大海原に転生してスキマ妖怪   作:☆桜椛★
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スキマ妖怪VS鬼VSフラワーマスター!戦争の始まり

「いいねぇ!いいねぇ!最っ高だねぇ!!こんなに興奮する喧嘩はあの薙刀を持った長くて白い髭の男や角をつけて金棒を持った男以来だよ!!あの男達よりも強いじゃないかい!!?」

 

 

「何平然と私の攻撃受けながら楽しそうに笑ってるのよ!?元はと言えば貴女が私が島を出ようとしていた時にいきなり襲い掛かってきたからでしょう!!私はあまり闘いは好きじゃないの!!!」

 

 

「おっと!私は嘘が嫌いだよ!!お前さんそんな風に言ってるけどさっきから私もゾクッとする程いい笑みを浮かべてるよ?」

 

 

「あら?バレちゃってたのねっ!!!」

 

 

(あはははは〜♪どうしよう物凄く帰りたい。選りに選って東方projectの中でかなり上位の力を持った2人が喧嘩しているとは・・・・

世界大戦よりタチが悪いわ・・・・)

 

 

 

紫は目の前で起きている喧嘩と言う名の最終戦争(ハルマゲドン)を見ながら苦笑いを浮かべていた。拳を石や相手の体にぶつけて鳴る様な音ではない爆音に近いを轟かせ、人間の成人男性の4倍はありそうな巨大な岩を束ねた日傘で粉砕し、島の少ない巨木を拳で粉微塵にしする。辺り一面に小さなクレーターが出来ており、酷い所では地面が一直線に抉られている。紫の前世にあったワンピースでもこんな凄まじい戦争(喧嘩)は記憶になかった。

 

 

 

(どうしたものかしらねぇ・・・下手したら2人一緒に相手しないといけなくなるけど、流石の私もあの2人を同時に相手するとなると重傷は確定なのよね。・・・・と言うかボルサリーノったらこの2人に殺気を出しながら忠告したの!?よくあの怪我だけで済んだわね!!消し飛ばされてもおかしくないわよコレは!!)

 

 

 

紫は今頃海軍本部の医療室で治療しているであろうボルサリーノに生きていた事を素直に凄いと飛んで来る岩のかけらをスキマに取り込んで回避しながら思っていた。今紫の前で暴れているのは2人とも東方projectのキャラクターだ。1人は金髪ロングで頭には立派な赤い角が一本生えており、角には黄色い星のマークがある。目の色は赤で、普通の人間より耳が尖っていて、服装は体操服をイメージした服に紫色のロングスカートに赤いラインが入った物をはいている。手には重そうな鎖付きの手枷が付いているが、その拳から放たれた攻撃は岩を粉々に粉砕している。彼女は星熊 勇儀。酒呑童子四天王の1人、星熊童子を元として産まれ、【語られる怪力乱神】の2つ名を持つ鬼である。

その鬼を相手に背筋が凍りそうな笑みを浮かべながら束ねた日傘を叩きつけるいる彼女も鬼ではないが東方projectでは上位の実力を持っている。癖のある緑の髪に、真紅の瞳。東方projectのキャラとしては珍しく頭に帽子や飾りなどをつけておらず、白のカッターシャツとチェックが入った赤のロングスカートを着用し、その上から同じくチェック柄のベストを羽織っている。またスカートには花の形をしたワッペンをつけており、首には黄色のリボンを付けている。彼女は風見 幽香。花を愛する妖怪であると同時に、好戦的な性格の【四季のフラワーマスター】の2つ名を持つ妖怪でもある。

 

 

 

(なんでこの2人がこんな所で争いあっているのかは置いといて、いい加減止めなければ島が海の藻屑になるわね。それに彼女達を仲間に迎え入れたいし・・・・腹をくくりましょうか。フッ!!!!)

 

 

ゾクッ!!!!

