弘太が控室に戻ると、すでに第三試合は始まっていた。
「試合はどんな感じだ?」
弘太はモニターを見ていた二人に問いかける。
「それがおかしいのよ。ムキムキのほうが全然動かないのよ。」
春の言葉を聞き、再びモニターに目を移す。
そこには、苦しみながら佐合が来るのを待つマッスルパーティーの三人の姿があった。
会場でも異様な雰囲気が広がっていた。
「いったい、何をしやがった!」
マッスルパーティーの剛田は顔に血管を浮かべながら怒鳴っている。
あとの二人は、佐合に触れられた瞬間に意識を失った。
会場にいる誰もが今の状況を理解できてはいない。
「これで、勝ち。」
佐合は喜ぶこともなく、一切表情を変えずに勝利宣言をし、剛田に触れた。
その瞬間、剛田もまた意識を失った。
「そ、そこまで!勝者、チームサンクチュアリ!」
会場に歓声はなかった。
ただ騒めきだけが残っていた。
そのころ、とある控室では・・・
「なんか、すごかったみたいねー」
秋はモニターを見ながら寝ている犬神と柔軟運動をしている伊達に話しかける。
「もう俺らの試合始まるの?早くないか?」
犬神が寝ぼけた顔で秋に問いかける。
「どこもかしこもすぐに試合が終わったからな。まぁ、勝てるなら別に時間がかかろうが関係ないが。」
伊達が柔軟を続けながら言った。
「なに言ってんの?とっとと決勝進出して弘太を倒さないといけないんだから。」
そう言う犬神の顔はさっきとは別人のようなすっきりとした顔をしていた。
「とっととって、相手は学内最強で瞬くんのお兄ちゃんもいるのよ?」
秋は、犬神のあまりの余裕に驚いていた。
「兄貴なんかには負けないさ。怖いのはむしろ、義経とかいうやつさ。」
「犬神がそう言うならそうなんだろうな。」
伊達が柔軟を終え、犬神と秋に近づく。
「それじゃあ、会場に行きましょー!」
秋は二人の袖をつかんで会場へと引っ張る。
「やめろ!恥ずかしいだろ!」
犬神が照れるのを見て、秋と伊達は笑っていた。
三人は会場へと着いた。
「それじゃあ、本日の最終試合、一回戦の第4戦をはじめるぜ!まずは、1年Bチーム!最強に挑む1年生たち!チームセブンドッグス!!!」
本日最後ということもあり、会場は残った元気を全て出し尽くそうと言わんばかりに歓声に包まれた。
「そして、学内最強のチーム!チームレジェンズ!!!!」
待っていましたと言わんばかりの歓声が向かい合う6人に対して向けられる。
「それでは、お互いに準備はいいか?」
審判の声に4人は集中力を高める。」
「初め!」
1回戦最後の試合が幕を開けた。