八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない   作:sinobun

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パジャマパーティーと甘える深雪

その日の夜、真由美のスピード・シューティング優勝と摩利のバトル・ボード準決勝進出を祝って、真由美と摩利の部屋でささやかな祝勝会が行われていた。メンバーは生徒会の女子メンバーと摩利・・・と強制参加の八幡。

なぜ八幡が連れて来られたかと言うと、香澄と泉美に挟まれて一緒に観戦していたのを真由美にもしっかり見られていた為、どういう事なのかそうなった経緯を説明する為だった。

 

「会長、優勝おめでとうございます」

 

あずさの言葉に続き摩利も

 

「まずは予定通りの結果だな」

 

「あーちゃん、ありがとう。そうね、摩利も順調に準決勝進出ね」

 

周りが女子だけ、しかも皆パジャマ姿と言う非常に居心地の悪い状況に八幡は撤退を申し出ようとするが。

 

「あのー。すいません」

 

「少し危なかったが、服部も準決勝に進出したしな」

 

「すいませーん。ちょっといいですか?」

 

「CADの調整に問題があったみたいですよ?」

 

「おーい。聞こえてますよねー?」

 

「試合が終わってから木下君と再調整をしていたみたいですけど・・・」

 

この様に部屋に来たはいいが八幡は空気扱いだった。

真由美と深雪にそうするように言われているのか摩利、鈴音、あずさまでもが八幡を無視している。

このままじゃいつまで経っても部屋に戻れないと思った八幡は

 

「五人共パジャマ姿がとても可愛いですね」

 

「「「「「っ!?」」」」」ピクッ

 

(おっ、反応したな)

 

「やっぱり一高が魔法も女子のレベルも一番だなー」チラッ

 

「「「「「っ!?」」」」」プルプル

 

(もう一押しか?)

 

部屋に戻るという目的を忘れて調子に乗った八幡は

 

「会長にあれだけ沢山のファンが居るのも当然ですよ!今日試合を見てて気が付きましたが、摩利さんはアレですよね!普段は男勝りで気が強い感じですけどスタイル抜群で色っぽいですよね!」

 

「「「「「なっ」」」」」

 

「えっ?」

 

「八幡!お前試合中に私のそんな所を見て居たのか!」

 

「いやっ・・そんな事は・・・」

 

「はち君?香澄ちゃんと泉美ちゃんとも楽しそうにして居たし、あなたは九校戦をなんだと思ってるのかしら?」

 

「あれはただ試合を見て居ただけですよね?」

 

「四葉君・・さすがにそれはないですね・・・」

 

「今のはちょっと口が滑っただけで・・・あーちゃんなら分かってくれますよね?」

 

最後の頼みの綱とばかりにあずさに助けを求めるが。

あずさは自分の幼児体型を気にしている為八幡の味方をするはずもなく

 

「知りませんっ」プイッ

 

めっちゃ可愛く顔を背けられ、危なくこの状況で愛でる所だった。

 

そして最後に深雪が

 

「は~ち~ま~ん~」

 

八幡は怒った深雪により文字通り半分凍らされた。

 

自力で凍らされた部分を溶かした八幡は

 

「深雪・・さすがにこれはやりすぎじゃ・・」

 

「いいえ!これでも軽いくらいよっ!」

 

「連絡もしないで戻らなかったのは悪かったよ。明日は一緒に見よーぜ」

 

「しょうがないわね。私だけじゃなく皆にも明日謝るのよ?八幡が全然戻って来ないから心配してたのよ」

 

「ああ、そうするよ」

 

やっと深雪に許して貰った八幡は、この後香澄達と居た理由を真由美に説明した。

 

「そうだったの・・絡まれてた所を助けて貰ったのね」

 

「はい。これで誤解は解けましたよね?そじゃあ俺はそろそろ戻りますね」

 

そう言って八幡は自分の部屋に戻ろうとしたのだが

 

「折角来たんだからもう少しいいじゃない。さっきは無視して悪かったわ。ちょっとはち君をを虐めようと思って皆に協力して貰ったのよ」

 

「十分ダメージをくらいましたよ。こんな女子だらけの部屋で放置されるくらいなら殴られた方がマシです」

 

「あはは、でもこんな所に呼んで貰えるのははち君くらい何だから少しは感謝しなさい」

 

その後は八幡も交えて六人でお祝いと、明日からの試合について話し合った。

 

そろそろ時間も時間なので解散する事となり、一年生の深雪の部屋だけが別フロアだった為八幡は深雪を部屋まで送る事にした。

 

「別に送って貰わなくても大丈夫よ?フロアが違うとはいえすぐ着く距離なんだから」

 

「俺が送りたいだけだから気にするな」

 

「そう・・その・・心配してくれてありがとう」

 

八幡は達也から侵入者が出たと聞いていた為、多少過保護だと自覚してはいるものの深雪を送る事にしたのだ。

侵入者の事は知らないが、八幡の言葉が素直に嬉しく深雪は上機嫌だった。

そして深雪の言った通り部屋にはすぐ着いたのだが

 

「それじゃあまた明日な」

 

八幡はそう言ってこの場を去ろうとした。

しかし深雪が八幡を呼び止める。

 

「八幡っ!」

 

「ん?どうした?」

 

「あの・・その・・」

 

「どうしたんだよ深雪?」

 

