大海原に転生してスキマ妖怪   作:☆桜椛★

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スキマ妖怪の治療期間?

「・・・・うぅ・・ん?・・あら?ここは?」

 

 

「あ!!紫様!!目を覚まされたのですね!!?」

 

 

 

紫が目を覚ますと、そこには島とは呼べなくなった無人島の空は無く、どこかの屋内だった。紫はフカフカのベッドに寝かされており、何故自分がこんな所にいるのかを考えていると部屋の扉が開いてお湯の入った桶と手ぬぐいを持った藍が橙と一緒に入って来た。

 

 

 

「藍?ここはいったい・・・ッ!!?痛ッ!!!」

 

 

「あぁ、ダメですよ!酷い怪我で、回復術をかけはしましたが完治まで至っていないんですから」

 

 

 

紫が体を起こそうとしたが、右手を中心に身体中に激痛が走った為起こすのを止めた。藍に言われてなんとか動く首を動かして体を確認した。服は簡素な半袖の服とスカートの町娘風の物に変わっており、隙間から見える手や足には所々包帯が巻かれていた。右手に至っては肩から指先までグルグル巻きにされている。藍はベッドの近くにあった椅子に座って桶と手ぬぐいをベッドの空いている場所に置き、橙は目に涙を溜めて紫に抱き着いた。

 

 

 

「ゆがりじゃま〜〜!!いぎででよがっだでず〜〜!!」

 

 

「あらあら、心配掛けたわね橙。悪いけどちょ〜っと離れてくれないかしら?傷に響いて痛みがイダダダダダダッ!!」

 

 

「あぁ!橙、橙!ダメだぞ抱き着いちゃ!紫様はまだ怪我が治っていないんだ。大丈夫ですか紫様?」

 

 

 

藍は橙を抱き抱えて紫から引き離し、紫はまだ響いている激痛に顔をしかめた。しばらくジッとしていると痛みは引き、フゥと息を吐いて藍と橙を見た。藍は橙の頭に手を乗せて安堵したかの様な表情をしており、橙はグスグスと涙を流しながら大人しく撫でられていた。

 

 

 

「藍?ここはどこなのかしら?何故私はここに?」

 

 

「紫様が仕事に行かれて5時間程経った頃、私の持つ電伝虫にコング元帥から連絡があったのです。紫様が2人の妖怪と無人島にて交戦し、島が吹き飛んだと言われてすぐに紫様の居場所を察知してスキマを開いてここに連れ戻り、治療しました。ここはにとりと村沙の家です」

 

 

「成る程ね、ありがとう藍。助かったわ」

 

 

「いえいえ、紫様の式神として当然の事です」

 

 

 

藍は紫に礼を言われるとどこか誇らしげな表情で胸を張り、9本の狐の尻尾を左右にフリフリ揺らしている。紫はそんな藍を見て可愛いと思ったが、ふと大事な事を思い出した。紫が大怪我を負った原因である鬼の勇儀と花妖怪の幽香の事だ。

 

 

 

「藍?あの島で私以外に2人・・・・額に赤い1本の角が生えた金髪の女性と日傘を持って緑色の髪をした女性が居なかったかしら?」

 

 

「あぁ、それでしたら・・・・」

 

 

「おぉ〜〜い狐娘〜!!紫の調子はどうだい?・・・・お?なんだ起きてるじゃないか」

 

 

「あら?随分と遅い目覚めね。まぁ私達と比べてかなり重傷だったものね。4日間も寝たままだったのも無理も無いわ」

 

 

 

扉をバンッ!!と壊れるのでは無いかと心配になる程の音を立てて開くと、頭に包帯を巻いて盃を片手に持った勇儀と、頰の辺りに湿布を貼って日傘を肩に担ぐ様に持った幽香が入って来た。

 

 

「勇儀!幽香!貴女達も居たの?」

 

 

「何言ってんだい?お前さんは賭けに勝ったんだ。ならあんたが言った通りお前さんの仲間にならなきゃいけないだろう?」

 

 

「私は無視しようと思ったけど、勇儀がキチンと約束は守るって聞かなくてね。私だけ逃げてるみたいで嫌だったのよ。それに、久々に楽しめたしね。花達に会いに行けなくなるのは残念だけど・・・・」

 

 

「安心しなさいな。今はちょっと無理だけど、完治したら私か藍に行きたい島を言ってくれればスキマで連れて行ってあげるわ」

 

 

「あらそう?じゃあ安心ね。じゃあ今すぐ怪我を治しなさい。4日も寝続けたんだからもうすぐ治るでしょ?」

 

 

「無茶言わないでよ!!・・・・ってちょっと待って?4日って何?」

 

 

 

言ったそばから要求してくる幽香に突っ込む紫だったが、彼女の口から発せられた言葉を聞いて思わず聞き返した。幽香は何を言っているんだ?と言いたげな顔で説明した。

 

 

 

「いいかしら紫?1度しか言わないから良く聞きなさい。4日と言うのは1日と言う24時間が4つ分の期間のことで・・・・」

 

 

「貴女私に喧嘩売ってるのかしら?そこじゃ無いわよ!!私4日も寝てたの!?」

 

