私は目の前が真っ暗か真っ白な状態になりかけていた。その直前に見えるのはワンピースを着た女の子と側にいる灰色の髪の大きなポニーテールの萌えもんだった。
どうしてこんなことになったのかしら…。私はここまでのことをうっすらと消えゆく意識の中、振り返る。
~
39番道路の戦いの翌日、私はアサギシティの萌えもんセンターから手紙に書いてある場所へと向かっていた。
「ここってジムじゃない…」
ケイブさんが用意してくれた手紙に書いてある場所を確認する。うん、ここで間違いない。
今、私はアサギシティの萌えもんジムの目の前にいる。本当か疑わしく手紙の場所の部分を二度見する。…やっぱりここだわ。
ケイブさんの手紙によるとここにライが強くなれる方法があるらしい。…まぁそれを直接聞いたというか教えてくれたのは彼のリリーラなのだけれど。
じゃあ、入りましょうか。ジムの入口から中に入っていく。…すると、中にいた一人の少女が入ってきた私に対して食い付いてきた。
「…あ、ジムにご用でしょうか…!」
「えぇ、ちょっとね…」
この子はジムトレーナーかしら。私がそう答えると彼女は嬉しそうな表情になる。
「…分かりました!少々お待ち下さいね。…こちらでお待ち下さい」
「あ、ありがと…」
彼女は私に対して椅子に座って待つように勧めてくる。私がそこに座るのを確認した彼女はジムの奥へと向かっていった。…ジムリーダーや大人の職員でも呼びに行ったのだろうか。暇なので待っている間にエレとライのボールを眺める。
…ヤドがいない。結局間に合わなかったか。今日の朝に萌えもんセンターの連絡システムを使ってドラ君に連絡しようとしたが、連絡は出来なかった。なのでヒワダの萌えもんセンターにドラ君宛でメッセージを残しておいた。…彼はまだヒワダに着いてないのかしら?
「…すみません!お待たせしました…どうぞ!」
先程の少女からそう告げられる。それを聞いた私は立ち上り、彼女の後ろに付いていく。…彼女は何処か嬉しそうだ。
内部を少し進み、彼女が扉を開ける。…その大きな部屋の中には方々に岩が置かれている荒野の様なステージが見える。そして彼女は奥側へと進んでいく。
…あれ?この状況、ステージはちょっと違うけど見たことあるわよ。
「…え?バトル?あの…私違うんですけど…」
そう言い、私は手紙を出そうとすると奥へと進む少女の足が止まり、ゆっくりと私の方を向いた。
「………え?」
「あ…これもう戦う感じですか!?」
「い、いえ…違うんなら良いんですよ…はい…折角決め台詞も考えたのに…」
少女が小さく呟きながら目に見えて落ち込む。さっき待ってた時にこれを準備してたのかしら。…まぁわざわざ用意したならバトルしても良いかしら。手紙はその後に渡せば良いかしら。…落ち込んでいる彼女を見るとそんな気分になってきた。
「…違うわ!バトルよ、バトル!さぁやりましょう!」
「…やっぱりバトルの方でしたか!分かりました」
私の言葉を聞いた彼女が再び奥へと向かって行く。そしてある所で止まった。…あら?そこは対戦者用の場所でしょ?以前、ハヤトさんがいた場所だったような…
「…では始めましょう!私はジムリーダーのミカン。使う萌えもんは…シャキーン!!………え、えっと…」
…え?あ、あら?まさかこの子がジムリーダーなの?ちょっとはアサギジムのこと調べとけば良かったわ。というかまずジムバトルなら技登録とかバトルルールは…。後、ジャッジもいないのだけれど…
「は、鋼タイプです…。ど、どうでしょうか?」
そんなことを考えていると奥の少女が赤面して私に聞いてきた。…え?ごめんなさい。
「全く聞いて無かったわ」
そう言うと彼女の顔が固まる。
「………」
「………えっと…」
「………お、お願い!ハガネール!」
「ええっ!?…お、お願い!エレ!」
彼女がボールを投げ、萌えもんを繰り出してくる。それを受け、私は慌ててエレを繰り出した。
~
「ハガネール…ですか」
ボールから出たエレが対面の萌えもんを見据える。相手の灰色のポニーテールの萌えもん…ハガネールはミカンさん…?ちゃん…?………ちゃんでいいか。ミカンちゃんと相談している。
「…あぁっ!?間違えてハガネールから出してしまいましたっ…」
そんな言葉が微かに聞こえた。それに対しハガネールは呆れている。しかしハガネールは軽く笑い、こちらを向く。どうやら戦う気みたいだ。
…ハガネールか。エレのあの技なら充分にダメージを入れられる筈だ。相手の攻撃も怖いがまずはこちらから仕掛けるか。
「エレ!瓦割り!」
「……砂嵐です!」
私の指示を受けハガネールに向かうエレの前に砂嵐が巻き起こる。その砂嵐にエレは一瞬怯むが構わずハガネールに向かっていく。
「っ、逃がしませんよ…」
砂嵐が吹いてようがハガネールの姿や影は私にもうっすらと見える。…よし!エレは相手の場所を把握出来ている…。エレがハガネールに接近し手を手刀の形にし、ハガネールに攻撃する。
ハガネールはその攻撃に対し、少し下がろうとしていたがそこに留まった。…それならエレの攻撃は当たる…!