「少し私の部屋に寄っていかない?」

 

「へっ?」

 

八幡は深雪の言った言葉を聞いて間抜けな声を発し一瞬キョトンとするが。

 

「いやいや、こんな時間にまずいだろ。それに明智もいるんだろ?」

 

「エイミィは里美さんの所に遊びに行くと言っていたから今は居ないはずよ」

 

「しかしな・・・」

 

八幡が本気で悩んでいると深雪は断られると思ったのか上目遣い+若干涙目で言う。

 

「・・・・ダメ?」

 

勿論八幡は断る訳がなく即答する。

 

「ダメじゃない(やっぱり深雪の上目遣いが一番破壊力あるな・・)」

 

そして部屋の中に入った八幡は備え付けのソファに座ったのだが、何故か深雪も八幡の直ぐ隣に座った為緊張でどうにかなりそうだった。

 

(ヤバいヤバい。近い近い。それにこの匂いはシャンプーの匂いか?ずっと嗅いでると頭がどうにかなってしまいそうだ・・・頑張るんだ俺!)

 

八幡が理性を保とうと必死に頑張っていると

 

「確か明日も会長の出場するクラウド・ボールが決勝戦まであるのよね?」

 

「おっ、おう!そうだったな。あとアイス・ピラーズ・ブレイク本戦の予選もだったな」

 

「男子が十文字先輩で女子が千代田先輩が優勝候補ね」

 

「千代田先輩?誰だそれ?」

 

「呆れた・・九校戦のメンバーくらい覚えてなさい。エンジニアの五十里先輩の許嫁で二年生の千代田花音先輩よ」

 

「五十里先輩?それも誰だ?」

 

「・・・・もういいわ。私が悪かったわよ」

 

「なんかすまん。それにしても俺達の出番はまだまだだよな。試合観戦だけじゃ飽きて来るな」

 

「そうね。アイス・ピラーズ・ブレイク新人戦の予選は五日目からだものね」

 

「でも深雪に勝てる奴なんか居ないだろうな」

 

「それはやってみなければわからないわよ。雫とエイミィも出るのだし」

 

「そうか、勝ち進めば同じ一高の奴と当たる可能性もあるんだよな。なんか応援する方としては複雑だよな」

 

「そうね・・それより八幡も油断してると足元をすくわれるかもしれないわよ?やっぱり三高の一条さんがライバルなのかしら?」

 

「一条か・・なかなか優秀らしいな・・・」

 

「ええ、大丈夫なの?」

 

八幡はまさか自分が一条に負けると思われているのかと少し不機嫌になる。

 

「大丈夫に決まってるだろ。何があっても俺はお前の前でだけは負けるつもりはない」

 

深雪は勿論八幡が負けるなどとは微塵も思っていなく、少しからかうつもりでそう聞いただけだった。

しかし八幡から返って来た答えが予想外に嬉しいものだったので顔を赤くして言葉につまってしまう。

 

「えっ?私の前でだけは?それって・・・・」

 

「あっ、いやっ、今のは・・・とっ、とにかく俺は絶対負けないからな!」

 

八幡も自分の言ったことが恥ずかしくなり顔を背けて深雪にそう言った。

 

「私も八幡が負けるなんて思ってないわよ?」

 

「おっおう。それならいいんだが。それに実は、万が一の時の為に必殺技を用意してあるから大丈夫だ」

 

「必殺技?」

 

「ああ。まぁ新しい魔法なんだが、それを使えばたぶん負けないな」

 

「新しい魔法・・・大丈夫なのよね?」

 

「何がだ?」

 

「八幡の事だからデタラメな威力の魔法なんじゃないかって心配なのよ」

 

「・・・・・・ああ、多分大丈夫だ」

 

「今の間は何?本当に大丈夫なのよね?」

 

「大丈夫だ。他の人は巻き込まない。()るのは一条だけだ」

 

「何言ってるのよ!殺しちゃダメよ!」

 

「冗談だよ。とにかく俺が勝つって事だ」

 

「全くもう・・・ふあ~あ」

 

「深雪が人前であくび何て珍しいな。眠くなってきたのか?」

 

深雪は四葉家の女として相応しくなる様幼いころからかなり厳しくしつけられて来た。そんな深雪が人前であくびなど達也を含めて今までした事などない。こんな姿を見せるのは八幡の前でだけだった。

 

「ごっごめんなさい。ええ・・少し眠気が・・」

 

「よし。じゃあ俺もそろそろ自分の部屋に戻るぞ」

 

「・・・・・。」

 

「深雪?」

 

「・・・・・・いて」

 

「え?」

 

「私が眠るまで手を握っていて」

 

普段なら深雪にこんな事を言われたら焦る八幡だったが今日は違った。

そもそも深雪がこんな事を言う事自体珍しいので八幡は疑問に思い聞く。

 

「どうしたんだ?何かあったのか?」

 

しかし深雪から返って来た答えは意外なものだった。

 

「私だって偶には甘えさせてくれてもいいじゃない・・・・ダメ?」

 

またも上目遣い+涙目である。

 

「ダメじゃない」

 

もちろん八幡は即答する。

 

「よかった。じゃあお願いね」

 

その後深雪が眠りにつくと八幡は自分の部屋に戻ったのだが、眠ろうとする度に深雪の寝顔がチラつき全然寝付けなかった。

 

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