪、雫、ほのか、雪乃が集まる中雫が八幡にそう聞く。
「そーだな。理不尽な差別についてはもちろん反対だ。例の二科生に対しての呼び方とかな。だが今回はまだあちらさんが何を言いたいのか見えて来ないから何とも言えないな。討論会を聞いてからじゃないか?」
「じゃあ八幡さんは討論会を見に行くんですか?」
「いや?行かないけど?」
それを聞いて深雪以外は呆れていた。深雪だけは八幡が単独で講堂の外の警戒にあたる事を知っていた。
「深雪は生徒会だから強制として、お前らは行くのか?」
「興味はあるけど私と雫とほのかは部活があるから無理ね」
「部活か・・・」
八幡が少し険しい表情になると雫が
「八幡どーかした?」
「いっいや、何でもない。バイアスロン部がちょっと気になっただけだ。」
それを聞いたほのかと雪乃が嬉しそうに
「八幡さん!でしたら今度ぜひ見に来てください!」
「八幡君、許可します」
話が逸れた所で休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り解散となった。
(外からの侵入にも一応注意しておいたほうがいいな)
八幡は一人気を引き締め直した。
八幡はその日の夜、一旦帰宅した後に達也と深雪の家を訪れていた。
司波家のリビングのソファに座り八幡は
「ここにも久しぶりに来たな」
「前に来たのは今年の慶春会の帰りだったな」
「ああ。あの時は小町と水波も一緒だったな」
二人がそんな事を話して居ると着替えを終えた深雪が紅茶を入れてやって来た。
「お兄様、八幡、紅茶をどうぞ」
「ああ、ありがとう深雪」
「サンキューみゆ・・」
八幡は深雪を見て固まってしまった。
深雪は上は両肩を出したセーターに下はミニスカートを履いていた。今は自宅だとしてもいささか露出度が高めの格好である。
「どこを見てるのよ八幡!」
八幡はミニスカートから伸びる深雪の真っ白な太ももを凝視してしまっていた。
深雪に指摘され慌てて目を逸らす。
「すっすまん。」
だったらそんな恰好するなよ。それにしても深雪はやっぱり可愛いな」
案の定声に出していた。
「なっ!きゃっきゃわいい・・ううう・・。おっお菓子でも持ってくるわね・・」
深雪は顔を真っ赤にしてリビングを出ていった。
「八幡。邪魔だったら俺は少し出ているが・・」
「なっ何をいっちぇるんじゃ」
「少し落ち着け。」
達也にそう言われ八幡は紅茶に口をつける
「んっんっ。すまん、もう大丈夫だ。ところで達也」
「なんだ?」
「深雪は家ではいつもあんな恰好をしてるのか?いやっ別に深い意味はないんだが」
「まあそうだな」
「そうなのか・・・」
(マジかよ。お兄様羨まし過ぎるだろ。毎日あれが見られるのかよ。べっ別に悔しくなんかないけどな。小町と水波だって負けてねーし?)
「おい達也っ!」
「なんだ」
「負けてねーからな!!!」
「一体何の話だ?」
「まあいい。本題に入るぞ。それで何か分かったのか?」
「ああ。さっきまで師匠の所に行っていたんだが、剣道部主将の司甲について色々聞けた」
「九重八雲か。司甲・・闘技場で壬生先輩と一緒に居た男だな・・」
「どうやら司甲の義理の兄である司一がブランシュ日本支部のリーダーをやっている様だ
」
「なるほどな、そいつが黒幕か。少なくともその司先輩と壬生先輩は操られている可能性があるな。」
「何か見えたのか?」
「ああ。例の闘技場での事件の時その二人が一緒に居てな。その時
「そう言う事か・・」
「取り敢えず事が起こるとしたら明日の討論会でだろうから警戒だけはしておいた方がいいな」
「ああそうだな。生徒会や風紀委員には伝えておく」
話を丁度終えたところに深雪が戻ってくる。
「お兄様、八幡・・・」
「そんな心配そうな顔をするな深雪」
「・・・・・」
「八幡どうしたの?」
八幡はどうしても深雪の足に目がいってしまうので必死だった。
「深雪、八幡はな・・」
「そっそれ以上言うな達也。とっとにかく心配無用だ深雪。いざとなったら俺がどんな事をしてもお前だけは守る」
「それはダメよ八幡。守るなら八幡もいる私達の日常を守りましょう。」
「そうだな・・・俺達のこの日常を守ろう」
「ああ、そうだな」
明日起こるであろう事件にそなえ八幡達は決意を固めた。
後2話位で入学編は終わりですかね~。