八幡は魔法科高校ではぼっちでは居られない 作:sinobun
不謹慎な発言により上級生が八幡に食って掛かりそうだった為、摩利によって天幕からつまみ出された八幡は一人ホテルの自分の部屋に戻った。
「俺は正論を言っただけなんだがな・・・」
八幡自身は総合優勝に興味はないが、余りにも多数の人間が楽観視し過ぎている様な気がした為気を使って忠告したつもりだったのだ。
「やっぱり余計な事をするもんじゃないな。今後はやめておこう」
そう結論を出した八幡は気が付くと時刻も夕刻となっており、食事を取る為ホテルの食堂へと向かった。
「しまった、一高の利用時間になるまで少し早く来過ぎたな」
八幡達の宿泊しているホテルはなにも一高だけが利用しているわけではない。全てではないが九校戦に出場する他の高校も宿泊している為、食堂や風呂などの公共施設はトラブルを避ける為各学校で利用時間が割り振られている。
今の時間利用しているのは三高の生徒達だった。
「しょうがない出直すか」
八幡達が一度部屋に戻ろうとした時声を掛ける者が居た。
「八幡様?」
「おう。愛梨か」
食事を取る為他に三人の女子生徒を引き連れた愛梨だった。
「どうなされたのですか?」
「飯を食いに来たんだが利用時間の事をすっかり忘れててな。一度部屋に戻ろうとしてたところだ」
「そうだったんですか・・・」
愛梨が八幡の答えを聞きなにやら考えていると、一緒に来ていた三人の女子生徒が愛梨に小声で言う。
「愛梨、この人が四葉さんだよね?」
「ええ、そうよ」
「だったら私達の事は良いから一緒に食事したら?」
「え?でも・・」
「いいからいいから。愛梨が男の人に興味持つなんて珍しいもんね」
ニヤニヤしながら言う友人の言葉に愛梨はつい声を荒げてしまう。
「なっ、何を言っているのよ!私は別に八幡様の事を・・・」
「八幡『様』ねぇ~?」
「あうっ・・」
そのやり取りを見て居た八幡は
「どうしたんだ愛梨?俺はそろそろ行くが」
「あっ、あの・・その・・」
口ごもる愛梨を見兼ねて友人の一人が八幡に言う。
「四葉さん、私達は行きますので愛梨と一緒に食事をして下さい。それでは」
そして三人は先に食堂へと入って行った。
「そうは言っても今は三高の利用時間だからな・・。一高の俺が使うのはまずいだろ・・・」
先に行った三人を恨めし気に見て居た愛梨は八幡のその言葉に
「八幡様!一人では問題ですが三高の生徒である私とであれば大丈夫だと思います」
「そうなのか?う~ん・・じゃあ一緒に食うか?」
「はい!では参りましょう」
そして二人は食堂へと入って行った。
(うわ~、メチャクチャ視線を感じるな。そりゃいきなり一高の俺が入って来たら目立つよな)
八幡の考えている理由も当たっているのだがそれよりも大きな理由があった。
それは勿論愛梨と二人で入って来た事である。
「なんで一高の生徒が・・・」
「いや、それよりなんで一色さんと居るんだよ」
「アイツは確か懇親会でも一色さんと一緒に居た奴だよな?」
「九島閣下に襲い掛かかった奴か」
「思い出した!十師族の四葉八幡だ」
「四葉・・・」
「一色さんと四葉が・・」
周りの声が聞こえた八幡は
「なぁ愛梨・・やっぱり俺は戻るかな?メチャクチャ見られてる・・」
「そんなの気にしないでいいですわ。それよりあそこが空いているので座りましょう」
そう言って愛梨が行ってしまったので八幡も諦め付いて行った。
そして交互に食事を持って来た二人は食事を開始する。
「「頂きます」」
「なんか済まなかったな俺のせいで。さっきの三人にも後で謝らないとな」
「気にしないで下さい。あの三人は絶対楽しんでますから・・・」
愛梨がそういいながら離れた席に座る三人を見ると全員こちらをニヤニヤしながら見ていた。
「そうなのか?良く分からんが大丈夫ならいいか」
「はい、問題有りませんわ。それより八幡様は何故お一人だったのですか?」
「うっ、実はな・・」
八幡は具体的な数字は言っていないが、さっき一高天幕で起きた事を話した。
それを聞いた愛梨は苦笑い気味に言う。
「それは何というか・・言っている事は正しいのですが・・・」
「やっぱりまずかったかな?」
「一年生の八幡様が言うべき言葉ではなかったかも知れませんね」
「やっぱりか・・」
自分の言葉で落ち込む八幡に愛梨は焦る。
「でっ、ですが八幡様の言った事は間違ってはいませんよ?だから元気を出してください!それに今はせっかくご一緒して居るのですから食事を楽しみましょう」
