目を覚まして辺りを見回したとき、私が今どこにいるのか一瞬分からなかった。
…それから周囲を見回して、ここが萌えもんセンターなのではないかと私は推測した。
そして意識がはっきりしてくると私は腰の萌えもんボールがあるであろう位置に触れる。ボールは一つ。しっかりとあるようだ。
ほっと私が安堵していると目を覚ました私に気付いたのか隣にいる無精髭を生やした男が話しかけてきた。
「嬢ちゃん、大丈夫かい?ここはエンジュの萌えもんセンターだ。あんたは地下洞窟で倒れてたんだよ」
「エンジュ…?確かジョウトの…」
徐々に洞窟内でのことを思い出していく。いつだろうか、洞窟の壁がひんやりしたものからほのかな熱気を持ち始めた頃、複数の萌えもんに襲われて応戦するがツヴァイが毒を喰らったため、その場を離れようとして…
「…!私の萌えもんは!?確か毒を…」
「安心しろ。職員に渡して回復は終わってる筈だ」
良かった。ツヴァイは大丈夫みたいだ…。ボールの中のツヴァイを見る。…大丈夫そうだ。
「すみません…。ありがとうございます」
「感謝するなら俺の萌えもんにな。リリーラが見つけてくれたんだ。ほらっ、出てこい」
男はボールを投げると光と共に萌えもんが現れる。どうやらこの子が私を助けてくれたようだ。
「ありがとうね。助かったわ」
「………」
お礼を述べるが彼女は全く表情を変えない。聞こえているのだろうか。表情からも何も読み取れないので私は諦めて男の方に話しかける。こちらはしっかりとした受け答えで応じて話を続けてくれる。
「…ま、大丈夫そうなら俺は行かせて貰うぜ。別に礼が欲しい訳でも無いしな」
…暫くここエンジュシティ付近の話していると男はそう言い立ち上がる。彼にとっては退屈な話だったのだろうか、私は少し申し訳ない気分になる。
「いえ…、何かお礼を…」
「要らねぇよ。大人しくしときな。…そんな服装してるがあんたは華奢過ぎる。体を休めるんだな」
私はびっくりして声を上げそうになる。こ、この人まさか…
「ね、ねぇ…私が倒れている間に…み、見た?」
「…はぁ?何をだよ?」
「だって華奢ってことはその…色々」
「あー…見てねぇよ!俺にそういう趣味は無い!…嬢ちゃんその疑いの視線は止めてくれないか。…リリーラお前もな、何時もより眼光強いぞ」
隣の萌えもんも彼をじっと見つめていた。睨んでいる、そんなレベルだ。
「と、とにかく俺は行くからな!お大事に!」
そう言うと男はそそくさと萌えもんセンターから出ていった。
私の勘違いで悪いことをしてしまったかもしれない。…でもいきなり華奢だとかデリカシーが無いと私は思うのだけれど…
「………」
外に出ていった男に続いて彼のリリーラも私に一礼した後、外に出ていく。…彼を追いかける先程は表情一つ変えない彼女の顔は少し怒っている…?みたいに見えた。