スリバチ山を抜け、チョウジに辿り着いた私は萌えもんセンターで萌えもんの回復をしてその後、真っ先に目的地に向かおうとしていた。
しかしそれは警備員達に遮られることになる。そして彼等の内の一人が私にこう言った。
「あ、今はここは通行止めなんだ。ごめんね」
まぁこうなるわよね。この先…
怒りの湖で起こっていることを考えればそれも無理はない。私は状況の確認の為警備員さんに何があったのか聞いてみる。願わくば私の聞いた話とは違って欲しいという意味を込めて。
「…何かあったんですか?」
「今、湖の周りにギャラドス達が集まってるんだよ。まだ何も無いけれど危ないからね」
「あぁ…やっぱり…。こんなことして…」
私は小声で呟く。やはりコガネの萌えもんセンターでケイブさんに聞いた話通りだ。そしてその話に寄れば…
「しかも怒りの湖の伝説のね…」
「赤いギャラドスがいるらしいよ。まさか本当にいるとはね」
警備員さんの話はケイブさんの話と同じ内容だ。…ならば私がここに来た意味はあったということだ。でもどうしようか。怒りの湖へは現在通行止めなのよね。
………
少し警備員さんに話をしてみるか。無理なら裏道でも探して強引に入ろう。あまりそういうことはしたくないけど…
「………多分ですけど、…それ私の萌えもんかもしれません」
そう言うと警備員さんが軽く笑う。まぁそうなるわよね。
「赤いギャラドスがかい?冗談は程々に…」
「そのギャラドス…火を吐くでしょ。聞いた話によると」
私の話を冗談と思い、帰らせようとする警備員さんの表情が私の言葉により固まる。そして一瞬笑い、私にこう言った。
「普通そんなギャラドスがいないよ」
確かに普通はそうだ。通常のギャラドスでも火を吐くことは出来るらしいがそれはトレーナーの萌えもんの場合だ。基本的には火は吐かない。
「電気を出すワニノコやエスパーを使うジュプトルじゃあるまいし」
しかし警備員さんはその後驚くべきことを言い、私を見る。…どういうことだ、冗談としては正確過ぎる…
「…何てね、冗談だよ。深く考え過ぎさ」
黙っている私に対し警備員さんは軽く笑う。そして…
「ちょっと試したのさ。通っていいよ、ホロンの姫さん」
「………!貴方は、いや貴女は…」
そう言って帽子を取った警備員さんの姿を見て驚く。女性だったのか。そして私のことをここまで知っているのか…!つまりこの人が…
「話はアイツから聞いてるさ。ただちょっとあんたを一目見たかったのさ」
「じゃあ貴女が所長…さん?」
「ん、正解」
私の問いに対してそう応えると彼女はその場を離れチョウジに戻ろうとする。その去り際に私にこう言った。
「じゃ湖の馬鹿をどうにかしておくれ、頼んだよ」
「…はい」
あの子のことを頼まれるのは正直不安だが私がどうにかするしかない。そう決意し私は言葉を続ける。
「赤いギャラドス…フィーアのことは任せて下さい」