「「・・・・ッ!!!!???」」

 

 

 

紫が覚悟を決めて放った妖力と殺気を感じて幽香と勇儀の2人は手を止めてバックステップで紫から数メートル距離を取った。紫だって元人間とは言え数百年間の時を生きた大妖怪だ。このぐらいは出来て当然である。幽香は束ねた日傘を構えつつ紫を興味深そうに観察し、勇儀に至っては「また強い奴が来た!!」とワクワクした様子で笑みを浮かべている。

 

 

 

「初めましてお2人さん♪私は海軍本部で大佐をしている八雲 紫と申しますわ。以後お見知り置きを・・・」

 

 

「へぇ?さっきのピカピカおじさんよりも遥かに強いねぇ。私は星熊 勇儀。私達に何か用かい?私は今こっちの奴と喧嘩の真っ最中なんだが?」

 

 

「貴女がいきなり襲って来たんでしょう?でも確かに喧嘩を途中で邪魔をするのはどう言うつもりかしら?おっと、自己紹介が遅れたわ。私は風見 幽香よ」

 

 

 

勇儀と幽香の2人は紫に対して警戒しながら少し不機嫌そうに言う。紫は2人分の殺気と妖力を感じて冷や汗をたらりと流しつつ、扇子で口元を隠して笑いながら口を開く。

 

 

 

「喧嘩をするのは結構なのだけれど、貴女達2人がこのままこの島で暴れると島が地図から消滅しそうなのよ。だからさっき来たボルサリーノ・・・・あぁ、貴女達が言うピカピカおじさんね。彼も止めに来たのだけれど、ちょっと実力不足だったみたいねぇ?」

 

 

「ん?・・・あ、あちゃ〜。確かに周りが凄い事になってるね。ここ少し前まで4つ程火山あった筈なんだけど・・・」

 

 

「あぁ、さっきの猿っぽい人ね?いきなり弱い殺気を当てられて反射的にそこの女と同時に殴り飛ばしちゃったわ。・・・そんな事より貴女相当強いわね?しかも私やそこの女と同じ様な力を感じる。貴女・・・人間じゃないわね?」

 

 

 

幽香の言葉に紫は「御名答♪正解よ」とクスリと笑っているが、内心では自分が人間じゃないと一瞬で見破る幽香に驚いていた。勇儀が「あ、やっぱりそうだった?」と幽香に聞いている所を見ると、彼女も気づいていた様である。

 

 

 

「よく分かったわね。私を今の一瞬で人間じゃないと見破るのは貴女達が初めてよ?ついでに言うと私は貴女達がなんて言う種族か、どんな能力を持っているかも知っているわ」

 

 

「おっ!それは本当かい?いや〜私昔から角が生えてるし、殴ったらでかいクレーター出来るから人間ではないと分かっていたけど、自分が何族かは知らなかったからねぇ」

 

 

「それは私もよ。良かったら教えて下さる?八雲 紫さん?」

 

 

「えぇ、いいわよ。まずは勇儀だけど、貴女は鬼と呼ばれる力が自慢の妖怪よ。能力は『怪力乱神を持つ程度の能力』よ。それで幽香の方だけど・・・貴女は妖怪なのだけれど決まった種族名は無いわ。強いて言うなら花妖怪って所かしら?能力は『花を操る程度の能力』よ」

 

 

 

幽香の問いに紫は素直に答えた。幽香は何故か嬉しそうにしているが、原作では花が好きな妖怪の為、自分が花の妖怪と知って少し嬉しかったのだろう。勇儀は自分の種族や能力を聞いて「かっこいいじゃないか!!」と別の意味で喜んでいる。紫はついでとして自身の種族と妖怪とは何かを藍や村沙に説明した様に2人にも説明した。

 

 

 

「へぇ〜、妖怪ねぇ?まぁ特徴が全部当てはまっているから間違い無いんでしょうね」

 

 

「そんな事より喧嘩はどうすりゃいいんだい?私は幽香と・・・出来れば紫ともやりたいんだけど?」

 

 

「私はやりたくないわね。そうねぇ・・・ちょっと待ちなさい。暴れてもいい島を聞いてみるから」

 

 

 

紫は勇儀にそう言って電伝虫を取り出してコング元帥に連絡を取った。しばらくコールが続き、ようやくコング元帥が出た。

 

 

 

