大海原に転生してスキマ妖怪   作:☆桜椛★
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スキマ妖怪の休暇中に仕事の連絡

「ふっふ〜ん♪私の技術力に掛かれば小船の100や200、簡単に作られるのさ!足りなくなったら追加で作るから好きなだけ沈めていいよ☆」

 

 

「驚いたな・・・紫様、河童とはこの様な凄まじい技術力を持った種族なのですか?」

 

 

「にとりが異常なだけよ。普通の河童は鉄や鋼などの金属が苦手だと言われていたけれど、何故か彼女は平気などころかむしろ嬉々として金属製の工具使ってるわね。船にも大砲があるし・・・・これもしかしてDr.ベガパンクの技術や頭脳より上だったりして?」

 

 

 

小船の船団を背にして両手を腰に当てながら胸を張るにとりに紫達は賞賛を通り越して呆れてしまっていた。紫と藍は以前『パシフィスタ』と呼ばれる人間兵器の実験や、武器に悪魔の実を食べさせると言う普通なら「何言ってんのお前?」と疑われて精神科病院に連れてかれそうな程意味不明な実験をガープの付き添いで見学しに行った時に会った青年を思い出した。この時のパシフィスタはまだ『バーソロミュー・くま』の姿ではなかったが、その内に完成するだろう。Dr.ベガパンクの頭脳は500年は先に行っていると言われているが、にとりは如何なのだろうか?と紫は興味を持ち、スキマからベガパンクの故郷にある研究所の設計図を数枚取り寄せてにとりに見せた。

 

 

 

「にとり、コレは今政府の科学者達のリーダーをしているベガパンクと言う人間が若い時に書いた設計図なのだけれど・・・・貴女はコレを作れる?」

 

 

「ん?どれどれ?・・・・・ふむふむ、コレからこのドックに散らばっている廃材や鉄屑使えば作れるよ。ただ少し時間がかかるなぁ・・・だいたい3週間ぐらいかな?」

 

 

 

どうやらDr.ベガパンクよりもにとりの頭脳の方が上だった様だ。今渡した設計図は未だに完成していない発明品のものだが、3週間程で作るのは普通に凄いと思う。紫はにとりの頭脳に感心しながら設計図を元の場所に戻して村沙と向き合う。村沙もにとりの力にまだ驚いた様子でいたが、紫に気付いて気を取り直して紫を見る。

 

 

 

「じゃあ村沙?やる事は分かっているわね?」

 

 

「うん。あの小船を能力で沈めたり沈めなかったりすればいいんだよね?」

 

 

「そうよ。それじゃあ・・・・藍、この赤いペンキを適当な船に塗って印を付けて海に浮かべてちょうだい。村沙は印が付いた小船だけを能力を意識しながら沈めなさい」

 

 

「分かった。よ〜し!必ず能力をものにして海に出るぞ〜!!」

 

 

「畏まりました紫様。それでは行って参ります」

 

 

 

藍は紫がスキマで取り寄せた赤のペンキ缶と刷毛を紫から受け取り、にとりが作った小船を適当に選んで見事な海賊マークを描いて行く。紫は藍の作業が終わるのを待つついでににとりと村沙にスペルカードと弾幕、妖力などの説明をした。弾幕の時点で2人は頭の上に『?』を浮かべて頭を傾げていたが、紫が紫色の蝶弾を1発だけ手の上に出現させ、2人がそれに驚いて飛び退いたのを見てクスリと笑い、空に放ってから3秒程して数十羽にまで拡散させて見せた。

 

 

 

「「おぉ〜〜!!!!」」

 

 

「コレが弾幕よ。ただコレはただの見本。橙でさえアレの何十倍は分厚い弾幕を躱し切るのよ?練習すれば貴女達もすぐに使える様になるわ。村沙の能力練習が終わったら私と藍が貴女達に教えるわ」

 

 

「凄いよ村沙!!私もあんな綺麗な・・だ・・・弾幕?が撃てるんだって!!しかも紫の話では空も飛べるらしいよ!!?」

 

 

「前から海や水の上に立って走ったりジャンプしたり出来る事は知っていたけど、空も飛べるなんてね。ワクワクするよ」

 

 

「うんうん!あ!もしかしたらコレを利用すれば空を飛ぶ船も作れるんさじゃないかな?空を飛ぶ空中戦艦・・・・クゥ〜〜!!!今すぐにでも作りたい!!」

 

 

 

何かのスイッチが入ったのかしら?にとりが燃えている様な幻覚が見える。いや、にとりと私の頭脳を合わせたら出来ない事もないかもしれないわね。だってDr.ベガパンクの上を行くにとりの技術と前世の記憶と八雲 紫の頭脳を持つ私達なら或いは・・・・。

紫が顎に手を当てて考え込んでいると、懐に入れていた電伝虫が『プルプルプルプル・・』と鳴り出した。紫は考えるのを止めて顔を顰める。今なっているこの電伝虫はコング元帥直通の特別製なのだ。いつもこの電伝虫から連絡を受けてガープを捕まえたり、仕事を手伝ったり、ガープを捕まえたり、海賊潰したり、ガープを捕まえたり、ガープを捕まえたりしている。

・・・・あれ?殆どガープを捕まえる事しかしてなくね?

