[雑記メモ]
ロケット団の件-○。
とりあえず急ぎの問題は無し。嬢さんの安否には気をつけよう。出来れば萌えもんセンターの連絡システム以外の連絡手段が欲しい所だ。…ポケギアでも買ってやるか?でも勝手に用意するのもな…。
仲間のこと-△。
来てから考えるしかない。俺が呼んだにしても数が多過ぎる。………俺が指揮出来るキャパシティを優に越える。…ま、仲間同士の仲は良いからそこら辺の問題は大丈夫だろ。
地下洞窟のこと-×。
ヤバい。絶対ヤバい。普通なら笑い話として流すが所長が話すってことは本当の可能性あり。現在判明しているのがエンテイがエンジュ付近、スイクンがジョウトから北にあるホロン地方のカンナ付近………ならライコウは南側か…?安易な推測だがある程度決め打ちしないと時間が足りない…かもな。
[ケイブ]
「…ケイブさん!」
うわぁ…纏めると面倒臭いことが多過ぎる。自分が書き込んだメモを見てそれを実感する。
「…ケイブさん?」
こうやって考えを文字に起こすのは俺の癖だった。文字に起こして見てみると問題が見えやすい様な気がするのだ。とりあえず地下洞窟だ。早くしないと…
「…姉さんが呼んでんだろーが!このおっさん!」
「あっづ!!…な、何だ!?」
「…フィーア!?」
急な背中の熱気に俺は身をよじる。そしてその熱気の発生源…不機嫌そうな赤いつり目と赤い長髪の萌えもんが俺を睨んでいる。側には先程考えていた嬢さんの存在もあった。
嬢さんがその萌えもんに近づき、何か話すとその萌えもんは熱気を収めた。…だが俺を睨む視線は変わらない。
「…すみません!私のフィーアが…!」
「だ、大丈夫だ。………それが赤いギャラドスか」
正直大丈夫じゃないような強さの熱気だったが、俺は痩せ我慢をしてそう答える。
「はい。名前はフィーア…この子は炎と水タイプです」
「………ふーん。普通のギャラドスでも火を吐くことはあるらしいし、今回は結構普通…だな」
俺の専門分野ではないが、熟練のトレーナー同士の対戦ではギャラドスに炎技を習得させる場合があるという話を聞いたことがある。今回は嬢さんのワニノコやドライに比べればまだ納得できるタイプな気がする。
「………でも炎の方がメインです。この子しか使えない技もあります」
「…ほう。例えば?」
「えっと…」
嬢さんが赤いギャラドスの方を見る。すると彼女がむすっとしながら口を開いた。
「凄い技なら…スチームバーストとフニッシュバーンだ。使いたくねーけどな」
「…何だそりゃ。聞いたこと………」
………いや、前者…スチームバーストは聞き覚えがある。確か物凄く熱い蒸気を相手に浴びせるとかそんな技だったか?噂で聞いた話でしか無いが………
「…あるわ。確かかなりのレア技だろ、それ。俺も生で見たことないぞ」
「今使ったぞ、おっさん。一応、姉さんの信頼する人らしいから手加減はしたが」
「………あれかよ!レア技の癖に随分安売りだな!?」
赤いギャラドスがあっさりと答える。メモに熱中していた時に食らったあの熱気か………。前言撤回、こいつもかなり異常だ。
「なぁ?えっと…ギャラドス?」
「フィーアでいいぜ」
「じゃあ…フィーア。フニッシュバーンって何だ?」
後者の技…フニッシュバーンは聞き覚えのない技名であった。もしかしたら俺には馴染みのない分野の知識かもしれない。…興味が湧き、彼女に問う。
「アタシの中の全エネルギーを炎に変えてぶちまける。…以上」
「…大爆発みたいなものか」
「違うな。体力じゃねー、エネルギーだ」
「…使うとマジで疲れる。回復薬でどうにかなる話じゃない」
「………一度使うと暫く寝たきりになります」
フニッシュバーンの解説に嬢さんが付け足した。………俺にしてみれば体力とエネルギーって何か違うのか?と思うが二人の真剣な口振りと表情に野暮なことは言えない。
「…凄い技ってのは分かった。ありがとう」
「………」
「おい、どうした?」
フィーアが俺をじっと見ている。まるで値踏みをしている様だ。体の隅々まで見ている。
「姉さん、流石に趣味悪いっすよ」
「………え?」
「何度も助けて貰って信頼してるからってねぇ…おっさんじゃないですか。惚れるのは不味いですって」
「………え?フィーア?」
何かフィーアと嬢さんがコソコソ話し出した。…時折俺を指差している。近くにいるんだから直接話してくれよ、指差されるのはちょっと傷付く…。
「えっと…惚れるとか…じゃないわよ?」
「えっ!?…でも姉さんが初めて家族以外で男の人信頼してるじゃないですか」
「…い、いや!でも違うし…」
「えー!折角箱入りまな板娘の姉さんにようやく春が………」
「誰がまな板よっ!!!」
ゴゴドゴゴゴ…!!!!!
「………え!?」
木々が、大地が揺れる。周りの人々が慌てている。
「…これは」
この音、揺れは…
一月…いや、一月半くらい前の地下洞窟が見つかる原因となった…
あの地震と似ている。
…分かった。
彼等だ。間違いない。
周囲の人々や目の前の嬢さん、フィーアが慌ててる中………俺はこんな危険な状態なのに心が踊っていた。
まるで地震の揺れに呼応する様に。