『おぉ紫か!?無事でなによりだ。それでどうかしたかね?』

 

 

「えぇ、どこかになくなってもいい島はないかしら?出来るだけ広い場所がいいのだけれど」

 

 

『ん?どう言う意味だ?いまいち状況が飲み込めんのだが・・・』

 

 

「実はね・・・・」

 

 

 

紫は勇儀と幽香の事をコング元帥に伝えた。コング元帥は紫が出来れば闘いたくないと言う程の2人に暴れられるのは自分の髪と胃の為にも勘弁してもらいたい為、すぐに問題ない島を紫に伝え、後はどうにかしてくれと頼んで電伝虫を切った。おそらく今頃医務室に胃薬をもらいに言っているだろう。紫は電伝虫を懐に仕舞って2人に向き直った。

 

 

 

「喜びなさい。好きなだけ暴れてもいい無人島があるみたいよ?しかもここより広いし、猛獣が沢山いる島が」

 

 

「本当かい!?いいねぇ!ありがとうね紫!」

 

 

「どういたしまして、じゃあ早速行きましょうか」

 

 

「?その島はここから近いのかしら?それ以前に船が・・・ッ!!?」

 

 

 

幽香が言い終わる前に紫が幽香と勇儀の足元にスキマを開き、2人を文字通り落としてその島へと移動した。場所は新世界のとある島。ここは海軍が偶々見つけた巨大な無人島なのだが、大佐クラスでは手に負えない程強い猛獣がうようよいる為、手付かずのまま放置された島である。勇儀は着地に失敗して尻餅をつき、幽香は一瞬驚いたものの見事に着地した。

 

 

 

「これが貴女の能力かしら?かなり便利な能力ね」

 

 

「これはスキマと言って、私の能力の応用よ。じゃあ私は離れて見ているから思う存分喧嘩しなさいな」

 

 

「ん?何言っているんだい紫?あんたも参加するんだよ?」

 

 

「・・・・はぁ?」

 

 

 

離れようと踵を返した紫に勇儀はそんな事を言い出した。

え?ちょ、何言っちゃってるのよ?

 

 

 

「そうね。いきなり妙な能力で落とされたのだもの。もう私達に手を出しているわ」

 

 

「嫌よ。なんで私が貴女達の相手をしないといけないのよ?それに私は近接戦闘は苦手な「おりゃあ!!!」ちょっ!?グッ!!!」

ドガッ!!!

 

 

 

呆れた様子で断ろうとした矢先、勇儀は紫に能力で強化された拳で殴り掛かり、紫はすぐさま反応してスキマから取り出した自身の日傘でガードした。しかしあまりの威力に紫の足元は陥没していた。紫は勇儀の拳を弾いて距離を取り、勇儀も弾かれた力を利用して距離を取る。

 

 

 

「ちょっと、危ないじゃない。いきなり背後から殴り掛かるなんて、か弱い女性にするものじゃないわよ?」

 

 

「あっははははは♪お前さんの何処がか弱いって?私の拳を日傘で防いでおきながらよく言うよ」

 

 

「やっぱり貴女もかなりの実力者ね。貴女が海軍大佐って嘘なんじゃない?さっきのピカピカ人間・・・ボ・・ボタンノール?が中将だとしたら、貴女元帥以上に強いんじゃないかしら?中将はその一撃で終わったんだし」

 

 

「ボルサリーノよ。ボ・ル・サ・リー・ノ。何よボタンノールって?後、私は間違いなく大佐よ?まだ海軍に入って日が浅いから大佐クラスなだけよ」

 

 

 

紫は幽香の間違いを訂正しつつ、段々殺気と妖力を上げていく2人に内心焦りながらもいつでも動ける様に構える。何時もならスキマで逃げて2人をこのまま島に放置するところだが、紫個人としては是非とも2人を仲間に迎え入れたいし、今逃げても十中八九泳いででも海軍本部に来て自分と闘おうとするだろう。そうなると、2人を止めようとして海兵達は死傷者多数。軍艦は全艦大破か撃沈。中将、大将クラスは重傷になる事は先ず間違いない。と言うか本当に幽香は兎も角勇儀はクロールしながら海軍本部に泳いで来そうだ。

 

 

 

「おっと!さっきのスキマってやつで逃げようなんて考えるなよ?もし逃げたらクロールでもしながら海軍本部って言ったっけ?そこに殴り込みに行って紫と決着つくまで暴れるからな」

 

 

(マジでやる気だったわこの鬼。と言うか今更だけど、星熊盃を片手に持っていないと言う事は本気で殺り合うつもりじゃない。さっきの拳だって私の手がビリビリ痺れたわよ?)