「…はぁっ!」
ガギィィィン!!!…部屋全体に嫌な音が聞こえる。その音に怯んだエレが攻撃に使用した右手を擦りながら後退しようとしている…。一方のハガネールはちょっと体を揺らすだけだ。
………これは効いているのかしら?でもエレの方が痛がってる様な…
「…アイアンテール!」
「………エレ!一旦…」
しまった。そんなことを考えてる場合では無い…!砂嵐の中、ハガネールのアイアンテールがエレを襲うのが見てとれる。そしてエレがこちら側に吹き飛んでくる。…大丈夫だろうか。鋼技だ。電気タイプのエレならまだ…。
しかし私の甘い予想は覆される。
「ま、まさかっ………くっ…」
吹き飛んだエレが膝を付き、そして倒れる。………ええっ、そこまで重い一撃だったの!?攻撃後に怯んだ状態でも無かったのに…私はエレが起き上がらないのを確認し、ボールに戻す。
そして私は二体目のライを繰り出した。ライはボールから出ると私にこう告げた。
「マスター、とりあえずあの嫌な音は警戒かな。ま、あのレベルなら近くじゃないとあんまり影響は無さそうだけどね…」
「嫌な音…?………あっ!」
ライの言葉で私は先程の嫌な音が鳴ったことを思い出す。…瓦割りの攻撃後に近くにいたエレは嫌な音をモロに聞いてしまったのか。だから防御が落ち、アイアンテールが致命傷になったのか…
「…もしかして今気付いた?」
「うん…。ライはどうにか出来る?」
私の様子から今気付いたのを察せられた。で、ライはどうにか出来るのだろうか…。私の問いに少し悩みライが答える。
「………んー、音は大丈夫だけど…問題はあの萌えもんの硬さだね。…こりゃキツいかもね。ま、やれるだけやってみようか」
ライが軽く笑う。そしてまだ吹き荒れる砂嵐の中に入って行った。…大丈夫かしら。
「…ハガネール、来ますよ。岩落とし!」
「…岩技は不味いっ!…ライ!」
上空から幾つかの岩が落ち、砂嵐の中に混ざっていくのが見える。視界の悪いこの状況で岩技は危険だ…!私はライに呼掛ける。
キィン!………キィン!………キィン!
今度は先程よりは軽い音が続けて鳴る。そして砂嵐の影から見えるのは幾つかの落ちていく岩…それを高速で避けながらハガネールに近付いて攻撃を加えて離れ、再び接近し攻撃も加えているライ…そして………
微動だにしないハガネールの姿だ。
「…ハガネール、続けて岩落としを」
その様子をミカンちゃんも確認したのだろう。更に追加の岩が降り注ぐ。キィン!………また軽い音が鳴り、ライが砂嵐の中から出てきた。…良かった、ライはまだ動けそうだ。そのまま私の元に戻ってくる。
「…ん、キツいねー。ダメージ入ってるのかな、アレ」
「ライの今の技は辻斬りよね。…急所は狙えない?」
ライの話す様子と先程の情景からは辻斬りはハガネールに対して大きなダメージになってなさそうだ。なら急所を狙うしか無い…他にハガネールに有効そうな技も無いしね。
「…ま、やってみるよ。…じゃ!」
私の指示を受けたライが再び砂嵐の中へと入る。…そしてライの影がハガネールに交差する。
キィン…!
先程よりも二つの影が近い時間が長く、離れる際にまた軽い音が鳴った。そして離れようとしたライが岩を一つ避けるが他の違う岩に当たり、素早く動いていた影がスピードを落とす。
そして砂嵐が晴れると…
倒れるライとその姿を見下ろすハガネールの姿があった。
うーむ、バトルは描写長くなるなぁ。まぁそもそもしっかり書けているかも微妙ですが…。
…とりあえず頑張って書いていきますー