「すまん、それもそうだな。それにしても愛梨のパスタは旨そうだな」
「ええ、とても美味しいです。良かったらどうぞ」
そう言って愛梨は無意識で自分のフォークに巻いたパスタを八幡に差し出した。
密かに八幡達のテーブルを観察して居た周りの者達もこれには騒めき出す。
そして八幡も
「あっ愛梨っ!その・・これはまずいんじゃないか?」
その言葉に愛梨も自分のしている事にようやく気が付く。
しかしかなりプライドの高い愛梨は周りに見られている事に気が付き、狼狽える姿を見られたくない一心で強がってしまう。
「べっ別に問題ありませんわっ!さあどうぞっ!」
「いや、しかしだな・・」
「あ~んですわっ!」
愛梨の妙な迫力に負け八幡はついに
「ぱくっ・・・うん・・美味いな」
そして何を思ったか愛梨は
「八幡様のドリアも美味しそうですわね?」
「へ?」
「八幡様のドリアも美味しそうですわね?」
「いや、聞こえてはいるんだが・・・」
「・・・・・・」ジー
「(;^ω^)・・・・」
「(´;ω;`)」
「はぁ・・わかったよ・・・ほら」
「・・・・・・」ジー
「・・・あっあ~ん」
「ぱくっ・・おっ美味しいですわ」
「そっそうか、それは良かった」
八幡と愛梨がそんなバカップル染みた事をしつつ食事を終えたタイミングで声を掛けて来る者がいた。
「四葉、少しいいか?」
八幡は声の聞こえた方を向く。
「お前は・・一条か。それとカーディナル・ジョージ・・吉祥寺だったか?」
「僕の事も知っていて貰えたとは光栄だね」
吉祥寺 真紅郎・・・弱冠13歳で仮説上の存在だった「
せっかく八幡との二人きりの時間を楽しんで居た愛梨は不機嫌になり言う。
「一条と吉祥寺、一体何の用ですの?」
「ちょっと挨拶に来ただけさ。新人戦ではどちらの競技でも対戦するかもしれないしね」
「そう言えばそうだったな。随分自信がありそうだな?(挨拶とかいいから!早くどっか行けよイケメン!)」
「一条家の爆裂はアイスピラーズ・ブレイクには相性がいいからな」
それを聞き八幡は鼻で笑う。
「ふっ。その慢心が命取りだぞ?(イケメン、お前自身が爆裂しろ!)」
「・・・まあいいさ。試合でどっちが上かはっきりさせればいいだけだしな」
「そうだな。そろそろいいか?今は愛梨と楽しんでいるんだ」
そこで真紅郎が疑問に思う。
「そういえば二人は何でそんなに仲がいいんだい?さっきも見てたけど・・その・・食べさせ合ってたよね?」
「なっ!うっうちの妹が八幡様の後輩でお世話になっているからですわ!それ以上は特に答える事はありません」
「そっ、そうなんだ。そろそろ行こうか将輝」
「そうだな。三高の利用時間もそろそろ終わりそうだからな。じゃあな四葉、試合を楽しみにしてる」
愛梨の剣幕に二人とも気圧されそう言って食堂から出て行った。
「全くあの二人は・・八幡様っ!一条なんかに負けたらダメですわよ」
「おいおい・・さすがにこの場で三高の生徒の愛梨がそれを言ったらまずいんじゃないか?」
「あっ!ううう・・・」
愛梨が自分の失言に顔を赤くして小さくなっているのを見た八幡は
「でもその気持ちだけは受け取っておく。サンキューな」
愛梨の頭に手をのせそう言った。
「はっ、はい!」
「よしっ、そろそろ出るか」
「そうですわね。今日はありがとうございました。その・・楽しかったです」
「俺の方こそ助かったよ。ありがとな」
そして二人は食堂を出た
所で深雪、雫、ほのか、雪乃、結衣、エリカ、美月に会ってしまった。
「八幡・・・」
「おっおう深雪、これから飯か?ドリアとパスタがお勧めだぞ!じゃあな」
勢いで逃げようとした八幡の方を雪乃と結衣が掴む。
「待ちなさい八幡君っ!」
「ヒッキー待つしっ!」
八幡は観念して取り敢えず愛梨に先に行くように言う。
「わかったわかった。愛梨、悪いけど先に行ってくれ。俺はどうやら戻れそうにない」
「・・・・わかりました。それでは八幡様、また」
その時一高女子と愛梨の間には見えない火花が散っていた。
「八幡。なんで三高の女子と一緒に居たのか説明を要求する」
雫に続きほのかとエリカと美月も
「八幡さん随分楽しそうでしたね?」
「八幡、あんた見境なさ過ぎるわよ。さすがの私も黙ってないわよ」
「八幡さん・・あの・・頑張って下さいね」
最後に深雪が笑顔で言う。
「さて八幡食事にしましょうか?」
このあと八幡は愛梨の事を説明して、全員分の食事を奢りなんとか許してもらった。
次回は原作に戻ります。