八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない   作:sinobun

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九校戦開幕

懇親会のあった翌々日、九校戦はついに開幕した。

会場へ直接足を運ぶ観客だけでも十日間で延べ10万人。決して交通の便が良いとは言えない場所にこの会場があるにも拘わらず、一日平均1万人の観客が競技を見る為にその足を運ぶ。さらに有線放送の視聴者は少なくともその百倍以上にはなる。

初日はスピード・シューティング本戦の決勝までと、バトル・ボード本戦の予選までが行われる。

 

そして八幡達も真由美と摩利の試合を観戦する為、まずはスピード・シューティングの行われる競技場に来ていた。

 

「やっぱり凄い人の数だな・・」

 

八幡の言葉にエリカが前の方に陣取っている観客を指差しながら言う。

 

「バカな男どもが多い所為ね」

 

「男だけじゃないみたいだぞ?」

 

「お姉さま~ってやつ?」

 

「とにかくすごい人気だな、うちの会長様は」

 

その時、既に試合開始の合図を待って第一レンジに居た真由美が八幡達のいるスタンド席に向けて微笑みながら手を振る。

 

すると前の方に居た観客は自分達に向けてそうされたと思い

 

「うおー、七草さーん」

 

「真由美さーん」

 

「きゃーきゃー」

 

「まゆみお姉様~」

 

しかし達也達は分かっていた

 

「あれはどう見ても八幡に向けてだけ手を振ってるわよね?」

 

「ああ、恐らくな」

 

「むむむ、ヒッキー」

 

「八幡君、貴方やっぱり七草会長と・・」

 

そして深雪も

 

「八幡良かったわね?これだけ人気の会長を独り占めできて」

 

「勘弁してくれ・・って、イテテテテッ雫とほのか二人して脇腹をつねるな」

 

そうこうしてるうちに試合が開始された。

 

予選試合は五分間に百個射出されるクレーをどれだけ撃ち砕けたかで勝敗を決めるスコア戦なのだが・・・

 

「パーフェクトか・・」

 

八幡が言ったように真由美は百個全てのクレーを撃ち抜いた。

 

「あれは知覚系魔法『マルチスコープ』も併用していたな」

 

その呟きが切っ掛けで達也は八幡以外のメンバーに魔法講座をするハメになった。

 

 

そして一行は次に摩利が出場するバトル・ボードの予選が行われる競技場に移動した。

 

そこで試合開始を待つ選手たちを見て八幡は思った。

 

(あの水着?ユニフォーム?は体のラインがくっきりですね!あれ?確か・・)

 

「なぁほのか?確かほのかは新人戦のバトル・ボードに出るんだよな?」

 

「はい、そうですよ」

 

「て事はアレを着て出るんだよな?」

 

八幡は選手達を差しながら聞く。

 

「はいそうですけど。それがどうかしましたか?」

 

八幡はほのかの胸を一瞬見て答える。

 

「いや、別に・・ただ聞いただけだ」

 

そこで雪乃と深雪がすかさず反応する。

 

「さぁ八幡君行くわよ!自首しに」

 

「私も付き添うわ!さぁ行きましょう」

 

「すいませんでした」

 

そのやり取りで気が付いたほのかは胸を隠しながら言う。

 

「もう、八幡さんは偶にエッチですよね・・・」

 

「ヒッキー、私もほののんに負けてないし!」

 

「純粋にほのかが変な目で見られないか心配になっただけだ。あと結衣は何を口走ってるんだよ・・」

 

八幡達がそんな事をしていると直ぐにバトル・ボードの試合も始まり、摩利は危なげなく予選を通過した。

 

人ごみに疲れた八幡は残す観戦予定の競技が午後に始まるスピード・シューティングの準決勝と決勝だけなので、他の試合も見ると言う皆とは別れどこかで一人休む事にした。

 

 

 

 

(しかし本当に凄い人の数だな・・見てるだけで疲れる・・)

 

八幡が人の多さにうんざりしながら休める場所を探していると

 

「いい加減にしてよ!」

 

「貴方達しつこいですわよ!」

 

「少し位いいじゃねえか。奢るからよ」

 

「そうだぜ、ちょっとだけ付き合えよ」

 

(ん?あれは七草の姉妹だよな?)

