男主人公とアリサがイチャコラする話。

便宜上男主の名前は小説版主人公の神薙ユウにしてあります

アリサファンの紳士諸君は神薙YOU君て言うくらいだから
自分とかに脳内変換してお楽しみくださひ

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ターミナルサーバールーム

 

「・・・」

 

「・・・・・アリサ!ちょっとアリサ!」

 

「・・・!あ・・・はい!なんでしたっけ?サクヤさん。」

 

 

アリサ・イリーチナ・アミエーラ。

数ヶ月前にここ、極東支部に転属となった新型神機使いの少女・・・

過去に両親をアラガミに捕食されるという悲しい過去を持ち

それが原因でついこの前まで定期的にメンタルケアを受けていたという

こんな時代では珍しくもない少女だが、

その姿には通りすがる者を皆振り向かせる際立った美しさがあった

陶磁器のように白く美しい肌、整った顔立ちだが少しあどけなさが残る顔

雪のようにふわふわした髪、年相応に発育したスタイル、

それらを際立たせる赤と黒のツートンカラーの学生服風の私服

美少女、と表現して反対する者はいないだろう。

 

 

「・・・?ははーん、さてはアリサ、リーダー君の方見てたでしょ?」

 

「---!!み、見てません!ななな何でリーダーなんかをっ!」

 

「んー明らかに動揺してるーホントに見てたんだーっ」

 

「---ッ!!」

 

 

顔を真っ赤にするアリサを、

ツバキは面白くてたまらないと言いたげな表情をして見ている

 

リーダーというのは神薙ユウという名前の

その時エントランスで藤木コウタとじゃれあっている

アリサの一つ年上の上司にして同じ新型神器使いの青年の事である

 

なんでも「バガラリー」で登場した格闘シーンの影響でその真似事を二人でしているらしい

その時ユウは汗をかいたのか、上着を脱いでシャツ一枚になる

同時にやはりユウの事を見ていたアリサは顔を赤くし、うつむいてしまった。

 

突如ユウの携帯端末が着信音を鳴らす。

 

 

「はい神薙。・・・はい、成程、カムランが外壁付近に。了解しました」

 

「どったの?」

 

「あぁ、サカキ支部長代理から依頼。サソリが壁をガリガリやってるらしい」

 

「俺も行こうか?」

 

「コウタはこの後偵察任務だろ?」

 

「あ、そーだった」

 

「ははは、しっかりしてくれよ。うーん、じゃーどーすっかなー」

 

 

ユウは辺りを見回す

 

 

「アリサ」

 

「・・・!!はっはい!」

 

「話は聞いてたかな」

 

「勿論ですっ」

 

「他に任務は入ってないかな?」

 

「大丈夫です。ご一緒しますっ」

 

「サンキュ。じゃあ行こうか」

 

 

そう言ってユウは神機を取りに格納庫に向かった

ほどなくツバキがアリサににやにやしながら近づき、言った。

 

 

「アリサッ・・・良かったわねww」

 

「もうっ、いい加減にしてくださいよサクヤさんッ!・・・」

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

任務が終わった後、ユウはターミナルサーバールームに居た

ターミナルサーバールームとは文字通り、ターミナルの集合OSが安置されている特殊な部屋である。

中はスーパーコンピューターよろしくな大型サーバーが立ち並び、

薄暗く、ファンの音がうるさく、熱暴走防止の為の空調がかなり効いていた。

ターミナルのプログラムに一部不具合が発生したらしく、

元々電子機械の工房で手伝いをしていたユウはたまに修理を依頼されるのだ

今はまさにその作業中である。

 

 

「お礼・・・でも何しよう・・・やっぱ『ありがとうございました!』かな・・・

・・・違うな・・・『次は余計な事しないでくださいね!』・・・かな・・・

でもそれ助けて貰っておいて何様?ってハナシになるし・・・」

 

 

アリサは今ユウの所に向かっている

先の任務中に彼がしてくれたフォローに対するお礼を言いにだ

しかし変なプライドとお礼を言う事の照れくささが何を言うか迷わせている

 