紫は渋々電伝虫を取り出して受話器を手にした。

 

 

 

「コング元帥?確かに用があったら連絡しなさいとは言ったけれど・・・・言ったその日に連絡してくるとはどう言う事かしら?場合によっては貴方に1日経過する毎に頭から髪の毛が消滅していく呪いをかけるわよ?」

 

 

『いやいやいやいや!!こっちだって一大事なんだ!!島が1つ2つ沈むかもしれんのだ!!だからこれ以上私の髪の毛にダメージを与えないでくれ!!』

 

 

「普段から髪の毛が減っているのね・・・・・はぁ〜・・それで?態々私になんの用よ?今私休暇中なのに」

 

 

 

コング元帥の必死さに頭痛を感じながら深い深い溜め息を吐いて紫は用件を聞くことにした。コング元帥はホッとしたのか電伝虫から『助かった』と聞こえて来たが、すぐに真面目な雰囲気を醸し出した。

 

 

 

『実はつい先程部下から連絡がきてな。ボルサリーノの奴が大怪我を負って意識不明の重体になってしまったのだ』

 

 

「あらあらあら?ピカピカの実の能力者で中将のボルサリーノが意識不明?いったいどんな海賊団にやられたのかしら?」

 

 

 

紫はボルサリーノが大怪我を負って意識不明の重体になった事に内心驚愕しながらもいつも通りの口調でどこの海賊団に殺られた(ボルサリーノ「死んでないんだけどねぇ〜?」)のかをコング元帥に聞いた。コング元帥は少し答え辛そうにしつつも返答した。

 

 

 

『じ・・・実はだな・・・・別に海賊団どころか海賊にやられた訳ではないんだ』

 

 

「はぁ?じゃあ最近力が付いて来た革命軍と衝突でもしたの?」

 

 

『いや違う、少し前に東の海(イーストブルー)のとある島で2人の人物が暴れていると偶々近くを通ったボルサリーノの軍艦から連絡が来てな。このままだと島が沈むから止めるように忠告するとボルサリーノが忠告に向かったんだが、一瞬で倒されたらしいのだ』

 

 

「よほど凄まじい暴れっぷりの様ね?つまり貴方は私達にその島に急行してボルサリーノと彼の軍艦を回収し、原因の2人を止めろと言いたいわけね?」

 

 

 

紫が確認する様に問うとコング元帥はそうだと答えた。紫としてはボルサリーノを意識不明の重体に追いやった人物達に興味がある。もしかしたら妖怪の誰かかも知れないのだ。だとしたら是非仲間に引き入れたいが、今はにとりと能力の練習が必要な村沙がいる。どうしたものかと少し考えたが、やはり気になった為引き受けることにした。

 

 

 

「分かったわ。その仕事引き受けてあげるわ。ただし、埋め合わせはしなさいよ?私にも用事はあるんだから」

 

 

『助かる!場所は東の海にある火山が有名なボルケガ島だ。そこの沖にボルサリーノを乗せた軍艦がある。マリンフォードの沖に紫の能力を使って送ってくれ』

 

 

「了解したわ。じゃあねコング元帥」

 

 

 

ガチャッと受話器を戻して電伝虫を懐に仕舞い込む。ちょうど藍が作業を終えて戻って来た。

 

 

 

「紫様。今終わりましたよ」

 

 

「藍、ちょうど良かったわ。実は今さっきコング元帥から連絡があってね?ボルサリーノが意識不明の重体になったから回収するついでに原因を止めてくるわ。その間村沙とにとりと橙を頼めるかしら?」

 

 

「ボルサリーノ中将が?・・・畏まりました。彼女達の事は私にお任せ下さい。気を付けて行ってらっしゃいませ」

 

 

「ごめんなさいねぇ。にとり、村沙。貴女達は藍の言う事をちゃんと聞いておくのよ?じゃあ行ってくるわ」

 

 

 

紫はにとりと村沙が頷いたのを見てからスキマを開き、コング元帥が言っていたボルケガ島へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

紫がスキマを通り抜けてボルサリーノの軍艦に降り立つと、走り回っていた海兵達が銃や剣を構えて警戒したが、紫の姿を確認するとホッと息を吐いて武器を下ろした。

 

 

 

「コング元帥に貴方達の回収を頼まれた海軍大佐の八雲 紫よ。先ずは件の暴れている2人について話が聞きたいのだけれど?」

 

 

「あぁ分かった。実はついさっきボルサリーノ中将が目を覚ました。詳しい話は本人に聞いてくれ」

 

 

 

紫を近くにいた大佐が医務室で寝ているボルサリーノの元へ誘導し、紫も大人しく彼の後を追う。少し歩くと医務室が見えて来て、入室してすぐ全身包帯だらけのボルサリーノを発見した。ボルサリーノは紫の姿を確認すると痛む体を起こそうとするが、紫はそれを止めた。

