『ツヴァイ、お前にはまだ危険だ。下がってろ』…先程ドライねーちゃんから聞いた言葉だ。そして現在、ツヴァイはその言葉通りに怒りの湖に向かうドライねーちゃんとホロねーちゃんの後ろを歩いている。…ツヴァイはずっとこのままでいいのかな?最近そんなことを考えている。
『フィーア相手ならバトルもあり得るからね 』…これはホロねーちゃんの言葉だ。…そうかな?フィーアねーちゃんはちょっと怖いけどいつもツヴァイに優しくしてくれたよ?…でもツヴァイはそれを言い出せないでいた。ツヴァイが言うことはきっと間違っているから。
「…!お嬢…」
「えぇ…」
怒りの湖へと後少しかという草むら辺りでドライねーちゃんの足が止まり、それに応じてホロねーちゃんの足も止まった。ツヴァイはいきなりの足が止まったのに反応出来ずにホロねーちゃんの足にぶつかってしまう。…どうしたのかな?
すると前方から三体の萌えもんが現れ、ツヴァイ達の周りを囲む。その萌えもん達はフィーアねーちゃんの赤い服を青に変えた様な容姿だった。ただ、フィーアねーちゃんと違うのはこちらを見る目に優しさが無いこと。…感じるのは明確な敵意だ。
「おい、トレーナーさん。悪いけど今ここは通行止めなんだ。…痛い目みたく無きゃ引き返しな!」
「えっと…赤いギャラドスに用があるのよ。多分私の萌えもんだから」
囲んでいる萌えもんの一人がそう言ったのに対してホロねーちゃんはその萌えもんに対して説得をするが相手はそれに応じる気は無いみたいだ。
「…お前が姐御のぉ?嘘を言うな、姐御が話していた方は白いドレスを着てたらしいぞ」
白いドレス…。それは今のピクニックガールの服装になる前の服装だ。続けて囲んでいる萌えもんの一人が言った。
「後、胸が貧相らしいぞ。お前は胸が貧相だが服が違う。…引き返せ!」
そう言って周りの萌えもん達が笑い出す。…むむっ!失礼な!別にホロねーちゃんは貧相じゃないぞ!そう言おうとする前にホロねーちゃんが前にいるドライを手招きし、それを見たドライねーちゃんはツヴァイ達の側に来る。
そしてホロねーちゃんはツヴァイ達に小声で素早く呟いた。
「………相手はギャラドス。ツヴァイはまずアイツらにスパークで仕掛けなさい。そうしたら恐らくツヴァイに狙いが集まるからそうしたらボルトチェンジ。その後、ドライに前線を任せます。そしてまたタイミング見てツヴァイが仕掛ける…指示は任せて。基本はこのローテで行くわ。ツヴァイの電気技で相手を仕留めつつ、ドライで援護ね。…徹底的にやるわよ。一匹たりとも逃がさない様に」
「…了解です」
「え、えっと…はい!」
ツヴァイは余りにも素早い指示に戸惑いながらも応じる。でも相手の萌えもん達…ギャラドス達はツヴァイより大きいのに…えぇ、あれに突っ込むの…?
「…お前ら、とっと帰りな!こっちも無用な戦いはしねぇからよ!」
ツヴァイ達が話しているとギャラドスの一人がそう怒鳴った。それに対し、ホロねーちゃんは少し笑った。
「あ、すみません。すぐ帰りますから…ねっ!」
そう言ってホロねーちゃんはツヴァイの背中を押して、目の前のギャラドスに突っ込ませる。…あわわ、スパーク!ツヴァイは慌てて体に電気を纏い、体格の大きいギャラドスに体当たりする。
するとスパークを当てたギャラドスが呻き声を上げて倒れる。そしてギャラドスから離れる。まだ体の周りに電気が残っている。…あれ?ツヴァイってまだ電気を纏ってるっけ?いつものスパークならもう電気が切れてると思うんだけど…
「っ…コイツっ!」
仲間のギャラドスが倒れる様を見た残りのギャラドス二体が激昂し、こちらに向かってくる。そしてその様子に何故かホロねーちゃんとドライねーちゃんが驚いている。…え?ホロねーちゃんの話だとこうなる予定だよね?予定通り、ツヴァイはボルトチェンジで一旦引くよ?
あれ?
ギャラドスさん達…
身長が少し縮んだ?さっきよりも体格の大きい様に感じない…ま、いっか。ボルトチェンジだ。ツヴァイは電撃をギャラドス二体に放って一目散にホロねーちゃん達の所に戻る。そしたらドライねーちゃんが前に…
出ない。戻ったツヴァイをまじまじと見ている。あれ?どうしたの?早く行かないと…そう思い、ギャラドス達の方を見る。
「ドライねーちゃん、早くっ………え?」
「いや、もう充分…だな」
そこには倒れたギャラドスが三体いた。…あら?それを見たドライねーちゃんがそのギャラドス達から目を離し、ツヴァイの方を見てくる。
「ツ、ツヴァイ貴女…」
そしてホロねーちゃんもツヴァイの方を見て驚いている。…?あれ?何か…ツヴァイはホロねーちゃんの近くに寄る。
目の前が何時もの足…膝の辺りじゃない。これはホロねーちゃんの腰辺りだろうか。
あ、ツヴァイもしかして…
「…進化したのね」
………大きくなってるー!?