 

「・・・すいませーん失礼します、ユウいますかー?」

 

 

カタカタとボードを打つ音が聞こえる。人は居るようだ

 

 

「ユウー!?」

 

「んー?」

 

 

あ・・・いた。

アリサはユウの左前に座り込んだ

見るとユウは精密な作業をする時にだけかけるメガネをかけていた

こんな時のユウはまた違った魅力があって素敵だ、と思うアリサ

一瞬その視線がこっちを向いた。アリサの胸の鼓動が高まる

心臓を柔らかく捉えられるような感覚に陥る

 

 

「あ・・・あの、今日のお礼を・・・」

 

 

そこまで言うとユウは一瞬キョトンとした顔をし、

そのあと少し呆れたように

 

 

「ちょっと待ってて。これ終わったら聞くから」

 

 

そう言った。そこでアリサは素直に待つ事にした。

待っている間、特にすることも無いので、ユウの顔を見ている事にした

今は他に誰もいないし、ユウはボードを見つめて真剣なので

堂々と彼を見つめる事が出来た。とても幸せな時間だった

ほどなくしてユウの作業が終わる。

 

 

「・・・っと、よし。で、なんだったっけ? アリサ」

 

 

アリサはここでここに来た本分を思い出す

 

 

「あの・・・今日はありがとうございました!」

 

「あぁ、フォローね。いいよ気にすんなそんな事」

 

 

ユウは微笑みながら答える

そして何か思いついたように言う

 

 

「アリサ、ちょっとおいで」

 

 

アリサは一体なんだろうと疑問を抱きつつも彼に近づく

 

するとユウはアリサを抱き寄せた

 

 

「!!!???!!」

 

「俺が自分の所為で怪我して、嫌われたと思ってたんだろ?アリサ」

 

「あ・・・! あの・・・! その・・・!!」

 

「バカだなぁ、何とも思ってねぇよ? 俺」

 

「あ・・・そ、そうですかっ・・・それはよよ良かったですっ・・・・」

 

 

抱き寄せられた瞬間からアリサの身体は全身に電流が流れるように疼いていた

頭の中はユウの腕の中で甘え狂いたいという欲望を押さえつけるのに必死だ。

胸の奥が痛み。涙目になる

 

 

「大丈夫だよ」

 

 

そう言うとユウはアリサさらに強く抱きしめた

彼のぬくもりは彼女に直接に近いほど伝わっていく

腕の中で締め付けられ、ユウの匂いが鼻腔を満たしていく

 

 

(もう我慢できない・・・もうダメ・・・)

 

 

腕をユウの背中にまわし、固く縛る

顔をユウの胸に押しつけ、ぐりぐりする。身体はもう密着させていた

 

 

(・・・はぁ・・・ユウ・・・ユウぅ・・・)

 

 

これには流石にどうかしたのかと思い、

 

 

「アリサ?どうかしたのか?」

 

 

心配そうな声で聞かれる

 

 

「あの・・・私・・・小さいころから家族がいなかったから・・・

人肌・・・恋しくて・・・お願いです・・・少しでいいですから・・・甘えさせて・・・ぇ」

 

 

いつもと全然違う声色で話している自分が怖かった

普段はどこか針が抜けきらない口調なのに

好きな人の腕の中ではこんな・・・子猫みたいな甘ったるい声で・・・

 

 

「そっ・・・か。じゃあいいか、もっとおいで」

 

 

今度は恋人にそうやるように優しく抱き寄せた

アリサは自らの頭をユウの肩に委ね、全身で貪るようにぬくもりをからめとっていた

気が付いたらユウの首筋に口を付けていた

肌を少し舐める。ユウの成分を取りこんでしまいたかった

 

 

「う、あ、アリサちょっと何してんだよっ待て、落ち着け!」

 

「あっ・・・」

 

 