 

 

 

「そのままでいいわボルサリーノ。なかなか手酷くやられたわねぇ?帰ったらゼファーに叱られるわよ?」

 

 

「イタタタ・・・それは勘弁して欲しいねぇ〜?あれはあっしには荷が重過ぎたよぉ・・・」

 

 

「・・・・そんなに強かったのかしら?その2人組は?」

 

 

 

紫は痛そうにしているボルサリーノに真剣な表情で質問する。すると突然爆音が轟き、軍艦がギシギシと音を立てながら大きく揺れた。紫は何事かと医務室の窓からボルケガ島の方角を見た。ボルケガ島は中央に巨大なボルケガ火山と呼ばれる活火山があり、今もなお火山活動をしている。その周りに沢山の小さな火山が煙を上げており、一応緑の草木は生えているがその場所は少なく、島の岸辺りにしかない。そんな火山だらけの場所ではあるが、今は火山がない場所から粉塵が上がっていた。ボルサリーノは苦笑いしながらヒュ〜♪と口笛を吹いた。

 

 

 

「ヒュ〜♪・・・まだ決着付いてないみたいだねぇ〜?もうかれこれ3時間以上殺り合ってるんだけどぉ。ありゃぁ正に化け物だねぇ〜」

 

 

「殺り合っている?2人は仲間ではないのかしら?」

 

 

「なんでも喧嘩しているらしいよぉ〜?片方が偶々この島に用があって上陸したんだけどぉ、元々住んでいた1人が『強そうだから』とか言う理由で殴り掛かってからずっとあの調子らしくてねぇ」

 

 

「何よその脳筋な理由は?それだったらなんでボルサリーノはそんなボロボロになっているのよ?」

 

 

「いやぁ〜話が通じないからちょっと殺気を当てながら忠告したんだけど、それがダメだったみたいでねぇ・・・・2人同時にあっしの顔面をぶん殴られちゃったよ」

 

 

 

ボルサリーノは痛そうにしながらも頰をポリポリ掻いた。しかしただ殴られただけでこれだけの傷を負うものだろうか?紫は船医にカルテを見せてもらってボルサリーノの容態を確認した。

 

 

 

「あらあら、よくこんな状態で生きていられるわねぇ?流石は海軍本部中将ボルサリーノね。普通なら今頃三途の川で赤髪ツインテールで鎌を持った死神の船に乗っているわよ?」

 

 

「まるで見てきた様な言い方だねぇ〜。まぁあっしはこれでも鍛えているからねぇ?それより紫はどうする気なんだいぃ?」

 

 

「貴方達をマリンフォードへ送ってから2人を見に行ってみるわ。貴方をそこまでボロボロにする2人に興味が湧いたわ」

 

 

「おぉ〜あの2人も付いてないねぇ。選りに選ってお前さんに興味を持たれるとはねぇイダダダダダダッ!!ちょ!ちょっと紫ぃ!?あっしは怪我人だよぉ〜!?悪かった!謝るから日傘で刺さないでおくれよぉ〜!!」

 

 

 

紫はなんかイラッときたのでボルサリーノを愛用している日傘でブスブス刺し始めた。ボルサリーノは激痛に耐えかねて紫にすぐ謝った。紫は日傘で刺すのは止めたが、「次は無い」と小さく呟きながら睨み付けていた。

 

 

 

「はぁ・・・・じゃあ早速マリンフォードの沖に送るわよ?ま、お大事になさいな」

 

 

「わ、分かったよぉ〜。・・・おっかないねぇ〜」

 

 

「どうやら貴方は今ここで串刺しにされたいようね?」

 

 

「じょ、冗談だよぉ〜!!?」

 

 

 

紫はボルサリーノに1発蹴りを入れてから軍艦をマリンフォードの沖にスキマで送り、自分は未だに爆音と粉塵が上がっているボルケガ島に飛んで行った。陸に降りてみると軍艦では感じなかった振動も感じる様になり、この喧嘩が島をも揺るがす大喧嘩と言う事を認識した。

 

 

 

「凄いわねコレは。さてさて、件の2人にはいったいどこにいるのかしらねぇ?」

 

 

 

紫は鳴り止んでしまった爆音と揺れの原因がどんな人物かワクワクしながらフワリと宙に浮き、そのまま上空から探す事にした。だがすぐに再び爆音と粉塵が上がった為簡単に見つける事が出来たが、紫はちょっとだけ見つけるんじゃなかったと思ってしまったりした。

 

 

 

「あ〜はっはっはっはっはっはっ!!強いねお前さん!!私が今まで会って来たどの生き物より強いよ!!」

 

 

「貴女だって!!私の攻撃を受けてピンピンしているなんてやるじゃない!!?」

 

 

(あちゃ〜・・・・この2人だったか〜・・・どうしましょうこれ?)

 

 

 

紫の目の前では、金髪の女性と緑色をした女性が普通の海兵達や海賊達が見たら失神しそうな程凄まじい闘いを繰り広げられていた。








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