萌えもん~multi travel~   作:マクドール

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※番外編です。本編とは関係無いです
※中編と同じくらいのヤンデレ度…だと思う


番外編:『萌えもん達がヤンデルスに感染した様です。後編』

 

~case8~

 

何だこれは。

 

 

この感情は。

 

 

私が私で無くなる。

 

 

…怖い。私が私で無くなることがじゃない。

 

 

マスターを、仲間を傷付けかねないこの感情。

 

 

「ウチ…ヤバいなー、これはー」

 

 

私は木の上で一人呟く。

 

 

『お前が好きなマスターはお前を捨てる』………そんな訳ない。マスターは私を受け入れてくれる。

 

 

『仲間をお前を受け入れない』………そんな訳ない。皆いい子達だ。私とは比べ物にならない程。

 

 

分かっている。が気持ちが押さえられない。

 

 

『マスターを私のものに。邪魔する周りは排除する』………いけない。それは駄目だ。

 

 

………あぁ。憎い。この感情が。

………あぁ。煩わしい。この思考が。

………あぁ。嫌になる。この自分が。

 

 

分かった。もうこうするしかない。考えてはいたんだ。考えたくなかったけど。

 

 

 

 

私がいなくなればいい。私自身が私の喜びの為に一番邪魔だ。

 

 

私の喜び。マスターは私を受け入れてくれる。仲間も私を受け入れてくれる。そして私達は楽しく旅をするんだ。そんな日常。

 

 

消させるものか。今の私はその理想郷を消しかねない。

 

 

私は自分自身の右の刃を伸ばす。

 

 

…怖い。手が震える。その時…

 

 

「あ!ライ、ここにいたのね」

 

 

マスターは私を見つけ声をかけてくれる。

 

 

「いやー、急に何処か行っちゃうから探したのよ!エレとヤドも探してるから早く帰りましょ!」

 

 

………あぁ。やっぱり私は間違って無いじゃないか。

 

 

手の震えが止まった。

 

 

私の理想の為…

 

 

私は私を消そう。

 

 

………

 

 

………

 

 

マスターの声が聞こえる。泣きわめく声が。マスターらしくもない。

エレさんの声が聞こえる。呆然として震える声が。エレさんらしくもない。

ヤドさんの声が聞こえる。はっきりとした声が。ヤドさんらしくもない。

 

 

『馬鹿め』………そうかな。私は私の好きなものを守ったんだよ?

 

 

これ以上の喜びはない。

 

 

~case8 end~

コメント:ライは大体予定通りだがR-15や残酷な描写タグを入れない為に気を使った。これでうまく表現出来てるか少し不安。

 

 

 

 

 

~case9~

 

 

僕の体の中を何かが駆け巡る。おかしい。まさか…

 

 

僕は目の前のつーを見る。つーは口角を上げ、こちらを見つめている。

 

 

「つー…僕に何かしたな?」

 

 

「…分かっちゃうかー。流石だよ、ドラちゃんー」

 

 

やはりつーがしたのか。この変な感覚は先程つーに会ってから出てきたものだ。

 

 

「本当に凄いよー。ドラちゃんはー、まさかあの短期間でモエルスの亜種という情報だけでヤンデルスの抗体薬を作るんだもんー」

 

 

「お陰で私は無事つーちゃんに戻れたんだからー」

 

 

彼女が微笑む。その顔を見た僕は照れからか恥ずかしくなり目を反らす。

 

 

「………抗体薬は飲んだんだよな?」

 

 

「うんー。だってドラちゃんがつーの為に作ってくれたんだよ?喜んで飲んだよー」

 

 

微笑みながらつーは近付いてくる。

 

 

「でもさ」

 

 

僕の目の前に来たつーは伏せていた僕の顔を覗きながら呟く。

 

 

「やっぱり馬鹿。詰めが甘い」

 

 

つーが呟いたその言葉が脳の中で響く。その声が僕の判断を鈍らせる。

 

 

「んーとね…これか」

 

 

つーは懐から何かを探し、それを取り出す。その一挙一動に目が離せない。

 

 

「これはねー、ヤンデルスの抗体の逆バージョンになるのかなー?促進薬かなー?つーはドラちゃんと違って時間が掛かったよー。これを人間にも作用するようにするにはねー」

 

 

「完全にじゃないけど人間にも効いてる筈なんだー」

 

 

 

 

「で、感想を聞きたいな?どう?」

 

 

僕に耳元で聞いてくる。その声、仕草が僕の感情を荒ぶらせている。

 

 

………まずい。抗体薬…あ、そうだ…

 

 

「ふふっー。抗体薬探してるのー?無いでしょー、急造仕事でつーの分しか作ってないー。だから詰めが甘いんだよー」

 

 

「でもさー、必要…かなー?」

 

 

つーが僕を抱き締める。力が出ない。離れられない。離れたくない。

 

 

………待て。本当にまずい………!

 

 

「要らないよねー?一応御用意はしましたがー」

 

 

つーがもう一つ薬を出す。見覚えがあるあれは…

 

 

………

 

 

僕の感情を邪魔するものだ。

 

 

「…あららー?要らないかー。なら代わりにつーをプレゼントー、なんてねー」

 

 

つーが更に力を入れて抱き締めてくる。僕の愛しい人が僕をここまで愛してくれてる。

 

 

「全くー、ドラちゃんはつーがいないと駄目なんだからー」

 

 

その通りだ。僕を今まで支えてくれた彼女に僕は恋をして…彼女は僕を受け入れてくれる…居なくなるなんて考えられない。

 

 

「うん、ごめんな」

 

 

僕は謝りながらつーの胸に顔を沈める。

 

 

「大丈夫ー、気にしないでー」

 

 

顔を見上げると彼女はにやりと微笑む。

 

 

あぁ…

 

 

なんて可愛らしいんだ。

 

 

なんて愛おしいんだ。

 

 

~case9 end~

コメント:ラスボス。やはり格が違った。




番外編はこれで以上になります。
自分の趣味全開ですが楽しんで頂けたでしょうか?


次からは本編に戻ります。
この雰囲気から本編に戻れるかなぁ…(不安)
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