最強魔王の背後霊   作:のーぞー

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魔王、背後霊になる。

キキーーッ!!!!

 

ドンッ!!!

 

コンビニで漫画を立ち読みしていると、なぜか目の前にトラックが迫っていてガラスを突き破りこちらに向かっていた。

 

これは死んだな・・・・

もう少し、魔法の才能が有れば助かったのに・・・・。

そう、後悔をしていると、頭の中に声が聞こえてきた。

 

<助けてやろうか?>

 

え?

 

<はいかいいえで答えろ。助かったあとには、魔法も使えるようにしてやる。どっちにするんだ。>

 

助かりたいです・・・・。

 

<わかった、助けてやろう。その代わり、我の願いを一つ手伝ってもらうぞ。>

 

願いって一体・・・・・。

 

<目覚めたらまた、教えてやる。>

 

何者かもわからないものの声を聴いて、安心したのか、僕は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「弘太!弘太!」

 

んっ・・・んんっ・・・

 

「弘太!目が覚めたのね!よかった!!」

 

目の前には、知らない天井と、喜ぶ母の姿があった。

 

「おはよう、母さん。なにがあったんだっけ?」

 

 

「あなた、車とぶつかって死にかけていたのよ・・・それを呑気におはようなんて。」

 

 

「そういえば・・・なんとなく覚えているよ。コンビニで本を読んでいたらいきなり車が突っ込んできて・・・驚いたよ。」

 

 

「驚いたってこの子、お医者さんもなんで生きているのか不思議だとおっしゃってたくらいの大きな事故だったのよ。本当に心配したのに。まあ、生きていてくれて何よりね。本当にありがとう。」

 

「そんなの大袈裟だよ<おい。> うわぁ!!」

 

母と話していると、いきなり聞き覚えのある、男の声が頭の中に響いて、思わず声をあげてしまった。

 

<騒ぐな、頭の中で話せ。>

 

その場は落ち着こうととりあえず、母との会話に専念する。

 

「どうしたの?弘太、大丈夫?」

 

「うん。大丈夫だよ。けどまだ、本調子じゃないから、もう少し寝るね。」

 

「分かったわ、お母さん帰るから、安静にしておくのよ。お休み。」

 

そう言うと、母は心配そうな顔をしながら帰っていった。

 

「ありがとう。おやすみー。」

 

 

 

僕は、意識を切り替えて、再び頭の中の声との会話を始めた。

 

(なんなんですか。)

 

<おまえの命を救う代わりに手伝いを頼んだのは覚えているか?>

 

事故にあったときに頭に響いたものと同じ声だった。その声は、少し低めの男の声で、声だけで威厳を感じてしまうほど、ずっしりとしたものであった。

 

(なんとなくは覚えています。命を救って、魔法まで使えるようにしてくれると・・・)

 

僕は、とりあえず記憶の中から、あの時言われたことを思い出し、伝えた。

 

<それだけ覚えていたら十分だ。とりあえず、おまえには強くなってもらわねばならん。厳しい鍛錬を架すが、耐えて、強くなるのだ。>

 

(わかりました。どんな試練にも耐えます。あと、おまえってやめてください。僕には織田弘太と言う名前があります。あなた様はなんとおっしゃるのですか?)

 

僕は、名乗るとともに、恐る恐る相手の名前を聞いた。

 

<それでは、弘太と呼ばせてもらおうか、我の名はルシフェルド、ルシとでも呼べばいい。>

 

(ルシ様、よろしくお願いします。僕はこれからどうすればいいのですか?)

 

<我の力はまだ弘太に馴染んでおらんからな。しっかりと体を休めるのだ。>

 

(ありがとうございます。これからよろしくおねがいします。)

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

「んっーーー!今日はいい天気だ!」

 

<「おはよう、弘太」>

 

頭の中ではルシ様の、現実で母の声が聞こえてきて、少し頭が痛くなる。

(「おはよう(ございます)」)

 

「あれ?弘太、目の色が緑になってない?気のせいかしら?」

 

<我の魔力が馴染んでる証拠だな。>

 

鏡を確認すると、確かに瞳が濃い目の緑に変化しており、体もすこし軽くなった気がする。

 

「体に異変とかもないから大丈夫じゃないかな?」

 

「そう?ならいいけど・・・あと、お医者様がもう、いつ退院しても大丈夫っておっしゃっていたから弘太のタイミングで退院していいわよ。」

 

(どうしよう・・・)

 

<すぐにでも退院するのだ。弘太に魔法の使い方を教えてやろう。>

 

「もう、体の調子もいいし、今日中にでも退院したい!」

 

体が軽くなったこと、そしてなにより、魔法が使えるようになるということから僕は一秒でも早く退院することを選んだ。

 

「分かったわ。手続きしてくるわね。」

 

「ありがとう、母さん。」

 

 

 

 

 

 

「ただいまー!」

 

「おかえり!弘くん!大丈夫だった?」

 

家に帰ると、姉の冬華姉ちゃんが迎えてくれた。母と3人で暮らしており、姉もずっと心配していると母から話だけは聞いていた。

 

「冬姉ただいま!もう大丈夫だよ!冬姉、学校は?」

 

「今日は、実習日だから私は免除されちゃった。」

 

「本当に冬姉って優秀だよね、僕なんて魔法が使えないのに・・・。」

 

「大丈夫、すぐに使えるようになるよ!実際に、魔法中学に入れたじゃない!」

 

「あれは、魔法以外のところで評価してもらえただけだよ・・・。まぁいいや、少し部屋で寝てるね。お休み。」

 

「うん。なんかごめんね、おやすみ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

<やっとひとりになったな。弘太に我の姿を見せてやろう。>

 

その瞬間、僕の部屋は大きな闇に飲み込まれたように真っ黒に染まった。そして、僕の目の前には、黒髪に緑色の目、大きな翼のついた巨体のイケメンが立っていた。

「やっと会えたな、弘太よ、我こそは、魔王ルシフェルド!すべての魔の頂点に君臨していたものだ。」

 

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