萌えもん~multi travel~   作:マクドール

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ここは35番道路。こちら自然公園とコガネシティ間、人の流れが絶えぬ道。


理科系の女-6

 

「やぁ、トレーナーさん。先程はすまなかったね」

 

 

私達が虫取り大会後、コガネシティ北口ゲートに入ろうとした時後ろから声をかけられ、振り向く。

 

 

そこには虫取り大会の際に追い掛けていたストライクが立っているではないか。私はこの子をゲット出来なかったせいで結局最下位になってしまったのだ。

 

 

「あら?貴女は………エレ!確保よ!押さえときなさい!」

 

 

「ええっ…悪いがマスターの命だ。大人しく…「いいよー、ゲットしても」

 

 

「…は?」

 

 

「…え?」

 

 

私とエレは彼女の反応に驚く。…どうしたのだろうか?そう考えていると私達の中で驚いていない平静なヤドが口を開けた。

 

 

「いやー、待つのですぞ。こんないきなりゲットしてもいいなんて怪しすぎますぞ」

 

 

いや、あんたもそんな感じだったでしょ…と内心思うが口には出さない。

 

 

「ふふ、そう言うと思ってね。手土産も用意してきたのさ」

 

 

そういうとストライクは懐から何かを取り出した。…モーモーミルク三本だ。

 

 

「ほら、どうぞ」

 

 

「おぉ…マスター、ゲットしましょう。いい奴ですぞー」

 

 

「う、うむ…感謝する」

 

 

ストライクはヤドとエレにモーモーミルクを一本ずつ渡す。そして私にも…

 

 

「ほら、トレーナーさん。どうぞ」

 

 

「ねぇ、これって…」

 

 

私はふと頭に疑問が浮かぶ。…私の反応からストライクの彼女は気づいたようだ。

 

 

「ん?大会場から頂いて来たのさ」

 

 

「…っ、あんた達!まだ飲んでないわよね!?」

 

 

ストライクの言葉に私はエレとヤドの方を見る。

 

 

…どうやらまだ手を付けてないようだ。私は二人が手にしてるモーモーミルクを奪うように取る。ヤドの落ち込む声が聞こえる。…その様子にストライクは驚いているようだ。

 

 

「…貴女、ちょっと来なさい。謝りに行くわよ」

 

 

「…え?ど、どうしてだい?別に………」

 

 

「いいから!…ごめんね、二人はちょっと戻っててね」

 

 

こうして私はボールにエレとヤドを戻し、ストライクの手を引っ張りながら来た道を戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!」

 

 

虫取り大会会場の役員さんに私は頭を下げる。頭を下げないストライクにも半ば無理矢理頭を下げさせる。…その時ストライクが震えているような気がした。

 

 

「間違えて持って行ってしまいまして…」

 

 

「…分かりました。返しに来てくれてありがとうございます。次からは気をつけて下さいね」

 

 

役員さんは若干不機嫌そうだが、返しに来てくれたことは感謝しているようだ。私は謝罪を続ける。

 

 

「私の萌えもんがやったんです。全て私の責任です。しっかり教育していくので…」

 

 

そう言うと頭を下げさせているストライクの体が震えが止まる。…その様子に私は小声で「大丈夫よ」と伝える。

 

 

そうしばらく謝ってる内に役員さんももう大丈夫とのことなので私は最後まで謝りつつ、ストライクを連れながら自然公園を後にした。

 

 

 

 

 

 

「…何でこんなことしたの?」

 

 

私は隣で落ち込むストライクに声を掛ける。それに対し彼女は答えようとしない。…多少強引にでも聞くしかないか

 

 

「…もう貴女は何と言おうと私の萌えもんなの。…マスター命令よ、答えなさい」

 

 

「…ウチのせいで」

 

 

…私の言葉にストライクは震え、涙を浮かべながら話始めた。

 

 

「大会…駄目だったから…今更仲間にって言っても駄目じゃないかなって…」

 

 

………分かった。

 

 

この子は怖かったんだ。私達に拒否させるのが、だから手土産を用意したのか………馬鹿な子だ。

 

 

「私のパーティーはね…」

 

 

「バトルからっきしな子とか何故か付いてきたかよく分からない子とかがいるの」

 

 

「でもね。悪い子はいないの。皆私に従ってくれてるわ。だからね…」

 

 

私はストライクを優しく抱き締める。その時彼女の体が僅かに震える。

 

 

「もう悪いことしないなら大歓迎よ。…ほら」

 

 

そう言い私はボールを取り出す。そして彼女にそっと当て………少し揺れた後ボールは止まった。

 

 

「ストライク…。んー…ライね!貴女を歓迎するわ。…頑張りましょう!」

 

 

私はボールを投げる。光の中からライが現れ…私に抱きつく。

 

 

「ん、ウチを今後ともよろしく…」

 

 

 

 

 

 

無事仲間になった所で皆にもライの紹介をしないとね…。ライは先程から一転して飄々した態度だ。

 

 

「ストライクのライです。先輩方、よろしくお願いしますー。あ、ウチの主な技は辻斬り、見切り、泥棒、翼で打つなんで…」

 

 

「………ちょっと待って!泥棒は忘れなさい!今すぐ!」

 

 

「虫技が無いのですが…。まぁ力量は私より高そうですが…」

 

 

「おぉー、個性的な技ですな。私とは大違いー」

 

 

冷凍ビーム使えるあんたが言うな、そう思ったが口に出すのは止めよう。

 

 

………技忘れとかってどうやるのかしら?私はそんなことを考えていた。




ライ(ストライク)
性格:臆病
自然公園にて『辻斬りのストライク』の渾名で有名だった萌えもん。普段は飄々としているが内心では周りに嫌われてないか等を気にすることが多い。野生の時のポリシー『強いすぎる奴は相手にしない』という臆病な内面をセーレ達となら変えられると信じ、未熟な指示の下戦っている。ビジュアルは黄緑のボーイッシュヘアー。白と緑の服に両腕に伸縮可能な刃がある。
…ヤド曰く男性の視線を『泥棒』出来る要素があるらしい。
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