んー。
これは甘い罠だったねー。まー、抜け出す気もないけどさー。
つーは新たな飲み物を差し出してくるヤドンからそのまま飲み物を受取って、口にするー。…すると木の実ジュースの甘い味が口一杯に広がるねー。いやー、素晴らしいねー。
「どうもー」
「いえいえー、所で主人さんはよろしいのですかな?」
飲み物をくれたヤドンからそんなことを聞かれるー。主人さん…ドラちゃんかー。そういえばどうしてるのかなー?気になり辺りを見渡すー。
「だから僕はお酒は駄目なんだよ…」
「まぁまぁー、ほれー」
「ほれー」
「や、止めてくれ…な?」
「…なら一発芸を!」
「…ええっ!?そ、そんな…」
そこにはヤドン達に弄られているドラちゃんの姿があったー。…はー、これはこれはー…
ドラちゃんも困ってはいるけど本気で嫌がってる感じではなさそうだねー。…それを分かってるからヤドン達も弄ってるのかー。へー、そっかー。
「ねぇヤドンちゃんー、もう一杯…良いかなー?」
「どうぞ、どうぞー」
飲み物をくれたヤドンに今度はつーから声を掛け、つーはヤドンが持ってきた飲み物を再び口にするー。…んー、相変わらず甘くて美味しいねー。
んー…行くかー。
つーはドラちゃんを中心としたヤドン達の集まりのなかに入りその中心にいるドラちゃんの首根っこを掴むー。…優しくねー、もし力入ってたらごめんー。そして周りのヤドン達に告げるー。
「…ん?」
「ごめんねー。あなた達のお頭…さん?にご用があるのでまた今度ー」
そう言い残しドラちゃんを引っ張り集まりの輪から抜けるー。引っ張っているドラちゃんはヤドン達に何か言って手を振っているねー。まー、どうでもいいけどー。
「…つー、どうしたんだ?そんな強引に…」
「…別にー?飲み物を飲んだからかなー?分かんないやー」
引っ張られながらもドラちゃんがつーに聞いてくるー。が、それをつーは適当にはぐらかすよー。
「飲み物…酒でも飲んだか…?大丈夫かつー?」
「…んー、分かんないやー」
まー、勝手にそう解釈してくれればいいやー。ドラちゃんを引っ張りながらヤドを探してー、見つけたのでそちらに向かうー。
こうやって大胆にドラちゃんを引っ張っているのは酒のせいー。
…そういうことにしておくかー。
~
「………お前が本当にここの長になるつもりなら儂は今までのことを水に流してお前を認めよう。だが…」
…あらー?何かヤドともう一人の萌えもんが一緒即発な雰囲気だねー。あわあわしているろすろすだけが唯一の救いだよー、本当ー。…ドラちゃんも雰囲気に呑まれ黙ってるしねー。
ま、つーにも関係無い話かー。黙って二人の話を聞いてようかー。
「な、なりますぞー…」
「…お前にその気は無さそうだな」
「っ………」
………ふーん。ヤドが押され気味だねー。珍しいもんだー。
「…ヤドキング」
先程からヤドと話している兜の様なものをつけた萌えもんがそう呟くとヤドがピクッと反応するー。依然として相手ペースだぞー、頑張れーヤドー。
「そんな力を得て外で何をするつもりだ。お前が無用に力を振るうとは思えんがな…」
「火炎放射、冷凍ビーム、草結び、シャドーボール、シグナルビーム、電磁波…サイコキネシスに熱湯も教えたな。お前の全ての技は挙げきれんがこれだけあっても足りないのか…」
「………」
…えー?
………えー?何それはー?それを聞いたろすろすとか自分の頬を叩いてるよー。………その気持ちは凄く分かるー。
「………足りない」
つー達が驚いている中ヤドが呟くー。…いや、まずさっきの話の否定からお願いしたいなー。………まさか本当だったりするのかなー…?
「足りないですぞ。ヤドラン」
「………ふ、随分と欲張りだな。強さに無欲なお前にしては珍しい」
ヤドの呟きに対して相手の萌えもんヤドランが鼻を鳴らしヤドの方を見てるねー。…あ、ろすろすー。もうさっきの話は本当らしいから頬を叩くのは止めなさいー。
「ヤ、ヤドはっ…!」
「 貴女が使えるあの技が欲しいっ…!」
「それが無いとアイツには勝てない…!マスターや皆を守れない………!」
ヤドが顔を伏せながらそう言葉を続けるー。…普段の感じからは想像できない必死さだねー。
「………他者の為…か。ここを逃げ出してから変わったな」
アイツー…?誰だろー?で、逃げ出したとはー?うーむ、話に付いていけないよー、つーはー…
「…おい!そこのトレーナー!」
「…は、はいっ!」
ドラちゃんは急にヤドランに声を掛けられておどおどしながら答えるー。………ドラちゃんを怖がらせるのは止めようね、ヤドランさん。
「話がある。ちょっと来い。…後お前もだ」
「…分かりました」
ヤドランが顔を伏せてるヤドを掴む。そしてヤドを掴んだまま、ドラちゃんを連れて奥の階段へと降りようとする…
降りる前に振り向き、つーの方を見てこう言った。
「…そこの萌えもん、先程のトレーナーへの呼び方は悪かったな」
…別に。つーは気にしてませんから。只ドラちゃんはビビりだからね、しょうがないね。うん。
「………安心しろ。別に危害は加えん。だから落ち着いて待っていろ」
…あら、つーは別に落ち着いてますけどね。何を言ってるんでしょうか、このヤドランは。
「………別にー。どうぞ行ってらっしゃいー」
つーがそう言うとヤドランはつーの方から顔を背け、ヤドを掴みながら階段を降りようとする。ドラちゃんはつーとヤドランを交互に見ている。
大丈夫だよ。ドラちゃん。別につーは気にしてないからね。ドラちゃんに早く行くように手でそれっぽくサインを送る。その様子を見てヤドランが軽く笑う。
「…ま、手篭めにはするかもしれんがな」
そして降り際にそんなことを言い残してヤドラン達は下に降りていった…
…あー。
つーはあのヤドラン嫌いだわ。何かつーのこと見透かしてる感じがいけ好かないなぁ。