[地下洞窟報告ファイル]
・地下洞窟内エンジュシティ付近(仮)について
ここではエンジュシティ内の焼けた塔跡地付近からの地下洞窟の詳細について述べる。尚、洞窟内の区分は執筆当時詳細がはっきりしていないため仮と表記する。中は地盤がしっかりしており、気温は少し高く蒸し暑いが捜索活動には影響無いレベルである。
萌えもんの生息分布に関しては気温の関係か炎萌えもん…マグマック、ドンメル、個体数は少ないがコータス、ブーバーが確認された。他にはドガース、イシツブテの生息を確認した。この分布を見る限りでは一般的な火山付近の萌えもん分布に類似しているがジョウト地方のこの一帯では火山等は確認されておらず、何故この様な生息分布になっているのかはまだ調査を進める必要がある。
[チョウジ萌えもん研究所地下洞窟捜索部職員ケイブ]
俺はチョウジから一番近い地下洞窟の入口…焼けた塔跡地付近で調査を進め、洞窟内部で報告ファイルを書き進めていると俺のズボンをグイグイ引っ張る感触に感づき、下を向く。そこにはアノプスが涙目でこちらを見ていた。
「…悪い。ケイブさん、毒消しをくれー…」
「またか。…あの薬ももう少ないんだぞ」
俺はそう愚痴りながらもリュックから秘伝の毒消しを取り出しアノプスに与える。これは前にタンバの薬屋で購入したものであり、市販の毒消しに比べ使用後少しの間毒耐性が付く優れものだ。
「…ったく、リリーラは何してんだ。アノプスを見とけって言ったんだが」
「…あー、その…あそこで」
アノプスが軽く笑いながら奥の方を指差す。それの指差している方向を俺は見る。
そこにはまだドガース二体と戦うリリーラの姿があった。俺はリリーラに指示を出そうとするがその前にドガースの技『スモッグ』がリリーラを襲った。二体同時だからか毒の霧の範囲が広く回避は困難だろう。
…しかしリリーラは息を止めて姿勢を低くしドガース二体に急接近。その動作に驚くドガース二体の頭上に岩を落とした。…その名の通り岩落としを使ったのだろう。岩を頭に落とされたドガース二体は目を回している。…戦闘不能だ。…リリーラはそれを確認するとドガースから目を離しこちらを向く。
「………」
「リリーラは大丈夫…そうだな」
「流石だぜ!」
…流石だぜ!じゃねーよ。お前のせいで一対二になってんだぞ。俺はリリーラに感謝の言葉を述べる。
「一対二でよくやってくれた。指示無しで悪かったな………ん?」
「………」
俺がそう誉めるとリリーラが倒れているドガース二体の後ろを見ているので俺もそちらを見る。
すると奥でドガースが三体が目を回して倒れていた。あ、これは…
「…一対五じゃねーか!…アノプス、お前そういう時は声掛けろって言っただろ」
「いや、俺一体は倒した!」
「…そういう問題じゃない。何であんなのに挑んだんだよ」
「いや、だって…」
「………」
アノプスと話しているとリリーラは岩陰に避難させていたのだろうか…倒れている少女を出してきた。どうやら野生の萌えもんとの戦闘の間は隠していたみたいだ。
そしてリリーラはその少女を肩に背負い、担ぎ上げこちらに向かってくる。…いやお前その持ち方は女の子としてどうなんだリリーラ。
「あー!そうだ!」
「何か女の子倒れてたから助けようって突っ込んだよ!ケイブさん!」
…アノプス。こいつには報・連・相ってのを徹底させよう。俺はそう心の中で誓ったのであった。