泉原氏、突如やる気の消失が起こる。
しかし、時間は掛かったものの、完結させると決めたからには有言実行目指して、復活!
紫は扇子で口元を隠しているので、表情は読めない。
まぁ、私ってば人の表情から意図を読み取るとか凄い苦手だから、たぶん隠してなくてもわからないだろうけどね。
それに紫の性質もあるだろう。
彼女の浮かべる微笑みはその真意をわからなくさせる。
だからこそ、警戒すべきなんだろうけど…。
仮にも助けられたわけだし。
深く考えるの苦手だし。
よし、自分の直感に従おう!
いや、うん。
ここにお母さんがいたら『アンタの直感は毎度ろくなことにならないでしょ』なんて言われそうなものだが。
私からそんなお母さんに言わせてもらうとするならばこう言わせてもらおう。
そんなことないし!私の勘だってたまには当たるし!
ということで、紫に対しての私の警戒度はほぼゼロだ。
そもそも、私は生まれてこのかた疑うことに成功した例がない。
何かを誤魔化されても疑いもしないので
小さいときは私が怒っていても『ほら外見てー、ウシさんいるよー』なんてお母さんに言われたら、『えー、どこー?ほんとだー!』という具合に怒っていたことを忘れてしまうことが多々あった。
周りに素直な子だねと言われて育ち、高校に入学後も素直ないい子と言われていた私。
…いや、正直こう思っただろう。
それって素直っていうか、ただのバカじゃね!?
うん。私もそう思う。
とにかく!
そんな天才と紙一重な私が考えても、あまり意味はない!
早々に結論づけて紫を信じることにした。
でも、その前に!
「さっきも言ったけど、私、戦う力ないよ?」
命乞いの途中だったからね!
とりあえず作戦は『いのち だいじに』で行こう!
「そんな言葉を易々と信じるようでは、この幻想郷は守れませんわ」
ですよねー!!
はーい、知ってますともさ!
でもさ、でもさ。
こんなのどうやって説得すればいいのさ!
語尾が全部○○さになる前になんか打開策を…。
あ、そうだ。
「どうしたら、証明できる?」
聞けばいいんじゃん。
いや、普通は相手に聞かないだろって?
だって他に聞ける人いないし。
なにより私が思い浮かばないし!
えへん!参ったか!
…虚しくなってきた。
「…それを私に聞くの?まぁ、いいでしょう。そうね、あなたの能力を見せてくださいな。あの暗闇妖怪にしてたやつ」
「え」
「なにか問題でも?」
「いや、問題っていうか…。…りんごで、いい?」
「えぇ」
なんで、ここでりんご(以外の飲食物も可)製造機としての能力を…。
…ハッ!
さてはお腹減ってんだな!
なるほど、なるほど!
よし、それなら大きいりんごをご馳走しようじゃないか!
紫に当たったりしないように左側を向いて。
出てこい!巨大りんご!
うんと大きなりんご!
それでいてめちゃウマなりんご!
ドスンと音がした。
目の前にあるのはそれはもう大きなりんごで…
高さ1.5メートルはくだらない上に、横幅は私が腕を回しても全然届かないだろう。
うん。ちょっとやり過ぎたかな!
なんか右側(紫がいる方)から、ジトっとした視線を感じる気がするなって、思ったり、思わなかったり、やっぱり思ったりしたりしてね。
…えへへ。
「貴女ねぇ。りんご出すとか言っておいて、なんでこんなクリーチャー産み出すのよ…。」
えっと…
「…味はいいと思う。」
「そういうこと言ってるんじゃないわよ!」
「ごめんなひゃい!」
ゴッ!
「~~~っ!」
思わず土下座しようとしたら焦りすぎて滑っておでこぶつけて悶絶中パート2。
「…まったく、なにやってるのよ。なんか疑うのが馬鹿らしくなってきたわ。人間のようで、どこか人間とは違う変な存在がやって来たと思ったら、中身の方が変だなんて…。能力もおかしなものだけど…。」
…ん?
今なんか重要なこと聞いた気がする。
中身が変だとか、かなり失礼なこと言われてたけど、多少は変わってる自覚あるからいいよ!
いや、それよりさ。
「私、人間じゃないの…?」
待っていてくれた方が一人でもいるならごめんなさい。
これからも急に更新なくなる時がくるかもしれませんが、生きている限り、また再開しますのでよろしくお願いします。
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