 

「あぁ、そっち。えぇ、何せ私のマスタースパークと勇儀の・・・三歩必殺って言ったかしら?その2つを受けたんですもの。普通なら死ぬ程の攻撃受けて4日で意識を取り戻したんだから良かったじゃない」

 

 

「貴女達最後のアレ私狙いだったの!?それよりどうしましょう。後休暇は3日しか無いわ」

 

 

 

コング元帥からは1週間の休暇を貰っている。しかしまさかの1日目に化け物も逃げ出す程の強さを持つ2人の妖怪と殺り合って重傷負って4日も寝ていた為残りの期間は3日を切っている。仲間探しの為の大切な時間を寝て過ごしてしまった事に紫は大いにショックを受けた。すると藍が「あっ!」と声を上げて話し始めた。

 

 

 

「申し訳ありません紫様。私とした事が大事な事を言い忘れておりました。実は紫様の治療を終えた次の日の昼頃に再びコング元帥から連絡がありまして、紫様には休暇前に言っていた任務を終えた後日、もう2週間程休暇を下さるそうです」

 

 

「え?それは本当かしら?」

 

 

「はい。休暇中に呼び出して仕事をさせた事すら申し訳ないと思っていた様ですが、それが原因で紫様が重傷を負って4日も意識を戻さなかった為その様な処置を施したらしいです」

 

 

「そう・・それは有難いわ。・・・・あら?そう言えばにとりと村沙はどうしたのかしら?能力の扱いは上達した?」

 

 

 

紫は休暇が増えた事に心の中でガッツポーズしていると、ふとこの家の主人であるにとりと村沙の事を思い出した。流石に4日も経てば能力の扱いもマシになっている事だろう。そう思って藍に聞いてみたのだが、カチンと先程まで表情豊かだった藍の表情が固まり、次第に冷や汗をダラダラと流し始めた。

え?何?2人に何かあったの?

 

 

 

「えぇ〜〜っとですね?実は〜その〜〜・・・・」

 

 

「藍?何故目を逸らすのかしら?私の目を見て正直に答えなさい」

 

 

「じ、実はですね・・・・村沙の能力の扱いは見違える様に上達したんです。したんですけど・・・・少々問題が発生しまして」

 

 

「問題?いったいどうし・・・」

 

 

『あ〜はっはっはっはっはっはっ♪にとり!次よ次!今度は100!いや、200隻追加して!!』

 

 

『りょ〜か〜い!!じゃあ次は砲弾を撃ってくるやつにしようか!』

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

紫が藍に詳しく話を聞こうとしたが、突然外から聞こえて来た件の2人の声が響き渡って来て、紫は口を閉ざし、藍は苦笑いを浮かべている。紫は黙って痛む体を起こして窓の外を見た。どうやらこの家はにとり達と会った造船ドックが一望出来る場所に作られている様で、窓から2人の姿が見て取れた。にとりはリュックから伸びたアームもフルで使って大砲付きの小船を作って行き、海の上に文字通り立っている村沙は錨を片手で軽々と持ち上げてバトンの様にクルクル回している。顔は心底楽しそうに見えるのだが、幽香の様に強い殺意や威圧感はないが、それに似た怖い笑みを浮かべていた。完成して海を進んで砲弾を撃ってくる小船を見て村沙は更に笑みを深め、砲弾を海を滑る様に躱しながら距離を取り、錨を薙ぎ払う。すると小さいが津波が発生して砲弾ごと小船を呑み込んで行った。一見以前より悪化した様ではあるが、キチンと印がある船は無事である。紫は物凄く微妙な顔をして藍を見る。藍は頰をポリポリ掻きながら目を逸らし、幽香と勇儀はクスクス笑っており、橙は眠くなったのかベッドの端っこで丸くなって寝ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

結果から言うと、村沙のアレは舟幽霊と言う種族故の本能の様なものだった。なんでも私がスキマでボルサリーノの軍艦に向かったその日の内に自然とそうなってしまい、能力を自在に操れる様になった代わりに船を沈める事に関しては物凄くテンションが上がる様になったらしい。う〜〜ん、どうした物かしらねぇ?聖 白蓮がどうやって彼女を大人しくさせたのか私は知らないし、一応本人も意識もハッキリしているからガープみたいな戦闘狂にはならないのが幸いね。

次の日には紫は完全復活し、傷跡1つ残さず完治した。最悪後遺症的な何かは覚悟していたがそんな事はなかった。服については喧嘩をした日に着ていた服は修復不能になっていた。あの戦争より激しい戦闘を一部穴が開き破ける程度で原型が残っていたのだからよく持った方だった。紫はスキマの中に同じ服を何着か保管しているから問題なかったし、幽香は別の島にある小さな家に服があったのでこちらも問題なかった。問題があったのは勇儀だ。ボルケガ島にいた時から同じ服を洗って過ごしていたらしく、替えの服を持っていなかった。紫は仕方なくスキマを開いて勇儀に似合いそうな服を買いに行ったのだが、なんと言う偶然か、もしくは神の御加護か、原作の勇儀の和服が店で売ってあった。しかもたったの5ベリー。流石に安過ぎるため店主に理由を聞くと・・・