 

 

 

東方projectの星熊 勇儀は、戦闘の際は片手に星熊盃と呼ばれる一升入る星の模様がある赤い盃を持って闘う。因みに確かあれは鬼の名品であり、注いだ酒のランクを上げる不思議な盃だという。ただし注いだ酒の質は時間経過と共に劣化するため、注いだら早く飲まないと損をするらしい。確か生前勇儀が盃を持って闘うのは手加減をする為であり、盃の酒が溢れたら負けを認めると聞いたことがあるような気がする。それを持っていないと言う事は、元から持っていないか、幽香と本気で喧嘩をしていたと言う事。生前の記憶に本気の勇儀の実力は無い上、風見 幽香まで相手をしないといけなくなる為、紫も妖力を上げていく。

 

 

 

「おっ!?やっとやる気になってくれたかい?」

 

 

「えぇ、幽香は兎も角、貴女は本気で海軍本部に泳いで来そうだし、もう一度背を向けたら今度は幽香が襲って来そうですもの」

 

 

「あら?分かっているじゃない。賢い子は私は好きよ?」

 

 

「あら、ありがとう。お気持ちだけで結構よ」

 

 

 

幽香の笑っているけど笑っていない矛盾した恐ろしい笑みを見て紫は今すぐにでも逃げたいと思った。幽香は束ねた日傘を差してクルクル回しながら勇儀と紫を観察し、勇儀は拳を握ってそれはそれは楽しそうに笑みを浮かべている。

 

 

 

「さてと、やるからには私も手加減しないわよ?」

 

 

「当たり前だ。手加減したら私が許さないからね!」

 

 

「あら、私も許しはしないわよ?それより提案があるのだけれど、ちょっと賭けをしないかしら?」

 

 

 

「賭け?」と勇儀と紫は首を傾げる。

 

 

 

「このままじゃつまらないもの。どうせなら何かを賭けましょう?私が勝ち残ったら勇儀には私の手伝いを、紫には能力でいつでも私が好きな場所に行けるようにしてもらうわ」

 

 

 

成る程ね。幽香は私の能力が移動系の能力と認識しているのね?好きな場所となるとおそらく自分が見てみたい花が咲いている場所へ行く為ね。だったら私にもメリットがあるわ。勇儀も構わないみたいだし。

 

 

 

「いいねぇ!じゃあ私が勝ち残ったら、2人には私の喧嘩相手と酒飲み仲間になってもらうよ!」

 

 

「なら私が勝ち残ったら貴女達は私の仲間になってもらうわ。あくまで私の(・・)だから私以外の海兵の指示は無視していいわ」

 

 

 

勇儀と紫も話に乗り、それぞれ要求を言って構える。紫は正直仲間にするのはいいとして、どうやって仲間にするか悩んでいた為好都合だった。幽香も日傘を束ねて構えた。

 

 

 

「じゃあ、ルールは殺しは無し。他2人を気絶または降参させれば勝ちでいいわね?」

 

 

「えぇ、構わないわ」

 

 

「おう!分かりやすくていいねぇ!!」

 

 

 

紫のルール説明に2人は同意し、勇儀は拳に、幽香と紫は日傘を握る手に力を入れる。

 

 

「それでは・・・八雲 紫!」

 

 

「星熊 勇儀!」

 

 

「風見 幽香!」

 

 

「「「参る!!」」」

 

 

 

新世界のとある無人島にて、【語られる怪力乱神】、【四季のフラワーマスター】、【幻想の境界】の3名の妖怪による戦争(喧嘩)が始まった。








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