転生とかもっとこう・・・なんか違くね?   作:九十九夜

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出自とか・・・なんか違くね?

おぎゃあと泣いて出た先には金髪の美女がいた。あ、あと年季の入った産婆らしき人も。

 

ゴシャアアアアアっ

 

そしてそこに駆け込んでくる父親らしき人物。

正確には駆け込んでくるというよりそこに現れると言った方がいい。なんせ見た感じ瞬間移動だったから。

ただ今回は本人曰くマーキング?の位置をミスったらしくマーキングとやらが書かれていた壁をものの見事に破壊、風穴を開けていた。

当の本人は「床と壁の強度が足りなかったか。くっ。」とか言って自分が落ちた穴から這い上がってきた。

いやそもそも普通に走って来いよ。なんで床板と壁に穴開けるような登場の仕方すんだよ。

当然産婆は驚く、てか、怒り狂った。

父親らしき人物の襟首を掴んで持ち上げ、ものすごい勢いで揺さぶる。

 

「チョットオオオっ何してんですかあんたあああ!ここは男禁制だって言ったでしょう!!てかこの壁どうしてくれんのよおおおっ!?くれぐれも内密にってあんたが言ったんでしょうがああああっ」

 

そのとき「うっ」と自分の母らしき人が呻く。

その声を聞いた産婆が手のひらを反すかのように父親をポイっとまるでゴミクズか何かのようにその場に投げ捨てると母親に我を抱かせた。

 

「おお、なんと利発そうなおのこか・・・これで・・・。」

 

言って母親の力が抜けていくのが分かった。

え、ちょっと待て、待って、ねえお母さん。

 

産婆が悲鳴じみた声で医療班を呼ぶ声が聞こえた。

 

倒れていた父親も慌てた様子で駆け寄ってくる。

 

「理人?理人っ。おい、返事を―――」

 

バタバタと待機していたらしき医療班?の人々が母親に駆け寄っていく。

 

結局我がその人と再会したのはその人の納棺の時だった。

 

 

 

 

□ ■ □

 

 

 

 

我は泣くことも騒ぐこともせず棺と参列者を見る。あ、初代火影だ。

初代の嫁は赤毛の美人だった。うずまき一族とかいうところの人らしい。夫婦は共に泣いていた。

ポタリと何処からか水滴が頭に当たった気がする。思わず身じろいだ。

いや、どう足掻いても手は届かないのだけど。

そして現在我を抱えている腕の持ち主。上を向くと目に入ったのは二代目火影だった。

いや、今は初代どころか木の葉隠れとかいう里すらもない状態らしいのでそのまま本名で千手扉間というおっさんである。ちなみに今生での父親だ。

じっと見つめていると何を勘違いしたのか驚いたような顔のあとすぐに微笑んで腕の力が強くなった。

く、ぐるじいっ。

・・・もしかしてこの者我が我であることを既に感づいているのではなかろうか。

 

 

 

□ ■ □

 

 

 

 

息子が生まれた。妻が死んだ。

 

そんな事実を胸中で反芻する。

 

産まれたばかりの息子を抱き締めながら、妻だった女の納まった棺に百合の花を敷き詰めつつ扉間はぼんやりと思考する。

 

―――第一印象は哀れな女だった。

 

うちは程ではないものの長年の敵対してきたある一族からの戦利品。

それが彼女、理人だった。

その場限りの和平のために出された政略結婚の駒。

向こうはかなりの数の子がいたがために、惜しくはないとばかりにこちらによこされた。有体に言って、生贄。

しかも長兄である柱間は既に妻帯しており、次男であった自分のところにという微妙なポジション。

その時の彼女の心情は迎える側だった扉間には計り知れないが、恐らく穏やかではなかったことだろう。

 

―――強情な女だった。

 

一度これと決めたら梃子でも動かないような女で、意見が衝突したことも一度や二度ではない。

結局自分が折れるところまでがテンプレートのように決まっており、ああ、こいつも兄者と同じタイプなのだったなと幾度溜息を吐いたことか。

 

―――我が儘な女だった。

 

まわりが嫁に入ったのだからとあれこれつける注文に臆することもなく、平然と男に交じって意見をいい、いっそ苛烈とまで言われるかのごときその振る舞いと制裁は良くも悪くも一族を盛り上げた。まるでお前の色の染まるんじゃない、お前が私の色に染まるんだっと言わんばかりだった。

 

だから、

 

だからてっきり、戦場か、もしくは老衰とか、そういった最期を迎えるものとばかり思っていた。

そのためなのか、彼女の亡骸を目にしても悲しみとか遣る瀬無さとか以前に実感がわいてこなかったのだ。

 

平然としている自分を最低だ、と扉間は思う。

 

しかし、そんな言葉も何処か浮いていて。空々しかった。

 

自分が酷く醜い生き物だと考え出した時、ポロリと何か、暖かいものが頬を伝った気がする。

と同時に腕の中の息子が身じろいだ。

 

こちらを向くその顔には雫が伝っている。

 

思わず驚いた、俺は今、泣いているのだろうか。

 

息子の手が、俺をいたわるかのように動く。

恐らく偶然だろうが。そこに確かにどこまでも身勝手だったが、同時にどこまでも愛情深かった理人を見た。

 

 

息子は俺に、本当は妻を愛していたのだという事を教えてくれた。

 

なるべく不安がらせないように笑顔を作って息子・・・鏡間を抱えなおした。

 

こいつだけは、何があっても守ろう。

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