 

姉である真由美の応援に来ていたであろう香澄と泉美がいかにも軽そうな二人組の男達に絡まれていた。

 

(しょうがねえなぁ・・)

 

八幡は見て見ぬふりも出来ない為二人を助けようと男達に声を掛ける。

 

「おいアンタら。この二人はどう見ても嫌がってるだろ?だからその辺にしておけよ」

 

「あん?」

 

「なんだテメーは?」

 

香澄と泉美も八幡に気が付く。

 

「あっ!」

 

「八幡様っ!」

 

「おうっ、姉ちゃんの応援か?」

 

「はい、そうですよ」

 

「準決勝と決勝は午後からなのでその前に何か食べようとしていたんですが・・」

 

「そしたらこいつ等に絡まれたのか」

 

そこで自分達を無視して会話をしている八幡に男達は怒りだす。

 

「だから何なんだテメーは?」

 

「この子達は俺達が先に声を掛けたんだ!邪魔だからテメーはどっかいけ!」

 

「いやいや、どう見ても嫌がってるだろ?お前らがどっか行けよ。それにこんな所でナンパとか何考えてるんだよ・・」

 

八幡の呆れた様な物言いに男達はついに切れて殴りかかってくる。

 

「うるせえ!」

 

「この野郎!」

 

八幡は男達を相手にはせず香澄と泉美を両脇に抱えて空に飛び上がった。

 

地上に残された男達はその光景に呆然とする。

 

「何だよそれ・・」

 

「空を飛ぶとか反則だろ・・」

 

急に抱えられた二人はというと・・

 

「えっ?えっ?これって飛行魔法?」

 

「先月発表されたばかりですわよね?」

 

驚く二人を取り敢えず無視して八幡は少し離れた場所に着地する。飛び立った時もそうだが、当然それを見て居た周りの者達も驚きの声を上げる。

 

「今飛んで来たよな?」

 

「トーラス・シルバーの飛行術式・・」

 

「一体何者だ?」

 

八幡はその視線に気付き直ぐその場から離れようとする。

 

「それじゃあな、お前らも今度は気を付けろよ」

 

「ちょっ、ちょっと待って下さいよ八幡先輩」

 

「そうですよ!お礼をしたいので一緒に昼食でも如何ですか?」

 

「いや、礼なんていらないから気にするな」

 

八幡は早く移動したいのでそれを断るが

 

「いいから行きますよ」

 

「そうですわ。行きますわよ」

 

「おいっ、こらっ!離せっ!」

 

二人はそれぞれ八幡の腕を抱えて引っ張って行った。

 

 

結局八幡は断り切れずに、三人でこの九校戦用に開設されているカフェで昼食を取ることになった。

 

「それで八幡先輩っ!さっきのは飛行魔法ですよね?」

 

「まーな」

 

「初めて空を飛びましたが素晴らしいものでしたね」

 

「いやいや泉美!それより飛行魔法にもっと驚こうよ」

 

「まぁそれはいいじゃねえか・・俺は人ごみに疲れたからゆっくりしたいんだが・・」

 

「そうですわよ香澄。それに今さら八幡様が飛行魔法を使ったくらいで驚きもしませんわ」

 

「うっ、確かに・・・。すいません八幡先輩。それと改めてさっきは助けてくれてありがとうございました」

 

「私からも、ありがとうございました」

 

頭を下げる二人に八幡は

 

「さっきも言ったが気にするな。それより早く注文しようぜ」

 

注文を済ませた後香澄が疑問に思っていた事を口にする。

 

「それにしても八幡先輩、さっきは何で逃げたんですか?八幡先輩ならあんな人達簡単に倒せますよね?」

 

「あのな・・アイツらは恐らく一般人だった。そうじゃなくても九校戦に出場する俺があんな所で暴力事件なんて起こせるわけないだろーが」

 

八幡が手を出さなかった理由を聞き質問した香澄だけではなく泉美も意外そうな顔をする。

 

「へー、八幡先輩って意外とまともなんですね」

 

「確かに。感心しましたわ」

 

「おまえらな・・・俺を何だと思ってるんだ一体」

 

「悪魔」

 

「シスコン」

 

「悪魔は酷過ぎない?シスコンは否定できないな・・」

 

八幡が二人の答えを聞きがっかりしていると

 

「それより八幡先輩も午後からお姉ちゃんの試合見るんですよね?」

 

「ああ。そのつもりだぞ」

 

「でしたら私達と一緒に見ませんか?」

 

八幡は一瞬考えるが、別に達也達と約束しているわけでもない為了承する。

 

「ああ、別に構わないぞ」

 

「ホントですか?やったね泉美」

 

「ええ、これで先ほどみたいに絡まれる心配もないでしょうし本来の目的も達成できました」

 

「なんだ本来の目的って?」

 

「いえいえなんでもないですわ。気にしないで下さい」

 

「そうそう、気にしない気にしない。それより注文した物が来たみたいですよ。早く食べちゃいましょう」

 

実は二人は最初から八幡を探し出して一緒に観戦出来たらいいなと話していたのだ。

 

こうして三人は一緒に昼食を食べ準決勝が始まる時間までそこで休憩を取った。

 




八幡の出る試合以外はかなり短縮しちゃいそうです。
なぜなら文才がなくて上手く書けないからです。
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