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「…多分これで大丈夫だと思います。この薬は即効性がありますから」
僕は家から持ってきた薬箱をリュックに戻しながら牧場長にそう伝える。
「でも少し待って回復の兆しが無かったらまた言ってください。それなら別の薬は持ってますので」
「あ、あぁ…」
牧場長は歯切れの悪い返事だ。まぁ見知らぬ少年がいきなり押しかけて治療をしていたらそうなるのも無理はないか。
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僕達は先程エンジュから38番道路を通り39番道路にあるモーモー牧場へと訪れていた。目的はモーモー牧場の看板メニューであるモーモーミルクである。
モーモーミルクは前々から栄養たっぷりで萌えもんに対しても回復効果があるとされている飲み物だ。是非とも一度は飲んでみたいと考え、ここを目的地とした。
しかし牧場に辿り着くと牧場の萌えもんであるミルタンクの調子が悪くモーモーミルクは今出せないとの貼り紙が掲示板にあった。仕方無い…出直そう。そう思っときにつーからこんなことを言われた。
『調子が悪いならさー治せばいいじゃーんー』つーもモーモーミルクを飲みたかったのだろう。まぁつー側からしたら頑張って38番道路の野生の萌えもん、何人かのトレーナーと戦ったのに只で帰りたくないといった心境なのだろうか。
つーの言葉を受け、僕は恐る恐る牧場小屋に入り、調子の悪いミルタンクの治療をしてそして現在に至るという感じ…かな。
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「ドラちゃん、お疲れー」
小屋から出ると側の柵に寄りかかるつーの声が聞こえる。
「ん、あのミルタンク多分だが大丈夫そうだ」
「おぉー、流石ドラちゃんー」
「このまま牧場見て帰るだけは寂しいからね。治ると良いけど…」
そう言いつーが寄りかかる柵に僕も寄りかかる。地面に生える牧草の感触と風が心地よい。
「そういえばさー」
つーが僕に話を振る。つーはいつものぼーっとした表情だ。
「ドラちゃんはさー、何で旅してるのよー」
「よく聞くさートレーナーの目標の一つのリーダーバッチにも興味無いっぽいしー」
僕はつーの言葉を聞き入れる。僕が返事しないからかつーは話を続ける。
「知らない所や面白い所に行こうって気も薄いよねー。ここも知ってたんでしょー?」
「…明確に何かをしたいって気も無いでしょー。只旅したいってー」
「んー、そうだな…」
僕は頭の中でつーの言ってることの答えを考える。子供の頃からずっとタンバの薬屋の息子だった。でも家を継ぐのが嫌という訳では無い。そんな中で前々から旅に出たいという欲求があって…そういえば何故ここまで旅に出たいと思ったんだろうか?考えが纏まらないまま僕は答えを出す。
「僕の旅は旅の意味を知る為なのかな。…何言ってんだって感じだな」
ハハと空笑いしてつーの方を見る。つーはぼーっとした表情でこちらを見つめ、そしてフッと息を吐いた。
「んー、ふんわりした回答だなー。そんなんじゃつー以外は付いてこないよー」
「…だからさー、これからも仕方無いからつーが…」
つーが何か言いかけた時、牧場小屋の小屋が開き牧場長が現れる。彼は僕を視界に捉えるとこちらに向かってくる。
「あんちゃん。あんた凄ぇよ!ミルタンクの奴すぐ元気になっちまった!」
「…!そうですか!良かったです…!」
「あんちゃん!ちょっと時間はあるかい?是非ともお礼をさせてくれ!」
僕は牧場長に引っ張られ小さな家に連れて行かれる。それをぼーっと見ていたつーもそれに付いていこうと立ち上がる。
「…はー、詰めが甘いのは誰に似たんだかなー」
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「いやーこれで景品の納期に間に合うよー。今回は無理かと連絡入れようとしてたんだよー」
牧場長は嬉々として僕に話している。僕は彼が出してくれた出来立てのモーモーミルクを飲みながら相槌を打つ。…うまっ!
「…景品?」
景品という言葉に違和感を覚え、僕は聞き返す。販売ではないのか?
「そうそう、いつもこれの景品で家のモーモーミルクを出してるんだ!そろそろ納品しないと大会に間に合わないからな!」
彼は席を立ち…暫くすると一枚のチラシを手にしてこちらに戻ってくる。そのチラシには…