 

 

 

『少し前にこの綺麗な着物と同じ素材の生地を偶々見つけてね、これは売れると思って格安だったし取り寄せたんだ。しかし取り寄せたまでは良かったんだが、これ異常に丈夫過ぎて持ち上げるのに男5人は必要なんだよ・・・こんな物そこらの娘っ子にゃ着れねぇから1っつも売れねぇから参ったよ』

 

 

 

と、涙を流しながら説明していた上、勇儀がその美しい着物を気に入ったのでサービスで1着1500ベリーで5着程買い、ついでに同じ素材の生地を買い取った。藍は少し重そうな顔をしていたが、普通に持てた。藍にはこれでボロボロになった勇儀の服を作って貰おう。針は妖力を纏わせてやれば通るはず。後、買った時に店主は大喜びしていた。

そして今幽香とお茶を飲んでいる私の目の前では、水色の生地出来た着物を肩と胸辺りをはだけて赤い帯で締めて着用している勇儀が、最近覚えた弾幕と自身の力を使って藍、橙、にとり、村沙を相手に模擬戦をしていた。

 

 

 

「あっはっはっは♪いや〜弾幕って言ったっけ?こりゃ意外に面白いねぇ!喧嘩とはまた違う面白さだよ!!」

 

 

「クッ!!紫様に重傷を負わせた1人として覚悟してはいたが、まさかここまでとは・・・・」

 

 

「いやいやいやいや!!弾幕を地面をひっぺ返して盾にして防ぐなんてどんな怪力してんのさ!!?」

 

 

「私の能力にかかれば楽勝さね。・・・おや?もう1人はどこ行った?」

 

 

「貰ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

藍と橙とにとりの弾幕を地面をひっぺ返して防ぐ勇儀ににとりは突っ込みを入れる。にとりはそう言っているが今の勇儀は片手に星熊盃を持ち、中に酒を入れている。つまりは手加減をされている。盃を傾けながら藍達を見て村沙がいない事に気付いた勇儀の背後から今度は村沙が錨を振りかぶって勇儀に叩きつけた。しかし錨を叩きつけたにも関わらず勇儀はビクともせず、何故か金属音と火花を散らして錨が止まった。

 

 

 

「〜〜〜〜〜ッ!!?いったぁ〜〜〜〜いっ!!!!???」

 

 

「ん?なんだい?何で叩いて・・・・おぉ!錨で殴られたのは初めてだ!あっははははは♪」

 

 

「クゥ〜〜!!な、なんて体なの!?手が折れるかと思ったよ!!?」

 

 

 

勇儀は豪快に笑いながら村沙の錨を持ち上げてクルクル回している。紫はお茶を飲みながら村沙を気の毒に思った。

 

 

 

「あらあら、アレは痛いわよ。貴女もそう思うでしょう?幽香?」

 

 

「まぁね?あいつの体は異常に丈夫だもの。あの子達じゃ傷1つ付けられないわね」

 

 

「う〜〜ん、藍ならワンチャンあると思ったのだけれど・・・・やっぱり厳しかったかしらねぇ?」

 

 

 

紫は藍達と勇儀の模擬戦を簡単に分析しながらお茶を啜る。勇儀と幽香は教え始めて1、2時間程度で弾幕を撃てるようになったどころか空を飛ぶことも出来るようになった。まぁ勇儀は足は地面についていた方がいいとあまり空を飛ばないが・・・。まぁそれは置いといて、藍は弾幕、体術共に優れたバランスタイプではあるが、思いがけない事・・・例えば先程の勇儀の防御方法などが出た場合一瞬だが動揺する。クザンやボルサリーノならば兎も角、ガープ辺りには隙を作ってしまう。にとりは主に道具に頼りっぱなしである。今も空を飛んで入るが、自分で飛ぶのが疲れるのかリュックからプロペラを出してヘリの様に飛んでいる。故障・・・は無いな、破壊された時に問題が起きるだろう。村沙は弾幕は良いが近接戦闘に少々隙がある。錨を振りかぶって振る時に遅れが出来てしまうため常に相手の数手先を読む様にしなければ確実に隙を突かれる。橙は・・・・完璧に経験不足だ。機動力は優れているが、まだまだ遅い。

 

 

 

プルプルプルプル、プルプルプルプル、プルプルプルプル・・

 

 

「あら?紫、貴女の電伝虫が鳴ってるわよ?」

 

 

「え?あ、ほんとだわ・・・・はぁい?どちら様かしら?」

 

 

『私だ。実は明日の任務について話をしておきたい』

 

 

「あらコング元帥。久しぶりねぇ?そう言えば明日だったわね。いったい何をするのかしら?」

 

 

 

連絡して来たのはコング元帥だった。まぁ私は知ってて誰か聞いたのだけど。

紫はクスクス笑いながら挨拶した。幽香も紫が参加する任務とやらに興味があるのか聞き耳を立てている。

 

 

 

『あぁ、今回の任務は『バスターコール』・・・軍艦10隻による攻撃命令の参加だ。対象は・・・・『オハラ』と言う島だ』

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