八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない   作:sinobun

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七草姉妹との試合観戦

カフェを出た八幡と香澄、泉美の三人はスピード・シューティング準決勝の行われる競技場へと向かって歩いていた。

 

「ご馳走様でした先輩」

 

「ご馳走様でした。すいません結局支払って頂いて・・」

 

「いいんだよ。後輩の女子に奢らせる訳にはいかねーしな」

 

二人は助けて貰ったお礼をするつもりだったのだが、結局支払は八幡が済ましたのだ。

 

「えへへ、先輩今のはポイント高いですよ?」

 

「ポイントだと?まさかお前らもポイント制を導入してるのか?」

 

「ポイント制?」

 

「なんの事ですか?」

 

「いや、なんでもない。知らないならいいんだ」

 

八幡は小町と水波だけじゃなく香澄と泉美、はたまた総武中学でもポイント制度が流行っているのではないかと一瞬疑ったが、どうやら違う様で安心した。

 

(ポイント制度は八幡的にポイント低いからな。あれ?俺も影響されてる?)

 

そんな事を話しているうちに競技場には直ぐに着いたので中に入り空席を探す。

 

「凄い人だな。予選の時より多くないか?」

 

「本当ですね。座れるかな?」

 

「さすがお姉様ですわね」

 

泉美が言ったようにそこにいる観客のほとんどが真由美目当ての様で、『真由美』と名前が入った応援弾幕を持つ熱狂的なファンも見えた。

 

何とか三人並んで座れる席が見つかったので八幡達はそこに座り試合が始まるのを待つ事にしたのだが

 

「なぁ?何で俺が真ん中なんだ?」

 

「気にしない気にしない。特に意味はありませんよ?」

 

「そうですわ。偶々ですわ、偶々」

 

「・・・・別にいいんだがな。それにしてもお前らの姉ちゃんは本当に凄い人気だよな?」

 

「確かに・・去年も観戦しましたけどこんな感じでしたね」

 

「八幡様から見たお姉様はどうなんでしょう?」

 

「どうって言われてもな・・計算高い女狐とかか?」

 

「あはははは!さすが八幡先輩良く分かってますね」

 

「香澄は笑い過ぎですよ。でもお姉様の本性を知っている男性は少ないでしょうね」

 

そこで突如八幡の電話が鳴る。

 

「ん?誰だ?達也か・・・」

 

八幡は少し・・いや、かなり嫌な予感がしたが無視するわけにもいかず電話に出た。

 

「おう、どうしたんだ達也?」

 

「八幡、今すぐ右上の方の観客席を見ろ」

 

達也にそう言われ八幡は恐る恐るそちらを見た。

そこには冷たい笑顔で手を振る深雪、雫、ほのか、雪乃、結衣、そしてニヤニヤしてるエリカと苦笑いしてる美月が居た。

 

「皆からの伝言だ。「戻って来ないと思ったら見た事もない女の子を二人も連れてるなんて・・・後でお仕置確定」だそうだ」

 

「・・・・了解した」

 

「じゃあな。・・・健闘を祈る」

 

顔色が悪い八幡を見て香澄が心配する。

 

「どうしたんですか先輩?何かあったんですか?」

 

「いや、問題ない。せめて今だけはお仕置きの事は考えたくない」

 

「お仕置き?」

 

「二人ともそろそろ始まりますわよ」

 

泉美の言葉に二人は前を見る。

そして真由美が姿を現した瞬間怒号の様な歓声が競技場を揺るがした。

 

既に午前中に行われた上位8人による準々決勝からは予選とは異なり、紅白の標的が100個ずつ用意され、自分の色のクレーを破壊し、その破壊した数を競う対戦型になっている。

 

「これは対戦相手が可哀想だな・・・」

 

「確かに・・相手がお姉ちゃんってだけで相当なプレッシャーですね」

 

「これは少し気の毒ですわね・・」

 

そして試合が開始された。

 

空中を紅白のクレーが乱舞する。真由美が撃ち落とすべき赤のクレーが有効エリアに入って来た瞬間、一つのミスもなくそれらが撃ち砕かれていく。

そして圧巻すべきは全方位からクレーを撃ち抜ける真由美の魔法とその技量である。それを見ていた者達は全員息を吞む。相手の白いクレーの陰になっている赤いクレーを真由美は『下』から撃ち抜いた。

 

「魔弾の射手か・・去年より更に速くなっているな。あれを使われたら相手はお手上げだな」

 

その八幡の呟きを聞き香澄と泉美はジト目で八幡を見ながら言う。

 

「ええ。だって七草家が開発した魔法ですからね」

 

「そうですわね・・お姉様『だけ』が使える魔法ですからね」

 

「うっ!なんだよお前らその目は・・」

 

「冗談ですよ~、でも先輩もスピード・シューティングに出ていたら楽勝だったんじゃないですか?」

 

「確かにそうですわよね。なにせ魔弾の射手を使える訳ですから」

 

「あのな・・もう既に使えるって言っちゃってるじゃねーか。でもそう簡単にはいかないぞ?俺は確かに魔弾の射手が使えるが会長ほどの精度も速度もないからな。それにこんな公の場で使う気はない。あの時は仕方なく使っただけだしな・・・」

 

「そうなんですか?あの時見た限りではお姉様と遜色ない様に見えましたけどね」

 

「そんなわけないだろーが(まぁ回数をこなせばわからんがな)」

 

八幡は確かに一度【視れば】その魔法を使えるが、全てを完璧に使いこなせるわけではない。そうなる為にはそれなりの回数をこなす必要があるのだ。

 

「やはり秘密なんですね・・でもそうですわよね。この事をお父様が知ったら何て言われるか・・」

 

「まぁいずれはバレる日が来るかもしれないがな・・・」

 

そのとき試合終了のブザーがなった。結果はもちろん真由美のパーフェクトによる圧勝。真由美はその勢いで決勝もパーフェクトを叩き出し危なげなく優勝を決めた。

決勝も三人で観戦した八幡達は競技場を出て、香澄と泉美の泊まるホテル前まで来た。

 

「送って頂いてありがとうございました」

 

「ありがとうございました」

 

「おう、また絡まれたりしてもアレだからな。お前らは明日も会長の出場するクラウド・ボールを観戦するんだろ?」

 

「はい。その為に今日はこのホテルに泊まる事になってますから」

 

「明日の試合を観戦したら一度帰る予定ですわ」

 

中学校は通常通り登校日なのだが、身内が九校戦に出場する場合は特別に休んで応援に行く事が認められている。

 

「次は八幡先輩の出る新人戦モノリス・コードの決勝戦に応援に来ます。」

 

「魔法科の生徒全員で応援に来るって言ってたが本当だったのか。しかも決勝戦って・・・まだ進めるかもわからないんだが」

 

「いいえ、八幡様なら確実に決勝戦まで行けますわ!と言うよりも優勝すると信じています。これは総武中学魔法科クラス全員の意見ですので!」

 

「おいおい・・・まぁ善処するよ。それじゃあまたな」

 

「はい、今日はありがとうございました」

 

「ありがとうございました。八幡様もお気を付けて」

 

そして八幡も自分の宿泊するホテルへと帰った。

 

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