萌えもん~multi travel~   作:マクドール

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ここは自然公園。緑豊かな憩いの公園。


薬屋の息子-5

 

申し込みはすんなりと終わった。

 

 

「はい。これで登録が完了しました。開始の際にはアナウンスさせて頂きますのでよろしければこちらをご覧になってもう少々お待ち下さい。」

 

 

「はい」

 

 

僕は自然公園の職員から参加証と『虫取り大会について』と書かれたパンフレットを受取り大会受付場から少し離れた場所のつーが座っている椅子の隣に座る。

 

 

「登録出来たよ。つー、こんなのも貰った」

 

 

貰ったパンフレットを開きながらつーに話し掛ける。適当に開いた所には『主な出現萌えもんについて』と記されている。その中身に僕は目を通す。

 

 

「………んー」

 

 

つーは普段ののんびりした性格のつーだとしてもちょっと遅い返事でこちらに目を向ける。

 

 

「へー、色々いるなぁ。つーはどれがいいかな?」

 

 

僕が見る先には様々な虫萌えもんの写真があり、その中でもストライクの写真に目を奪われる。…その躍動感のある写真には凛としたストライクの姿があった。とても格好いい。男の僕でもそう思う程だ。

 

 

「ほら、このストライクとか…「ねぇ、ドラちゃん」

 

 

つーが僕の言葉を遮る。僕はつーの方をパンフレットから目を離し、つーの方を見るとつーと目が合う。

 

 

…まるでパンフレットなど始めから見ていなかったのではないかと感じる程ばっちりと目が合ってしまった。その状態でつーは話を続ける。

 

 

「ドラちゃんはさー、何でこの大会に参加しようとしたのよー?」

 

 

「え、萌えもん捕まえる為だけど」

 

 

僕は慌てて目線を逸らしパンフレットに目線を戻しながらつーにそう言うと彼女はまだ話を続ける。

 

 

「…OK。ドラちゃん相手にこれはつーが悪かったねー。質問を変えますー、どうして他の萌えもん捕まえたいって思ったのさー」

 

 

つーはこちらを覗き込む様に顔を寄せてくる。またつーと目線が合う。…よく見ると僕の気のせいだろうか、普段のぼーっとした目線とは何処か違う雰囲気を漂わせている。

 

 

「えーっと、その…だな…」

 

 

「………」

 

 

僕は新しく萌えもんを捕まえる理由を話そうとするが話すのは少し恥ずかしい…が話すしか無いだろう。僕はつーから目線を逸らさずこう言った。

 

 

「つーもバトルは一匹じゃ大変だろ?それに…その…、萌えもんの仲間とか友達とかがいた方がつーも嬉しいかなって…」

 

 

「あんまり僕には分からないけど虫萌えもんならタイプがつーと一緒だから気が合うのかな…とか…」

 

 

「…はー?」

 

 

自分で言ってて少し恥ずかしくなるがこれは本心だ。つーの負担を減らしてあげたいと思うし、自分以外にも友達や仲間がいた方がつーの為になるだろう。その為にこの虫取り大会に間に合うように道中急いで来たのだ。

 

 

…つーの方を見ると呆れが混じったぼーっとした目線でこちらを見ている。やはり先の雰囲気は僕の気のせいだったみたいだ。

 

 

「タイプ一緒だから気が合うとは限らないんだけどなー、ドラちゃんー」

 

 

「だ、だよな!でも一応…さ」

 

 

「…まー、ドラちゃんが選ぶなら誰でもいーや。…どれが狙いなのー?」

 

 

つーは僕が広げているパンフレットに目を向ける。まぁさっきも言ったけどここは…

 

 

「…ストライクとかどうかな?」

 

 

つーはその言葉を聞き、ストライクが映る写真をじっと見つめている。そしてつーが悪戯っぽく笑いながら僕にこう言った。

 

 

「おー、おっぱい大きいもんねー。ドラちゃんはこーゆーのがご趣味ですかー」

 

 

「はは、それ言ったらここに載っている写真のほとんどはつーより大きいじゃないか」

 

 

 

 

「………」

「………」

「………」

「参加登録をお願いしたい。まだ大丈夫かい?」

…受付場から声が聞こえる。

「………」

『間もなく参加登録を締め切ります』

…アナウンスが聞こえる。

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「すみません、参加します!…エレ、すぐ準備しなさい!」

…受付場から声が聞こえる。

「………」

『間もなく虫取り大会を開催します。参加者は参加証をお持ちの上、広場まで…』

…アナウンスが聞こえる。

 

 

 

 

え?この空気の中で行かないといけないのか、僕達は…

 

 

 

 

 

 

…広場で行われている開会式の挨拶中に仏頂面のつーが小声で呟いた『ストライクは駄目』という言葉に対し僕は頷くしかなかった。

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