ユウはアリサを半ば強引にひきはがした

するとアリサはぞっと身体の奥から暗闇が広がるのを感じ、

凍てつくような悲しみが全身を染め上げた。

肌に残ったかすかなユウのぬくもりも、自分自身の体温も、

根こそぎ奪っていき、頭が真っ白になっていく

 

 

「どう・・・して・・・?」

 

 

苦しい。悲しくて息が出来ない

辛い、怖い、悲しい、痛い・・・

 

 

「離さないで・・・ごめんなさい・・・次はがっつかないから・・・」

 

「そういう問題じゃない! いくら人肌恋しいつっても限度ってか

超えちゃいけない一線があるだろ。全く、何考えてんだ・・・」

 

 

しかしユウの言葉など半分も耳に入らない

頭にあるのは一度突き放された腕の中にどうやって戻るか。

どうやって・・・どうやって・・・

 

 

「うう・・・うぅええーん。やだよぉ・・・離さないで・・・

苦しいよぉ・・・ヤダよぉ・・・」

 

 

アリサはそう泣きじゃくりながらその場にうずくまってしまった

身体を震えさせ、嗚咽を漏らしながら。

 

これにはユウも軽くパニクってしまい、

 

 

「あ・・・ごめんアリサ。大丈夫か?ほら・・・こうすればいいんだろ?・・・」

 

 

ユウは再びアリサを抱き寄せ、アリサの心は溶け始める

 

 

「はぁ・・・ユウぅううう・・・・」

 

 

締め付けるようにユウの胴体にしがみ付くアリサ

足を絡め、顔を胸に埋め、呼吸を荒げてながら

そして言う

 

 

「・・・・・・お兄ちゃん・・・」

 

 

ユウは強烈な悪寒を感じた

アリサは自身を"仕事上の部下"から"年下の妹的存在"に

勝手にシフトしていた。自分を俺に妹のように可愛がって欲しいのだろう

なんて図々しい女だ

 

先ほどより強く突き放そうをするが、学習したのか

彼女の持てる力の限りとでも言うようにユウにしがみ付いていた

 

 

「・・・い・・・嫌だ・・・もうお兄ちゃんから離れたくない・・・」

 

「ア・・・リサ、俺はお前の兄にはなれない。」

 

「どう・・・して?貴方は私にこんなに優しくしてくれるのに・・・

何故甘える事を許してくれないの?・・・」

 

 

考えてみればそうだ。彼女は両親を失って以来

深い愛情を異性から受けた経験が無かった。だから欲するのだろう、父性を。

自らを愛してくれる、異性の存在を。

 

 

「初めて貴方を感応現象で繋がった時、私の中に流れ込んできた

貴方の暖かくて優しい感情。心を包むような柔らかい気持ち。

あの時、私の渇きは一瞬で潤いました。砂漠が海になった様でした」

 

 

潤んだ瞳と紅潮した顔でそう言いつつユウの顔を見上げる

彼女の言葉に彼は先ほどまで抱いていた不快感に大きく反省をする

 

 

「アリサ・・・」

 

「・・・だから・・・・・・」

 

 

二人は静かに唇を重ねた

 

サーバーの唸る音が多少の物音くらいはかき消すだろうが。静かに

遠く聞こえる館内放送の音楽や子供が裸足で歩く音が聞こえるが構いはしない

そのまま夜は更けていった

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

翌朝、彼女は昨夜あった出来事に頬を染めながらエントランスに着く

起きたら既に彼は出撃任務に出ていた

 

 

「おはようございます・・・サクヤさん・・・」

 

「あ、おはよう、アリサ。」

 

 

他愛のない話をしている間に彼とソーマが任務から帰ってきた

 

 

「一体どうしたんだよお前、今日は何かボーっとしてるぞ、ユウ。」

 

「あ、あぁごめん、ソーマ。ちょっとな・・・」

 

 

そんな会話を遠巻きに聴いているとその「ちょっと」が

何なのか、大体想像が出来てしまったので激しく顔を赤くする

 

 

「あれ、アリッサー? なんか良い事でもあったの?」

 

「・・・ッ! あ、ありましぇん!!!」

 

 

 



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